19 / 89
城外の暮らし
VSゴブリン②
しおりを挟む
「くらいやがれ!」
ライズは剣の先をゴブリンに向け勢いよく突進した。
「ギギァ」
ゴブリンの額に剣が突き刺さる。
「レムこのまま走るぞ!」
ライズはゴブリンに突き刺した剣を抜く事なくスピードを維持したまま包囲を抜け森からいち早く抜けることだけを目指した。
レムもライズに遅れる事なく森を駆ける。
ゴブリン達が追いかけてはきているが、2人との距離は縮まるどころか開いていき、姿が見えなくなってきた。
しかし、2人はスピードを緩めることはしなかった。
「あと少しだ」
日の光が差し込んでいるのを見たライズは森の出口が近いことに安堵した。
魔物達は森から出ることは滅多にないため、ここまできたら安心だと今までの経験から導いていたのだ。
しかしそんなライズの思惑はすぐに崩れ落ちることとなる。
「とまれ!」
ライズは想定外の事態に足を止め息を潜めると、目の前の光景に目を疑った。
もう森から出るというところで目の前に新たにゴブリンの集団が現れたからだ。
ゴブリン達がこんな森の外れにいることなど想像すらしていなかった。
「どうする」
ライズは想定外の事態に、どうしたものかと頭をフル回転させる。
こっちが先に気づけたことで、新たに現れたゴブリンには気付かれていない。
このまま息を潜めてやり過ごしてみるか。
しかし、背後からゴブリン達が確実に近づいてきているはずだ。
時間が許さない状況にライズはいつになく焦りを見せた。
門まで走り抜ければ、門番達がいるし協力すればなんとかなるか。目の前のゴブリンに気付かれていないうちに一気に走り抜ければ、、、
「ライズさん。光の壁を四方にはります。少しくらいの時間は稼げるはずですが、ゴブリン達に破られた時に私を護ってくれますか」
「その場しのぎの防御をしたとしてもこの状況はどうにもできないだろ」
レムの提案してきた方法などできるわけがないとライズが強い口調でレムに言う。
「いえ、時間さえ稼げればなんとかなります!」
そんなライズに対してレムは怯るむことなく言いきった。
「わかったよ。お前の考えに乗ってやる。何をどうするのか分からねえが、もしもの時は護ってやるよ」
「何が起きても私のこと信じてくださいね」
シープ私に力を貸してね。
レムは四方を守る壁をつくり、眠りにつくことで守護獣であるシープの力を借りてこの状況を打開するつもりのようだ。
「サンダースピア」
レムが防御用の呪文を唱えようとしたとき、目の前が激しい光に包まれた。
それと同時にライズがゴブリンの群れがいた場所に飛び出した。
「シズナ!」
「帰りが遅いから心配して見に来たけど、何してんのよライズ」
ゴブリンの群れと、その横で隠れていたライズを見ながらシズナが言う。
「ちげーよ!そいつらただのゴブリンじゃねえんだって」
ゴブリンにびびって隠れていたと思われたくないとライズが強い口調で反論した。
「シズナさん!うしろ!」
ライズに遅れ、レムも茂みから姿を見せた。
シズナはレムの声に反応すると、先ほどの一撃で倒れることなく起き上がり背後から襲ってきたゴブリンを、細いレイピアのような剣で切り刻む。
「ありがとう。レムちゃん。確かに想像より少しだけ頑丈そうね」
「すごい」
レムはゴブリンを一瞬で倒してしまったシズナに羨望の眼差しを向ける。
その隣でライズが不服そうな顔をしていた。
「調子に乗って剣なんか使うからでしょ。ほら」
シズナはそう言うとライズに変わった形の魔法銃のようなものを投げ渡した。
「俺は剣士になりてえんだよ」
「バカなこと言ってないで後ろのは任せたわよ」
シズナはそう言うと切っ先を森の奥に向ける。
いつの間にか巻いたと思っていたゴブリンがすぐそこに迫っていた。
「シズナこそちゃんとやれよな」
ライズは後ろから迫る標的に銃口を合わせた。
ライズは剣の先をゴブリンに向け勢いよく突進した。
「ギギァ」
ゴブリンの額に剣が突き刺さる。
「レムこのまま走るぞ!」
ライズはゴブリンに突き刺した剣を抜く事なくスピードを維持したまま包囲を抜け森からいち早く抜けることだけを目指した。
レムもライズに遅れる事なく森を駆ける。
ゴブリン達が追いかけてはきているが、2人との距離は縮まるどころか開いていき、姿が見えなくなってきた。
しかし、2人はスピードを緩めることはしなかった。
「あと少しだ」
日の光が差し込んでいるのを見たライズは森の出口が近いことに安堵した。
魔物達は森から出ることは滅多にないため、ここまできたら安心だと今までの経験から導いていたのだ。
