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は、恥ずかしい……!☆
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琉麒は運命の番同士が行う初めての性交にも関わらず、本能に呑まれずに思いやりと理性をもって白露を愛した。それもこれも白露に発情期がきていなかったためにできたことだが、気をやる度に茉莉花の香りは濃くなっていく。
白露が微量に漂わせるフェロモンは琉麒の欲望を刺激して、下履きの中で彼の分身は大きく膨らんでいる。
額に汗を滲ませた琉麒は頑なに中衣を脱がずに、白露を膝の上に乗せて、ツンと立った胸の尖りを執拗に舐めた。
「あ、やぁあっ! それ、いいっ、気持ちい……っ」
「白露、白露……なんて淫靡で可愛らしいんだ、どうか私の手で花開いて」
「う、あっ、ぁああ!」
その夜、何度も果てて最後には薄い水のような精液しか出なくなった白露だったが、最後まで発情期に入る兆しはなかった。
嵐のように激しい快感に翻弄されて、何度目かの絶頂の後白露の意識は眠りへと落ちていった。
*****
目が覚めると、すでに外は明るかった。格子窓から燦々と日の光が降り注いでいる。
(綺麗な木枠だなあ、母さんの作った竹細工みたいに凝った作りをしてる……あれ、琉麒がいない)
しばらく窓の細工に見惚れてから、琉麒の姿が見えないことに気づいた。寝台に温もりが残っていないことから、しばらく前に起床したことがうかがえる。
白露は寝衣に着替えさせられていて、身体もさっぱりしていた。誰がやってくれたんだろう、最後に覚えている自分の姿はどこもかしこも汗まみれだった。
連想するように許容量を超えるほどの快感を与えられたことを思いだして、白露の頭から湯気が昇る。妖艶に微笑む唇と蛇のようにうごめく舌、それに器用な指先に高められて……
「ひゃーっ!」
「どうかされましたか、番様⁉︎」
「なんでもないよ!」
猪護衛の声が扉の外から聞こえて、白露はぴょんと起き上がり手をぶんぶん左右に振った。その拍子に股関節に違和感を感じて、思いきり脚を開かれて隅々まで見られたことまで脳裏に蘇ってしまい、顔を両手で覆って悲鳴を堪えた。
(は、恥ずかしいぃーっ! 番ってああいうこともするんだ……っ、ぐずぐずに溶けちゃうかと思った)
琉麒はどこまでも甘く優しく白露に触れた。砂糖菓子のようにとろけさせられて、足の先から耳のてっぺんまで愛された。
(あんなに気持ちいいことが世の中にはあるんだね、すごい……とってもよかったから、僕も琉麒にお返ししてあげたいな)
昨晩は白露が気持ちよくされるばかりで、琉麒は中衣の襟すら乱さなかった。
白露は番に対して楽しいことはわかちあい、辛いことは半分こしたい。琉麒に対してもそうしてあげたいと思う。
次回はされるばっかりじゃなくて琉麒のことも気持ちよくしてあげようと心に誓ってから、やっと寝台から降りて靴を履いた。
「おはようございます白露様、入ってもよろしいでしょうか」
「魅音? どうぞ、大丈夫だよ」
足音を立てずに滑るような足取りで入室してきた魅音は、白露の姿を見るなり頭を下げた。
「おめでとうございます白露様、皇上と契りを結ばれたのですね」
「契り?」
「体を繋げたという意味でございます」
「繋げ……?」
白露が頭の中を疑問符でいっぱいにしていると、魅音は焦ったように顔を上げた。
「もしや白露様は、閨の作法をご存知ではない……?」
「わからないです」
「なんということでしょう。それでは皇上は本懐を遂げられていらっしゃらないのでは」
さっきから聞き慣れない単語ばかり並べられて、白露は何も返答できなかった。これではいけないと思い、せめてやる気をアピールする。
「あの、きっと大事なことなんですよね? 勉強します、教えてください!」
「ああその、わたくしの口からはとてもではありませんがお伝えできませんので、皇上に一任致します。先走ってしまい誠に申し訳ありませんでした」
「なんで謝るの?」
「ええと……とにかくお召し物を替えましょう」
魅音が行き場のない様子で尻尾を丸めていたので、白露はそれ以上話を続けずに着替えさせてもらうことにした。
女の人に甲斐甲斐しく着替えさせてもらうのは緊張するけれど、これも魅音の仕事だと思って、素直に曲裾の深衣を着付けてもらう。
「今日の服も麒麟柄だね」
「白露様のために急遽ご用意させていただいたもので、元は皇上の幼少時に身につけていた服でございます」
「そうなんだ」
少年時代の琉麒はものすごい美少年だったんだろうなあと頭の中で思い描く。帯は琉麒の角と同じような黒色をしていて、同じ色をまとえて嬉しくなり口元が自然と弧を描いた。
「お気に召しましたか?」
「うん。琉麒とおそろいの色、嬉しいな」
笑顔で答えると、魅音も控えめな微笑をくれた。薄く目尻に皺の寄った瞳を細めて、息子を見るような慈愛の視線を向けられる。
「それはよろしゅうございました。本日はどのように過ごされますか」
「琉麒はどうしてるの?」
「執務の最中かと思われます」
「それって僕には手伝えるのかな?」
魅音はそっと視線を逸らし、言いにくそうに控えめな声で返答した。
