62 / 89
処刑執行
処刑当日④
しおりを挟む
「じじい・・・」
処刑場の広場の外れに息を潜めるシズナとライズが、磔にされているセバスを唇を噛み締め声を殺しながら見ている。
「シズナ、もういくぞ!」
「まだダメよ。待って」
今にも飛び出したい気持ちは痛いほどわかるが、シズナはライズのことを止める。
『コツン、コツン』
「ぐずぐずしてたから見つかっちまったじゃねえか!」
ライズは背後から聞こえた足音に反応しウィザードガンを構える。
「ライズ、それ下ろしていいわよ。彼女を待っていたのだから」
シズナに言われたライズは、理解はできていなかったがシズナを信用し銃を下げた。
「さすがは魔法部隊の部隊長様だ。身体も軽いし、魔力量も跳ね上がったぜ」
国に使える立場のノエルが、反旗を翻すべく準備をしているライズに魔法をかけている。
「あなたの潜在能力の一部を強制解放したわけだから時間制限もあるし、反動が辛いわよ」
「サクッと終わらせるから大丈夫だろ。それに後のことなんか気にしても意味ないしな」
「あと、補助程度だけどステルスもかけておくわね。探知されるリスクも減らせるはずよ」
ステルスをかけられたライズはどこか存在が薄くなったように見られる。
「力を貸していただいて感謝します」
シズナの言葉にノエルは申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「いえ。この程度のことしかできずごめんなさい。私には貴方達のように国を敵にまわす程の覚悟はできませんでした」
「俺達と違って国に仕えてるんだからしょうがねえよ。下手したらあんたの部下達にまで被害が及ぶかもしれないだろ。自分の感情で動いていい立場じゃねえもんな」
「ライズの言う通りです。でも、任せてとは言いませんよ。私たちはおじいさまを助けるために動きます。なので、ベンダーさんの救出がうまく行かなくても恨まないでくださいね」
シズナはあくまでもセバスの救出が目的で、ついでにベンダーも助けるだけだとノエルに伝える。
「もちろん分かっています」
ノエルは国が間違っていることを理解しつつも、巨大な敵に立ち向かえない自分に対して、気を遣ってくれる自分よりも年下の2人に対して恥ずかしい気持ちでいた。
「死なないでくださいね」
ノエルは最後に一言いうとその場から立ち去った。
「そろそろ行こっか」
ノエルが立ち去り時間を数分空けたところでシズナが言う。
「あぁ、そうだな」
ライズは戦闘準備を整えタイミングをずっと持っていた。
「生きて帰るわよ」
「当たり前だろ」
2人はお互いの武器を手に取り、『カン』と軽く合わせるとその場からバラバラに離れた。
処刑場の広場の外れに息を潜めるシズナとライズが、磔にされているセバスを唇を噛み締め声を殺しながら見ている。
「シズナ、もういくぞ!」
「まだダメよ。待って」
今にも飛び出したい気持ちは痛いほどわかるが、シズナはライズのことを止める。
『コツン、コツン』
「ぐずぐずしてたから見つかっちまったじゃねえか!」
ライズは背後から聞こえた足音に反応しウィザードガンを構える。
「ライズ、それ下ろしていいわよ。彼女を待っていたのだから」
シズナに言われたライズは、理解はできていなかったがシズナを信用し銃を下げた。
「さすがは魔法部隊の部隊長様だ。身体も軽いし、魔力量も跳ね上がったぜ」
国に使える立場のノエルが、反旗を翻すべく準備をしているライズに魔法をかけている。
「あなたの潜在能力の一部を強制解放したわけだから時間制限もあるし、反動が辛いわよ」
「サクッと終わらせるから大丈夫だろ。それに後のことなんか気にしても意味ないしな」
「あと、補助程度だけどステルスもかけておくわね。探知されるリスクも減らせるはずよ」
ステルスをかけられたライズはどこか存在が薄くなったように見られる。
「力を貸していただいて感謝します」
シズナの言葉にノエルは申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「いえ。この程度のことしかできずごめんなさい。私には貴方達のように国を敵にまわす程の覚悟はできませんでした」
「俺達と違って国に仕えてるんだからしょうがねえよ。下手したらあんたの部下達にまで被害が及ぶかもしれないだろ。自分の感情で動いていい立場じゃねえもんな」
「ライズの言う通りです。でも、任せてとは言いませんよ。私たちはおじいさまを助けるために動きます。なので、ベンダーさんの救出がうまく行かなくても恨まないでくださいね」
シズナはあくまでもセバスの救出が目的で、ついでにベンダーも助けるだけだとノエルに伝える。
「もちろん分かっています」
ノエルは国が間違っていることを理解しつつも、巨大な敵に立ち向かえない自分に対して、気を遣ってくれる自分よりも年下の2人に対して恥ずかしい気持ちでいた。
「死なないでくださいね」
ノエルは最後に一言いうとその場から立ち去った。
「そろそろ行こっか」
ノエルが立ち去り時間を数分空けたところでシズナが言う。
「あぁ、そうだな」
ライズは戦闘準備を整えタイミングをずっと持っていた。
「生きて帰るわよ」
「当たり前だろ」
2人はお互いの武器を手に取り、『カン』と軽く合わせるとその場からバラバラに離れた。
0
お気に入りに追加
2,444
あなたにおすすめの小説
国の王子から婚約破棄&国外追放。追放された国で聖女の力に目覚めた私は神様になる。
夜にすみたい
ファンタジー
いきなり婚約破棄&国外追放を言い渡された聖女の候補の妖夢。
追放先で聖女の力に目覚めた私は神様に拾われ「次の世代の神になれ」と言われた。
その国の王子とも気が合いそうでうれしかったけどいきなり故郷の王子がきた。
「聖女妖夢よ!今帰ってくれば私との婚約破棄を無かったことにしてやろう!」
「何言ってるんですか?無理ですよ。私、半分竜ですから。」
私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
親友に裏切られ聖女の立場を乗っ取られたけど、私はただの聖女じゃないらしい
咲貴
ファンタジー
孤児院で暮らすニーナは、聖女が触れると光る、という聖女判定の石を光らせてしまった。
新しい聖女を捜しに来ていた捜索隊に報告しようとするが、同じ孤児院で姉妹同然に育った、親友イルザに聖女の立場を乗っ取られてしまう。
「私こそが聖女なの。惨めな孤児院生活とはおさらばして、私はお城で良い生活を送るのよ」
イルザは悪びれず私に言い放った。
でも私、どうやらただの聖女じゃないらしいよ?
※こちらの作品は『小説家になろう』にも投稿しています
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる