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魔物の襲来

帰る場所

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「何だよこれ」

自分達の街に溢れているゴブリンを目にしライズは言葉を失う。

「他の門が破られたのかもしれないわね。それに、ここには避難させてもらえない人間がたくさんいるもの」

シズナは南と北の門から雪崩れ込んだゴブリンが、人間の匂いを辿ってこの街まで来たのだろうと推測した。

ゴブリンに限らず、魔物は人間から生命力を奪うため人間の匂いに集まる事が多く見られる。

「人を集めていたら、ゴブリンの集団に襲われて。他の人は私を逃そうと」

レムは自分を逃してくれた者たちの悲痛な叫び声を思い出し涙を流す。

「さて、どうしようかしらね。動けるうちに逃げる?」

シズナは呆然とするライズと、この惨状に気力も失いかけているレムに向かって言う。

「シズナ、何弱気になってるんだよ。じじいの帰りを待たねえと行けねえだろ」

ライズは向かってくるゴブリンに魔弾を放ちながら、かすかに笑みを浮かべながら言う。

「ライズのくせにわかってるじゃないの」

シズナも武器を構える。

「私も闘います!」

2人の姿に勇気付けられ、レムも立ち上がった。

3人は我が家を目指して走り出した。

道中で湧いてくるゴブリンを全て相手にはせず、進行を妨げるもののみ倒しながら進む。

「もう少し!」

ライズは突き当たりの曲がり角に向かってスピードを速めた。

「おじいさまがいたらそのまま撤退するからね!」

シズナは先走るライズに叫びながら、レムの事を気にしつつ進む。

「シズナ早くこい!」

通りを曲がったライズの声が聞こえる。

「シズナさん」

レムはシズナに先に行くようにうながした。

「わかったわ」

レムが危険な目に遭うことはないと判断し、シズナは武器を構え急いだ。

「うおおお」

ライズとシズナの目の前には、店に群がるゴブリンと、それを相手にしている近隣の住民の姿だった。

「大丈夫か!」

ライズは背後からゴブリンたちへ電撃を帯びた魔弾を放つ。

ゴブリン達は衝撃に体が麻痺きたように動きが止まった。

「いまよ!」

ゴブリン達が身動きが取れないうちにシズナが切り刻む。

戦っていた男達も、各々がゴブリンに向かって攻撃を繰り出した。
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