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魔物の襲来
依頼の報告②
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「えっと、報告はこれくらいで良いっすよね!護衛任務任せてきた隊の奴らに飯奢んないといけないんすよ」
リクセンは2人からの圧を感じ取ったのか、嘘か本当か分からない発言をして立ち去ろうとした。
「まだ帰ってきてないと思うが」
立ち上がろうとするリクセンを制するようにベンダーが言う。
「いやいや、そんな訳ないでしょ」
立ち去る理由をつぶしにかかられたと思い、リクセンが必死に訴えかけるようにリクセンに言う。
「いや、本当だ」
ベンダーはただそう答えた。
「それは、リクセン以外の部隊もですか?」
ノエルが何か気になることがあったのか、話に割って入ってきた。
ノエルの問いかけに、ベンダーは頷くと門番達からの報告リストを取り出しノエルに見せる。
「おかしいですね。少なくとも私の部隊は昨日には着く予定のはずです」
「俺のとこもそうだ」
ダイランもノエルの発言に同調する。
「ウチだってそうっすよ」
本当に部下達に会いに行くつもりだったと言わんばかりに、リクセンが言う。
3人からの指摘に、ベンダーは街の入り口を警護している部隊に対して再度確認を取り始めた。
「そうだ。護衛任務に派遣されていた部隊だ。。。。おお!そうか、わかった」
ベンダーは通信を終えると、たったいま到着したらしいと言うことをリクセンに伝えた。
「あいつら、どっかでサボってやがったな!ちょっと先に失礼しますよ」
リクセンはそう言いながら、いますぐにでも立ち去りたかったかのように足早に部屋から出て行った。
リクセンが部屋を後にしてから、残った2人はベンダーに報告の続きを行っていた。
「では、俺も行くとするか」
ダイランとノエルも報告することはもうないと、リクセンの部隊が到着した事から考えるともうすぐ到着するであろう自分の部下達の出迎えにでも行くつもりらしい。
「実のない依頼のようですまなかった」
『カーン!カーン!』
2人が部屋を出ようとしたタイミングで非常事態を知らせる鐘が王都に鳴り響いた。
『ジリリリリ』
「何事だ!」
ベンダーは鳴り出した緊急連絡時の通信機を手に取る。
2人は部屋から出ることなく、ベンダーの話が終わるのを静観していた。
「何があった!」
連絡を終えたベンダーにダイランが問いただす。
「魔物が侵入したらしい。現状確認されているのは下級の魔物ばかりのようだが」
ベンダーの話を聞いたダイランがそんな事かと肩の力が抜けた様子だ。
「どこから侵入したのですか」
ベンダーの深刻な表情にノエルが何かに気がついたようだ。
「正門だ」
「それなら、ちょうどリクセンの部隊もいるし余裕だな」
「それが問題なのよ。リクセンの部隊がいたのに侵入されてるのよ」
ノエルの言葉にダイランは現状を整理すると一つの答えを出した。
「リクセンが手引きしたってのかよ!」
部隊の到着と同時に魔物が侵入したとなれば、その可能性もありうる。ノエルもそう判断していていたようでダイランの言葉に何も返さずに黙っていた。
「そうではない。リクセンの部隊が魔物に壊滅されていたんだ!」
しかし、ベンダーから告げられたのは想定している事態と全く違う話であった。
リクセンは2人からの圧を感じ取ったのか、嘘か本当か分からない発言をして立ち去ろうとした。
「まだ帰ってきてないと思うが」
立ち上がろうとするリクセンを制するようにベンダーが言う。
「いやいや、そんな訳ないでしょ」
立ち去る理由をつぶしにかかられたと思い、リクセンが必死に訴えかけるようにリクセンに言う。
「いや、本当だ」
ベンダーはただそう答えた。
「それは、リクセン以外の部隊もですか?」
ノエルが何か気になることがあったのか、話に割って入ってきた。
ノエルの問いかけに、ベンダーは頷くと門番達からの報告リストを取り出しノエルに見せる。
「おかしいですね。少なくとも私の部隊は昨日には着く予定のはずです」
「俺のとこもそうだ」
ダイランもノエルの発言に同調する。
「ウチだってそうっすよ」
本当に部下達に会いに行くつもりだったと言わんばかりに、リクセンが言う。
3人からの指摘に、ベンダーは街の入り口を警護している部隊に対して再度確認を取り始めた。
「そうだ。護衛任務に派遣されていた部隊だ。。。。おお!そうか、わかった」
ベンダーは通信を終えると、たったいま到着したらしいと言うことをリクセンに伝えた。
「あいつら、どっかでサボってやがったな!ちょっと先に失礼しますよ」
リクセンはそう言いながら、いますぐにでも立ち去りたかったかのように足早に部屋から出て行った。
リクセンが部屋を後にしてから、残った2人はベンダーに報告の続きを行っていた。
「では、俺も行くとするか」
ダイランとノエルも報告することはもうないと、リクセンの部隊が到着した事から考えるともうすぐ到着するであろう自分の部下達の出迎えにでも行くつもりらしい。
「実のない依頼のようですまなかった」
『カーン!カーン!』
2人が部屋を出ようとしたタイミングで非常事態を知らせる鐘が王都に鳴り響いた。
『ジリリリリ』
「何事だ!」
ベンダーは鳴り出した緊急連絡時の通信機を手に取る。
2人は部屋から出ることなく、ベンダーの話が終わるのを静観していた。
「何があった!」
連絡を終えたベンダーにダイランが問いただす。
「魔物が侵入したらしい。現状確認されているのは下級の魔物ばかりのようだが」
ベンダーの話を聞いたダイランがそんな事かと肩の力が抜けた様子だ。
「どこから侵入したのですか」
ベンダーの深刻な表情にノエルが何かに気がついたようだ。
「正門だ」
「それなら、ちょうどリクセンの部隊もいるし余裕だな」
「それが問題なのよ。リクセンの部隊がいたのに侵入されてるのよ」
ノエルの言葉にダイランは現状を整理すると一つの答えを出した。
「リクセンが手引きしたってのかよ!」
部隊の到着と同時に魔物が侵入したとなれば、その可能性もありうる。ノエルもそう判断していていたようでダイランの言葉に何も返さずに黙っていた。
「そうではない。リクセンの部隊が魔物に壊滅されていたんだ!」
しかし、ベンダーから告げられたのは想定している事態と全く違う話であった。
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