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第61話 それぞれの活躍
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大鼠族のヨース。
それがこの灰色のモフモフな姿の大きな二足歩行の鼠の名前だ。
人と同じように、ベストを着て、首には赤いスカーフを巻いている。
彼はコウと同じ十八歳で、行商を中心に何でも屋で生計を立てていた。
そのヨースが今、大活躍を見せている。
もちろん、同じ大鼠族の仲間を手を借りてだが、コウとイッテツの鍛冶ブランド『コウテツ』の商品を世の中に売り出す為に奮闘していた。
最初は人脈を駆使して売り込み、『コウテツ』の価値を知ってもらうと、次はじっくりとそれに見合った価格で販売を始める。
相手は、各鉱山を所有する貴族や有力な鉱夫、有名ブランドの重役に収集家などだ。
『コウテツ』はまだ、無名だが、その商品が一流である事は、この数か月の間に関係者も、噂や実際に商品を確認してその価値を知り始めている。
だから、まだ、無名のうちに唾をつけておこうというのが、識者達の考えなのだ。
品質が三大ブランドに引けを取らないのだから、当然、無名のままであるはずがない。
もちろん、有名ブランド側がこの無名のブランドを買収して自分のところの傘下にする可能性もあるし、評価して同盟関係を結ぶかもしれない。
また、一番ありえるのは、情報を入手して無名のうちに叩き潰す算段かもしれない。
購入者達の思惑は色々であったが、それらを含め、ヨースは識者を中心に商品を販売して回っている。
「それで、この製造元はどこの商会かな?」
「これだけの品質を定期的に市場に卸せるのだ、職人も数を揃えているのだろう? 狙いは三大ブランドの一角に食い込むのが狙いかな?」
「前回も購入させてもらったが、商売相手が『コウテツ』を気に入っていてなぁ。詳しい情報を少しはもらえないかね?」
商売相手は、この大鼠族の青年相手にどうにか『コウテツ』の情報を引き出そうと必死であった。
と言っても、ヨースは全くと言っていいほど、相手に情報を渡すヘマはしない。
ヨースは人族にとって自分達大鼠族の見分けがつかない事をわかっていたから、いざという時は首の赤いスカーフを取って仲間の中に紛れ、尾行を巻いていたし、仲間にも『コウテツ』の情報は最低限しか渡していないのだ。
だから、自分がミスを犯さなければ、コウとイッテツまで辿り着かせる事はない。
「交渉や注文は全て俺が窓口になっているのでご了承ください。それでどうしますか
お客さん? 『コウテツ』ブランドの時代は確実に来ますよ。このツルハシは三大ブランドでも本当に見かける事がない程珍しい二等級の超魔鉱鉄製です。この価格で買えるのは今だけですよ? それはわかりますよね?」
ヨースは相手が人間だろうが、エルフだろうが交渉に妥協がない。
相手は今回、人族の鉱山関係者と名乗っているが、裏に貴族がいるのは質問の内容からもよくわかっている。
ヨースはその見え隠れする影に臆することなく交渉するのであった。
「……これでは主に必要な情報を持って帰れない……。──わかった。このツルハシを言い値で買おう。だから情報を──」
「お客さん、お互い売り手と買い手、それ以外のやり取りは無しですよ。俺は人から見たら卑しい大鼠族かもしれませんが、俺達にも誇りがあります。その誇りにかけて依頼主の情報は渡せないです。お互い純粋な取引で満足しましょうよ」
ヨースは雇われの身であるから、相手の気持ちもわかる。
だが、商売は信用が第一だ。
ここで情報を渡す軽率な者は、一時的に懐を温かくしても、あとは口が軽い者として信用を失い、誰からも相手にされなくなるのがオチである。
「ぐぬぬ……。わかった、……買おう。──主もこのような見事なツルハシは所有していないから、きっとこれだけでも喜ばれるはず……」
代理の者はそう自分に言い聞かせると、ヨースにお金を支払ってツルハシを受け取った。
「毎度! 次も何か希望がありましたら、聞いておきますよ。必ず応じられるかはわかりませんけどね?」
