6 / 37
6 人魚とカナヅチ
しおりを挟む
しばらく歩いて森の中の空き地に到着する。焚き火をした跡もあり、座りやすい切り株もあったりして休憩するのにぴったりだ。
「先客もいないし、ここで食事をとろうか」
「うん、賛成!」
ミリアは枯れ木の見分け方を教えてもらって拾いはじめた。その間に、空中から調理器具を取りだしたアルトが野菜を刻む。
アルトが背負っているリュックは、旅人として不自然にならないためのカモフラージュなんだなあとミリアは悟った。
ラジェもやはりどこからか取りだした果物をシャリシャリと齧っている。
…‥やっぱり法術習おうかな、重い荷物を持たなくていいのは素直に羨ましい。
切り株の上に座り、短剣とコインの袋でズッシリした鞄を肩から下ろすとホッと力が抜けた。
「さあ、召しあがれ」
「ありがとう! いただくね」
アルトの作ったスープは前回と同じ味付けだった。さっぱりしていて美味しいけれど、毎回これだと飽きちゃいそうだ。
けれどミリアは貴族令嬢らしく料理なんてしたことがないので、いただいたものにケチをつけるのはやめておいた。
文句があるなら自分で料理して、なんて言われてら困ってしまうので。
今回はラジェが果物を提供してくれたので、ミリアはそれもありがたく頂いた。瑞々しくて美味しい。
もし町とかに着いて、お金が使えるところがあれば、今度は私がご飯代を出したいな。
軽食を食べ終わったミリアが川の水で洗った食器をアルトに返すと、彼はパッと杖を翳してそれを別の空間に仕舞った。
「あれ、そういえばアルトは法術を使う時杖を使うのに、ラジェは使わないんだね」
ミリアの注目を受けて、アルトは杖をひと撫でする。
「これがあると精密な予見が得られやすかったり、法術を使うのが楽になるんだ。俺も杖がなくても法術は使えるよ。ただ、これは俺の自作だから愛用しているんだ」
「へえー、そうなんだ」
杖を作ることが、どの程度大変だったり凄いことだったりするのかわからないミリアは、当たり障りのない返答をした。
ラジェがチラリとアルトを見て目を逸らした。あれはどういう意味を込めた視線なんだろう。
うーん、ちょっと呆れてる?
「そういえば、ラジェの法術は最近の系統だったゼネルバ風法術とは違う感じがするね。誰から習ったか聞いてもいい?」
ラジェはアルトを一瞥すると、無言のままその場からたち消えた。
「あまり詮索されたくないみたいだね」
アルトが肩を竦める。ミリアはラジェがどこに行ったのか気になった。
「ちゃんと帰ってくるかな?」
「小川の方から気配がするよ。心配なら見にいってみたら?」
「アルトは?」
「ここでのんびりしてるよ。帰り際に水を汲んできてもらえる?」
「わかった」
ミリアはアルトから皮でできた水筒を受けとり、ついでに顔を洗おうと自分の荷物も持つ。
そしてアルトが教えてくれた、大きな河川に流れこんでいる小川があるらしき方に向かった。
*
ざあざあと流れる川の水音に混じって、パシャンと水を弾くような音がする。木々の間から顔を出すと、白い肌を惜しげもなく晒す美人がそこにいた。
全ての服を取りさったラジェは女神と見紛う程に美しく、束の間ミリアは呆然と見惚れた。
白く長い髪が翻り、ラジェはミリアに振り向く。
「なに?」
「あ、ごめんね! 水浴び中にお邪魔しちゃって。水を汲んだらすぐ帰るね、ごゆっくり!」
「別にいい。ミリアも入る?」
「いいの? じゃあ……お邪魔しようかな」
夜は冷えるといっても、日中は汗が不快な季節だ。もともと水浴びも泳ぐのも大好きなミリアは、いそいそと水浴び用の服に着替えた。
……けして、ラジェのスタイルのよさと比べて、自分の小ぶりな胸を恥ずかしく思ったからじゃない。いつも服を着て泳いでるから着ただけである。
他意はない。ないったらない。
「わあ……っ、冷たくて気持ちいい!」
水に足を浸す感触にミリアははしゃいだ。水上都市ドレンセオは川が海に流れこむ地形に築かれているので、ミリアは海も川も両方泳いだことがある。
ミリアが好きなのはもっぱら川だった。塩辛くないし、髪も痛みにくい上に日焼けもしにくいから。見ているだけなら海も大好きだけれども。
ずっと川沿いに歩いてきたモイラ川よりは川幅が狭い。けれど真ん中は深くて泳げそうだった。ミリアは笑顔で水中に飛びこんだ。その途端、
「んぐっ!?」
ラジェに背後から羽交締めにされ、水の中から引きずりだされた。
突然の暴挙に、ミリアは手足をバタつかせて抗議する。
「な、なにするのラジェ! びっくりしたじゃない!」
「……溺れたのかと思った」
「違うよ、泳ごうとしただけ。ほら」
ミリアがすいすいと水の中を泳いで見せると、ラジェは心なしか固い表情で口を閉ざした。
「……」
「ラジェも泳ぐ?」
すかさず首を振るラジェ。
「そう? 楽しいのに」
ミリアは、ドレンセオの人魚と呼ばれた泳ぎの腕前を存分に披露した。すっごく楽しいー!
