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 ぬちゅ、と先程より抵抗なく、指が突き進んでくる。

「うっ……気持ち悪い」
「じきによくなります。ほら、こっちを刺激されるのは、慣れていますよね?」
「あ、っ!」

 柔らかいままのカリ首をくにくにと揉まれて、実に十年ぶりの他者からの刺激に、否応なく体が反応してしまう。

 だんだんと芯を持ちはじめた、僕の愚息の反応を目の当たりにして、森栄は目尻の皺を深めてうっそりと笑う。

「よかった、感じてくれているんですね」
「違う、これはただのっ、刺激に対する反応で」
「そうですね。だから郁巳さんは恥ずかしがる必要も、恐れることも何もない。ただ気持ちよくなってくれればいいんです」
「ぁ……そんな」

 ちょうどいい強さと速さで上下に擦られると、最近していなかったこともあって、あっという間に完勃ちしてしまった。

「こちらも徐々に探っていきますよ。力を抜いて……」
「うぅ……やめてくれっ」

 森栄は僕の制止を聞くことなく、指を穴の奥へと進めた。

 オイルの力を借りてスムーズに挿入された指は、腹側を探るようにして粘膜を押していく。

 嫌だ、僕はほとんど初対面の人に、なにをされているんだ……っ

 思いだしたように胸筋が眩しい胸元を押し、離れようとした瞬間。腰に電流が走った。

「あっ……?」
「おや、ここがいいんですね?」
「えっ、あっ!」

 お尻の奥にあるしこりを押されると、否応なく高い声が上がる。

 そこを刺激される度に腰に甘い電流が駆け抜けて、胸を押していたはずの腕の力は、みるみるうちに抜けてしまう。

「これから郁巳さんのイイ場所を、私の一物で突いて差し上げます。もう知らなかった頃には戻れなくなりますよ」
「や、やめてくれっ、あっ、ぁ……んあ!」

 森栄はしこりを執拗に虐めながら、指をもう一本足した。圧迫感があるが、痛みはない。

 二本の指で交互に揉み解され、なぶられ、絶妙な強さで押しこまれると、声が溢れだすのを止められない。

 濡れた体は冷えるどころか、熱く火照ってきた。三本目が入ってくる頃には、僕の足はガクガクと震えはじめた。

「郁巳さん、浴槽に手をついてください。この方が体勢が安定しますから」
「あ、貴方がっ、僕を触らなければ……っ、問題はっ、ん!」
「残念ながらその要望は聞けません。さあ、手をついて」

 体勢を変える時に、ゆるゆると達しない程度の刺激を与えられていた前から、手が離れていく。

 逃げだすチャンスだったはずなのに、僕は森栄に言われるがまま浴槽に手をついた。
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