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魔物の襲来

押し寄せる波

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「ライズ援護!」

シズナはゴブリンの数の多さにレイピアを手放し、双剣を手に群れの中で舞うようにゴブリン達を斬りつける。

「わかってるよ!」

ライズはシズナの死角から襲い掛かろうとするゴブリンに正確に魔弾をぶっ放してながら、距離を保ちつつ援護をした。

はあはあ。

ゴブリンとはいえ一体一体がそれなりの強さを持ち併せているため、2人の体力も減っていく。

しかし、2人の足元には着実にゴブリンの屍が築かれていた。

「ゴブリンなんかにへばったの?」

「バカ言うなよ。わざわざハイパー・ツインキャノン・M2を使ってやってるんだ。余裕に決まってるだろ」

「そのダサい名前どうにかしなさいよ」

「はあ!?めちゃくちゃ強そうだろうが」

ライズは気分で愛用の魔法銃に名前をつけては、ネーミングセンスのなさを指摘されていた。

「シズナさん!」

無限に湧き出てきたかのように思えたゴブリンを殲滅するかと言うところで、門の方からレムの声が聞こえた。

「おせえよ」

ライズは最後の1匹を仕留めると、不満そうに言いながら門の方に視線をやった。

しかし、ライズの視線の先にいたのはレムただ1人だった。

「どうしたのかしらね」

シズナも呼吸を整えながら1人現れたレムの姿を不思議に思った。

2人がレムの元にやってくるとレムはその場に膝から崩れ落ちた。

「街が・・・」

シズナは涙を流し怯える様子のレムの肩を抱き寄せ何があったのか優しく問いかけた。


ーーー南の門ーーー

「こんなのどうしろって言うのよ!」

ノエルはすでに崩壊した南門で1人魔物を押さえつけていた。

ゴブリン達は自分の行手を阻む光の障壁を破ろうと持っている棍棒でひたすら叩きつけている

「しまった。また一体抜けられた!」

門としての役割を果たさない大きな入り口からはどんどん魔物が湧いてくるようだった。

ゴブリン如き押さえつけられない自分が不甲斐なく思えた。

他の場所も同じような状況なのだろう。応援が来る様子は一向にない。

ノエルは民の避難と抜け出た魔物達の殲滅に人員が割かれているのだろうと思った。

「ベンダー何とかしなさいよ!」

ノエルは魔力をさらにこめ、門を守る障壁の強度をさらに高めた。

ーーー北門ーーー
「ぐおおおお」

ダイランは自分よりもひと回り体の大きいゴブリンと対峙していた。

「貴様がこの群れの長なんだろうな」

ダイランは頭を倒せば全て終わるはずだと、ゴブリンの討伐はそこそこに大剣を振りかざし長ゴブリンに向かって切りかかった。

ーーーベンダーの部屋ーーー

「まずい。かなりの数の侵入を許している」

ベンダーは次々と上がる報告に頭を抱えていた。

信じられないが、セバス隊長の言うように、普通では考えられない力を持っているのだ。

3人を呼び戻していたのは不幸中の幸いだったが、3人とも各門からの被害を最小限にするため力を尽くしている。

「しかたない」

ベンダーは何か思いついたのか、急いで部屋を後にした。

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