のんびり屋の熊獣人は、ツンデレ猫獣人を可愛がりたくてしょうがない

兎騎かなで

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 エイダンは見えていないはずなのに、ベッドのサイドテーブルに危なげない手つきで、眼鏡を安置した。

「ね、もっとキスしようよ」

 再び唇が降りてくる。私も舌を絡めた。ちゅくちゅくと暗闇の中で、淫靡な水音がたつ。耳もこちょこちょと触られて、期待に胸が震えた。

 私の唇がてろてろに濡れるまで、キスを堪能したエイダンは、私の下穿きを服ごと取り去った。

 外気に触れてぶるりと身じろぎすると、エイダンの熱い身体が隙間なく私を抱きしめた。

 彼も既に下の服を取りさっていた。私のペニスの棘が彼の腹に触れて、エイダンはいててと呟き、身を起こした。

「セルジュの、もう勃ってるね。キスだけで大きくなったの? 期待してくれてるみたいで嬉しいな」
「うるさいですね、いいから手を動かしなさい」

 待ちきれなくなってエイダンの長大なモノに手を這わせると、彼はうっと息を詰めた。

「あのさ、今日ね、優しくできないかもしれない。いつにも増して、すごくセルジュに会いたくなっちゃって、それで仕事中なのにさらってきちゃったから」

 せっぱつまった声に、ごくりと私の喉が鳴った。そんなの、私だって同じだ。エイダンのいない一月の間、寂しくて不安で、心細かった。

 今日はその穴埋めに、たっぷり愛してほしいという気持ちをこめて、エイダンを抱く腕に力を入れた。

「望むところですよ、めちゃくちゃにしてほしい気分なん……っ」

 言い終わらないうちに、性急に窄まりに触れられた。

「いいの? 本当に?」
「く、くどいですよ。何度も言わせるんじゃありま……っう、ぁ、……っ」

 いきなり指が入ってきて、ぐいぐいと中をこじあけられる。久しぶりだからか、指一本でもキツいくらいだ。

「狭いね、自分でしなかったの?」
「してませんよ、こんなっ……汚いところ、触りたがるのはっ、貴方くらいです、から……っ」
「そう? 別に汚くないと思うけど。セルジュが綺麗に洗ったんでしょ?」
「当たり前です……っ! ん……っ」

 まだ広がらないうちに二本目の指が入ってきた。二本の指は胎内をうごめき、前立腺の場所を正確に探りあてた。

「あ、そこ……っ」
「うん、気持ちいいね、セルジュ」
「あ、ぁ、あー……ん、んっ」

 優しい声を耳に吹きこまれながら、いいところを擦られるとすごく腰にくる。

 エイダンの色を含んだため息が、頭上から降ってくる。

「とろとろだから、すぐ入れられそう」
「挿れて、もう挿れて」
「さすがに早いんじゃない? 痛い思いをさせたくないから、もう少しだけ我慢して」

 エイダンは優しくできないと私に告げた割には、しっかりと中が広がるまで指で解した。
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