ヨースは満面の笑みで(見た目は鼠なので細めた目くらいでしか人にはわからないかもしれないが)代金を受け取り、魔法収納鞄に収めた。
「もし、一等級のものが入手できた時には、こちらに優先して売ってもらえないか?」
男は彗星の如く現れた『コウテツ』ブランドがいきなり定期的に二等級を二本も売りに出していたから、近い将来、一等級の商品を作り出す可能性を感じたのか、そう告げた。
「はははっ、お客さんも皆さんと同じ事を言いますね」
ヨースは多くの顧客から言われているセリフだとばかりに答えた。
実際はわずか数人から言われただけなのだが、お客みんながそんな期待をするブランドであるという風に匂わせる為の方便である。
こうする事で次の商品も他のお客に負けない金額を支払ってでも入手したいと思わせるのが狙いだ。
「やはり他の客も同じ事を考えているのか……。──それでどうなんだ?」
客の男は、ヨースに詰め寄る。
「一等級を出す時は、オークションにかける事になると思います。その時はお知らせしますよ」
ヨースはしれっと答えると、立ち上がりその場を後にするのであった。
「前回の種まき効果で、『コウテツ』ブランドを欲しがるお客は増えたし、今回も種まきしたから、次回はさらに売れそうだな。──へへへっ。これでまた、二人は喜ぶだろう。商売人冥利に尽きるぜ!」
ヨースはそう言うと、すぐにお客が差し向けたであろう尾行に気づき、通りですぐにまいて、次のお客のところへと向かうのであった。
「イッテツさん、これ、間違えて、超魔鉱鉄製のツルハシ作っちゃいました……」
コウはドワーフ達の注文で作っていた五等級のツルハシを調子に乗って鍛錬していたらそれ以上の出来に作ってしまっていた。
「どれどれ……、こいつは駄目だ……。お前が張り切りすぎて二等級はいっているぞ? 仕方ない……、仕上げで『コウテツ』製にしとくしかないな。──次はしっかり五等級に抑えるんだぞ?」
そう言うとイッテツが仕上げの為に奥に持っていく。
「はい、すみません!」
コウも悪い事をしたとばかりに反省する。
一見すると師匠が弟子の商品にならない失敗作を叱責する様子にしか見えないのだが、それがまさか三大ブランドに匹敵する商品を生み出している時の姿とは誰も思わないであろう光景であった。
それがこの灰色のモフモフな姿の大きな二足歩行の鼠の名前だ。
人と同じように、ベストを着て、首には赤いスカーフを巻いている。
彼はコウと同じ十八歳で、行商を中心に何でも屋で生計を立てていた。
そのヨースが今、大活躍を見せている。
もちろん、同じ大鼠族の仲間を手を借りてだが、コウとイッテツの鍛冶ブランド『コウテツ』の商品を世の中に売り出す為に奮闘していた。
最初は人脈を駆使して売り込み、『コウテツ』の価値を知ってもらうと、次はじっくりとそれに見合った価格で販売を始める。
相手は、各鉱山を所有する貴族や有力な鉱夫、有名ブランドの重役に収集家などだ。
『コウテツ』はまだ、無名だが、その商品が一流である事は、この数か月の間に関係者も、噂や実際に商品を確認してその価値を知り始めている。
だから、まだ、無名のうちに唾をつけておこうというのが、識者達の考えなのだ。
品質が三大ブランドに引けを取らないのだから、当然、無名のままであるはずがない。
もちろん、有名ブランド側がこの無名のブランドを買収して自分のところの傘下にする可能性もあるし、評価して同盟関係を結ぶかもしれない。
また、一番ありえるのは、情報を入手して無名のうちに叩き潰す算段かもしれない。
購入者達の思惑は色々であったが、それらを含め、ヨースは識者を中心に商品を販売して回っている。
「それで、この製造元はどこの商会かな?」
「これだけの品質を定期的に市場に卸せるのだ、職人も数を揃えているのだろう? 狙いは三大ブランドの一角に食い込むのが狙いかな?」
「前回も購入させてもらったが、商売相手が『コウテツ』を気に入っていてなぁ。詳しい情報を少しはもらえないかね?」
商売相手は、この大鼠族の青年相手にどうにか『コウテツ』の情報を引き出そうと必死であった。
と言っても、ヨースは全くと言っていいほど、相手に情報を渡すヘマはしない。
