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第二章
17話
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王子の俺第二章 17話
俺は自由になった手で早速ガレルを抱き寄せる。背中にギュッと腕を回すと、彼も俺の肩を抱き返してくれた。
「ガレル、ごめんな。お前はちっとも俺を信用してくれてないって拗ねてたけど、わかってなかったのは俺の方だったっぽい」
「いや、俺もやりすぎた……少し跡がついているな、痛かったか?」
俺の手首の内側は布で擦れたのか赤くなっていた。労わるように撫でられる、その感触がくすぐったい。
「いーや? 全然」
「そうか……」
ガレルはしばし無言で俺のことを抱きしめていたが、やがてポツリと心情を漏らした。
「……実のところ、本音を言えばずっとお前を俺の手の届くところに繋いでおきたいとの思いはある」
「うん? おう」
わーお、物騒だな。でも実際は手錠とってくれてるしな、もうちょい話の続きを聞こうじゃないか。
「しかしお前はそれでは納得しないのだろう」
「そりゃそうだよ」
「そうだな。お前はとても美しく、手折りたいと思う輩は多いだろう。そんなユールを人目につかないところに閉じこめてしまいたいとの思いは常にある。が、それ以上に俺はお前の笑顔が見たいのだ」
ガレルの物騒で、それでいてとても不器用な告白めいた物言いに、キュンと俺の心臓は奇妙に反応する。
こんなヤベェ言葉にときめくなんて、俺も大概人のことを変態扱いできないな。
俺はギュッとガレルを抱く腕に力を込めた。
「……俺さ、いろんな人と友達になりたいし、どこだって行きたいと思ったところには出かけてみたい」
「ああ」
「いつもお前が俺の気持ちを考えてくれてるの知ってるよ。その、ありがとな」
俺はごにょごにょと言葉尻を濁しながら、勇気を出して告げた。
「もし、もしもだけどさ。お前が俺を拘束することで安心するんだったら……たまにだったらこうやって手錠に繋いでくれても……いい」
ガレルは俺の提案に目を丸くした後顔を伏せた。クックックと隠しきれない笑い声が彼の腹の底から湧いてきている。
「いいのか? そんな提案をして。そのまま離してやるのが惜しくなるかもしれんぞ」
「ガレルはそんなことしないって知ってるからな。今回は俺が間違えたせいでこうなってるわけだろ? そういうことがなければ、いつもちゃんと俺の気持ちも大事にしてくれてるってわかってるしさ」
ガレルはしばらく沈黙した後、体を離して俺の顔をジッと見つめた。金色の瞳が柔らかな光を湛えている。
はあ、やっぱり何度見てもかっこいいよな。好きだなあ……嫉妬深かろうがエッチがしつこかろうが、これからもガレルと一緒に生きていきたいって改めて思った。
フレンのヤツにずっと匡のことが好きだったと言われて寝耳に水だったけれど、それを聞いた時俺は今もう匡じゃなくてユールなんだぞって思いが強く湧いてきてさ。
これからはやっぱユールとして生きていくことを大事にしなきゃな。匡の時の感覚で生きてたら、この先も人との距離感とか間違えそうだし。
「俺は匡だったけど今はユールだからさ、この世界でちゃんと生きていきたいわけ。でもまだ王族としてーとか全然わかってないみたいだし、また間違えることもあるかもしれない。だからその時は……お仕置き、してくれてもいいよ」
自分で言っておいて顔に熱が昇る。いやでも、コイツのするお仕置きってちょっと辛いけど、愛も感じられるんだよな。
俺だってガレルのことを大切にしたいって気持ちはもちろんある。
けれど外に行きたい、友達を作りたいって思いも認めてほしいわけだから、やっぱこいつの俺を閉じこめたいけど我慢してる気持ちも発散させてやらなきゃと思ったというか……
……俺がお仕置きされたいってわけじゃないんだぞ? ちょっとガス抜きにつきあってやる必要あるよなーと思っただけだから。
だから別にマゾとかそういうんじゃないからな!?
