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40 結婚準備
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それからアレッタとユースは何日かかけて、妖精界と人間界を行ったり来たりしながら、人間界の妖精達と話し合いをした。
王都の妖精達はテオドールとカロリーナが王都から出ていってくれて嬉しいようで、それ以上の報復は求めていないようだった。
新しくテオドールの領地になった土地までは妖精の噂も広がっていないらしい。そのまま噂を広めないようにお願いして、逆に二人の噂を聞いたら教えてくれるようにお願いしておいた。
ちゃんと反省して、もう妖精の魔力を使わないようにしてくれたらそれでいいわ。
レベッカの噂についてはアレッタが火消しに回った。
アレッタは主にテオドールのせいで服芸ができない気の利かない娘として有名だった。逆にそのことを逆手にとって、レベッカの悪い噂がデタラメだと伝えると割とすんなり噂は収束した。
妖精の祟りがあったことで、妖精を見る目を持つ者の地位も相対的に高まったらしい。下にも置かない扱いをされてアレッタは居心地が悪かったけれど、なんとか妹のためにもがんばった。
レベッカは最初こそやさぐれていたしアレッタの善意の行いに反発していたが、やがて噂が収まり婚約者が真摯に謝ってきた頃には、今までの自分が噂に踊らされ過ぎていたと渋々認めた。
「お姉様は確かに鈍臭いところがおありですけれど、本当に地味で根暗でどうしようもない人じゃないですわ。一時はそんなこともわからなくなって噂を信じこんでいたなんて……わたくしもまだまだですわね。お姉様には悪いことをしてしまいました」
そんなことを急に言われた日には、レベッカは変な物でも食べたのかと疑ったほどだ。
けれどその日からレベッカは大人しくなり、社交界にどっぷり浸かって噂話に興じるのではなく、噂は話半分に聞きつつ信じられるお友達との交流を深めているらしい。
失敗を通して学び、態度を改めたレベッカに婚約者も惚れなおしたそうで、今度挙式の日を相談するために彼の侯爵家に挨拶に行くそうだ。
よかったねレベッカ。あなたのまっすぐで行動力のあるところ、私は素敵だと思っているよ。
アレッタ自身も洗練された装いを身にまとうようになり、元々王族に嫁ぐためにしていた勉強もここにきて活躍し、さらに妖精の目のこともあってにわかに身の回りが騒がしくなった。
つまり、見合いの話が盛大に降って沸いたのだ。
その中にはかなり条件のいいものもあったが、ブライトンは全て断りの返事を寄越した。
「娘は外国のさる貴人に嫁ぐこととなった」
それ以上のことは口にせず、ブライトンは沈黙を貫いたらしい。
今はまだ、妖精に嫁ぐなんていったらまた変に注目を浴びそうだから、お父様の機転には助かったわ。
妖精さんと人間がもっと仲良くなれる道を探したいなと思うけど、それは今後の課題だね。
私は今、他に考えなきゃいけないことが山ほどあるもの。
例えば、妖精になった暁にはお披露目会があるんだけど、そのためのドレスをどれにしようとか、ユースがますます甘くなってかっこよすぎるから、どんな顔をすればいいのか、とかね。
「アレッタ、入ってもいいか」
ちょうどユースのことを考えていたら本人が現れた。仮縫いが終わったドレスのチェックをしていたアレッタは、マイムを振り向き頷く。
「殿下、どうぞお入りください」
マイムがドアを開けるとユースが入室してくる。彼はアレッタの目の前に飾られたドレスを確かめると、ふむと腕を組んだ。
「アレッタによく似合いそうな、清楚かつ上品なデザインだ。素晴らしい、針子には追加料金を弾もう」
「本当に素敵なドレスになりそうだね。ふふっ、これを着てあなたと一緒に飛べる日が楽しみだわ」
純白のドレスは背中の部分がぱっくり空いている。
慣れれば自在に服の間から出し入れできるらしい羽だが、元人間は最初のうちは背中が空いているデザインの方が違和感や窮屈さを感じにくいそうで、それを採用した。
