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表彰式

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 背中にまわった後お尻を鷲掴みにした手は、奥の窄まりに触れてくる。

「ぅ、うんん!」

 性急な動きに驚いて口を開けると、すかさず肉厚の舌が口内へと侵入してきた。じゅるりと音を立てて唾液を吸われて、じんと腰周りが熱くなる。

 しばらく指先でお尻の穴を撫でていた指は、浴室に備えてあった、髪用の油分をまといながら中に入ってきた。

 カッと頬に熱がのぼり、触られてもいない前が硬くなりはじめる。

 舌をなぶられながら、お尻を弄られるだけでも息を荒げているのに、俺が抵抗せずに身を任せているとわかったヴァレリオは、尻尾を握ってきた。

「んん!? ぅ、んっふぅ!」

 さっきの仕返しとばかりに尻尾の根元を執拗にくすぐられて、腰が砕けそうになった。俺が体勢を崩しそうになったのを感じとったのか、ヴァレリオがやっと唇を離す。

「は、はぁ……もう、急に盛って、どうしたのさ」
「今のは貴方が悪い」
「ええ? そう、かなあ」

 俺のイタズラがそんなに気に入っちゃったのかな、だったらもっとしてあげようかとにんまり笑うと、緑に燃える瞳と目があう。

 あまりにも熱く燃えたぎる、情欲のほとばしる瞳に気づく。ああまずいかもしれないと、その時になってはじめて、理性が警鐘を鳴らしはじめた。

 しかし、すでに逃げるには遅すぎた。ヴァレリオは切羽詰まった顔で俺を壁際に追い詰めて、両手を壁につく。

「クイン」
「……なに?」
「後ろを向け」
「嫌だよ。なんか今の君、ムラムラしすぎてて怖いし」
「いいから、向け」

 あ、これ本気で理性がプッツリいっちゃったヤツだ。言葉で諭してもどうにもならないと察した俺は、怖々と……だけど少し期待もしながら、壁に腕をついた。

「これでいい?」
「ああ」

 低く艶のある声でそう告げたヴァレリオは、俺の胸を弄りながらお尻の蕾に手を伸ばした。ヌルつく胸は敏感に快感を拾い上げ、あえかな声を漏らす。

「は、ぁ……っあぁ!」

 力が緩んだ隙を逃さず一気に二本入れられた指は、前回よりも性急に中を解そうとしていた。圧迫感に息を詰める。

「ぅく、」
「はあ、早く貴方の中に入れさせてくれ……」

 余裕なくそう背後から囁かれて、きゅんと胸が高鳴る。歓迎するようにヴァレリオの腕に尻尾を絡めると、彼は見つけた中のしこりを、コリコリと指先で転がしはじめた。

「あっ! はぁ……っ!」

 水気を帯びた浴室内に、隠微な音が響き渡る。きゅうんと腹の奥が切なくなって、腰を揺らした。

「あ、来て、ヴァレリオ……」
「まだ、もう少し……」
「いいから……ねえ、これちょうだい……?」

 向きあうようにして振り向き、誘うようにガチガチに硬くなった屹立を撫でると、ヴァレリオはギラギラとした瞳で俺を射抜く。

 言葉もなく俺の片足をグッと持ち上げ、狙いを定めて怒張を後孔に押し当てた。うわ、こんな格好で……! 懸命に片足で立ち、彼を受け入れようとする。

「あ、ぁ……っ」
「クッ……」

 まだ狭い肉襞をかき分けて、雄が胎内に潜りこんでくる。はー、と口で息を吐きながら、なんとか力を抜こうと試みた。

 メリメリと隘路を割りひらき、ヴァレリオの黒い茂みが俺の股間に当たる。ふぅ、と一息ついていると、すぐに彼は腰を動かしはじめた。

「あ、はっ」

 ずんっずんっと力強く怒張に貫かれて、俺の腰も一緒になって揺れた。前立腺をカリの太い部分で擦られると、たまらなく気持ちがいい。

「あぁー、すご、きもちいぃ……!」
「くっ、俺もだ……搾りとられる……っ!」

 ガツガツとお尻を掘られて、膝がガクガクと震えはじめた。ヴァレリオの肩に手をかけて、倒れないようにしがみつく。

 いつもより余裕なく責められて、気持ちいいのが止まらない……!

「はぁっ! も、イきそ……!」
「イッても、いいぞっ」
「あ、く……ぅあぁっ!」

 一際強く奥に鬼頭を押しつけられて、頭の中で火花が弾けた。ぶしゃっとヴァレリオの腹を精液が濡らし、きゅんきゅんと彼の熱杭を締めつける。

「うっ、俺もイク……!」

 ヴァレリオの熱い飛沫が、腸の中に放出されたのを感じて、ぶるりと背を震わせた。

 すぐに鬼頭球が大きくなる気配を感じて、快感に痺れたままの腰を引こうとするが、ヴァレリオは逃すまいと腰を押しつけてきた。

「ひ……っ、や、また抜けなく……っ」
「クイン、ずっと貴方と繋がっていたい……」
「冗談っ……ああやめて、揺すらないでくれっ」

 抵抗虚しく、腰を両手で掴まれて固定される。みるみる太くなる陰茎の根本は俺の下の口を圧迫し、栓をされてしまった。

「ああ、もう……こんなとこで、繋がったままなんて……風邪を引いてしまうよ」
「それもそうだな……移動しよう。クイン、捕まってくれ」
「え、なにを……ぅあっ!?」

 ヴァレリオが俺のお尻を抱えて、抱っこするみたいにして持ち上げた。

 嘘だろう!? 足が床につかないっ、こっわ……! ギュッと手と足に力を込めて、彼の背に縋りつく。

「や、やめてくれ……っ!」
「こうしないと浴室から出れないだろう? いいから大人しくしていてくれ」
「だからって、こんなっ、あ、ぅっ!」

 ヴァレリオが歩きだしてしまった。歩くたびに振動が中にダイレクトに伝わって、怖いのにゾクゾクと快感に侵されてしまう。

 彼は成人男性を抱えているとは思えない、しっかりとした足取りで浴室を出た。タオルを二枚持って二階に上がっていく。

「あ、あっ、あんっ」

 階段を上るときの振動は腰にきた。再び前が勃ちあがってきて、ヴァレリオの腹に当たるその刺激にさえも、劣情を煽られてしまう。

 ヴァレリオはタオルを一枚ベッドの端に敷いて、その上に座る。ぐったりと力を抜いて彼の膝に座る俺の全身を、タオルで拭いてくれた。

「まったくもう、君ってば、信じられない……」
「何がだ?」
「そういうところが、だよ……うぅ」

 丁寧に耳まで拭われて、ぶるりと頭を振った。ヴァレリオ自身も全身をざっと拭くと、タオルを脇に置いて俺に向き直った。

 溢れんばかりの情熱を宿した緑の瞳が、腕の中に囚われた憐れな獲物を射抜く。

「今夜は心ゆくまで貴方を愛したいんだ」

 まだまだ夜は終わりそうになかった。



 

 
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