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処刑執行

処刑当日15

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「お前に何がわかるんだよ!」

ライズがロイにつかみかかる。

「こんな事してるうちに、セバス殿が稼いでくれた時間が消えているのは分かるさ」

「ねえ、ライズ。別れ際のお爺さまの顔思い出してみてよ」

「笑ってたな」

ライズは、シズナの言葉にセバスの姿を思い出す。
ロイ掴みかかった手を離すと、自分の頬を思い切り叩いた。

「今は逃げるけど、絶対に反撃し返すからな!」

「もちろんよ」

(セバス隊長、あなたのお孫さん達はもっと強くなりますよ)

ベンダーは2人の姿を眺め、そう感じた。

「落ち着いたところでさっさと行きましょう。時間がもったいない」

ロイの言葉で感情に浸る暇もなく、全員が動き出す。

「このまま、関所を突破して隣国に向かいましょう」

シズナが当初の計画の通りに、関所をぶち破って突破しようと話す。

「それですが、やめましょう。レム様のことをマルクスが狙っています。王族が関わっているなら動かせる兵力も段違いです。シズナさんの想定している以上に、関所は固められているでしょう」

「そうだな。我々の処刑にらレグロスの配下とドンベルの配下しか動員されていなかった。それに、暴動が起きたというのに、騎士団達の増援も少ない。この城下から兵が出払っている可能性は高いと思う」

ベンダーが、ロイの推測を裏付けるように話す。

「どうすんだ。玉砕覚悟で突っ込むか?」

「ユード様と懇意にされている辺境伯がいます。そこに身を隠して、体制を整えましょう」

「大丈夫なのかよ」

「レム様を救うために、ユード様を介してコンタクトは取ってあります。問題なのは、そこに逃げ込むのが見つからないかということです」

「ここから、どれくらいかかるの」

「馬を走らせて、2日といったところだ」

「まだ、霧が出ているとはいえ、2日も追ってに見つからないかしら」

「私が囮になろう」

「死ぬつもりか?」

ついさっきまで死ぬつもりで、セバスを助けに行こうとしてたライズが、ベンダーにつっこむ。

「この命は、君たちに救われた。君たちのために使うことに悔いはないよ。それにセバス隊長に君たちのことを託された。ノエルにだけ伝言を頼んでもいいかな」

「伝言ではなくて、直接聞かせてくださいよ」

驚くベンダーの視線の先には、茂みから姿を表したノエルが立っていた。

「なぜここにいるんだ」

「俺が連れてきました」

「ロイはノエルさんのこと知ってたの?」

「いいえ。道中で倒れていたこの方の魔力がライズから感じた魔力と同じだったので協力者だろうと連れてきました」


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