ツイノベ倉庫〜1000文字程度の短編集

5.ビッチ受けだから信じてもらえない

自分のことかわいいってわかってるビッチな受けが、本気で惚れた彼にいくら好きって言っても、信じてもらえない話。

「ああ、息をしてるだけで尊いよお……きゅんです」
と遠くから見つめるだけの受けに、攻めは

「わあ、あの子何度見てもかわいいな。この酒場では有名なビッチだ、俺に興味あるのか？　まさかな……ちょっとでも興味のあるヤツとは、誰とでも寝るって聞くし」みたいに流してて。

ある日勇気を出して、受けがアタックしにいく。
ビッチだからか、勝負服の方向性を間違えて、初っ端から飛ばしすぎる。

完璧に一夜の過ち狙いのような、穴あきタートルネックにホットパンツみたいな格好で来ちゃう。

それで攻めには「こんな格好で声かけてきたってことは、遊んでほしいんだな」って勘違いされちゃう。

受けはスッと誘いに乗ってくれた攻めも、自分のことが好きなんだって舞い上がって、濃厚な甘い夜を過ごす。

受けは「攻めくん好き♡ 　大好き♡ 」ってちゅっちゅしながら抱かれる。

攻めはリップサービスだから騙されるな、本気で好きになったら辛いぞって、誤魔化すように激しく抱く。

どこもかしこも汁塗れになるまで抱かれて、受けは幸せの最高潮にいる。

だけど、一夜明けたらベッドに攻めはいなくて。連絡先も知らないから、悶々といつものバーで飲んでると、一週間後に何食わぬ顔で攻めが現れる。

「なんで帰っちゃったの、バカァ！」
「え？」

そこからはじまる、お互いをなかなか信じられない、両片思いなお話。