ラジェから未知の生き物を見る視線を感じたけど、気にしないことにした。だって楽しいんだもん!!
しばらくして、クリーム色の髪が水面に浮かぶ。
心いくまで泳いだミリアは、身も心もさっぱりした。沈みがちだった青空色の瞳も、元の輝きをとり戻している。
ラジェはすでに服を着て髪を拭いていた。
ちなみに胸はまたペタンコに戻っている。サラシを巻いていたのが視界の端にチラッと見えた。
「髪、長いね。伸ばしてるの?」
「伸ばしてない。気になるなら切る」
「ええぇ!? 切らないで!? 気にならないよ!」
ラジェが宙から取りだした剣を背中の半ばで構え、髪に当てようとしたので、ミリアは慌てて止めた。
「すぐほつれるから、汚い」
タンザナイトの瞳がうつむき、睫毛の奥に伏せられる。白い髪は陽の光の中、細く繊細に輝いていた。
ミリアは光の加減で銀色にも見えるそれに、密かに感嘆した。そして、髪が細いから絡まりやすいんだなと気づく。
「じゃあ、今度いい髪用の油が手に入ったら、綺麗に櫛を入れてあげる」
「……」
ラジェはなにか言いたげに一度口を開いたけれど、なにも言わずにミリアに背を向けてしまった。
……嫌だったのかな? 馴れ馴れしくしすぎたのかも。
ミリアも川から上がって着替えた。ラジェは無言で待っていてくれて、ミリアの髪をタオルで拭いてくれた。
ミリアがありがとうと礼を言うと、ラジェは真顔のまま静かに頷いた。
*
「アルト、遅くなってごめんね! 水を汲んできたよ」
「ありがとうミリア。気にしなくていいよ、ちょうど杖の手入れが終わったところだから」
アルトリオは杖を拭いていた布をどこか別の空間へ (亜空庫というらしい)しまって立ちあがった。
「さてと。そろそろ出ようか。今日中に次の都市に着けるといいね」
「都市……確か、ドレンセオの北東の領地はエルトポルダ伯爵が治めていたはずだよ。そこまで女王との親睦は深くなかった、はず……? ごめん、わからないや」
ミリアはシュンと肩を落とした。こんなことなら、もっと真面目に勉強しておくんだった。
末っ子だからと父親から甘やかされ、上に三人も優秀な兄姉がいたミリアは、自分が勉強する必要性なんてこれっぽっちも感じていなかったのだ。
「予見では、特に危険なことは起こりそうもない。向かっていいと思う。ラジェは?」
「問題ない」
「だってさ。行こうか」
法術師は得体が知れないけど、旅の仲間としてはとても頼りになる。
うん、次に泊まるところに宿屋があれば、少しだけ法術の本を読んでみようかな。
「先客もいないし、ここで食事をとろうか」
「うん、賛成!」
ミリアは枯れ木の見分け方を教えてもらって拾いはじめた。その間に、空中から調理器具を取りだしたアルトが野菜を刻む。
アルトが背負っているリュックは、旅人として不自然にならないためのカモフラージュなんだなあとミリアは悟った。
ラジェもやはりどこからか取りだした果物をシャリシャリと齧っている。
…‥やっぱり法術習おうかな、重い荷物を持たなくていいのは素直に羨ましい。
切り株の上に座り、短剣とコインの袋でズッシリした鞄を肩から下ろすとホッと力が抜けた。
「さあ、召しあがれ」
「ありがとう! いただくね」
アルトの作ったスープは前回と同じ味付けだった。さっぱりしていて美味しいけれど、毎回これだと飽きちゃいそうだ。
けれどミリアは貴族令嬢らしく料理なんてしたことがないので、いただいたものにケチをつけるのはやめておいた。
文句があるなら自分で料理して、なんて言われてら困ってしまうので。
今回はラジェが果物を提供してくれたので、ミリアはそれもありがたく頂いた。瑞々しくて美味しい。
もし町とかに着いて、お金が使えるところがあれば、今度は私がご飯代を出したいな。
軽食を食べ終わったミリアが川の水で洗った食器をアルトに返すと、彼はパッと杖を翳してそれを別の空間に仕舞った。
「あれ、そういえばアルトは法術を使う時杖を使うのに、ラジェは使わないんだね」
ミリアの注目を受けて、アルトは杖をひと撫でする。
「これがあると精密な予見が得られやすかったり、法術を使うのが楽になるんだ。俺も杖がなくても法術は使えるよ。ただ、これは俺の自作だから愛用しているんだ」
「へえー、そうなんだ」
杖を作ることが、どの程度大変だったり凄いことだったりするのかわからないミリアは、当たり障りのない返答をした。
ラジェがチラリとアルトを見て目を逸らした。あれはどういう意味を込めた視線なんだろう。
うーん、ちょっと呆れてる?
