理性崩壊ダンジョンで、俺を襲った悲劇〜〇〇しないと出られない部屋

兎騎かなで

文字の大きさ
上 下
1 / 5

1

しおりを挟む
 ここが前人未到のダンジョンか……俺はブルリと身震いした。

 剣を主体に戦う俺は、魔力や霊の気配なんて感じとれないはずだが、それでもこの空間には恐怖を感じた。

「流石にビビってるみたいだな、ロイド」
「キーファ……だって、雰囲気ヤバくないか、ここ」
「まあな……なんつうか、怪しげだよな」

 紫とピンクが入り混じった毒々しい色の壁はぬるぬるしていて、湿度の高い空気が時々頬をうっそりと撫でるのがうっとうしい。

 前人未到のダンジョンに挑もう! と酒の勢いで決めたのは、軽率すぎたかもしれない。

 相棒のキーファと俺は、同時期に冒険者となった。意気投合した俺達は二人で組んで、ダンジョンに挑んでいる。

 金髪のキーファは弓、赤髪の俺は剣で戦い、最近は安定して稼げるようになってきたところだ。

 俺もキーファもまだまだ若手冒険者で、ついでに俺はまっさら新品の童貞だ……キーファくらい顔がよかったらなあ。まあコイツも童貞だろうけど。

 そんな俺がモテるためには、金と実力を得るしかない。

 背伸びして一攫千金狙ってみたいよな。初踏破すれば一躍有名になって金も稼げて、モテモテになれるはず! と選んだのがこのダンジョンだ。

 人呼んで、理性崩壊ダンジョン。恐ろしすぎて正気ではいられないと噂のダンジョンだ。

 最後まで踏破できた者はおらず、みな逃げ帰ってくるという。

 ある者はげっそりとやつれ、ある者はフラフラと立てないほど消耗し、またある者は廃人のようになって帰ってくると噂されている。

 俺達の知り合いも、例のダンジョンから逃げ帰ってきた一人だ。

 だが、ヤバいから絶対行かない方がいいと言っていたアイツは、時々理性崩壊ダンジョンに潜っているらしい。

 しかも帰ってくると、妙にスッキリとした幸せそうな顔をしている時がある。恍惚としているというか……理由は聞いても教えてくれなかった。

 これは臭うよな……きっとなにか、俺達には教えたくない美味しい話があるに違いない。

「おいロイド、そこに突起があるぞ、気をつけろ」
「あ、やべ」

 キーファが教えてくれた突起を避けて通る。長さ二十センチ、直径五センチはありそうな巨大な突起が、そこら中に生えているのだ。

 こんなんの上に尻餅でもついちまったら、すごく痛そうだ。ぬるぬるして滑りやすい床を、キーファと二人で協力しながら慎重に進んだ。

 ……俺達が通り過ぎた後で、突起がぬらりと揺らめいていたが。俺達はそれを知るよしもなかった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

虎は失神を迎えるまで射精と歩行を行わされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

疲弊した肉体は残酷な椅子へと座らされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...