しかしそんなライズの思惑はすぐに崩れ落ちることとなる。
「とまれ!」
ライズは想定外の事態に足を止め息を潜めると、目の前の光景に目を疑った。
もう森から出るというところで目の前に新たにゴブリンの集団が現れたからだ。
ゴブリン達がこんな森の外れにいることなど想像すらしていなかった。
「どうする」
ライズは想定外の事態に、どうしたものかと頭をフル回転させる。
こっちが先に気づけたことで、新たに現れたゴブリンには気付かれていない。
このまま息を潜めてやり過ごしてみるか。
しかし、背後からゴブリン達が確実に近づいてきているはずだ。
時間が許さない状況にライズはいつになく焦りを見せた。
門まで走り抜ければ、門番達がいるし協力すればなんとかなるか。目の前のゴブリンに気付かれていないうちに一気に走り抜ければ、、、
「ライズさん。光の壁を四方にはります。少しくらいの時間は稼げるはずですが、ゴブリン達に破られた時に私を護ってくれますか」
「その場しのぎの防御をしたとしてもこの状況はどうにもできないだろ」
レムの提案してきた方法などできるわけがないとライズが強い口調でレムに言う。
「いえ、時間さえ稼げればなんとかなります!」
そんなライズに対してレムは怯るむことなく言いきった。
「わかったよ。お前の考えに乗ってやる。何をどうするのか分からねえが、もしもの時は護ってやるよ」
「何が起きても私のこと信じてくださいね」
シープ私に力を貸してね。
レムは四方を守る壁をつくり、眠りにつくことで守護獣であるシープの力を借りてこの状況を打開するつもりのようだ。
「サンダースピア」
レムが防御用の呪文を唱えようとしたとき、目の前が激しい光に包まれた。
それと同時にライズがゴブリンの群れがいた場所に飛び出した。
「シズナ!」
「帰りが遅いから心配して見に来たけど、何してんのよライズ」
ゴブリンの群れと、その横で隠れていたライズを見ながらシズナが言う。
「ちげーよ!そいつらただのゴブリンじゃねえんだって」
ゴブリンにびびって隠れていたと思われたくないとライズが強い口調で反論した。
「シズナさん!うしろ!」
ライズに遅れ、レムも茂みから姿を見せた。
シズナはレムの声に反応すると、先ほどの一撃で倒れることなく起き上がり背後から襲ってきたゴブリンを、細いレイピアのような剣で切り刻む。
「ありがとう。レムちゃん。確かに想像より少しだけ頑丈そうね」
「すごい」
レムはゴブリンを一瞬で倒してしまったシズナに羨望の眼差しを向ける。
その隣でライズが不服そうな顔をしていた。
「調子に乗って剣なんか使うからでしょ。ほら」
シズナはそう言うとライズに変わった形の魔法銃のようなものを投げ渡した。
「俺は剣士になりてえんだよ」
「バカなこと言ってないで後ろのは任せたわよ」
シズナはそう言うと切っ先を森の奥に向ける。
いつの間にか巻いたと思っていたゴブリンがすぐそこに迫っていた。
「シズナこそちゃんとやれよな」
ライズは後ろから迫る標的に銃口を合わせた。
0
お気に入りに追加
2,445
あなたにおすすめの小説
初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。
婚約破棄と追放をされたので能力使って自立したいと思います
かるぼな
ファンタジー
突然、王太子に婚約破棄と追放を言い渡されたリーネ・アルソフィ。
現代日本人の『神木れいな』の記憶を持つリーネはレイナと名前を変えて生きていく事に。
一人旅に出るが周りの人間に助けられ甘やかされていく。
【拒絶と吸収】の能力で取捨選択して良いとこ取り。
癒し系統の才能が徐々に開花してとんでもない事に。
レイナの目標は自立する事なのだが……。
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
蜜柑
ファンタジー
*第13回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。ありがとうございました。*
レイラは生まれた時から強力な魔力を持っていたため、キアーラ王国の大神殿で大司教に聖女として育てられ、毎日祈りを捧げてきた。大司教は国政を乗っ取ろうと王太子とレイラの婚約を決めたが、王子は身元不明のレイラとは結婚できないと婚約破棄し、彼女を国外追放してしまう。
――え、もうお肉も食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?
