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119腐男子くんと、推しに激似な配信者の話
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腐男子くんには推しがいる。
「あー今日もかっこいいよ直人くん……画面端に見切れてる枕になりたい」
大人気完璧スパダリ攻め様が、あまりにも理想的すぎて、毎日胸きゅんトキメキMaxである。
「推しがいるって幸せ……この幸せを与えてくれた直人くんにもっと貢ぎたい」
別にホモでもネコ志望でもないのだが、直人くんにはドキドキしてしょうがない。
そんなある日、直人くんが画面から出てきたかと思うほど激似な実況者を見つけた。
「なっ、直人くんが……! ゲームしてツッコミを入れて、視聴者と(コメントで)話してる……!」
その日のうちにチャンネル登録した彼の動画を、見れるだけ視聴した。
見れば見るほど顔も発言も声も何もかも、直人くんとそっくりに思える。
「名前までナツキって似てるし、もう彼は直人くんが現実に転生した姿としか思えない」
アニメが終わり、グッズ展開もコラボカフェも終了し行き場を無くした直人くんへの愛は、ナツキの生配信にスパチャを投げて散財する、という形に落ち着いた。
生配信の度にスパチャでお布施をしていたら、ナツキからも覚えられたらしい。
いつものようにツックスでポストを追いかけていたら、ある日突然フォロバされてDMが来た。
『いつもスパチャありがとうございます!』
「うわわわわ何事!?」
神みたいな存在から語りかけられた。
『突然ですがお時間ありますか? さっき投稿されていた〇〇区××ビルの展覧会に僕もいたので、偶然だなと思って。よかったら今から会えませんか?』
たっぷり三分は固まった後、震える指先で返信する。
『光栄です、ぜひ!』
頭から湯気を吹き出しながら、指定された居酒屋の個室に向かうと、ナツキがいた。
(ひええ、顔小さい、手足長い、本物だ!)
「こんにちは、突然ごめんね」
「い、いえ! そんな!」
「まあ座ってよ」
緊張でまともに話せない腐男子くんを、ナツキはにこにこ見つめてくる。
「初期から僕を応援してくれてて、とっても励みになっているんだ。いつもありがとう」
「うわあ、こちらこそナツキくんにはいつも勇気をもらってて! ありがとうございます!」
「せっかくだし飲もうよ、乾杯!」
緊張と嬉しさでテンションが上がりまくり、腐男子くんはすぐに酔い潰れてしまう。
「むにゃむにゃ……」
「ふふ、ちょろい」
ナツキは腐男子くんをホテルに連れ込んだ。
実況者は表の顔、実はナツキはちょろそうなファンを酔わせて襲う、クズ男だった。
いざ事に及ぼうとすると、腐男子くんは幸せそうに呟く。
「あれ、直人くん……? 本物だあ」
「誰、直人って」
「えへへ、直人くん……」
「ふうん、俺はソイツの代わりかよ」
裏切られた気分になったナツキは、強引に事に及んだ。
「くっそ、キツいな」
「ああっ、やめて、やめて!」
たくさん抱いたのに気持ちが収まらない。
行為中の写真を撮って呼びだし、気が済むまで腐男子くんで遊ぶことにした。
「や、やめてナツキくん……僕、こんな関係は望んでなかった」
「うるさいな。写真をネット上にばら撒かれたくなかったら従うんだ」
どんなに泣かせても、自分じゃない他の誰かを求めているのかと思うと気持ちが収まらない。
ますます泣かせてみても、腐男子くんは怯えるばかり。
「違う。俺がやりたいのはこれじゃない」
こんなに気になるのは、彼のことが好きだからだ。
やり方が間違っていると気づいたナツキは、腐男子くんを無理矢理抱くのはやめて、優しく接した。
「今度は何を企んでいるの……」
「何も……ただ、アンタが本気でほしくなっただけだ」
「信じられない」
「本当に悪かった。お前のことが好きになったんだ。写真も消す。だから、信じてくれないか」
「信じられない……」
ナツキは強引な態度を改め、腐男子くんに尽くした。
腐男子くんは少しづつ警戒をとき、趣味の話などもするくらいには信頼関係が回復した。
「え、直人って、キャラクターなのか」
「そうだよ。ナツキくんと似てるでしょう。いや、似てると思ってた……」
「……」
その日から、腐男子くんの理想の相手を追求すべく、ナツキは直人の研究をはじめた。
アニメを全話視聴し、腐男子くんのオタトークを喜んで聞くナツキに、いつしか笑顔を見せるようになる。
「すごい! 今の言い方、めちゃくちゃ直人くんにそっくりだったよ!」
笑ってくれるのは嬉しいが、似ているという理由なのが切ない。
俺自身を好きになってほしいのに……そんな眼差しを受けて、腐男子くんの気持ちも揺れ動いていた。
(最近のナツキくんは怖くないし、一緒にいて楽しいな)
だけどまた態度が豹変したらと思うと怖くて、一歩踏みだせない。
ここからナオキくんの情熱に、腐男子くんはだんだん心を揺り動かされていく。
身体からはじまって、両思いになるのに三年かかるお話。
「あー今日もかっこいいよ直人くん……画面端に見切れてる枕になりたい」
大人気完璧スパダリ攻め様が、あまりにも理想的すぎて、毎日胸きゅんトキメキMaxである。
「推しがいるって幸せ……この幸せを与えてくれた直人くんにもっと貢ぎたい」
別にホモでもネコ志望でもないのだが、直人くんにはドキドキしてしょうがない。
そんなある日、直人くんが画面から出てきたかと思うほど激似な実況者を見つけた。
「なっ、直人くんが……! ゲームしてツッコミを入れて、視聴者と(コメントで)話してる……!」
その日のうちにチャンネル登録した彼の動画を、見れるだけ視聴した。
見れば見るほど顔も発言も声も何もかも、直人くんとそっくりに思える。
「名前までナツキって似てるし、もう彼は直人くんが現実に転生した姿としか思えない」
アニメが終わり、グッズ展開もコラボカフェも終了し行き場を無くした直人くんへの愛は、ナツキの生配信にスパチャを投げて散財する、という形に落ち着いた。
生配信の度にスパチャでお布施をしていたら、ナツキからも覚えられたらしい。
いつものようにツックスでポストを追いかけていたら、ある日突然フォロバされてDMが来た。
『いつもスパチャありがとうございます!』
「うわわわわ何事!?」
神みたいな存在から語りかけられた。
『突然ですがお時間ありますか? さっき投稿されていた〇〇区××ビルの展覧会に僕もいたので、偶然だなと思って。よかったら今から会えませんか?』
たっぷり三分は固まった後、震える指先で返信する。
『光栄です、ぜひ!』
頭から湯気を吹き出しながら、指定された居酒屋の個室に向かうと、ナツキがいた。
(ひええ、顔小さい、手足長い、本物だ!)
「こんにちは、突然ごめんね」
「い、いえ! そんな!」
「まあ座ってよ」
緊張でまともに話せない腐男子くんを、ナツキはにこにこ見つめてくる。
「初期から僕を応援してくれてて、とっても励みになっているんだ。いつもありがとう」
「うわあ、こちらこそナツキくんにはいつも勇気をもらってて! ありがとうございます!」
「せっかくだし飲もうよ、乾杯!」
緊張と嬉しさでテンションが上がりまくり、腐男子くんはすぐに酔い潰れてしまう。
「むにゃむにゃ……」
「ふふ、ちょろい」
ナツキは腐男子くんをホテルに連れ込んだ。
実況者は表の顔、実はナツキはちょろそうなファンを酔わせて襲う、クズ男だった。
いざ事に及ぼうとすると、腐男子くんは幸せそうに呟く。
「あれ、直人くん……? 本物だあ」
「誰、直人って」
「えへへ、直人くん……」
「ふうん、俺はソイツの代わりかよ」
裏切られた気分になったナツキは、強引に事に及んだ。
「くっそ、キツいな」
「ああっ、やめて、やめて!」
たくさん抱いたのに気持ちが収まらない。
行為中の写真を撮って呼びだし、気が済むまで腐男子くんで遊ぶことにした。
「や、やめてナツキくん……僕、こんな関係は望んでなかった」
「うるさいな。写真をネット上にばら撒かれたくなかったら従うんだ」
どんなに泣かせても、自分じゃない他の誰かを求めているのかと思うと気持ちが収まらない。
ますます泣かせてみても、腐男子くんは怯えるばかり。
「違う。俺がやりたいのはこれじゃない」
こんなに気になるのは、彼のことが好きだからだ。
やり方が間違っていると気づいたナツキは、腐男子くんを無理矢理抱くのはやめて、優しく接した。
「今度は何を企んでいるの……」
「何も……ただ、アンタが本気でほしくなっただけだ」
「信じられない」
「本当に悪かった。お前のことが好きになったんだ。写真も消す。だから、信じてくれないか」
「信じられない……」
ナツキは強引な態度を改め、腐男子くんに尽くした。
腐男子くんは少しづつ警戒をとき、趣味の話などもするくらいには信頼関係が回復した。
「え、直人って、キャラクターなのか」
「そうだよ。ナツキくんと似てるでしょう。いや、似てると思ってた……」
「……」
その日から、腐男子くんの理想の相手を追求すべく、ナツキは直人の研究をはじめた。
アニメを全話視聴し、腐男子くんのオタトークを喜んで聞くナツキに、いつしか笑顔を見せるようになる。
「すごい! 今の言い方、めちゃくちゃ直人くんにそっくりだったよ!」
笑ってくれるのは嬉しいが、似ているという理由なのが切ない。
俺自身を好きになってほしいのに……そんな眼差しを受けて、腐男子くんの気持ちも揺れ動いていた。
(最近のナツキくんは怖くないし、一緒にいて楽しいな)
だけどまた態度が豹変したらと思うと怖くて、一歩踏みだせない。
ここからナオキくんの情熱に、腐男子くんはだんだん心を揺り動かされていく。
身体からはじまって、両思いになるのに三年かかるお話。
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