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第一段階
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パチリと目を瞬く。あれ、ここは?
見渡せば、一面の青い空。空に溶けるような青の花が、丘の向こう側までずっと広がっていて、その花畑は足元まで繋がっていた。
足元の可憐な花を見ようとした時、誰かが寝転んでいるのに気づいた。
「え? わっ」
びっくりして後ずさろうとして、バランスを崩す。尻餅をついてしまい、花がくしゃっと尻の下で潰れる感触がした。
「ふわぁ、いてて……ああ、起きたんだな。おはよう」
足元に寝転んでいた誰かが起き上がる。彼は目の覚めるような深海色の瞳に、花と同じ空色の髪をしていた。
髪、染めたのかな? とてもナチュラルだし全然髪も痛んでいないけれど。キューティクルがつやっつやだ。
でもそれ以上に綺麗なのが顔。あまりに現実味がないくらい綺麗すぎて、CGかホログラム的な何かかと一瞬疑ったくらいだ。
睫毛は風にそよぎそうなほど長いし、パッチリ二重の目は完璧な左右対称で、けれどその目は親しみを込めて僕を見つめていた。生きた人間で間違いなさそうだ。
ここにスケッチブックがあったら絵のモデルにしたいほど、足が長くてスタイルも整っている。
青年はさっさと立ち上がると、尻餅をついたままの僕の手をとり引き上げた。温度の通った腕は力強い。あっさりと立ち上がることができた。
立ち上がった彼は僕よりも背が高く、彼の顎が僕の目線にくる。なぜかとくんと跳ねた心臓に内心戸惑いながらも、彼を見上げた。
「あ、ありがとう」
彼は人好きのする笑みをニコッと浮かべ、太陽の位置を確認した。
「だいぶ寝過ごしちまったな。そろそろ帰ろう」
「帰るってどこに? というか、ここはどこで、君は誰で、僕は……」
あれ? そもそも僕は誰なんだ?
なにも思い出せない。彼は僕を見て、起きたんだなって言ったけれど、僕は寝ていた? この花畑で寝ていて、全て忘れてしまったのか?
愕然と立ち尽くしていると、彼は気まずそうに、けれどどこかホッとしたように笑った。ふわふわの水色髪がそよ風になびいている。
「あー……もう少ししたらここは風が強く吹いて寒くなるから、とにかく帰ろう。ついてきて、こっちだ」
わけがわからないながらも、彼に手を引かれて緩やかな丘を下る。足元をよく見ると小道があって、そこだけ花は生えておらず土がむきだしだ。
僕はちゃんと靴を履いていた。くったりとした革靴は履き心地がよかった。
けれど、スニーカーじゃない。そのことにちょっと疑問を覚えるが、いったい何がおかしいのかはよくわからない。
「須藤拓海。あんたの名前だ」
彼は一瞬振り向いて、目もとを笑みの形に緩ませる。
「俺は……俺のことは、カエンとでも呼んでくれ」
カエンはそれきり黙ったまま、小道をずんずん歩いていく。僕は遅れないように後に続いた。丘は直射日光が当たり、歩くとじわりと汗ばむ陽気だった。
丘を下りきると花畑は途切れ、若草の伸びる中をカエンに連れられ歩く。ところどころかかる木陰が、ちょうどいい感じに涼しい。
手はしっかりと繋がれたままだ。別に繋がれなくても逃げはしないと思ったが、なんとなく離れ難くてそのままにしておいた。
やがて大きな木の下に小屋が見えてきた。木でできた簡素な小屋の側には、薪やら納屋やらなんやかやあって、人が暮らしていることがうかがえた。
それにしても、なんて古風な。電線やポストの類も見当たらず、玄関の前には乾いた桶が立てかけられている。カエンは、僕達は自給自足生活でもしてるのか。
「ちょっとお尻のところ汚れてるな。シミになる前に洗っちゃうか、こっち」
カエンは僕の服を確認すると、小屋の裏手に連れていく。水が流れる音が耳に届く。少し歩くと小川に着いた。
膝までひたるかどうかってくらいの浅くて細い川だが、水はとても澄んでいる。ひんやり冷気が漂ってきて、足を入れたら気持ちよさそうだ。
カエンはやっと手を離し、振り向いたその勢いのまま僕のズボンに手をかけた。
「はーいじゃあ脱いじゃってー」
「うわっ!? なに急に」