追放される道中、偶然出会った冒険者――剣士ステファンと狼男のライガに同行することになったレイラは、冒険者ギルドに登録し、冒険者になる。もともと神殿での不自由な生活に飽き飽きしていたレイラは美味しいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
その一方、魔物が出るようになったキアーラでは大司教がレイラの回収を画策し、レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※序盤1話が短めです(1000字弱)
※複数視点多めです。
※小説家になろうにも掲載しています。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
とんでもないモノを招いてしまった~聖女は召喚した世界で遊ぶ~
こもろう
ファンタジー
ストルト王国が国内に発生する瘴気を浄化させるために異世界から聖女を召喚した。
召喚されたのは二人の少女。一人は朗らかな美少女。もう一人は陰気な不細工少女。
美少女にのみ浄化の力があったため、不細工な方の少女は王宮から追い出してしまう。
そして美少女を懐柔しようとするが……
無才印の大聖女 〜聖印が歪だからと無能判定されたけど、実は規格外の実力者〜
Josse.T
ファンタジー
子爵令嬢のイナビル=ラピアクタは聖印判定の儀式にて、回復魔法が全く使えるようにならない「無才印」持ちと判定されてしまう。
しかし実はその「無才印」こそ、伝説の大聖女の生まれ変わりの証であった。
彼女は普通(前世基準)に聖女の力を振るっている内に周囲の度肝を抜いていき、果てはこの世界の常識までも覆し——
追放聖女。自由気ままに生きていく ~聖魔法?そんなの知らないのです!~
夕姫
ファンタジー
「アリーゼ=ホーリーロック。お前をカトリーナ教会の聖女の任務から破門にする。話しは以上だ。荷物をまとめてここから立ち去れこの「異端の魔女」が!」
カトリーナ教会の聖女として在籍していたアリーゼは聖女の証である「聖痕」と言う身体のどこかに刻まれている痣がなくなり、聖魔法が使えなくなってしまう。
それを同じカトリーナ教会の聖女マルセナにオイゲン大司教に密告されることで、「異端の魔女」扱いを受け教会から破門にされてしまった。そう聖魔法が使えない聖女など「いらん」と。
でもアリーゼはめげなかった。逆にそんな小さな教会の聖女ではなく、逆に世界を旅して世界の聖女になればいいのだと。そして自分を追い出したこと後悔させてやる。聖魔法?そんなの知らないのです!と。
そんなアリーゼは誰よりも「本」で培った知識が豊富だった。自分の意識の中に「世界書庫」と呼ばれる今まで読んだ本の内容を記憶する能力があり、その知識を生かし、時には人類の叡知と呼ばれる崇高な知識、熟練冒険者のようなサバイバル知識、子供が知っているような知識、そして間違った知識など……旅先の人々を助けながら冒険をしていく。そうこれは世界中の人々を助ける存在の『聖女』になるための物語。
※追放物なので多少『ざまぁ』要素はありますが、W主人公なのでタグはありません。
※基本はアリーゼ様のほのぼの旅がメインです。
※追放側のマルセナsideもよろしくです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる