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70.三角関係の自分以外がつきあうことになった話
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Ωとαの友達とずっと仲がよかったβくん。
高校生になり、片想いをしていたαがΩくんとつきあうことになり愕然とした。
「へ、へー……お前ら好き同士だったのかよ、おめでとう!」
αはΩ相手に今まで見たことないくらい幸せそうな笑顔を向けている。
嬉々として夏の計画を立てている二人が、義理でβも一緒に行く? と誘ってくるのが耐えられなくて、夏の間は一人でリゾートバイトをすることにした。
遠く離れた地で黙々と仕事をしていても、海辺に遊びにくる仲のいいカップルを見ると、つい二人のことを思い出してしまう。
夕日が美しい海でちょっぴり泣いていると、通りがかった筋肉が素晴らしく素敵な男性に声をかけられた。
「大丈夫ですか?」
「お見苦しいところを……すみません」
「いいんですよ、泣きたい時には泣いた方がスッキリします」
肩を貸してくれて、ああ本当はαにこうしてほしかったんだよなあと余計に泣けてくる。
冷えるからそろそろ戻った方がいいと促されるけど、動きたくなくて留まっているとタオルを肩にかけてくれた。
「ありがとうございます」
「辛いことがあったんですね」
包容力がある彼に失恋したと打ち明けると、真摯な瞳で見つめながら話を聞いてくれる。
「そうでしたか」
片想いしていたαのように口は上手くないけれど、ゆっくり寄り添ってくれる雰囲気はβを癒してくれた。
その日から時々筋肉さんと会うようになる。
βはすっかり筋肉さんに懐き、失恋の傷にも整理がついた。
「そろそろ夏休みが終わるので、地元に帰ります。本当にありがとうございました」
「そうか、地元はどこなんだ?」
聞けば彼も夏の間だけボランティアをしていたらしい。
意外と近所に住んでいたので、地元に戻っても会うことになった。
「体を鍛えれば心も鍛えられる。一緒にジムに行かないか」
「そうなんですか、やってみたいです」
地元のジムで会う彼は、まるでコーチのようにβを導いてくれる。
βは彼のことを好きになりはじめていた。
体格の割に地味な格好をしていて目立たない彼は、きっとβだろう。
β同士なら、付き合うこともできるかもしれない。
そう思っていた矢先、彼が廊下で誰かと電話をしていた。
話の流れで彼がαであるという事実を知ってしまい、呆然として背を向けた。
彼はβに気づき、追いかけてきて壁ドンする。
「聞いていましたか」
「すみません」
好きになってしまってごめんなさいと内心嘆いていると、彼は薄く笑う。
「なぜ謝るんです? 盗み聞きをしたと怒ってはいませんよ」
耳を触られて頬が熱くなる。βの反応を見てαは笑みを深めた。
「貴方は私のことが好きなんですね」
図星を突かれて、あまりの恥ずかしさに消え入りたくなる。
また届かぬ人に恋をしてしまったと思い、たまらなくなって逃げ出した。
けれど彼は持ち前の素晴らしい筋肉を駆使して、あっという間に追いつかれ個室に閉じ込められた。
「逃げないでください、愛しい人。私も貴方を愛しています」
「……え?」
そのまま熱烈なキスをされ、彼の気持ちを身体で思い知ったβくん。
「僕、βなのに……」
「関係ないです、私は辛い状況でも前を向いて頑張る貴方の心根に惹かれたのですから」
ポロリと涙が溢れて、彼は優しく拭ってくれた。
後日、幼馴染に彼氏が出来たと報告すると嬉しそうに祝ってくれて、お前らのお陰だよと言うと不思議そうにしていた。
高校生になり、片想いをしていたαがΩくんとつきあうことになり愕然とした。
「へ、へー……お前ら好き同士だったのかよ、おめでとう!」
αはΩ相手に今まで見たことないくらい幸せそうな笑顔を向けている。
嬉々として夏の計画を立てている二人が、義理でβも一緒に行く? と誘ってくるのが耐えられなくて、夏の間は一人でリゾートバイトをすることにした。
遠く離れた地で黙々と仕事をしていても、海辺に遊びにくる仲のいいカップルを見ると、つい二人のことを思い出してしまう。
夕日が美しい海でちょっぴり泣いていると、通りがかった筋肉が素晴らしく素敵な男性に声をかけられた。
「大丈夫ですか?」
「お見苦しいところを……すみません」
「いいんですよ、泣きたい時には泣いた方がスッキリします」
肩を貸してくれて、ああ本当はαにこうしてほしかったんだよなあと余計に泣けてくる。
冷えるからそろそろ戻った方がいいと促されるけど、動きたくなくて留まっているとタオルを肩にかけてくれた。
「ありがとうございます」
「辛いことがあったんですね」
包容力がある彼に失恋したと打ち明けると、真摯な瞳で見つめながら話を聞いてくれる。
「そうでしたか」
片想いしていたαのように口は上手くないけれど、ゆっくり寄り添ってくれる雰囲気はβを癒してくれた。
その日から時々筋肉さんと会うようになる。
βはすっかり筋肉さんに懐き、失恋の傷にも整理がついた。
「そろそろ夏休みが終わるので、地元に帰ります。本当にありがとうございました」
「そうか、地元はどこなんだ?」
聞けば彼も夏の間だけボランティアをしていたらしい。
意外と近所に住んでいたので、地元に戻っても会うことになった。
「体を鍛えれば心も鍛えられる。一緒にジムに行かないか」
「そうなんですか、やってみたいです」
地元のジムで会う彼は、まるでコーチのようにβを導いてくれる。
βは彼のことを好きになりはじめていた。
体格の割に地味な格好をしていて目立たない彼は、きっとβだろう。
β同士なら、付き合うこともできるかもしれない。
そう思っていた矢先、彼が廊下で誰かと電話をしていた。
話の流れで彼がαであるという事実を知ってしまい、呆然として背を向けた。
彼はβに気づき、追いかけてきて壁ドンする。
「聞いていましたか」
「すみません」
好きになってしまってごめんなさいと内心嘆いていると、彼は薄く笑う。
「なぜ謝るんです? 盗み聞きをしたと怒ってはいませんよ」
耳を触られて頬が熱くなる。βの反応を見てαは笑みを深めた。
「貴方は私のことが好きなんですね」
図星を突かれて、あまりの恥ずかしさに消え入りたくなる。
また届かぬ人に恋をしてしまったと思い、たまらなくなって逃げ出した。
けれど彼は持ち前の素晴らしい筋肉を駆使して、あっという間に追いつかれ個室に閉じ込められた。
「逃げないでください、愛しい人。私も貴方を愛しています」
「……え?」
そのまま熱烈なキスをされ、彼の気持ちを身体で思い知ったβくん。
「僕、βなのに……」
「関係ないです、私は辛い状況でも前を向いて頑張る貴方の心根に惹かれたのですから」
ポロリと涙が溢れて、彼は優しく拭ってくれた。
後日、幼馴染に彼氏が出来たと報告すると嬉しそうに祝ってくれて、お前らのお陰だよと言うと不思議そうにしていた。
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