38 / 41
38 弟妹の乱入
しおりを挟む
最早取り繕うことも忘れたようで、ワナワナと震えながらアレッタを指差すレベッカ。
「わ、わたくしが婚約破棄されそうになっている時に、お姉様は既に新しい婚約者がいて結婚するですって!? しかもこんなに凛々しく麗しくて、才気に溢れていそうな殿方と? ……っ世の中不公平ですわ! あんまりですわーっ!!」
「あ、待ってレベッカ!」
レベッカはそう言い捨てると、アレッタの静止を無視して走り去ってしまう。ブライトンが重苦しいため息を吐いた。
「申し訳ない。身内の恥を晒した」
「いえ。人間の貴族のように妖精は体面を気にすることはありませんので、恥とは思っていません。しかし一体なにがあったのですか?」
父の話によると、テオドールとカロリーナが妖精の祟りに見舞われたことが、レベッカの婚約破棄騒動の間接的な原因らしい。
妖精の祟りの巻き添えを恐れた貴族達に、テオドールとカロリーナは現在腫物扱いされているとのこと。
社交界でもすっかり落ちぶれた二人。その様子が第二王子のお婆様の耳にも入ったらしい。
お婆様はテオドールとカロリーナを呼びだし、妖精の怒りを買ったことや妖精にした仕打ちを洗いざらい吐かせた。そして話を聞いた彼女は酷く激昂し取り乱した。
陛下の母でもある彼女は、妖精を蔑ろにすることで起こる災害について、陛下や殿下のご兄弟を皆集めて切々と言い聞かせた。
古い妖精の話を知る王太后様によると、人間界の妖精がいなくなってしまうとその周囲の土地は明らかに収穫量が落ちるらしい。そして川は干上がりやすく、天気は崩れやすく、風も吹き荒れやすくなる。
陛下は母の話から事態を重く見たらしく、なんとテオドールの王位継承権を剥奪し、肩書きだけは公爵だが実際には王都からの放逐のため、地方の領主に命じたとのこと。
周りは森と田畑しかないような僻地の領地で、妖精に償いをしながら生きろとのことだ。カロリーナも監視と共に同じ場所に送られて、不本意な生活を強いられている二人の仲は破局寸前との噂だ。
そしてカロリーナの取り巻きをしていたレベッカもその煽りを受け、現在社交界では爪弾きにされているらしい。
そうなると今まで要領よく権力者に取り入るレベッカのことを目障りに思っていた貴族達が、レベッカの悪い噂を流しはじめた。
最初は噂を否定していたレベッカもだんだん穏便に対処しきれなくなり、ある茶会で因縁をつけられた貴族と口論になったらしい。
相手をかなり口汚く罵ったレベッカに婚約者は幻滅した。
あることないこと吹き込まれた噂話も信憑性があると思われ、貴族の娘として大切な貞淑さすら疑われて現在婚約破棄の話まで出ているということだった。
……お父様がこんなにもすんなりと私たちの結婚を認めてくれたのは、そんな貴族のあり様に本当に嫌気がさしたせいなのかもしれないわ。
「ああ、レベッカ……噂に踊らされ続けたらいつかこういうことが起こりかねないと思っていたけれど、やっぱりそうなってしまったのね」
アレッタが胸を痛めていると、またしても乱入者が現れた。開いたままの扉から元気に飛びこんできた小さいシルエットに、ユースは意外そうに目を見張る。
アレッタと同じ明るい茶髪にアンバーの瞳を持つ十歳くらいの少年が、アレッタをまっすぐに見つめて屈託なく笑った。
「姉様、帰っていらしたんですね! よかった……! 姉様が悪い妖精にさらわれたと聞いて心配しました。もう二度とさらわれないように僕が退治しにいきます!」
ルーチェは聞こえないとわかっていても抗議せずにはいられなかったようで、少年に向かって声を張り上げた。
「ちょっと、殿下はアレッタを拐ったんじゃなくて保護したんだからね!」
「そうですよ、アレッタ様は自ら望まれて妖精界を訪れたのです」
「そうそう。なんで殿下が悪いことになってるわけ? 殿下からも言ってやってくださいよ、アレッタちゃんは妖精界で楽しく過ごしてましたってさあ」
ユースはジェレミーの言葉を聞いて苦笑している。アレッタは驚いて小さな少年、ケネットの元に駆けつけた。
「ケネット! なぜあなたがここにいるの? 領地にいたんじゃなかったの?」
「だって姉様に便りを出してもいつまでも返事が返ってこなくて。父様に尋ねたら姉様は妖精に拐われたと聞いたので、僕も心配になって王都まで駆けつけたんです」
父は頭が痛いとでも言いたげに眉間を指で押さえている。
「驚いたことに、まともに乗れるようになったばかりの馬で駆けて、昨日王都に現れたんだ。屋敷の場所も詳しく知らないというのになんと無謀なことを。偶然にも助けた者がいたからよかったものの」
「すみません父様、以後気をつけます」
ケネットはしゅんとしょげながら謝罪した。
「明日領地に送り返す手配をしていたところだったが、まさか本当にアレッタと再会することになるとはな」
父は普段目に見えないものに懐疑的な性質だが、このタイミングでアレッタとケネットが屋敷を訪れたことにはなにか運命めいたものを感じているらしい。
「一人で馬を操ってきたの? すごいじゃないケネット! 大きくなったのね」
アレッタの記憶の中のケネットは五歳のままだった。今は確か十歳になったはず。
こうして大きく育ったケネットを見て感慨深い思いに包まれたアレッタだった。
「はい、ありがとうございます姉様! あの、ところで……」
ケネットはアレッタの隣に立つユースをなぜか敵と認識したようで、キッと睨みつけた。
「もしかしてこの隣にいる人は姉様をさらった妖精の仲間ですか?」
「違うわケネット。私はそもそも拐われてなんていないの、私が行きたくて妖精さんのところに行っていたのよ。どうして私が拐われたと思ったの?」
「え、だって父様がそう教えてくださったから」
父はゴホンとわざとらしく咳払いをした。
「ああ、その件だがケネット、どうやら誤解があったようだ。アレッタは妖精の元で訳あって保護されていたらしい。これからはいつでも会いたい時に会えるようになるそうだから心配無用だ」
「えっ? 本当ですか姉様、領地にも遊びにきてくれるのですかっ?」
ケネットが期待を込めた瞳で見上げてくるので、アレッタは視線をあわせて微笑んだ。
「ええ、必ず行くわ」
「やった! 姉様、一緒に馬に乗って早駆けしましょう! それから木登りとか、川遊びとか、いろいろ一緒にやりたいことがあるんです。いいでしょう姉様?」
「ええと、木登りは見ているだけになりそうだけど、一緒に遊びましょうね」
「はいっ! あ、それから新しい友達もできたので紹介させてください。ロイスっていう名前の綺麗な男の人なんですけど、僕が王都で迷子になっていた時に助けてくれたいい人なんです」
「えっ? ロイス?」
ロイスってもしかして、あのロイスなの?
アレッタと同じように疑問を持ったユースもその話に食いついた。
「ケネット、ロイスについて詳しく聞かせてくれないか?」
「え、いいですけど……」
「俺はユスティニアン、ユースと呼んでくれ。君の姉様と仲良くさせてもらっている」
ケネットはユースの友好的な態度に複雑そうな顔をした。
どうしたんだろう、普段は誰にでも愛想のいい子なのに。まだ悪い妖精さんの仲間だと思っているのかな。
「姉様と仲良し……そうですか。ロイスは行くところがないっていうので、家の仕事をしてもらうことを条件にここに滞在してます。呼んできましょうか?」
「ああ、いや……呼ばなくていい。ロイスは君の友達なのか?」
「そうですよ。ロイスはお花のこととか妖精についてとっても詳しいんです! そういうお話を聞いていると姉様のことも思いだしたりして、話を聞くのが楽しくって。領地にもついてきてほしいなあって僕は思ってるんですけど、とても遠慮がちな人なんですよね」
ユースはアレッタに目配せをした。後で会いにいこうってことかな、ケネットの前で私に毒を盛った話題とか、できればしたくないものね。
アレッタもこくりと頷き返した。
「わ、わたくしが婚約破棄されそうになっている時に、お姉様は既に新しい婚約者がいて結婚するですって!? しかもこんなに凛々しく麗しくて、才気に溢れていそうな殿方と? ……っ世の中不公平ですわ! あんまりですわーっ!!」
「あ、待ってレベッカ!」
レベッカはそう言い捨てると、アレッタの静止を無視して走り去ってしまう。ブライトンが重苦しいため息を吐いた。
「申し訳ない。身内の恥を晒した」
「いえ。人間の貴族のように妖精は体面を気にすることはありませんので、恥とは思っていません。しかし一体なにがあったのですか?」
父の話によると、テオドールとカロリーナが妖精の祟りに見舞われたことが、レベッカの婚約破棄騒動の間接的な原因らしい。
妖精の祟りの巻き添えを恐れた貴族達に、テオドールとカロリーナは現在腫物扱いされているとのこと。
社交界でもすっかり落ちぶれた二人。その様子が第二王子のお婆様の耳にも入ったらしい。
お婆様はテオドールとカロリーナを呼びだし、妖精の怒りを買ったことや妖精にした仕打ちを洗いざらい吐かせた。そして話を聞いた彼女は酷く激昂し取り乱した。
陛下の母でもある彼女は、妖精を蔑ろにすることで起こる災害について、陛下や殿下のご兄弟を皆集めて切々と言い聞かせた。
