105 / 178
第三章 魔人救済編
244 こんなところで☆
しおりを挟む
礼を告げると、カイルの無表情がふわっと解けた。あー、その顔いい……
俺はスマホを取りだして、カイルの笑顔を激写した。途端に呆れ顔になるカイル。
「おい、イツキ……何枚俺の写真とやらを撮るつもりだ」
「何枚だっていいだろ、減るもんじゃねえんだから」
「そんなに俺の顔が好きか」
「あはは、まあな」
スマホを充電できるようになってからというものの、俺は毎日のようにカイルの写真を撮っていた。
だってさ、かっこいいんだよ……普段のクールな表情も、ふとした瞬間に甘く笑うのも、色っぽいため息も、全部が全部好きでさあ……
呆れたように俺を半眼で見つめていたカイルは、リドアートの方に視線を向けた。
「おい、いつまでここで油を売ってやがる」
「クレーと話ができるなんて幸せだなあ……この数十年、ただただ幸せを願うことしかできなかったクレーが、目の前にいてくれるなんて……」
「リドアート様、扉の外でお話の続きをしましょう」
「クレー! 喜んで!!」
空気を読んだクレミアによって、リドアートはコロコロ手のひらの上で転がされて、まんまと執務室の外に連れていかれた。
パタリと扉が閉まると、カイルは扉に鍵をかけた。彼は色気のある笑みを浮かべて、俺の元へと回りこんでくる。
「イツキ」
「な、なんだよ」
「そんなに俺の顔が好きなら、いくらでも直で見るといい」
「うっ……いや、写真で撮ることに意味があってだな」
だってスマホのアルバムに保存しておけば、いつでもどこででも、推しのいろんな顔が見放題なんだぞ?
ずいっと顔を近づけてきたカイルが、俺の顎につ……と人差し指の指先を当てて、顔を上げさせる。
「すまほなんかにかまけていないで、俺のことを構えよ」
「ぐぅ……! ずるいぞその言い方は! アンタ……あふっ」
なおも言い募ろうとした俺の口を、カイルの唇が塞いだ。口の中の性感帯をピンポイントで責めるような舌の動きに、簡単に息が上がってしまう。
「音消しの結界を張ってくれ」
「……っ嫌だよ。クレーにもリッドにも、ナニしてるか丸わかりじゃねえか!」
「今更誰も気にしない」
「俺は気にするんだよ!」
「では気にならなくなるくらいに、気持ちよくしてやる」
カイルは有言実行の男だった。身体中をまさぐられるとどうしても声が出てしまうので、慌てて結界を張っているうちに、下半身を剥かれていた。
「こ、こんなところで……!」
「大丈夫だ、誰にも見えていない」
城の最上階だから、部屋の端にある窓から誰ものぞけないのはわかってる。
だけど部屋の中からは外が見えてるのに、下がすっぽんぽんとか心細すぎるんだよ!
「だとしてもだな……ひぅっ」
尻の窄みをカイルの指先で触られて、水魔法で浄化される。
机に手をついて、穴の周囲を撫でられる感覚に耐えていると、両手で尻たぶを割り開かれて、ペちょりと生温かい感触が穴の上を這った。
「ふぇ? は……っカイル、何してっ」
カイルが俺の尻穴を、舌で舐めている……! 信じられない光景に腰を引いて逃げようとするが、前は机だ。逃げ場がない。
目の前には決算書類や嘆願書が並べられているというのに、なんてことをされているんだ俺は……!
震える手で書類をかき集め、なんとか机の端に寄せていると、更なる驚愕に満ちた出来事が俺を襲った。
「はぁ……っ!? 中に、舌が……っやだ、やめろぉ!」
汚ねえだろ、そんなとこ舐めんなって……! ぴちゃ、くちゅ……と水音がたつ度に、顔を真っ赤にして羞恥に震えた。
触られてもいない前がむくむくと勃ち上がる。勘弁してくれよ……! 尻を舐められて気持ちよくなるなんて、まるで変態じゃねえか!
俺の戸惑いをよそに、カイルは熱心に舌で尻を解し、唾液を送りこんだ。
あまつさえ尻穴の粘膜から魔力を吸われて、じわ……と広がる快感にひたすら背を縮こませた。
「も、やだってば……」
「最近、一つわかったことがある」
「……なんだよ?」
「お前が言う嫌は本当に嫌なのではなく、恥ずかしいから言っているのだと理解した」
「恥ずかしいから嫌なんだって!」
「恥ずかしがるイツキは可愛いだけだ。なんの問題もないな」
「あるぅ……っ!」
今度は指を差しこまれた。肉壁をくすぐりながら奥へと潜ってきた指は、丁寧に中を揉みほぐす。
俺はスマホを取りだして、カイルの笑顔を激写した。途端に呆れ顔になるカイル。
「おい、イツキ……何枚俺の写真とやらを撮るつもりだ」
「何枚だっていいだろ、減るもんじゃねえんだから」
「そんなに俺の顔が好きか」
「あはは、まあな」
スマホを充電できるようになってからというものの、俺は毎日のようにカイルの写真を撮っていた。
だってさ、かっこいいんだよ……普段のクールな表情も、ふとした瞬間に甘く笑うのも、色っぽいため息も、全部が全部好きでさあ……
呆れたように俺を半眼で見つめていたカイルは、リドアートの方に視線を向けた。
「おい、いつまでここで油を売ってやがる」
「クレーと話ができるなんて幸せだなあ……この数十年、ただただ幸せを願うことしかできなかったクレーが、目の前にいてくれるなんて……」
「リドアート様、扉の外でお話の続きをしましょう」
「クレー! 喜んで!!」
空気を読んだクレミアによって、リドアートはコロコロ手のひらの上で転がされて、まんまと執務室の外に連れていかれた。
パタリと扉が閉まると、カイルは扉に鍵をかけた。彼は色気のある笑みを浮かべて、俺の元へと回りこんでくる。
「イツキ」
「な、なんだよ」
「そんなに俺の顔が好きなら、いくらでも直で見るといい」
「うっ……いや、写真で撮ることに意味があってだな」
だってスマホのアルバムに保存しておけば、いつでもどこででも、推しのいろんな顔が見放題なんだぞ?
ずいっと顔を近づけてきたカイルが、俺の顎につ……と人差し指の指先を当てて、顔を上げさせる。
「すまほなんかにかまけていないで、俺のことを構えよ」
「ぐぅ……! ずるいぞその言い方は! アンタ……あふっ」
なおも言い募ろうとした俺の口を、カイルの唇が塞いだ。口の中の性感帯をピンポイントで責めるような舌の動きに、簡単に息が上がってしまう。
「音消しの結界を張ってくれ」
「……っ嫌だよ。クレーにもリッドにも、ナニしてるか丸わかりじゃねえか!」
「今更誰も気にしない」
「俺は気にするんだよ!」
「では気にならなくなるくらいに、気持ちよくしてやる」
カイルは有言実行の男だった。身体中をまさぐられるとどうしても声が出てしまうので、慌てて結界を張っているうちに、下半身を剥かれていた。
「こ、こんなところで……!」
「大丈夫だ、誰にも見えていない」
城の最上階だから、部屋の端にある窓から誰ものぞけないのはわかってる。
だけど部屋の中からは外が見えてるのに、下がすっぽんぽんとか心細すぎるんだよ!
「だとしてもだな……ひぅっ」
尻の窄みをカイルの指先で触られて、水魔法で浄化される。
机に手をついて、穴の周囲を撫でられる感覚に耐えていると、両手で尻たぶを割り開かれて、ペちょりと生温かい感触が穴の上を這った。
「ふぇ? は……っカイル、何してっ」
カイルが俺の尻穴を、舌で舐めている……! 信じられない光景に腰を引いて逃げようとするが、前は机だ。逃げ場がない。
目の前には決算書類や嘆願書が並べられているというのに、なんてことをされているんだ俺は……!
震える手で書類をかき集め、なんとか机の端に寄せていると、更なる驚愕に満ちた出来事が俺を襲った。
「はぁ……っ!? 中に、舌が……っやだ、やめろぉ!」
汚ねえだろ、そんなとこ舐めんなって……! ぴちゃ、くちゅ……と水音がたつ度に、顔を真っ赤にして羞恥に震えた。
触られてもいない前がむくむくと勃ち上がる。勘弁してくれよ……! 尻を舐められて気持ちよくなるなんて、まるで変態じゃねえか!
俺の戸惑いをよそに、カイルは熱心に舌で尻を解し、唾液を送りこんだ。
あまつさえ尻穴の粘膜から魔力を吸われて、じわ……と広がる快感にひたすら背を縮こませた。
「も、やだってば……」
「最近、一つわかったことがある」
「……なんだよ?」
「お前が言う嫌は本当に嫌なのではなく、恥ずかしいから言っているのだと理解した」
「恥ずかしいから嫌なんだって!」
「恥ずかしがるイツキは可愛いだけだ。なんの問題もないな」
「あるぅ……っ!」
今度は指を差しこまれた。肉壁をくすぐりながら奥へと潜ってきた指は、丁寧に中を揉みほぐす。
49
お気に入りに追加
4,053
あなたにおすすめの小説
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
主人公に「消えろ」と言われたので
えの
BL
10歳になったある日、前世の記憶というものを思い出した。そして俺が悪役令息である事もだ。この世界は前世でいう小説の中。断罪されるなんてゴメンだ。「消えろ」というなら望み通り消えてやる。そして出会った獣人は…。※地雷あります気をつけて!!タグには入れておりません!何でも大丈夫!!バッチコーイ!!の方のみ閲覧お願いします。
他のサイトで掲載していました。
不憫王子に転生したら、獣人王太子の番になりました
織緒こん
BL
日本の大学生だった前世の記憶を持つクラフトクリフは異世界の王子に転生したものの、母親の身分が低く、同母の姉と共に継母である王妃に虐げられていた。そんなある日、父王が獣人族の国へ戦争を仕掛け、あっという間に負けてしまう。戦勝国の代表として乗り込んできたのは、なんと獅子獣人の王太子のリカルデロ! 彼は臣下にクラフトクリフを戦利品として側妃にしたらどうかとすすめられるが、王子があまりに痩せて見すぼらしいせいか、きっぱり「いらない」と断る。それでもクラフトクリフの処遇を決めかねた臣下たちは、彼をリカルデロの後宮に入れた。そこで、しばらく世話をされたクラフトクリフはやがて健康を取り戻し、再び、リカルデロと会う。すると、何故か、リカルデロは突然、クラフトクリフを溺愛し始めた。リカルデロの態度に心当たりのないクラフトクリフは情熱的な彼に戸惑うばかりで――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。