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5話
しおりを挟むまた新しい朝がきた。ひんやりと冷えた空気の中、ユールは気怠げに起きあがる。
自分のサラサラの前髪をつまみあげ、白金なことを確認してがくりと肩を落とした。
「はぁー、また今日も匡に戻ってなかったか。まあわかってたけどな」
やっぱ最初に考えた前世の俺の記憶的な路線が正解で、日本に戻るとかそういうの無理な気がしてきたわ。
ユールはうーんと背伸びをして呟いた。
「そろそろ現実逃避はやめるかな……」
一週間図書室に通ったものの、なんの成果も得られなかった。
呪術は眉唾物だし、神隠しは御伽噺か失踪事件。
人を召喚する方法はないし、憑依魔法なんて存在すらしていないってことがわかった。
途中からガレルに見つかって、初日以降は無駄話もせずにお互い読書した。時々視線があうとニコリと微笑まれる毎日から、もう抜けだそうと思う。
(つっても何すっかな……多分だけど、ガレルから逃げられるタイムリミットって一月もないんだよな)
ユールの予想では、誕生祭の日……つまりユールの成人の日に婚約の発表がされると踏んでいる。
というよりほぼ確定のような気がしている。
何かできることはないかと記憶を整理している時に思いだしたのだが、義理の父である王からガレルについてどう思うか聞かれていた。
『ユールよ、ガレルはことの他お前を好いているようじゃが、お前はガレルを支える覚悟はあるか?』
『覚悟、ですか? よくわかりませんが、僕も兄様のことは大好きですし、なにか困っていたら全力で手助けしたいと思っています』
父王はしばらくじっとユールを見つめた後、ふと微笑んで頷いた。
『そうか、それならよい。儂も我が子達には幸せであってほしいからな。よいよい、認めよう』
『? はい、ありがとうございます!』
この時のユールは、お互いに兄弟支えあって幸せに生きるんじゃよ、的な意味で王の言葉を捉えた。
自分が王から家族として認められているんだと解釈し、無邪気に喜んでいた。
今ならわかる。あれは婚約についての話だったんだと……!!
(鈍いぜ、鈍すぎるぜユールゥーー!!)
ガレルが大事に大事に囲いこんだせいで、ユールは貴族社会で揉まれる経験がほぼないまま育ってしまっていた。
言われたことの裏を読まずに素直に、言葉通りに受けとりがちだ。ちょっと危ないくらいに。
それで今までなんとかなっていたのは、ひとえにガレルが側に張りついて、ユールのことは俺を通せとばかりに守ってきたからだ。
芋蔓式に思いだしたが、そういえば何度となくガレルに愛の告白もされていて、その度にユールはただただ純粋に嬉しくなって、子犬のように無邪気に受け入れていた。
『ユール、愛している』
『僕も兄様のこと、大好きです!』
『ずっと一緒にいよう』
『そうですね、許される限り兄様の側にいたいです』
『ああ、許されるとも。お前が成人となった暁には、盛大にお祝いをしよう』
『お祝いですか? わあ、楽しみです!』
……完璧に両思い二人の会話なんだが。
ユールとしては、ただただ好きと言われて嬉しい、誕生日パーティー楽しみ、という思いしかない。
この会話で自分が結婚することを了承していると伝わるなんて、露程も思っていなかった。
(そうだな、ユールが鈍ちんなのはガレルのせいもあるけど……そもそも情緒が五歳児で止まってたんだな。それにしても、もうちょい慎重になっとこうぜ過去のユールよ……)
まあ、過ぎたことを嘆いてもしょうがない。俺は今からでもできることをやるんだ!
ユールが気合を入れ直し朝食を済ませると、マシェリーが来客を告げた。
「ユール様、フォルテオ様がいらしております。お召し替えをお願いします」
「ああ、わかった。また中庭か?」
「そうですね、庭を散策されたいとのことで、中庭におられます」
「では、着替えたらそちらに向かうよ」
「かしこましました」
ユールは王子なので、いくら気心の知れた来客であろうともそれなりに畏まった格好で会わなければならない。
サイズはピッタリなのに窮屈な気分になるフリルシャツを身につけて、俺は幼馴染の元に急いだ。
「フォルテオ! 待たせたかな?」
「いーや? 薬草園を見せてもらっていたんだ、全然飽きないね。これを見るためにわざわざ早めに来たんだから、ユールが気にすることはない」
フォルテオは深緑色の髪に琥珀の瞳の、ひょろりとした優男だ。
今もにっこりと笑いかけてくれているのに、優しげな印象よりなにか企んでいるように見える侯爵令息。
ちなみに次男だから、こいつにはかわいい女の子の婚約者がいる。くっ、裏切り者め……!
ユールは三人いる幼馴染の中でも、落ちつきがあって博識なフォルテオに特に懐いていた。
フォルテオの方もユールと話をするのが嫌いではないようで、こうして時おり城に来てくれる。
しかし今回はフォルテオから誘われたわけではなく、ユールがフォルテオに声をかけたのだ。
中庭にセッティングされたテーブルに座ると、メイドが紅茶を運んでくる。
見た目は紅茶だけど風味はハーブティーっぽいけどな。
「それで、どうしたユール。君がわざわざ私を呼びつけるなんて珍しい。手紙では忘却の薬草の話がしたいと言っていたが、何か忘れたいことでもあるのか?」
「ああ、ええと……その、忘却の薬草はどの程度忘れることができるんだろう。例えば、人一人分の記憶を消したりとかは?」
品良い手つきで紅茶を飲みながら、フォルテオは考える素振りをみせた。
「そうだねえ、その人物とどの程度関わったかによるね。例えば十分程度話をしただけの人なら、なんなく忘れられる」
「年単位で会ってるような人は?」
「それは無理さ。年単位の記憶を消すなんてことをしたら、その人はカトラリーや言葉の使い方まで忘れてしまうだろう」
やっぱ無理なのか……まあそんなに期待はしてなかったけどな。ユールは気をとりなおして質問を重ねる。
「そうか……忌避草はどうだろう。食べた後に見た物を嫌いになってしまうって聞いたんだけど、それって人にも有効なのかな?」
「うーん、その人の服とか持ち物に反応してしまうって聞いたことがあるからなあ。望み薄じゃないか?」
音を立てずに紅茶カップを皿に戻したフォルテオは、目を眇めながらユールを見た。
「もっとも、どちらも禁薬指定されているから、王子の君でも手に入れることは相当困難だろうね。どうしたんだ君、誰か遠ざけたい人がいるのかな?」
「いや、学術的に興味があっただけなんだ。本当に」
「ふーん……?」
疑わしそうにこちらを窺うフォルテオから視線を逸らしつつ、ユールも紅茶を飲む。
ああ、緊張してるせいか味がしねえ……
「君の離れたい人ってさ……ガレル様だろう?」
動揺からカップをおろす時に音を立ててしまう。
「えっ、そんなわけないよ。どうしてそう思ったの?」
「ユール、君さ、少し雰囲気が変わったよ。束縛されていることに気づいたんだろう。それで嫌になったんじゃないか?」
口の端を上げて意地悪く笑いかけてくるフォルテオに、ユールは引きつった笑みで返答する。
「別に、嫌なわけでは……」
「そうなんだ? 私だったらあんなに行動を制限されては、嫌気がさしてしまうけどなあ」
「……」
「別に、ガレル様には悪いように言わないからさ。相談に乗ろうか?」
正直藁にも縋る思いでこの幼馴染に声をかけたので、そう言ってもらえるのは助かる。
助かるのだが……
なんか胡散臭いんだよなー、こいつって。
半顔でジトっと見つめていると、フォルテオはおかしそうに笑いだした。
「ふっ、なんて顔してるの。別にとって食いはしないよ?」
そうは言うがこの男、目的の為に策を練ってほしいものをサラリと入手していたり、こいつ相手に顔を引き攣らせる相手がいたりと、なかなか頭が回るが性格的にもクセがあるやつなんだ。
ただのユールだった時には、そういうところにも憧れたもんだが、信じて任せるにはちと怖いところがある。ある意味では頼もしいんだけど。
「私を疑ってるんだね? いいね、ユール。君はもっと警戒心を持つべきだって、私は常々思っていたよ」
「ご心配いただいてありがとう。では聞くけど、なんのために僕に協力してくれるんだ? 君にとってどんなメリットがある」
「メリットだなんて。私は今回の件では本当に、君を不憫に思って協力をしたいだけだよ。ガレル様の束縛は、側から見ていても息苦しそうだったからね。君はもっと広い世界を知るべきだと、幼馴染として私はそう思うよ」
息苦しい、か。まあ、そうだよな。友達も自由に作れず、街にも出かけられず、ただ安全な鳥籠で囲われていたユール。
好きな時に好きな場所に出かけて、友達とオールしたり、飲み歩いたり、そういう匡だった時にできたことはなにひとつやってこなかった。
それで特に不満があったわけじゃなく、今まで当たり前だと思っていたが……改めて今の境遇を考えるとひどく窮屈だ。
「……僕もそう思う。正直に言うと、ガレル兄様から逃げたいと思ってしまう。このまま流されて結婚するのは嫌なんだ」
うんうん、とわかったように頷く素振りで話を聞いていたフォルテオは、人差し指をおもむろに立てて提案をした。
「そうか。なら、私に一ついい考えがあるよ」
「僕にいい考えは思いつけないが、フォルテオを信じきって任せたら、なにか思ってもみない方向に突っ走られそうでちょっと嫌だ」
俺の失礼な物言いに目を見張って、まじまじと俺のことを観察しだすフォルテオ。
「いや、しばらくみないうちに成長したね……あの刹那草のように純粋無垢だったユールが。まあ、喜ばしいことだね」
フォルテオはうんうんと一人納得したようにうなづいて、言葉を続けた。
「でもいいの? もう君の婚約発表までもう時間がない。迷っているうちになにもしないまま終わってしまうよ」
よくはない、よくはないんだけど、くっそ……ユールが箱入りすぎてとれる手段がほとんどないのが歯痒い。もうこいつの手を借りるしかないのか?
悔しくて唇を噛んでいると、フォルテオはその顔を見て笑いだす。
「ははっ、なんて顔してるんだ。いいから私に任せなよ、ガレル様の束縛をどうにかしたいんだろ?」
「……わかったよ。人が真剣に困ってるのに笑うことないだろう、性格悪いな」
「はははっ! ユールおもしろくなったね、前の優等生のかわいこちゃんも可愛かったけど、僕はこのくらい跳ねっ返りの方が好きだなあ。いっそ、ガレル様が嫌なら私とつきあってみるか?」
意地の悪い笑顔でそんな提案をするフォルテオ。全くそんな気なんてないくせに。
くっそ、お前俺で遊んでるな?
「嫌だ。お前におっぱいがついてたら考える余地はあったけどな」
「はっ!? おっぱいって、ユールがおっぱいって言った…!!」
フォルテオは腹を抱えて笑い転げた。やっべ、こいつのペースにつられてついつい素を出し過ぎた。
気のすむまで笑っていたフォルテオは、目尻に浮かんだ涙を拭きつつ、やっと俺に向きあった。
「はーおかしい……君、変なものでも食べた?あの純粋無垢が服を着て歩いているかのようなユールから、まさかそんな言葉が出てくるとは」
「しつこいぞフォルテオ。とにかく、僕は君に任せることにしたから、これから僕がなにをしたらいいのか教えてくれ」
「はは、わかった、いいよ」
まだ笑いの波がおさまらないようすのフォルテオを半眼で見やり、俺はヤツの話を促した。
「君にお願いすることは一つだ。私に任せて待つこと」
「待つだけ?」
「余計なことをしないと言ったほうが正しいかな。私と会った後急に行動が変わったりしたら、なにかあったのかとガレル様に勘繰られてしまうだろう?」
「そうか……だが、人に任せっぱなしでなにもしないのは苦手なんだが」
俺のその一言に、フォルテオは切れ長の目を見開いて俺をまじまじと観察した。
「ユール……君、本当に人が変わっちゃった?」
やっべ、なんか怪しまれてんぞ。
さっきから素を出しすぎたな、こいつ相手だと調子が狂うから気を引き締めていかないと。
「な、なにが? もう結構だフォルテオ、君は帰るといい」
フォルテオは少しの間俺から視線を外さなかったが、やがてフッと肩を竦めた。
「まあいいか、僕の計画に支障がなければそれで。では君にもお願いをするとしよう」
「ああ、僕にできることならなんでも」
快諾する俺に、フォルテオは俺にとって意外な言葉を告げた。
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