ガレルがさもおかしいと言いたげに笑いながら俺の頬を指先でくすぐる。
「ユール、そんなことをお前から言われたら、誘われているのかと思ってしまうぞ」
「そういう訳じゃ……いや、もうそれでいいや。なあ、しよ?」
裸のまま擦り寄ると、中途半端に肩にかかっていたシーツがストンと腰まで落ちた。ガレルも靴を脱いでベッドの上に上がり、前ボタンを外しはじめる。
「いいのか? そんなに煽られると、また加減がきかなくなるぞ」
「それは困る……けど、俺もガレルを感じたいしな。だって昨日から抱きしめたくてもできなかったし」
ガレルのはだけた胸に俺の薄い胸を密着させると、熱い体温が伝わってくる。ドクン、ドクンと力強い鼓動が聞こえて、ほうとため息を漏らした。
「ユール……」
ガレルが俺の頬を撫でていた手を首筋から肩へと落とし、背中を通り過ぎて尻にたどり着く。
やわやわと揉まれて熱い息を吐く。くっそ、そういうことされると俺もヤリたくなるじゃんか……
「なあ、油どこ?」
俺が小声で問いかけると、ベッドサイドの引き出しからガレルが潤滑油を取りだした。俺はそれを受けとると指にぶっかけ、勇気を出して自分の尻に指先を突っこんだ。
「んっ! う……」
「ユール?」
「黙って待ってろよ……っ、加減がきかないっていうなら、今日は……俺が動くっ、から」
ぬぷり、つぷ、と指を出し入れする感覚が気持ち悪くて気持ちいい。気持ちいいの方の感覚をがんばって拾っていくと、だんだん穴のキツさが緩んでくる感じがした。
「ぅ、ふっ……」
「……ここは触ってもいいか?」
「んっ、だめ……」
乳首をツンと押されるけれど、首を横に振って悪戯な手を退ける。今尻をほぐすのに集中してるから待ってくれよ。
指を動かすと尻からクチュリ、とどうしても音が立ってしまうけれど、羞恥心を押し殺して解し続ける。
だいぶ穴が解れてきて、指二本入れても大丈夫になってきた。
「ガレル……」
ガレルのズボンを引っ張ると、彼は潔く服を脱ぎ捨て全裸になる。
ガレルのちんこは既にそそり立っていた。キュッと握って上下に擦ると、ガレルが息を詰める気配がした。
俺は自由になった手で早速ガレルを抱き寄せる。背中にギュッと腕を回すと、彼も俺の肩を抱き返してくれた。
「ガレル、ごめんな。お前はちっとも俺を信用してくれてないって拗ねてたけど、わかってなかったのは俺の方だったっぽい」
「いや、俺もやりすぎた……少し跡がついているな、痛かったか?」
俺の手首の内側は布で擦れたのか赤くなっていた。労わるように撫でられる、その感触がくすぐったい。
「いーや? 全然」
「そうか……」
ガレルはしばし無言で俺のことを抱きしめていたが、やがてポツリと心情を漏らした。
「……実のところ、本音を言えばずっとお前を俺の手の届くところに繋いでおきたいとの思いはある」
「うん? おう」
わーお、物騒だな。でも実際は手錠とってくれてるしな、もうちょい話の続きを聞こうじゃないか。
「しかしお前はそれでは納得しないのだろう」
「そりゃそうだよ」
「そうだな。お前はとても美しく、手折りたいと思う輩は多いだろう。そんなユールを人目につかないところに閉じこめてしまいたいとの思いは常にある。が、それ以上に俺はお前の笑顔が見たいのだ」
ガレルの物騒で、それでいてとても不器用な告白めいた物言いに、キュンと俺の心臓は奇妙に反応する。
こんなヤベェ言葉にときめくなんて、俺も大概人のことを変態扱いできないな。
俺はギュッとガレルを抱く腕に力を込めた。
「……俺さ、いろんな人と友達になりたいし、どこだって行きたいと思ったところには出かけてみたい」
「ああ」
「いつもお前が俺の気持ちを考えてくれてるの知ってるよ。その、ありがとな」
俺はごにょごにょと言葉尻を濁しながら、勇気を出して告げた。
「もし、もしもだけどさ。お前が俺を拘束することで安心するんだったら……たまにだったらこうやって手錠に繋いでくれても……いい」
ガレルは俺の提案に目を丸くした後顔を伏せた。クックックと隠しきれない笑い声が彼の腹の底から湧いてきている。
「いいのか? そんな提案をして。そのまま離してやるのが惜しくなるかもしれんぞ」
「ガレルはそんなことしないって知ってるからな。今回は俺が間違えたせいでこうなってるわけだろ? そういうことがなければ、いつもちゃんと俺の気持ちも大事にしてくれてるってわかってるしさ」
ガレルはしばらく沈黙した後、体を離して俺の顔をジッと見つめた。金色の瞳が柔らかな光を湛えている。
はあ、やっぱり何度見てもかっこいいよな。好きだなあ……嫉妬深かろうがエッチがしつこかろうが、これからもガレルと一緒に生きていきたいって改めて思った。
フレンのヤツにずっと匡のことが好きだったと言われて寝耳に水だったけれど、それを聞いた時俺は今もう匡じゃなくてユールなんだぞって思いが強く湧いてきてさ。
これからはやっぱユールとして生きていくことを大事にしなきゃな。匡の時の感覚で生きてたら、この先も人との距離感とか間違えそうだし。
「俺は匡だったけど今はユールだからさ、この世界でちゃんと生きていきたいわけ。でもまだ王族としてーとか全然わかってないみたいだし、また間違えることもあるかもしれない。だからその時は……お仕置き、してくれてもいいよ」
自分で言っておいて顔に熱が昇る。いやでも、コイツのするお仕置きってちょっと辛いけど、愛も感じられるんだよな。
俺だってガレルのことを大切にしたいって気持ちはもちろんある。
けれど外に行きたい、友達を作りたいって思いも認めてほしいわけだから、やっぱこいつの俺を閉じこめたいけど我慢してる気持ちも発散させてやらなきゃと思ったというか……
……俺がお仕置きされたいってわけじゃないんだぞ? ちょっとガス抜きにつきあってやる必要あるよなーと思っただけだから。
だから別にマゾとかそういうんじゃないからな!?
ガレルがさもおかしいと言いたげに笑いながら俺の頬を指先でくすぐる。
「ユール、そんなことをお前から言われたら、誘われているのかと思ってしまうぞ」
「そういう訳じゃ……いや、もうそれでいいや。なあ、しよ?」
裸のまま擦り寄ると、中途半端に肩にかかっていたシーツがストンと腰まで落ちた。ガレルも靴を脱いでベッドの上に上がり、前ボタンを外しはじめる。
「いいのか? そんなに煽られると、また加減がきかなくなるぞ」
「それは困る……けど、俺もガレルを感じたいしな。だって昨日から抱きしめたくてもできなかったし」
ガレルのはだけた胸に俺の薄い胸を密着させると、熱い体温が伝わってくる。ドクン、ドクンと力強い鼓動が聞こえて、ほうとため息を漏らした。
「ユール……」
ガレルが俺の頬を撫でていた手を首筋から肩へと落とし、背中を通り過ぎて尻にたどり着く。
やわやわと揉まれて熱い息を吐く。くっそ、そういうことされると俺もヤリたくなるじゃんか……
「なあ、油どこ?」
俺が小声で問いかけると、ベッドサイドの引き出しからガレルが潤滑油を取りだした。俺はそれを受けとると指にぶっかけ、勇気を出して自分の尻に指先を突っこんだ。
「んっ! う……」
「ユール?」
「黙って待ってろよ……っ、加減がきかないっていうなら、今日は……俺が動くっ、から」
ぬぷり、つぷ、と指を出し入れする感覚が気持ち悪くて気持ちいい。気持ちいいの方の感覚をがんばって拾っていくと、だんだん穴のキツさが緩んでくる感じがした。
「ぅ、ふっ……」
「……ここは触ってもいいか?」
「んっ、だめ……」
乳首をツンと押されるけれど、首を横に振って悪戯な手を退ける。今尻をほぐすのに集中してるから待ってくれよ。
指を動かすと尻からクチュリ、とどうしても音が立ってしまうけれど、羞恥心を押し殺して解し続ける。
だいぶ穴が解れてきて、指二本入れても大丈夫になってきた。
「ガレル……」
ガレルのズボンを引っ張ると、彼は潔く服を脱ぎ捨て全裸になる。
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