ツイノベ倉庫〜1000文字程度の短編集

兎騎かなで

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33.触手人とのお見合い♡

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「触手、ですか」
「はい、触手族なんです」
お見合い相手は地球人限定でセッティングしてくださいとお願いしておいたのに、まさかの触手族だった。
写真が人に擬態した状態だったから騙された。いや、書類をしっかり確認しないで顔と条件だけ見て決めた俺も悪いのだが。
「お嫌いですか、触手」
「え、いやあ、嫌いっていうか……怖いっていうか」
「怖くないですよ? 動かないので触ってみてください」
「うわぁ!?」
いきなり手がぬるりと前腕に変わって、ピンク色の艶々した触手が机の上に差し出される。
……動かなかったら意外と怖くないかも? スライムみたいでひんやりして、気持ちよさそうにすら見える。
触ってみたら、ぷにゃぷにゃでほんのり冷たくて、肌に吸いついてくる感じが病みつきになる。
「悪くないですね……」
「貴方の手も暖かくて気持ちがいいですよ。僕たち相性がいいのかもしれません。確かめてみます?」
「あ、いいんですか?」
見合いの席で身体の相性を確かめることは推奨されている。離婚防止策の一環だ。
性病にかかっていない証明書を提出しないと登録できないから、病気も移らず安心。
「触手族の方とするのは初めてなので、お手柔らかにお願いしますね」
と言ったのに、もうぐちょぐちょのどろどろにされて、かわいいかわいいって愛でられながら、穴という穴を責められる。
「ここは? ここも気持ちいいんですか?」
「ひぃ♡  好き、そこっああ♡ 」
人間相手じゃとてもできないような同時攻めをされて、潮を噴くまで喘ぎまくっちゃう。
「やあぁ……あ♡ 」
「はあ、すべすべでよく鳴いてくれて、最高にかわいらしいです。私どうしても貴方をパートナーにしたくなりました。おつきあいしましょう?」
「ふぁい……♡ 」
えっちが素敵すぎて離れ難くなった俺だったが、その後は触手姿も悪くないどころか愛おしく思えてきた。
彼の仕事が終わって構ってもらえるのを、毎晩待ち侘びている。
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