眠り姫な私は王女の地位を剥奪されました。実は眠りながらこの国を護っていたのですけれどね

たつき

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処刑執行

秘密の抜け道

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「それで何をするおつもりですか?」

レムはロイからの質問に足を止める。

「お父様に会いに行くわ」

レムは大きく息を吸いゆっくりと吐き出すと、決心したように強い口調ではっきりと言葉にした。

「それは無理だと思いますが」

レムの覚悟などよそに、ロイは冷静にレムの考えを否定する。

「やっぱり無理だと思う?」

レムはロイの反応を予想していたのかと否定されたことに対して落ち込んだ様子は見られない。

「魔物の侵攻もあり王宮の警備は以前より堅くなっています。そこを見つからずに突破するのは難しいかと」

ロイは何か別の方法はないかと考え込む。

腕を組みながら首を捻り難しい事を考えている様子のロイを見て、レムは自分の無茶に対して、いつも悩んでいたなと思い出し懐かしく感じた。

「何か考えがあるのですね」

ロイはやけに落ち着いた様子のレムに察したように言った。

「ロイ、私について来て」

レムはそう言うと王宮への道とは少し外れた方角へ走り出した。

解決策があるなら初めから言えばいいものをと思いつつ、ロイはレムの後をついていく。

「こんな場所に来て何をするつもりですか」

王宮から少し離れた場所に2人はいた。
レムの考えが分からないロイは辺りを見渡してみるが、特に変わったものは無く城下によくある風景でしかない。

しかし、レムには目的地があるらしく迷う事なく進んでいく。

住居や商店の並ぶ区画を抜け、少し開けた場所に着いた。

広場の中心にはグロリア王国の国章と歴代の王の名が刻まれた石碑が飾られている。

レムの視線に、ロイはこの石碑が目的なのだろうと予想した。

しかし、街の中には似たような場所がいくつかあるが、ここにきて何をするつもりなのかロイはレムの考えがいまだに読めないでいた。

レムは石碑の前にたつとグロリアの紋様に両手を合わせる。

「レム=グロリアの名の下に開かれよ」

石碑を中心に青白い光が一瞬輝いた。
そして、魔力の込められたオーロラのような幕が石碑を囲むように広がっていく。

「こんな風になるんだ」

突然の光景にロイだけでなく、何かをした本人であるレムすら驚いていた。

「私も初めてだから。でもよかった、私には反応してくれないかと思った」

あなたがなにかしたんじゃないんですかというロイの視線に気がついたレムが言う。

「何をしたんですか」

「この石碑は王宮に繋がってるみたいなの。全部が全部そうではないけれどね。グロリアの血筋の者に反応するように魔法がかけられてるんだって」

なるほど、防御魔法と隠蔽魔法が込められているのか。

ロイは魔力の込められた幕に触れ、この空間がどうなっているのか調べる。

外敵からの攻撃や侵入を防ぎ、この中で起きていることは外からでは認識できないのだろうと予想した。

「ロイ、早く行きますよ

レムはそんなロイを呼びつけると、石碑の下に現れた階段を降りていった。

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