「皇上は、白露様が健やかにお過ごし遊ばれるのを望むかと」
「そっかあ……」
健やかにお過ごし遊ばれるってどういう意味だろうと一瞬首を捻ったけれど、自由にしていいよという意味合いなのだろう。
白露が微量に漂わせるフェロモンは琉麒の欲望を刺激して、下履きの中で彼の分身は大きく膨らんでいる。
額に汗を滲ませた琉麒は頑なに中衣を脱がずに、白露を膝の上に乗せて、ツンと立った胸の尖りを執拗に舐めた。
「あ、やぁあっ! それ、いいっ、気持ちい……っ」
「白露、白露……なんて淫靡で可愛らしいんだ、どうか私の手で花開いて」
「う、あっ、ぁああ!」
その夜、何度も果てて最後には薄い水のような精液しか出なくなった白露だったが、最後まで発情期に入る兆しはなかった。
嵐のように激しい快感に翻弄されて、何度目かの絶頂の後白露の意識は眠りへと落ちていった。
*****
目が覚めると、すでに外は明るかった。格子窓から燦々と日の光が降り注いでいる。
(綺麗な木枠だなあ、母さんの作った竹細工みたいに凝った作りをしてる……あれ、琉麒がいない)
しばらく窓の細工に見惚れてから、琉麒の姿が見えないことに気づいた。寝台に温もりが残っていないことから、しばらく前に起床したことがうかがえる。
白露は寝衣に着替えさせられていて、身体もさっぱりしていた。誰がやってくれたんだろう、最後に覚えている自分の姿はどこもかしこも汗まみれだった。
連想するように許容量を超えるほどの快感を与えられたことを思いだして、白露の頭から湯気が昇る。妖艶に微笑む唇と蛇のようにうごめく舌、それに器用な指先に高められて……
「ひゃーっ!」
「どうかされましたか、番様⁉︎」
「なんでもないよ!」
猪護衛の声が扉の外から聞こえて、白露はぴょんと起き上がり手をぶんぶん左右に振った。その拍子に股関節に違和感を感じて、思いきり脚を開かれて隅々まで見られたことまで脳裏に蘇ってしまい、顔を両手で覆って悲鳴を堪えた。
(は、恥ずかしいぃーっ! 番ってああいうこともするんだ……っ、ぐずぐずに溶けちゃうかと思った)
琉麒はどこまでも甘く優しく白露に触れた。砂糖菓子のようにとろけさせられて、足の先から耳のてっぺんまで愛された。
(あんなに気持ちいいことが世の中にはあるんだね、すごい……とってもよかったから、僕も琉麒にお返ししてあげたいな)
昨晩は白露が気持ちよくされるばかりで、琉麒は中衣の襟すら乱さなかった。
白露は番に対して楽しいことはわかちあい、辛いことは半分こしたい。琉麒に対してもそうしてあげたいと思う。
次回はされるばっかりじゃなくて琉麒のことも気持ちよくしてあげようと心に誓ってから、やっと寝台から降りて靴を履いた。
「おはようございます白露様、入ってもよろしいでしょうか」
「魅音? どうぞ、大丈夫だよ」
足音を立てずに滑るような足取りで入室してきた魅音は、白露の姿を見るなり頭を下げた。
「おめでとうございます白露様、皇上と契りを結ばれたのですね」
「契り?」
「体を繋げたという意味でございます」
「繋げ……?」
白露が頭の中を疑問符でいっぱいにしていると、魅音は焦ったように顔を上げた。
「もしや白露様は、閨の作法をご存知ではない……?」
「わからないです」
「なんということでしょう。それでは皇上は本懐を遂げられていらっしゃらないのでは」
さっきから聞き慣れない単語ばかり並べられて、白露は何も返答できなかった。これではいけないと思い、せめてやる気をアピールする。
「あの、きっと大事なことなんですよね? 勉強します、教えてください!」
「ああその、わたくしの口からはとてもではありませんがお伝えできませんので、皇上に一任致します。先走ってしまい誠に申し訳ありませんでした」
「なんで謝るの?」
「ええと……とにかくお召し物を替えましょう」
魅音が行き場のない様子で尻尾を丸めていたので、白露はそれ以上話を続けずに着替えさせてもらうことにした。
女の人に甲斐甲斐しく着替えさせてもらうのは緊張するけれど、これも魅音の仕事だと思って、素直に曲裾の深衣を着付けてもらう。
「今日の服も麒麟柄だね」
「白露様のために急遽ご用意させていただいたもので、元は皇上の幼少時に身につけていた服でございます」
「そうなんだ」
少年時代の琉麒はものすごい美少年だったんだろうなあと頭の中で思い描く。帯は琉麒の角と同じような黒色をしていて、同じ色をまとえて嬉しくなり口元が自然と弧を描いた。
「お気に召しましたか?」
「うん。琉麒とおそろいの色、嬉しいな」
笑顔で答えると、魅音も控えめな微笑をくれた。薄く目尻に皺の寄った瞳を細めて、息子を見るような慈愛の視線を向けられる。
「それはよろしゅうございました。本日はどのように過ごされますか」
「琉麒はどうしてるの?」
「執務の最中かと思われます」
「それって僕には手伝えるのかな?」
魅音はそっと視線を逸らし、言いにくそうに控えめな声で返答した。
「皇上は、白露様が健やかにお過ごし遊ばれるのを望むかと」
「そっかあ……」
健やかにお過ごし遊ばれるってどういう意味だろうと一瞬首を捻ったけれど、自由にしていいよという意味合いなのだろう。
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