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第三章 魔人救済編

244 こんなところで☆

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 礼を告げると、カイルの無表情がふわっと解けた。あー、その顔いい……

 俺はスマホを取りだして、カイルの笑顔を激写した。途端に呆れ顔になるカイル。

「おい、イツキ……何枚俺の写真とやらを撮るつもりだ」
「何枚だっていいだろ、減るもんじゃねえんだから」
「そんなに俺の顔が好きか」
「あはは、まあな」

 スマホを充電できるようになってからというものの、俺は毎日のようにカイルの写真を撮っていた。

 だってさ、かっこいいんだよ……普段のクールな表情も、ふとした瞬間に甘く笑うのも、色っぽいため息も、全部が全部好きでさあ……

 呆れたように俺を半眼で見つめていたカイルは、リドアートの方に視線を向けた。

「おい、いつまでここで油を売ってやがる」
「クレーと話ができるなんて幸せだなあ……この数十年、ただただ幸せを願うことしかできなかったクレーが、目の前にいてくれるなんて……」
「リドアート様、扉の外でお話の続きをしましょう」
「クレー! 喜んで!!」

 空気を読んだクレミアによって、リドアートはコロコロ手のひらの上で転がされて、まんまと執務室の外に連れていかれた。

 パタリと扉が閉まると、カイルは扉に鍵をかけた。彼は色気のある笑みを浮かべて、俺の元へと回りこんでくる。

「イツキ」
「な、なんだよ」
「そんなに俺の顔が好きなら、いくらでも直で見るといい」
「うっ……いや、写真で撮ることに意味があってだな」

 だってスマホのアルバムに保存しておけば、いつでもどこででも、推しのいろんな顔が見放題なんだぞ?

 ずいっと顔を近づけてきたカイルが、俺の顎につ……と人差し指の指先を当てて、顔を上げさせる。

「すまほなんかにかまけていないで、俺のことを構えよ」
「ぐぅ……! ずるいぞその言い方は! アンタ……あふっ」

 なおも言い募ろうとした俺の口を、カイルの唇が塞いだ。口の中の性感帯をピンポイントで責めるような舌の動きに、簡単に息が上がってしまう。

「音消しの結界を張ってくれ」
「……っ嫌だよ。クレーにもリッドにも、ナニしてるか丸わかりじゃねえか!」
「今更誰も気にしない」
「俺は気にするんだよ!」
「では気にならなくなるくらいに、気持ちよくしてやる」

 カイルは有言実行の男だった。身体中をまさぐられるとどうしても声が出てしまうので、慌てて結界を張っているうちに、下半身を剥かれていた。

「こ、こんなところで……!」
「大丈夫だ、誰にも見えていない」

 城の最上階だから、部屋の端にある窓から誰ものぞけないのはわかってる。

 だけど部屋の中からは外が見えてるのに、下がすっぽんぽんとか心細すぎるんだよ!

「だとしてもだな……ひぅっ」

 尻の窄みをカイルの指先で触られて、水魔法で浄化される。

 机に手をついて、穴の周囲を撫でられる感覚に耐えていると、両手で尻たぶを割り開かれて、ペちょりと生温かい感触が穴の上を這った。

「ふぇ? は……っカイル、何してっ」

 カイルが俺の尻穴を、舌で舐めている……! 信じられない光景に腰を引いて逃げようとするが、前は机だ。逃げ場がない。

 目の前には決算書類や嘆願書が並べられているというのに、なんてことをされているんだ俺は……!

 震える手で書類をかき集め、なんとか机の端に寄せていると、更なる驚愕に満ちた出来事が俺を襲った。

「はぁ……っ!? 中に、舌が……っやだ、やめろぉ!」

 汚ねえだろ、そんなとこ舐めんなって……! ぴちゃ、くちゅ……と水音がたつ度に、顔を真っ赤にして羞恥に震えた。

 触られてもいない前がむくむくと勃ち上がる。勘弁してくれよ……! 尻を舐められて気持ちよくなるなんて、まるで変態じゃねえか!

 俺の戸惑いをよそに、カイルは熱心に舌で尻を解し、唾液を送りこんだ。

 あまつさえ尻穴の粘膜から魔力を吸われて、じわ……と広がる快感にひたすら背を縮こませた。

「も、やだってば……」
「最近、一つわかったことがある」
「……なんだよ?」
「お前が言う嫌は本当に嫌なのではなく、恥ずかしいから言っているのだと理解した」
「恥ずかしいから嫌なんだって!」
「恥ずかしがるイツキは可愛いだけだ。なんの問題もないな」
「あるぅ……っ!」

 今度は指を差しこまれた。肉壁をくすぐりながら奥へと潜ってきた指は、丁寧に中を揉みほぐす。


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