ちょっと露出が多くて恥ずかしいんだけどね。
デコルテが綺麗に見えるよう胸周りはシンプルなデザインとなっている。腰回りから膝までにかけてもタイトで余計な飾りもない。
そのかわりに肩口はふんわりと薄布が広がり、膝下部分から花が広がるようにフリルがたっぷりと縫いつけられている。当日は無毒化したアルストロメリアの特製花冠を頭に乗せる予定だ。
このドレスでユースの結婚相手として町のみんなにテラスから飛びまわってお披露目をした後、宮殿で結婚パーティーを開くらしい。
その日のことを考えると、今からアレッタの心臓はドキドキと忙しい。
「私の髪も、ロイスみたいに色が変わるのかな?」
茶色い平凡な髪を一房つまむと、ユースがそれをスッと指先ですいた。
「おそらく今の色よりは明るくなるのではないか。この髪色も若木の幹のような色で好きなのだが」
妖精的には褒め言葉になるらしいその表現を、アレッタは困ったように笑いながら受け入れる。
「そうかな? ありがとう。ちゃんとユースと一緒に飛べるか、本当は少し不安なんだけどね」
「心配はいらない。俺が手を引くし、もし本当に落ちそうになったら抱き抱えて飛んでもいい……むしろ最初から抱き抱えて飛びたいくらいだ」
「もう、ユースったら」
ユースは何を思ったのか、アレッタに近づいてくる。
「ふむ、本番の時に万が一落とすことのないように練習しておこう」
「え? きゃっ」
止める間もなく横抱きにされたアレッタは、足が地面につかないことに怖くなって慌ててユースの首に後ろから手を回す。
「び、びっくりした」
「では、このまま飛んでみようか」
「え、ええっ!?」
テラスまでスタスタと普段と変わりない足取りで歩を進めたユースは、テラスへの扉をマイムに開けてもらうと床を蹴って空へと飛び立った。
「ひゃあっ」
フワッと浮遊感がアレッタの身を襲う。思わずギュッとユースに抱きつくと、彼もアレッタを力をこめて抱きしめ返した。
「大丈夫だ、決して落としたりしないから。それよりほら、周りを見るといい。いい景色だ」
そっと目を開けると、眼下に宮殿が見える。その向こうには町が広がり、豊かな森とところどころに花畑や湖も見える。
……高すぎて怖いかと思ったけれど、案外平気だわ。ユースがちゃんと抱えてくれてるからかな。
「この辺りは宮殿からも見えるね」
「そうだな、もう少し遠くへ行こうか」
ユースはアレッタを抱えたまま、森や村の上を飛行してみせた。
花畑の中で寝ている妖精さんがいる。町の上空を通ると手を振ってくれる妖精さんもいた。
大きな木から生えるようにして木造りの家が建っている。花畑の中でツル花に埋もれるようにして建っている石造りの家もある。
湖畔の上に水車小屋があり、水の澄みきった川が町を横断するようにして流れている。
それと同じような景色が、森や野原を挟みながら遠くの山の麓までずっと続いていた。
「わあ……」
「綺麗だろう。君もこの国を気に入ってくれたようで嬉しい」
「気にいるどころじゃないよ、大好き。ユースと一緒に守っていきたいなって思っちゃうくらいに」
ユースはやがて大樹の上の座り心地のよさそうな枝の上に着地した。アレッタを膝の上で横向きに抱き抱えたまま枝に座る。
少しドキドキするけれど、それ以上に離れたくない気持ちが大きいアレッタはユースの膝の上でじっとしていた。
ユースはしばらく黙っていたが、ポツリとこんなことを口にした。
「本当にいいんだな? 君のことを妖精にしても。後悔はないか」
「ないわ。人間界に残してきた未練は全部解消したたもの。これからはずっとここで、ユースと一緒に生きていきたいと思ってる」
ユースはその言葉を聞くと同時に、アレッタの頭をグッと引き寄せた。
「アレッタ、愛してる」
「私もユースのことを愛してる」
「……キスしても?」
「……ん」
ちゅ、と甘やかなキスを繰り返す。
うっとりと肩に頭を預けていると、幸せだなあという気持ちが胸の中からこんこんと湧いてでてきた。自然と気持ちが漏れてしまう。
「幸せだなあ……」
「俺もだ」
「うん」
二人は長い間、木の上で過ごした。そしてその日がアレッタが人間として空を飛んだ、最初で最後の日になった。
王都の妖精達はテオドールとカロリーナが王都から出ていってくれて嬉しいようで、それ以上の報復は求めていないようだった。
新しくテオドールの領地になった土地までは妖精の噂も広がっていないらしい。そのまま噂を広めないようにお願いして、逆に二人の噂を聞いたら教えてくれるようにお願いしておいた。
ちゃんと反省して、もう妖精の魔力を使わないようにしてくれたらそれでいいわ。
レベッカの噂についてはアレッタが火消しに回った。
アレッタは主にテオドールのせいで服芸ができない気の利かない娘として有名だった。逆にそのことを逆手にとって、レベッカの悪い噂がデタラメだと伝えると割とすんなり噂は収束した。
妖精の祟りがあったことで、妖精を見る目を持つ者の地位も相対的に高まったらしい。下にも置かない扱いをされてアレッタは居心地が悪かったけれど、なんとか妹のためにもがんばった。
レベッカは最初こそやさぐれていたしアレッタの善意の行いに反発していたが、やがて噂が収まり婚約者が真摯に謝ってきた頃には、今までの自分が噂に踊らされ過ぎていたと渋々認めた。
「お姉様は確かに鈍臭いところがおありですけれど、本当に地味で根暗でどうしようもない人じゃないですわ。一時はそんなこともわからなくなって噂を信じこんでいたなんて……わたくしもまだまだですわね。お姉様には悪いことをしてしまいました」
そんなことを急に言われた日には、レベッカは変な物でも食べたのかと疑ったほどだ。
けれどその日からレベッカは大人しくなり、社交界にどっぷり浸かって噂話に興じるのではなく、噂は話半分に聞きつつ信じられるお友達との交流を深めているらしい。
失敗を通して学び、態度を改めたレベッカに婚約者も惚れなおしたそうで、今度挙式の日を相談するために彼の侯爵家に挨拶に行くそうだ。
よかったねレベッカ。あなたのまっすぐで行動力のあるところ、私は素敵だと思っているよ。
アレッタ自身も洗練された装いを身にまとうようになり、元々王族に嫁ぐためにしていた勉強もここにきて活躍し、さらに妖精の目のこともあってにわかに身の回りが騒がしくなった。
つまり、見合いの話が盛大に降って沸いたのだ。
その中にはかなり条件のいいものもあったが、ブライトンは全て断りの返事を寄越した。
「娘は外国のさる貴人に嫁ぐこととなった」
それ以上のことは口にせず、ブライトンは沈黙を貫いたらしい。
今はまだ、妖精に嫁ぐなんていったらまた変に注目を浴びそうだから、お父様の機転には助かったわ。
妖精さんと人間がもっと仲良くなれる道を探したいなと思うけど、それは今後の課題だね。
私は今、他に考えなきゃいけないことが山ほどあるもの。
例えば、妖精になった暁にはお披露目会があるんだけど、そのためのドレスをどれにしようとか、ユースがますます甘くなってかっこよすぎるから、どんな顔をすればいいのか、とかね。
「アレッタ、入ってもいいか」
ちょうどユースのことを考えていたら本人が現れた。仮縫いが終わったドレスのチェックをしていたアレッタは、マイムを振り向き頷く。
「殿下、どうぞお入りください」
マイムがドアを開けるとユースが入室してくる。彼はアレッタの目の前に飾られたドレスを確かめると、ふむと腕を組んだ。
「アレッタによく似合いそうな、清楚かつ上品なデザインだ。素晴らしい、針子には追加料金を弾もう」
「本当に素敵なドレスになりそうだね。ふふっ、これを着てあなたと一緒に飛べる日が楽しみだわ」
純白のドレスは背中の部分がぱっくり空いている。
慣れれば自在に服の間から出し入れできるらしい羽だが、元人間は最初のうちは背中が空いているデザインの方が違和感や窮屈さを感じにくいそうで、それを採用した。
ちょっと露出が多くて恥ずかしいんだけどね。