「このまま放っておくとシミになるって言っただろ? 洗ってやるから脱いじまえ」
「え、あの、あ!」
僕が戸惑っている間にカエンは手際よく衣服を剥ぎ取ると、ついでとばかりに麻でできた簡素なTシャツもはぎ取られる。
ちょっと大きめで緩い作りだったから、止める間もなく脱がされた。
「なんで上まで!?」
「汗かいたろ? ついでに水浴びしてこうぜ」
カエンはポイッと僕の服を岩の上に置くと、自分もガバッと服を脱いだ。
パンツ一丁になって川に飛びこむカエン。どこもたるんだところがなくて、よく引き締まった体が水を弾く。
「うひょ~っ、きんもちいい! 拓海も来いよ!」
「もう……強引だなあ」
僕は文句を言いながらも、足を水につけた。ひんやりしていて気持ちがいい。
自分の顔を確認したくて川の水に映らないか試してみたが、ハッキリとは映らない。どうやら茶色っぽい髪をしているということだけ、辛うじてわかった。
顔の詳細確認は諦めて汗を流すと、タオルは家にあるとのことでそのまま小屋まで歩いて戻る。
近くに人は住んでいないらしく、こんな格好でも見咎められることはないとのこと。
だからって、日中森の中を真っ裸で歩くなんて、って僕は思うけどね。カエンは気にならないみたいだ。
小屋の中は思いの外清潔で整えられてる。毛足の長い若草色のじゅうたんはふわふわで、木でできた机と椅子は居心地がよさそうだ。
机の隣にはキッチン……というか、かまどがあった。かまどだ。またしても古風な、という感想が頭に浮かぶ。
嫌いじゃないけどね、雰囲気は。暮らすにはとても不便そうだ。
食器棚の上のカゴには、無造作にフルーツとパンが置いてある。
奥にはもう一部屋あるのか、扉が見えた。扉の横に絵がかけられている。青い海の絵……妙に気になったが、今は体を拭きたい。さすがに寒くなってきた。
カエンは玄関というか、出入り口に備えつけられたタオルで足を拭いて、奥の部屋に入っていく。僕もそれに続いた。
「ほい、これ」
「あ、うん」
渡されたタオルで全身を拭いた。カエンを見習って身につけていたパンツも脱ぐ。このタオルも大変手触りがいい。ふかふかのもふもふだ。
うっとりしながら顔を埋めていると、ちょいちょいと僕の腕を指で叩いたカエンが、ベッドの縁に座るように示した。カエンと同じように腰にタオルを巻く。
二人で寝られそうな大きなベッドに腰かけると、カエンも隣に座った。心なしか距離が近い、ような?
「拓海は、思い出したいか?」
「なにを?」
「いろいろだよ。ここがどこで、俺が誰で、あんたは今までどうしていたとか、そういうことをだ」
「うん、知りたい」
「だよな……」
カエンは少し顔を赤らめながら視線を逸らした。なにその反応、気になるんだけど。
「それじゃ、今から俺がすることを受け入れてくれ」
「なにを……んんっ!?」
開いた口からぬるりと舌が潜りこむ。唾液を流しこまれて、口の端から流れていく。
「ふうぅ……んう」
いきなりなにをするんだ、と咎めたいけれど言葉にすることはできなかった。じゅっと音を立てながら舌を吸われて、芽生えた快感に思わず目をつぶった。
「ん……ぐっ……、う?」
流しこまれた唾液をこくりと飲みこむと、頭の中に記憶が流れこんできた。
そうだ、僕は須藤拓海。二十六才の売れない絵描きだ。売れなすぎてもはや本業バイト、趣味が絵描きのフリーター状態だった。
両親や友人の顔もぼんやりとだが思いだしてきた。
けれど目の前の彼のことは思いだせない。こんなエキセントリックな髪色の超絶美形なんて、一度会ったら忘れられないはずなんだけど。
「あ、はぁ……は……」
やっと口を離されて肩で息をする。カエンはジッと真剣な瞳で僕を見つめている。
「思いだした?」
「……少しだけ。でも、カエンのことはわからなかった。それに、ここがどこなのかも」
「もっと思いだしたいか?」
それは、肯定したらこの行為の続きをされるのだろうか。不思議と嫌悪感はなかった。
男にいきなりキスをされるなんて、普段だったら殴ってでも止めているであろう大事件だ。
けれど、それがカエンだと嫌ではないようだ。それどころか、もっと触ってほしいと感じている……なぜだろう、知りたい。
「……思いだしたい」