ヨースは人族にとって自分達大鼠族の見分けがつかない事をわかっていたから、いざという時は首の赤いスカーフを取って仲間の中に紛れ、尾行を巻いていたし、仲間にも『コウテツ』の情報は最低限しか渡していないのだ。
だから、自分がミスを犯さなければ、コウとイッテツまで辿り着かせる事はない。
「交渉や注文は全て俺が窓口になっているのでご了承ください。それでどうしますか
お客さん? 『コウテツ』ブランドの時代は確実に来ますよ。このツルハシは三大ブランドでも本当に見かける事がない程珍しい二等級の超魔鉱鉄製です。この価格で買えるのは今だけですよ? それはわかりますよね?」
ヨースは相手が人間だろうが、エルフだろうが交渉に妥協がない。
相手は今回、人族の鉱山関係者と名乗っているが、裏に貴族がいるのは質問の内容からもよくわかっている。
ヨースはその見え隠れする影に臆することなく交渉するのであった。
「……これでは主に必要な情報を持って帰れない……。──わかった。このツルハシを言い値で買おう。だから情報を──」
「お客さん、お互い売り手と買い手、それ以外のやり取りは無しですよ。俺は人から見たら卑しい大鼠族かもしれませんが、俺達にも誇りがあります。その誇りにかけて依頼主の情報は渡せないです。お互い純粋な取引で満足しましょうよ」
ヨースは雇われの身であるから、相手の気持ちもわかる。
だが、商売は信用が第一だ。
ここで情報を渡す軽率な者は、一時的に懐を温かくしても、あとは口が軽い者として信用を失い、誰からも相手にされなくなるのがオチである。
「ぐぬぬ……。わかった、……買おう。──主もこのような見事なツルハシは所有していないから、きっとこれだけでも喜ばれるはず……」
代理の者はそう自分に言い聞かせると、ヨースにお金を支払ってツルハシを受け取った。
「毎度! 次も何か希望がありましたら、聞いておきますよ。必ず応じられるかはわかりませんけどね?」
ヨースは満面の笑みで(見た目は鼠なので細めた目くらいでしか人にはわからないかもしれないが)代金を受け取り、魔法収納鞄に収めた。
「もし、一等級のものが入手できた時には、こちらに優先して売ってもらえないか?」
男は彗星の如く現れた『コウテツ』ブランドがいきなり定期的に二等級を二本も売りに出していたから、近い将来、一等級の商品を作り出す可能性を感じたのか、そう告げた。
「はははっ、お客さんも皆さんと同じ事を言いますね」
ヨースは多くの顧客から言われているセリフだとばかりに答えた。
実際はわずか数人から言われただけなのだが、お客みんながそんな期待をするブランドであるという風に匂わせる為の方便である。
こうする事で次の商品も他のお客に負けない金額を支払ってでも入手したいと思わせるのが狙いだ。
「やはり他の客も同じ事を考えているのか……。──それでどうなんだ?」
客の男は、ヨースに詰め寄る。
「一等級を出す時は、オークションにかける事になると思います。その時はお知らせしますよ」
ヨースはしれっと答えると、立ち上がりその場を後にするのであった。
「前回の種まき効果で、『コウテツ』ブランドを欲しがるお客は増えたし、今回も種まきしたから、次回はさらに売れそうだな。──へへへっ。これでまた、二人は喜ぶだろう。商売人冥利に尽きるぜ!」
ヨースはそう言うと、すぐにお客が差し向けたであろう尾行に気づき、通りですぐにまいて、次のお客のところへと向かうのであった。
「イッテツさん、これ、間違えて、超魔鉱鉄製のツルハシ作っちゃいました……」
コウはドワーフ達の注文で作っていた五等級のツルハシを調子に乗って鍛錬していたらそれ以上の出来に作ってしまっていた。
「どれどれ……、こいつは駄目だ……。お前が張り切りすぎて二等級はいっているぞ? 仕方ない……、仕上げで『コウテツ』製にしとくしかないな。──次はしっかり五等級に抑えるんだぞ?」
そう言うとイッテツが仕上げの為に奥に持っていく。
「はい、すみません!」
コウも悪い事をしたとばかりに反省する。
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