ツイノベ倉庫〜1000文字程度の短編集

兎騎かなで

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18.受けの女装ネタ

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大学の飲みサークルでの出来事。

罰ゲームで女装することになった受け。

悪ノリした女子が服を持ってきていて、盛り上がって断れない状況になる。

しょうがなく服を着て、女子にメイクまでされて出ていくと、笑えないレベルでかわいい。

みんなの前に出た瞬間、しーんと飲み会会場が静まる。

「え、めちゃかわいい、誰?」
「あいつじゃん? マジかよ、彼女にしてーわ」

とか周りが野次を飛ばしていると、すくっと立ち上がった寡黙くんが女装くんの手を引いてさらっていく。

騒然とする店内。
呆気にとられてついていく女装くんは、店を出たところで寡黙くんの手をふり払う。

「いきなりなんだよ」
「……」

この寡黙くんとは挨拶以外ろくに言葉を交わしたこともない。

ギロリと強い視線で見られてたじろぐ。
何睨んでんだよとガンを飛ばすと、やっと言葉を発する寡黙くん。

「誰にも見せたくない……」

ん? どういう意味だと寡黙くんをジロジロ見ると、やたら頬は赤いし目は潤んでいる。

さっきかわいいって言われてたし、さてはコイツのストライクゾーンの見た目なのではと思い至る女装くん。

イタズラ心が芽生えて、ニヤリと笑いながら上目遣いで挑発する。

「んふ、かわいいっしょ? サービスしちゃう? なんちゃって……んー!」

いきなり顎をとらえられて熱烈なキスをされる。

元々女装くんのことが好きだった寡黙くん、あまりのかわいさに理性なんてブチ切れて、往来にもかかわらず濃厚なキスをかましちゃう。

あまりにも情熱的に舌を吸われて、女装くんも感じちゃう。

えっ、こいつ上手い、もっとしたいってヤル気になる。

「二人きりになりたい」
「……いいよ♡ 」

その後ホテルで熱い夜を交わした二人。
寡黙くんはもうすっかり付き合えたものだと思って、頭お花畑状態になってる。

一方の女装くんは、あースッキリした、また女装したら相手してくれるかな、男も悪くねえなあってライトな感覚でいる。

それで、寡黙くんなりに手を繋いでみたりデートに誘ってみたりするんだけど、
女装くんはまた女装してエッチしてほしいんだな、ホント俺の女装姿が好みなんだなーって誤解をする。

寡黙くんがデートに誘ったら女装姿で来られて、寡黙くんも(女装エッチが性癖なんだな)と思いこむ。

そんな二人がお互いの勘違いに気づくまで、セフレ以上恋人未満なおつきあいを続けてて、
周囲はとっくにつきあっているものと思いこんでいるお話。
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