「そう言うと思ったよ」
カエンが身を乗りだすと、ぎしりとベッドが音をたてた。
見渡せば、一面の青い空。空に溶けるような青の花が、丘の向こう側までずっと広がっていて、その花畑は足元まで繋がっていた。
足元の可憐な花を見ようとした時、誰かが寝転んでいるのに気づいた。
「え? わっ」
びっくりして後ずさろうとして、バランスを崩す。尻餅をついてしまい、花がくしゃっと尻の下で潰れる感触がした。
「ふわぁ、いてて……ああ、起きたんだな。おはよう」
足元に寝転んでいた誰かが起き上がる。彼は目の覚めるような深海色の瞳に、花と同じ空色の髪をしていた。
髪、染めたのかな? とてもナチュラルだし全然髪も痛んでいないけれど。キューティクルがつやっつやだ。
でもそれ以上に綺麗なのが顔。あまりに現実味がないくらい綺麗すぎて、CGかホログラム的な何かかと一瞬疑ったくらいだ。
睫毛は風にそよぎそうなほど長いし、パッチリ二重の目は完璧な左右対称で、けれどその目は親しみを込めて僕を見つめていた。生きた人間で間違いなさそうだ。
ここにスケッチブックがあったら絵のモデルにしたいほど、足が長くてスタイルも整っている。
青年はさっさと立ち上がると、尻餅をついたままの僕の手をとり引き上げた。温度の通った腕は力強い。あっさりと立ち上がることができた。
立ち上がった彼は僕よりも背が高く、彼の顎が僕の目線にくる。なぜかとくんと跳ねた心臓に内心戸惑いながらも、彼を見上げた。
「あ、ありがとう」
彼は人好きのする笑みをニコッと浮かべ、太陽の位置を確認した。
「だいぶ寝過ごしちまったな。そろそろ帰ろう」
「帰るってどこに? というか、ここはどこで、君は誰で、僕は……」
あれ? そもそも僕は誰なんだ?
なにも思い出せない。彼は僕を見て、起きたんだなって言ったけれど、僕は寝ていた? この花畑で寝ていて、全て忘れてしまったのか?
愕然と立ち尽くしていると、彼は気まずそうに、けれどどこかホッとしたように笑った。ふわふわの水色髪がそよ風になびいている。
「あー……もう少ししたらここは風が強く吹いて寒くなるから、とにかく帰ろう。ついてきて、こっちだ」
わけがわからないながらも、彼に手を引かれて緩やかな丘を下る。足元をよく見ると小道があって、そこだけ花は生えておらず土がむきだしだ。
僕はちゃんと靴を履いていた。くったりとした革靴は履き心地がよかった。
けれど、スニーカーじゃない。そのことにちょっと疑問を覚えるが、いったい何がおかしいのかはよくわからない。
「須藤拓海。あんたの名前だ」
彼は一瞬振り向いて、目もとを笑みの形に緩ませる。
「俺は……俺のことは、カエンとでも呼んでくれ」
カエンはそれきり黙ったまま、小道をずんずん歩いていく。僕は遅れないように後に続いた。丘は直射日光が当たり、歩くとじわりと汗ばむ陽気だった。
丘を下りきると花畑は途切れ、若草の伸びる中をカエンに連れられ歩く。ところどころかかる木陰が、ちょうどいい感じに涼しい。
手はしっかりと繋がれたままだ。別に繋がれなくても逃げはしないと思ったが、なんとなく離れ難くてそのままにしておいた。
やがて大きな木の下に小屋が見えてきた。木でできた簡素な小屋の側には、薪やら納屋やらなんやかやあって、人が暮らしていることがうかがえた。
それにしても、なんて古風な。電線やポストの類も見当たらず、玄関の前には乾いた桶が立てかけられている。カエンは、僕達は自給自足生活でもしてるのか。
「ちょっとお尻のところ汚れてるな。シミになる前に洗っちゃうか、こっち」
カエンは僕の服を確認すると、小屋の裏手に連れていく。水が流れる音が耳に届く。少し歩くと小川に着いた。
膝までひたるかどうかってくらいの浅くて細い川だが、水はとても澄んでいる。ひんやり冷気が漂ってきて、足を入れたら気持ちよさそうだ。
カエンはやっと手を離し、振り向いたその勢いのまま僕のズボンに手をかけた。
「はーいじゃあ脱いじゃってー」
「うわっ!? なに急に」
「このまま放っておくとシミになるって言っただろ? 洗ってやるから脱いじまえ」
「え、あの、あ!」
僕が戸惑っている間にカエンは手際よく衣服を剥ぎ取ると、ついでとばかりに麻でできた簡素なTシャツもはぎ取られる。
ちょっと大きめで緩い作りだったから、止める間もなく脱がされた。
「なんで上まで!?」
「汗かいたろ? ついでに水浴びしてこうぜ」
カエンはポイッと僕の服を岩の上に置くと、自分もガバッと服を脱いだ。
パンツ一丁になって川に飛びこむカエン。どこもたるんだところがなくて、よく引き締まった体が水を弾く。
「うひょ~っ、きんもちいい! 拓海も来いよ!」
「もう……強引だなあ」
僕は文句を言いながらも、足を水につけた。ひんやりしていて気持ちがいい。
自分の顔を確認したくて川の水に映らないか試してみたが、ハッキリとは映らない。どうやら茶色っぽい髪をしているということだけ、辛うじてわかった。
顔の詳細確認は諦めて汗を流すと、タオルは家にあるとのことでそのまま小屋まで歩いて戻る。
近くに人は住んでいないらしく、こんな格好でも見咎められることはないとのこと。
だからって、日中森の中を真っ裸で歩くなんて、って僕は思うけどね。カエンは気にならないみたいだ。
小屋の中は思いの外清潔で整えられてる。毛足の長い若草色のじゅうたんはふわふわで、木でできた机と椅子は居心地がよさそうだ。
机の隣にはキッチン……というか、かまどがあった。かまどだ。またしても古風な、という感想が頭に浮かぶ。
嫌いじゃないけどね、雰囲気は。暮らすにはとても不便そうだ。
食器棚の上のカゴには、無造作にフルーツとパンが置いてある。
奥にはもう一部屋あるのか、扉が見えた。扉の横に絵がかけられている。青い海の絵……妙に気になったが、今は体を拭きたい。さすがに寒くなってきた。
カエンは玄関というか、出入り口に備えつけられたタオルで足を拭いて、奥の部屋に入っていく。僕もそれに続いた。
「ほい、これ」
「あ、うん」
渡されたタオルで全身を拭いた。カエンを見習って身につけていたパンツも脱ぐ。このタオルも大変手触りがいい。ふかふかのもふもふだ。
うっとりしながら顔を埋めていると、ちょいちょいと僕の腕を指で叩いたカエンが、ベッドの縁に座るように示した。カエンと同じように腰にタオルを巻く。
二人で寝られそうな大きなベッドに腰かけると、カエンも隣に座った。心なしか距離が近い、ような?
「拓海は、思い出したいか?」
「なにを?」
「いろいろだよ。ここがどこで、俺が誰で、あんたは今までどうしていたとか、そういうことをだ」
「うん、知りたい」
「だよな……」
カエンは少し顔を赤らめながら視線を逸らした。なにその反応、気になるんだけど。
「それじゃ、今から俺がすることを受け入れてくれ」
「なにを……んんっ!?」
開いた口からぬるりと舌が潜りこむ。唾液を流しこまれて、口の端から流れていく。
「ふうぅ……んう」
いきなりなにをするんだ、と咎めたいけれど言葉にすることはできなかった。じゅっと音を立てながら舌を吸われて、芽生えた快感に思わず目をつぶった。
「ん……ぐっ……、う?」
流しこまれた唾液をこくりと飲みこむと、頭の中に記憶が流れこんできた。
そうだ、僕は須藤拓海。二十六才の売れない絵描きだ。売れなすぎてもはや本業バイト、趣味が絵描きのフリーター状態だった。
両親や友人の顔もぼんやりとだが思いだしてきた。
けれど目の前の彼のことは思いだせない。こんなエキセントリックな髪色の超絶美形なんて、一度会ったら忘れられないはずなんだけど。
「あ、はぁ……は……」
やっと口を離されて肩で息をする。カエンはジッと真剣な瞳で僕を見つめている。
「思いだした?」
「……少しだけ。でも、カエンのことはわからなかった。それに、ここがどこなのかも」
「もっと思いだしたいか?」
それは、肯定したらこの行為の続きをされるのだろうか。不思議と嫌悪感はなかった。
男にいきなりキスをされるなんて、普段だったら殴ってでも止めているであろう大事件だ。
けれど、それがカエンだと嫌ではないようだ。それどころか、もっと触ってほしいと感じている……なぜだろう、知りたい。
「……思いだしたい」
「そう言うと思ったよ」
カエンが身を乗りだすと、ぎしりとベッドが音をたてた。
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