デコルテが綺麗に見えるよう胸周りはシンプルなデザインとなっている。腰回りから膝までにかけてもタイトで余計な飾りもない。
そのかわりに肩口はふんわりと薄布が広がり、膝下部分から花が広がるようにフリルがたっぷりと縫いつけられている。当日は無毒化したアルストロメリアの特製花冠を頭に乗せる予定だ。
このドレスでユースの結婚相手として町のみんなにテラスから飛びまわってお披露目をした後、宮殿で結婚パーティーを開くらしい。
その日のことを考えると、今からアレッタの心臓はドキドキと忙しい。
「私の髪も、ロイスみたいに色が変わるのかな?」
茶色い平凡な髪を一房つまむと、ユースがそれをスッと指先ですいた。
「おそらく今の色よりは明るくなるのではないか。この髪色も若木の幹のような色で好きなのだが」
妖精的には褒め言葉になるらしいその表現を、アレッタは困ったように笑いながら受け入れる。
「そうかな? ありがとう。ちゃんとユースと一緒に飛べるか、本当は少し不安なんだけどね」
「心配はいらない。俺が手を引くし、もし本当に落ちそうになったら抱き抱えて飛んでもいい……むしろ最初から抱き抱えて飛びたいくらいだ」
「もう、ユースったら」
ユースは何を思ったのか、アレッタに近づいてくる。
「ふむ、本番の時に万が一落とすことのないように練習しておこう」
「え? きゃっ」
止める間もなく横抱きにされたアレッタは、足が地面につかないことに怖くなって慌ててユースの首に後ろから手を回す。
「び、びっくりした」
「では、このまま飛んでみようか」
「え、ええっ!?」
テラスまでスタスタと普段と変わりない足取りで歩を進めたユースは、テラスへの扉をマイムに開けてもらうと床を蹴って空へと飛び立った。
「ひゃあっ」
フワッと浮遊感がアレッタの身を襲う。思わずギュッとユースに抱きつくと、彼もアレッタを力をこめて抱きしめ返した。
「大丈夫だ、決して落としたりしないから。それよりほら、周りを見るといい。いい景色だ」
そっと目を開けると、眼下に宮殿が見える。その向こうには町が広がり、豊かな森とところどころに花畑や湖も見える。
……高すぎて怖いかと思ったけれど、案外平気だわ。ユースがちゃんと抱えてくれてるからかな。
「この辺りは宮殿からも見えるね」
「そうだな、もう少し遠くへ行こうか」
ユースはアレッタを抱えたまま、森や村の上を飛行してみせた。
花畑の中で寝ている妖精さんがいる。町の上空を通ると手を振ってくれる妖精さんもいた。
大きな木から生えるようにして木造りの家が建っている。花畑の中でツル花に埋もれるようにして建っている石造りの家もある。
湖畔の上に水車小屋があり、水の澄みきった川が町を横断するようにして流れている。
それと同じような景色が、森や野原を挟みながら遠くの山の麓までずっと続いていた。
「わあ……」
「綺麗だろう。君もこの国を気に入ってくれたようで嬉しい」
「気にいるどころじゃないよ、大好き。ユースと一緒に守っていきたいなって思っちゃうくらいに」
ユースはやがて大樹の上の座り心地のよさそうな枝の上に着地した。アレッタを膝の上で横向きに抱き抱えたまま枝に座る。
少しドキドキするけれど、それ以上に離れたくない気持ちが大きいアレッタはユースの膝の上でじっとしていた。
ユースはしばらく黙っていたが、ポツリとこんなことを口にした。
「本当にいいんだな? 君のことを妖精にしても。後悔はないか」
「ないわ。人間界に残してきた未練は全部解消したたもの。これからはずっとここで、ユースと一緒に生きていきたいと思ってる」
ユースはその言葉を聞くと同時に、アレッタの頭をグッと引き寄せた。
「アレッタ、愛してる」
「私もユースのことを愛してる」
「……キスしても?」
「……ん」
ちゅ、と甘やかなキスを繰り返す。
うっとりと肩に頭を預けていると、幸せだなあという気持ちが胸の中からこんこんと湧いてでてきた。自然と気持ちが漏れてしまう。
「幸せだなあ……」
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