「そういえば、ラジェの法術は最近の系統だったゼネルバ風法術とは違う感じがするね。誰から習ったか聞いてもいい?」
ラジェはアルトを一瞥すると、無言のままその場からたち消えた。
「あまり詮索されたくないみたいだね」
アルトが肩を竦める。ミリアはラジェがどこに行ったのか気になった。
「ちゃんと帰ってくるかな?」
「小川の方から気配がするよ。心配なら見にいってみたら?」
「アルトは?」
「ここでのんびりしてるよ。帰り際に水を汲んできてもらえる?」
「わかった」
ミリアはアルトから皮でできた水筒を受けとり、ついでに顔を洗おうと自分の荷物も持つ。
そしてアルトが教えてくれた、大きな河川に流れこんでいる小川があるらしき方に向かった。
*
ざあざあと流れる川の水音に混じって、パシャンと水を弾くような音がする。木々の間から顔を出すと、白い肌を惜しげもなく晒す美人がそこにいた。
全ての服を取りさったラジェは女神と見紛う程に美しく、束の間ミリアは呆然と見惚れた。
白く長い髪が翻り、ラジェはミリアに振り向く。
「なに?」
「あ、ごめんね! 水浴び中にお邪魔しちゃって。水を汲んだらすぐ帰るね、ごゆっくり!」
「別にいい。ミリアも入る?」
「いいの? じゃあ……お邪魔しようかな」
夜は冷えるといっても、日中は汗が不快な季節だ。もともと水浴びも泳ぐのも大好きなミリアは、いそいそと水浴び用の服に着替えた。
……けして、ラジェのスタイルのよさと比べて、自分の小ぶりな胸を恥ずかしく思ったからじゃない。いつも服を着て泳いでるから着ただけである。
他意はない。ないったらない。
「わあ……っ、冷たくて気持ちいい!」
水に足を浸す感触にミリアははしゃいだ。水上都市ドレンセオは川が海に流れこむ地形に築かれているので、ミリアは海も川も両方泳いだことがある。
ミリアが好きなのはもっぱら川だった。塩辛くないし、髪も痛みにくい上に日焼けもしにくいから。見ているだけなら海も大好きだけれども。
ずっと川沿いに歩いてきたモイラ川よりは川幅が狭い。けれど真ん中は深くて泳げそうだった。ミリアは笑顔で水中に飛びこんだ。その途端、
「んぐっ!?」
ラジェに背後から羽交締めにされ、水の中から引きずりだされた。
突然の暴挙に、ミリアは手足をバタつかせて抗議する。
「な、なにするのラジェ! びっくりしたじゃない!」
「……溺れたのかと思った」
「違うよ、泳ごうとしただけ。ほら」
ミリアがすいすいと水の中を泳いで見せると、ラジェは心なしか固い表情で口を閉ざした。
「……」
「ラジェも泳ぐ?」
すかさず首を振るラジェ。
「そう? 楽しいのに」
ミリアは、ドレンセオの人魚と呼ばれた泳ぎの腕前を存分に披露した。すっごく楽しいー!
ラジェから未知の生き物を見る視線を感じたけど、気にしないことにした。だって楽しいんだもん!!
