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城外の暮らし

VSゴブリン②

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「くらいやがれ!」

ライズは剣の先をゴブリンに向け勢いよく突進した。

「ギギァ」

ゴブリンの額に剣が突き刺さる。

「レムこのまま走るぞ!」

ライズはゴブリンに突き刺した剣を抜く事なくスピードを維持したまま包囲を抜け森からいち早く抜けることだけを目指した。

レムもライズに遅れる事なく森を駆ける。

ゴブリン達が追いかけてはきているが、2人との距離は縮まるどころか開いていき、姿が見えなくなってきた。

しかし、2人はスピードを緩めることはしなかった。

「あと少しだ」

日の光が差し込んでいるのを見たライズは森の出口が近いことに安堵した。

魔物達は森から出ることは滅多にないため、ここまできたら安心だと今までの経験から導いていたのだ。

しかしそんなライズの思惑はすぐに崩れ落ちることとなる。

「とまれ!」

ライズは想定外の事態に足を止め息を潜めると、目の前の光景に目を疑った。

もう森から出るというところで目の前に新たにゴブリンの集団が現れたからだ。

ゴブリン達がこんな森の外れにいることなど想像すらしていなかった。

「どうする」

ライズは想定外の事態に、どうしたものかと頭をフル回転させる。

こっちが先に気づけたことで、新たに現れたゴブリンには気付かれていない。
このまま息を潜めてやり過ごしてみるか。

しかし、背後からゴブリン達が確実に近づいてきているはずだ。

時間が許さない状況にライズはいつになく焦りを見せた。

門まで走り抜ければ、門番達がいるし協力すればなんとかなるか。目の前のゴブリンに気付かれていないうちに一気に走り抜ければ、、、

「ライズさん。光の壁を四方にはります。少しくらいの時間は稼げるはずですが、ゴブリン達に破られた時に私を護ってくれますか」

「その場しのぎの防御をしたとしてもこの状況はどうにもできないだろ」

レムの提案してきた方法などできるわけがないとライズが強い口調でレムに言う。

「いえ、時間さえ稼げればなんとかなります!」

そんなライズに対してレムは怯るむことなく言いきった。

「わかったよ。お前の考えに乗ってやる。何をどうするのか分からねえが、もしもの時は護ってやるよ」

「何が起きても私のこと信じてくださいね」

シープ私に力を貸してね。

レムは四方を守る壁をつくり、眠りにつくことで守護獣であるシープの力を借りてこの状況を打開するつもりのようだ。

「サンダースピア」

レムが防御用の呪文を唱えようとしたとき、目の前が激しい光に包まれた。

それと同時にライズがゴブリンの群れがいた場所に飛び出した。

「シズナ!」

「帰りが遅いから心配して見に来たけど、何してんのよライズ」

ゴブリンの群れと、その横で隠れていたライズを見ながらシズナが言う。

「ちげーよ!そいつらただのゴブリンじゃねえんだって」

ゴブリンにびびって隠れていたと思われたくないとライズが強い口調で反論した。

「シズナさん!うしろ!」

ライズに遅れ、レムも茂みから姿を見せた。

シズナはレムの声に反応すると、先ほどの一撃で倒れることなく起き上がり背後から襲ってきたゴブリンを、細いレイピアのような剣で切り刻む。

「ありがとう。レムちゃん。確かに想像より少しだけ頑丈そうね」

「すごい」

レムはゴブリンを一瞬で倒してしまったシズナに羨望の眼差しを向ける。

その隣でライズが不服そうな顔をしていた。

「調子に乗って剣なんか使うからでしょ。ほら」

シズナはそう言うとライズに変わった形の魔法銃のようなものを投げ渡した。

「俺は剣士になりてえんだよ」

「バカなこと言ってないで後ろのは任せたわよ」

シズナはそう言うと切っ先を森の奥に向ける。
いつの間にか巻いたと思っていたゴブリンがすぐそこに迫っていた。

「シズナこそちゃんとやれよな」

ライズは後ろから迫る標的に銃口を合わせた。
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