上 下
7 / 41

7☆

しおりを挟む
 妻にもろくに触れられたことのない小さな胸の尖りを、森栄は熱心に押しこみ、摘み、刺激してくる。

「やめてください、森栄さん!」
「巽と呼んでください」
「いゃ……ひぃ!」

 指先で尻の穴を探りあてられた。咄嗟に身を固くして森栄の腕を掴むと、嬉しそうに目尻を細められる。

「やっぱり敏感なんですね。ここがひくひくしてるの、わかります?」
「はぁ!? 本当に、冗談はよしてください!」
「冗談なんかじゃありませんよ、郁巳さん。私は貴方と先程初めて会話した瞬間から、恋人になりたいと思っていました」
「えっ」

 思わず顔を見上げると、眼鏡の奥の真剣な瞳と視線が絡まる。

「一目惚れなんです……と言ったら、信じてくれますか?」
「は……なんで……」
「一見和泉くんと似ていますが、彼は愛らしい容姿をしていて、貴方はとても涼やかな容姿ですね。正直とてつもなく好みです」
「い、和泉を知っているんですか?」
「ええ。大吾が友達だって連れてきましたから。あの時は大吾の片想いかと思っていましたが、つきあっていたんですね」

 森栄は先程とそう変わらない口調で話しながらも、僕の尻の窄まりを撫で続けている。

 されていることと穏やかな声音のギャップに、理解が追いつかない。これは本当に現実に起こっていることなのか?

「和泉くんを選んだ大吾に、血は争えないなと思いましたよ。かわいいお子さんですね。私の好みとしては若すぎるし、愛らしすぎて食指は動きませんでしたが」

 森栄はいやらしい欲を宿した手つきで、俺の濡れた腰を撫でた。ぞわりと背筋に震えが走る。

「しかし貴方のしっとりとした切長の瞳は、大変私好みです。その涼しい顔がいったい、私の下でどのように喘ぐのだろう……そう思うと口説くのを我慢できませんでした」
「だからって、こんないきなり……っ」
「郁巳さん、貴方はノンケですよね? 息子達に対する反応からそう確信していますが……つまり貴方を落とすのは、正攻法では難しいと判断しました」

 後ろの穴に指先を入れられて、ヒュッと息をのんだ。水分をまとった指は、第一関節まで中に潜りこむ。

 同時に腰をさまよっていた手が、縮こまった雄を掴んだ。

 咄嗟に腰を引こうとするが、そうすると余計に指が体内に入ってきそうで動けなかった。

「ふふ、狭いですね。開発しがいがありそうだ」
「いやだ、やめてくれ……」
「私が郁巳さんに天国を見せてあげますよ。後ろを弄られないと物足りなくなるまで、体を開発して差し上げます」
「やめろ……っ!」
「大丈夫、痛いことはしませんから。力を抜いて、私に身を任せてください」

 一度体内から出ていった指は、僕の背後にある棚に置いてあった、なにかのオイルを足したあと、再び体内に入ってきた。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...