しばらくして、クリーム色の髪が水面に浮かぶ。
心いくまで泳いだミリアは、身も心もさっぱりした。沈みがちだった青空色の瞳も、元の輝きをとり戻している。
ラジェはすでに服を着て髪を拭いていた。
ちなみに胸はまたペタンコに戻っている。サラシを巻いていたのが視界の端にチラッと見えた。
「髪、長いね。伸ばしてるの?」
「伸ばしてない。気になるなら切る」
「ええぇ!? 切らないで!? 気にならないよ!」
ラジェが宙から取りだした剣を背中の半ばで構え、髪に当てようとしたので、ミリアは慌てて止めた。
「すぐほつれるから、汚い」
タンザナイトの瞳がうつむき、睫毛の奥に伏せられる。白い髪は陽の光の中、細く繊細に輝いていた。
ミリアは光の加減で銀色にも見えるそれに、密かに感嘆した。そして、髪が細いから絡まりやすいんだなと気づく。
「じゃあ、今度いい髪用の油が手に入ったら、綺麗に櫛を入れてあげる」
「……」
ラジェはなにか言いたげに一度口を開いたけれど、なにも言わずにミリアに背を向けてしまった。
……嫌だったのかな? 馴れ馴れしくしすぎたのかも。
ミリアも川から上がって着替えた。ラジェは無言で待っていてくれて、ミリアの髪をタオルで拭いてくれた。
ミリアがありがとうと礼を言うと、ラジェは真顔のまま静かに頷いた。
*
「アルト、遅くなってごめんね! 水を汲んできたよ」
「ありがとうミリア。気にしなくていいよ、ちょうど杖の手入れが終わったところだから」
アルトリオは杖を拭いていた布をどこか別の空間へ (亜空庫というらしい)しまって立ちあがった。
「さてと。そろそろ出ようか。今日中に次の都市に着けるといいね」
「都市……確か、ドレンセオの北東の領地はエルトポルダ伯爵が治めていたはずだよ。そこまで女王との親睦は深くなかった、はず……? ごめん、わからないや」
ミリアはシュンと肩を落とした。こんなことなら、もっと真面目に勉強しておくんだった。
末っ子だからと父親から甘やかされ、上に三人も優秀な兄姉がいたミリアは、自分が勉強する必要性なんてこれっぽっちも感じていなかったのだ。
「予見では、特に危険なことは起こりそうもない。向かっていいと思う。ラジェは?」
「問題ない」
「だってさ。行こうか」
法術師は得体が知れないけど、旅の仲間としてはとても頼りになる。
うん、次に泊まるところに宿屋があれば、少しだけ法術の本を読んでみようかな。
1
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
隣国が戦を仕掛けてきたので返り討ちにし、人質として三国の王女を貰い受けました
しろねこ。
恋愛
三国から攻め入られ、四面楚歌の絶体絶命の危機だったけど、何とか戦を終わらせられました。
つきましては和平の為の政略結婚に移ります。
冷酷と呼ばれる第一王子。
脳筋マッチョの第二王子。
要領良しな腹黒第三王子。
選ぶのは三人の難ありな王子様方。
宝石と貴金属が有名なパルス国。
騎士と聖女がいるシェスタ国。
緑が多く農業盛んなセラフィム国。
それぞれの国から王女を貰い受けたいと思います。
戦を仕掛けた事を後悔してもらいましょう。
ご都合主義、ハピエン、両片想い大好きな作者による作品です。
現在10万字以上となっています、私の作品で一番長いです。
基本甘々です。
同名キャラにて、様々な作品を書いています。
作品によりキャラの性格、立場が違いますので、それぞれの差分をお楽しみ下さい。
全員ではないですが、イメージイラストあります。
皆様の心に残るような、そして自分の好みを詰め込んだ甘々な作品を書いていきますので、よろしくお願い致します(*´ω`*)
カクヨムさんでも投稿中で、そちらでコンテスト参加している作品となりますm(_ _)m
小説家になろうさん、ネオページさんでも掲載中。


【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

実在しないのかもしれない
真朱
恋愛
実家の小さい商会を仕切っているロゼリエに、お見合いの話が舞い込んだ。相手は大きな商会を営む伯爵家のご嫡男。が、お見合いの席に相手はいなかった。「極度の人見知りのため、直接顔を見せることが難しい」なんて無茶な理由でいつまでも逃げ回る伯爵家。お見合い相手とやら、もしかして実在しない・・・?
※異世界か不明ですが、中世ヨーロッパ風の架空の国のお話です。
※細かく設定しておりませんので、何でもあり・ご都合主義をご容赦ください。
※内輪でドタバタしてるだけの、高い山も深い谷もない平和なお話です。何かすみません。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる