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本戦
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ついに本戦の日が来てしまった。朝がきて目が覚めて、枕元の魔道話を手にとった俺は、きっと物憂げな顔をしていることだろう。
……デートをした日から、ヴァレリオの通話をとれなくなった。そのくせ、魔道話を手放すこともできなくて、こうして身の周りに置いている。
光る魔道話を起動することも、こちらからヴァレリオに連絡を取ることもしないまま、この日を迎えてしまった。
「あー……」
髪をぐしゃぐしゃにかき混ぜた俺の元に、ラテナが朝の挨拶をしに部屋に訪れた。
「おはようございます、クインシー様。本日はついに領地対抗戦の本戦開始日となりますが……お加減が優れませんか?」
暗い顔をしている俺に、ラテナが問いかける。いけない、こんなことじゃ。慌てて表情をとり繕った。
「おはようラテナ、どこも悪くはないよ。ただちょっと、夢見が悪かっただけなんだ」
「さようでございますか……」
案じるような視線を向けるラテナに、大丈夫と言いふくめてお茶を淹れてもらい、退出するように告げる。
着替えを終えた後迷いに迷って結局、魔道話を懐に忍ばせた。どうしてもヴァレリオに繋がる何かを、持っていたくなったのだ。
食事と準備を終えて、テオとレジオットを連れてダンジョン前に赴く。イツキとカイル君は、既に現地に集合していた。
俺はこの数日間、イツキのことを全く考えていなかったことを、彼の顔を見てはじめて自覚した。
これまで、ことあるごとにイツキのことを考えては、嬉しくなったり落ちこんだりしていたのに……
ここ数日は、ヴァレリオのことだけを考えていたのか、俺は。
ヴァレリオも会場にいるのは、わざわざ見ようとしなくても気づいていた。姿を目で追っていると目線がかち合いそうになり、バッと顔を逸らす。
「ボス? イツキの旦那達に、挨拶しなくていいんっスか?」
「っああ、もちろんするよ。ついておいで」
俺はギュッと拳を握りしめ、爪を手掌に食いこませた。なんとか気持ちを切り換えて、イツキに声をかけた。
「やあ、君達。つかの間の休暇はゆっくりできたかな?」
「まあな」
「それはよかった」
いつも通り振る舞えたみたいで、イツキの追求はなかった。俺の心は騒ついたままだけれど、表面上は何もなかったように見えるみたいでホッとする。
今は、ヴァレリオのことを考えている場合じゃないんだ。この戦いに勝利できるよう、全力を尽くそう。
俺がそう決意したタイミングで、リベルタ侯爵が会場に姿を現した。今回は殿下の姿はない。
「待たせたな。殿下は所用のため、この場は俺が取り仕切るぞ」
彼は本戦のルール説明をした。期間内に、一番最奥の階層を攻略できた者が優勝となる。
「現在王都ダンジョンの最奥攻略階は、五十七階だ。獣人史上初の、ダンジョン踏破もあり得るかもしれない。はりきって競ってくれ」
侯爵から魔道具を受けとる。コイン程度の大きさのそれは、どの階層まで降りたかを記録してくれる物らしい。
今回は胸元に装備せず、荷物の中に持っていてよいとのことだ。俺もウエストポーチに魔道具を入れた。
本戦の期間は十日間だ。その間に一番深く潜って、期限内に地上に帰ってこれたチームが優勝となる。
この十日間で、俺の運命が決まる……
俺はヴァレリオの姿をもう一度探す。今度こそ視線が彼と交わった。緑の瞳は情熱的に俺を見据えて、その唇は弧を描く。
自信に満ちた男らしい笑みだった。俺はとてもじゃないが笑い返せる気分じゃなくて、リベルタ侯爵の話を聞くフリをしてそっと視線を外した。
予選順位の高かった者から、ダンジョン内へと侵入していく。先を行くヴァレリオの背中を、じっと見つめた。俺達は四番目にダンジョン内へ突入した。
指揮官にふさわしい堂々とした態度をとるんだと、自分に言い聞かせて実行する。
「さあ、行こうか。最短ルートで駆け抜けよう」
このまま優勝を目指すことが正しいかどうかなんて、もはやわからない。わからないけれど、今はベストを尽くすんだ。
低階層のうちはモンスターを退けながら、ひたすら走り抜けるだけだ。サクサク最短ルートを進んだ。
体力に劣るイツキに、気遣う言葉をかけるのも忘れない。
「イツキ、そろそろ疲れたんじゃない? 休憩をとろうか」
「まだいける、大丈夫だ」
「そう? 疲れたらすぐに教えてくれよ」
ほら、俺は普段と同じようにやれている。そう思っていたのに、テオは茶色の瞳を曇らせている。そっと小声で耳打ちしてきた。
「ボス、どうかしたんっスか? なんか元気ないですよ」
「そんなことないって、いつも通りさ」
「‥‥無理しないでくださいね?」
それだけ言いのこして、テオは罠の索敵のために先頭へと戻っていく。
参ったなあ、テオにもバレバレなくらいに態度に出ちゃってたのか。ますます気合いを入れて隠さないとね……
俺の調子だけでなく、ダンジョンの様子もおかしかった。先に他のチームが通ったはずなのに、二十階層のボスが再出現していたんだ。
ボスは一度倒されたら、一日は再出現しないはずなんだ。今まで一度たりとも例外はなかった。
「ダンジョンになにか変化が起こった……?」
なんか、嫌な予感がしてきたなあ。何かが起こりそうな予感が……俺の勘はよく当たるんだよね、どうしようかな。
もういっそのこと、勝負なんて投げだして今すぐダンジョンから出ていきたい気分だったが、なんとか踏みとどまる。
「みんな、何が起こるかわからない、気を引き締めていこう」
その日は注意深く周囲を警戒しながら進み、三十四階層で就寝する運びとなった。
……デートをした日から、ヴァレリオの通話をとれなくなった。そのくせ、魔道話を手放すこともできなくて、こうして身の周りに置いている。
光る魔道話を起動することも、こちらからヴァレリオに連絡を取ることもしないまま、この日を迎えてしまった。
「あー……」
髪をぐしゃぐしゃにかき混ぜた俺の元に、ラテナが朝の挨拶をしに部屋に訪れた。
「おはようございます、クインシー様。本日はついに領地対抗戦の本戦開始日となりますが……お加減が優れませんか?」
暗い顔をしている俺に、ラテナが問いかける。いけない、こんなことじゃ。慌てて表情をとり繕った。
「おはようラテナ、どこも悪くはないよ。ただちょっと、夢見が悪かっただけなんだ」
「さようでございますか……」
案じるような視線を向けるラテナに、大丈夫と言いふくめてお茶を淹れてもらい、退出するように告げる。
着替えを終えた後迷いに迷って結局、魔道話を懐に忍ばせた。どうしてもヴァレリオに繋がる何かを、持っていたくなったのだ。
食事と準備を終えて、テオとレジオットを連れてダンジョン前に赴く。イツキとカイル君は、既に現地に集合していた。
俺はこの数日間、イツキのことを全く考えていなかったことを、彼の顔を見てはじめて自覚した。
これまで、ことあるごとにイツキのことを考えては、嬉しくなったり落ちこんだりしていたのに……
ここ数日は、ヴァレリオのことだけを考えていたのか、俺は。
ヴァレリオも会場にいるのは、わざわざ見ようとしなくても気づいていた。姿を目で追っていると目線がかち合いそうになり、バッと顔を逸らす。
「ボス? イツキの旦那達に、挨拶しなくていいんっスか?」
「っああ、もちろんするよ。ついておいで」
俺はギュッと拳を握りしめ、爪を手掌に食いこませた。なんとか気持ちを切り換えて、イツキに声をかけた。
「やあ、君達。つかの間の休暇はゆっくりできたかな?」
「まあな」
「それはよかった」
いつも通り振る舞えたみたいで、イツキの追求はなかった。俺の心は騒ついたままだけれど、表面上は何もなかったように見えるみたいでホッとする。
今は、ヴァレリオのことを考えている場合じゃないんだ。この戦いに勝利できるよう、全力を尽くそう。
俺がそう決意したタイミングで、リベルタ侯爵が会場に姿を現した。今回は殿下の姿はない。
「待たせたな。殿下は所用のため、この場は俺が取り仕切るぞ」
彼は本戦のルール説明をした。期間内に、一番最奥の階層を攻略できた者が優勝となる。
「現在王都ダンジョンの最奥攻略階は、五十七階だ。獣人史上初の、ダンジョン踏破もあり得るかもしれない。はりきって競ってくれ」
侯爵から魔道具を受けとる。コイン程度の大きさのそれは、どの階層まで降りたかを記録してくれる物らしい。
今回は胸元に装備せず、荷物の中に持っていてよいとのことだ。俺もウエストポーチに魔道具を入れた。
本戦の期間は十日間だ。その間に一番深く潜って、期限内に地上に帰ってこれたチームが優勝となる。
この十日間で、俺の運命が決まる……
俺はヴァレリオの姿をもう一度探す。今度こそ視線が彼と交わった。緑の瞳は情熱的に俺を見据えて、その唇は弧を描く。
自信に満ちた男らしい笑みだった。俺はとてもじゃないが笑い返せる気分じゃなくて、リベルタ侯爵の話を聞くフリをしてそっと視線を外した。
予選順位の高かった者から、ダンジョン内へと侵入していく。先を行くヴァレリオの背中を、じっと見つめた。俺達は四番目にダンジョン内へ突入した。
指揮官にふさわしい堂々とした態度をとるんだと、自分に言い聞かせて実行する。
「さあ、行こうか。最短ルートで駆け抜けよう」
このまま優勝を目指すことが正しいかどうかなんて、もはやわからない。わからないけれど、今はベストを尽くすんだ。
低階層のうちはモンスターを退けながら、ひたすら走り抜けるだけだ。サクサク最短ルートを進んだ。
体力に劣るイツキに、気遣う言葉をかけるのも忘れない。
「イツキ、そろそろ疲れたんじゃない? 休憩をとろうか」
「まだいける、大丈夫だ」
「そう? 疲れたらすぐに教えてくれよ」
ほら、俺は普段と同じようにやれている。そう思っていたのに、テオは茶色の瞳を曇らせている。そっと小声で耳打ちしてきた。
「ボス、どうかしたんっスか? なんか元気ないですよ」
「そんなことないって、いつも通りさ」
「‥‥無理しないでくださいね?」
それだけ言いのこして、テオは罠の索敵のために先頭へと戻っていく。
参ったなあ、テオにもバレバレなくらいに態度に出ちゃってたのか。ますます気合いを入れて隠さないとね……
俺の調子だけでなく、ダンジョンの様子もおかしかった。先に他のチームが通ったはずなのに、二十階層のボスが再出現していたんだ。
ボスは一度倒されたら、一日は再出現しないはずなんだ。今まで一度たりとも例外はなかった。
「ダンジョンになにか変化が起こった……?」
なんか、嫌な予感がしてきたなあ。何かが起こりそうな予感が……俺の勘はよく当たるんだよね、どうしようかな。
もういっそのこと、勝負なんて投げだして今すぐダンジョンから出ていきたい気分だったが、なんとか踏みとどまる。
「みんな、何が起こるかわからない、気を引き締めていこう」
その日は注意深く周囲を警戒しながら進み、三十四階層で就寝する運びとなった。
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