古い妖精の話を知る王太后様によると、人間界の妖精がいなくなってしまうとその周囲の土地は明らかに収穫量が落ちるらしい。そして川は干上がりやすく、天気は崩れやすく、風も吹き荒れやすくなる。
陛下は母の話から事態を重く見たらしく、なんとテオドールの王位継承権を剥奪し、肩書きだけは公爵だが実際には王都からの放逐のため、地方の領主に命じたとのこと。
周りは森と田畑しかないような僻地の領地で、妖精に償いをしながら生きろとのことだ。カロリーナも監視と共に同じ場所に送られて、不本意な生活を強いられている二人の仲は破局寸前との噂だ。
そしてカロリーナの取り巻きをしていたレベッカもその煽りを受け、現在社交界では爪弾きにされているらしい。
そうなると今まで要領よく権力者に取り入るレベッカのことを目障りに思っていた貴族達が、レベッカの悪い噂を流しはじめた。
最初は噂を否定していたレベッカもだんだん穏便に対処しきれなくなり、ある茶会で因縁をつけられた貴族と口論になったらしい。
相手をかなり口汚く罵ったレベッカに婚約者は幻滅した。
あることないこと吹き込まれた噂話も信憑性があると思われ、貴族の娘として大切な貞淑さすら疑われて現在婚約破棄の話まで出ているということだった。
……お父様がこんなにもすんなりと私たちの結婚を認めてくれたのは、そんな貴族のあり様に本当に嫌気がさしたせいなのかもしれないわ。
「ああ、レベッカ……噂に踊らされ続けたらいつかこういうことが起こりかねないと思っていたけれど、やっぱりそうなってしまったのね」
アレッタが胸を痛めていると、またしても乱入者が現れた。開いたままの扉から元気に飛びこんできた小さいシルエットに、ユースは意外そうに目を見張る。
アレッタと同じ明るい茶髪にアンバーの瞳を持つ十歳くらいの少年が、アレッタをまっすぐに見つめて屈託なく笑った。
「姉様、帰っていらしたんですね! よかった……! 姉様が悪い妖精にさらわれたと聞いて心配しました。もう二度とさらわれないように僕が退治しにいきます!」
ルーチェは聞こえないとわかっていても抗議せずにはいられなかったようで、少年に向かって声を張り上げた。
「ちょっと、殿下はアレッタを拐ったんじゃなくて保護したんだからね!」
「そうですよ、アレッタ様は自ら望まれて妖精界を訪れたのです」
「そうそう。なんで殿下が悪いことになってるわけ? 殿下からも言ってやってくださいよ、アレッタちゃんは妖精界で楽しく過ごしてましたってさあ」
ユースはジェレミーの言葉を聞いて苦笑している。アレッタは驚いて小さな少年、ケネットの元に駆けつけた。
「ケネット! なぜあなたがここにいるの? 領地にいたんじゃなかったの?」
「だって姉様に便りを出してもいつまでも返事が返ってこなくて。父様に尋ねたら姉様は妖精に拐われたと聞いたので、僕も心配になって王都まで駆けつけたんです」
父は頭が痛いとでも言いたげに眉間を指で押さえている。
「驚いたことに、まともに乗れるようになったばかりの馬で駆けて、昨日王都に現れたんだ。屋敷の場所も詳しく知らないというのになんと無謀なことを。偶然にも助けた者がいたからよかったものの」
「すみません父様、以後気をつけます」
ケネットはしゅんとしょげながら謝罪した。
「明日領地に送り返す手配をしていたところだったが、まさか本当にアレッタと再会することになるとはな」
父は普段目に見えないものに懐疑的な性質だが、このタイミングでアレッタとケネットが屋敷を訪れたことにはなにか運命めいたものを感じているらしい。
「一人で馬を操ってきたの? すごいじゃないケネット! 大きくなったのね」
アレッタの記憶の中のケネットは五歳のままだった。今は確か十歳になったはず。
こうして大きく育ったケネットを見て感慨深い思いに包まれたアレッタだった。
「はい、ありがとうございます姉様! あの、ところで……」
ケネットはアレッタの隣に立つユースをなぜか敵と認識したようで、キッと睨みつけた。
「もしかしてこの隣にいる人は姉様をさらった妖精の仲間ですか?」
「違うわケネット。私はそもそも拐われてなんていないの、私が行きたくて妖精さんのところに行っていたのよ。どうして私が拐われたと思ったの?」
「え、だって父様がそう教えてくださったから」
父はゴホンとわざとらしく咳払いをした。
「ああ、その件だがケネット、どうやら誤解があったようだ。アレッタは妖精の元で訳あって保護されていたらしい。これからはいつでも会いたい時に会えるようになるそうだから心配無用だ」
