のんびり屋の熊獣人は、ツンデレ猫獣人を可愛がりたくてしょうがない

兎騎かなで

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 意志とは関係なく、お尻の中がぎゅうっと屹立を締めつける。エイダンはブルリと背を震わせ、うめいた。

「う……っ、今イッたでしょ……すご」

 エイダンは一度動きを止めて、上掛けシーツを手探りで見つけ出し、私の胸から腹へと散った精液を拭いた。

 それだけの刺激でも体がぴくりと反応してしまうが、ぐっと堪えて悪態をついた。

「も、だから、バカ、待てと……んっ」
「僕もいきそうだった」
「イクなら奥に、一番奥にかけて……っ」
「そうしたいけど……まだセルジュをかわいがりたいな」
「あ……」

 ぬこぬこと小刻みに動く雄は、一向に最奥から出ていく気配がない。まさか居座るつもりか。

 僅かな刺激のはずなのに、じんと腰に響くような感覚が絶え間なく与えられ続けて、まともな会話を紡げなくなる。

「ぁ、あ、やっ……んっ、あ!」
「かわいい、もっと鳴いて、セルジュ」
「ひゃ……あ、あ、にゃ……んに、んぅっ」

 駄目だ、頭が馬鹿になる。エイダンの腰の動きにあわせて、私の腰も揺れはじめた。気持ちいい、気持ち、いい……っ

 気持ちよすぎると幼児のように鳴いてしまう様を、エイダンはことのほか気に入っているようで、たびたび鳴いてほしいとお願いされる。

 まともに頭が働いている時なら一蹴するお願いも、脳内が熱に侵されている時は、素直に聞いてしまう。

「んにゃ、ふにゃあ……」
「かわいい、すごくかわいいよセルジュ。好き、大好き」
「あっ、あにゃあっ!」
「いっぱいないてね」

 エイダンの甘い責め苦は、決定的な刺激をされないまま長く続き、だんだんと気持ちいいのにイけないのが辛くなってくる。

「にゃあ、エディ……もっと、もっとぉ……動いてぇ」
「もうちょっとだけ、セルジュに包まれていたいな……」
「ふにゅ……も、やにゃあ……」

 焦らされ続けて目尻から溢れた涙を、エイダンが舐めとった。暗闇の中、彼の柔らかな焦茶色の目が、金色に光った気がした。

「僕ね、セルジュの鳴き声がすごく好き。でもそれ以上に、好きなのがあってね」
「ひにゃ……な、にゃに?」
「僕に会えてしっぽをくねくねさせちゃうのも、心配しすぎて小言を言っちゃうのもかわいいけど、泣き顔が一番かわいいと思うんだ」
「にゃき……がお?」
「そう。今みたいに気持ちよさそうに、だけどちょっと辛そうに、泣いてるセルジュを見るのが一番好き」

 ちょっと待ってほしい。快楽で茹だった頭が一瞬で正気に戻る。見え、てる? 今の私の顔を? そんなはずは……

「うそだ、熊獣人は……夜目が、きかないって」
「見えてるよ? 誰が言ったのそんなこと」
「幼い頃、絵本で読んだ……」
「ずっとその絵本の内容が、真実だと思ってたの? かわいい、すごくかわいいよセルジュ!」
「ひにゃっ!?」

 一際奥を穿たれて、長いストロークをしはじめるエイダン。それだけでは足りないのか、両足を持ち上げられて腰が浮く。

「かわい、セルジュ、かわいい……っ!」
「あぅっ、うにゃあん!」

 絶対に見られていないと思っていたから、結合部を凝視したり舌を出したり、恥ずかしいことをいっぱいしていた自覚がある……っ

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