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眠り姫の追放

王族籍の剥奪2

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「レム!貴様なんてことをするんだ!」

突き飛ばされたミリシアの元にベルモントが駆け寄る。

先ほどまで見せた、狡猾で薄ら笑いを浮かべていたミリシアの表情はなく、今までに見たことがないほど敵意を向けたベルモントの姿があった。

「違うんです。ベルモント兄様!ミリシア義姉様が!」

「だまれ!おまえなど妹でもなんでもない!」

レムはその場で必死に取り繕おうとした。

「そこまでだレム。貴様を王家から追放する!」

そんなレムに対し、アルゴルは非情な言葉をレムに向けて発した。

「今日は体調が優れないため姿を見せられなかったと国民に伝え中止とした。目が覚めたのちに機を見て再度セレモニーを行おうと思ったが、おまえには王族である資格がないようだ」

「そんな。。。私はこの国のために!」

「この国のために寝ていたと申すのか」

「そうです!私は!」

「もう良い。先ほどの行動をミリシアのお腹にいる子への殺人罪として、捌くこともできるのだ。
だが、父親として、母親を亡くしそこまでおかしくなっていた事に気づかなかった責任もある。命までは奪うまい。」

レムの行動を叱責し、王家としての自覚を持たせる為に、集まったつもりでしかなかった兄弟達も突然のことに言葉を失った。

しかし、ミリシアへの行為。ひいてはこの国の宝になる子供への行いに死刑にしないだけ寛大だと国王の決断を受け入れた。

「そんな」

突然の出来事にレムは言葉を失いその場から微動だにしない。

「国民には病で命を落としたと伝える事にする。幸いお前はここ数年表に出ておらん。今のお前の姿に気がつく民もほぼおらぬであろう。この国に身を潜めることは許してやる。しかし、素性を知った者がいればそのものの口は封じさせてもらうから気をつけることだ」

アルゴルがレムにそう伝えた。口から追い出さないのはせめてもの情けなのかもしれない。

そう言うとアルゴルはその場から立ち去った。

しかし、頭が真っ白になっているレムにはほとんど何も入ってはこなかった。

他の兄弟達も次々に部屋を後にする。

「再び眠りにつかれると困るし、今すぐ荷物をまとめて出て行きなよ」

マルクスが去り際にレムに言った。

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