「えっ? 本当ですか姉様、領地にも遊びにきてくれるのですかっ?」
ケネットが期待を込めた瞳で見上げてくるので、アレッタは視線をあわせて微笑んだ。
「ええ、必ず行くわ」
「やった! 姉様、一緒に馬に乗って早駆けしましょう! それから木登りとか、川遊びとか、いろいろ一緒にやりたいことがあるんです。いいでしょう姉様?」
「ええと、木登りは見ているだけになりそうだけど、一緒に遊びましょうね」
「はいっ! あ、それから新しい友達もできたので紹介させてください。ロイスっていう名前の綺麗な男の人なんですけど、僕が王都で迷子になっていた時に助けてくれたいい人なんです」
「えっ? ロイス?」
ロイスってもしかして、あのロイスなの?
アレッタと同じように疑問を持ったユースもその話に食いついた。
「ケネット、ロイスについて詳しく聞かせてくれないか?」
「え、いいですけど……」
「俺はユスティニアン、ユースと呼んでくれ。君の姉様と仲良くさせてもらっている」
ケネットはユースの友好的な態度に複雑そうな顔をした。
どうしたんだろう、普段は誰にでも愛想のいい子なのに。まだ悪い妖精さんの仲間だと思っているのかな。
「姉様と仲良し……そうですか。ロイスは行くところがないっていうので、家の仕事をしてもらうことを条件にここに滞在してます。呼んできましょうか?」
「ああ、いや……呼ばなくていい。ロイスは君の友達なのか?」
「そうですよ。ロイスはお花のこととか妖精についてとっても詳しいんです! そういうお話を聞いていると姉様のことも思いだしたりして、話を聞くのが楽しくって。領地にもついてきてほしいなあって僕は思ってるんですけど、とても遠慮がちな人なんですよね」
ユースはアレッタに目配せをした。後で会いにいこうってことかな、ケネットの前で私に毒を盛った話題とか、できればしたくないものね。
アレッタもこくりと頷き返した。
12
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。

すり替えられた公爵令嬢
鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。
しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。
妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。
本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。
完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。
視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。
お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。
ロイズ王国
エレイン・フルール男爵令嬢 15歳
ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳
アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳
マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳
マルゲリーターの母 アマンダ
パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト
アルフレッドの側近
カシュー・イーシヤ 18歳
ダニエル・ウイロー 16歳
マシュー・イーシヤ 15歳
帝国
エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(皇帝の姪)
キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹)
隣国ルタオー王国
バーバラ王女

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。

【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。28日の更新で完結します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる