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第二章 陰謀恋愛編

167 停滞

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 次の日は、朝からダンジョン内の二十一階層以下をくまなく歩きまわり、青い鍵を探した。

 途中何度か他チームと接敵しそうになったが、テオの鼻とクインシーの采配により難を逃れた。

 昼休憩を過ぎても、いっこうに青い鍵は見つからない。クインシーはふうとため息を吐きだした。

「ないねえ、おっかしいなあ」
「ないっスねえ」

 主従仲良くうんうんと唸っている。レジオットは首を傾げた。

「もう他の方が見つけて、持っていってしまったのでしょうか」
「可能性としてはあり得るよね。赤い鍵を見つけることに見切りをつけたチームが、青い鍵を先に探しにきたとか」
「俺達が一番乗りだったのにか?」

 俺が疑問を溢すと、クインシーは眉間を指先で揉みほぐした。

「俺達が見当違いの場所を探しているうちに、先に他のチームが青い鍵を見つけた可能性は、十分にあり得るよ」
「そうか……だったら他チームに奇襲をかけて、奪いとるしかないのか?」
「それはできれば最終手段にしたいかな、後々遺恨が残りそうだし。とにかく、もう少し念入りに探しまわってみよう」

 その日、ついぞ青い鍵は見つからなかった。クインシーは残念そうに嘆いていたが、ないものはしょうがない。

 明日は見つかるといいなと告げて、カイルの作ってくれたベッドにこもった。





 次の日の朝、クインシーはおもむろに話を切りだした。

「青い鍵はいったん諦めて、黄色い鍵を探しにいこうと思う」
「えっ、青い鍵はいいんっスか?」

 クインシーは腕組みし、難しい顔をした。

「よくはないよ。でも昨日あれだけ探しても見つからなかったからね。作戦を変更する必要がある」
「そうか、わかった。今から三十一階層まで降りればいいんだな」
「そうだね。モンスターは任せたよ、イツキ、カイル君。それにレジオットも」
「ああ」
「フン」
「わかりました」

 三者三様に返事をして、三十一階層へと降りた。土埃がだんだんと視界を遮りはじめる。

「うう……匂いが分かりづらくなってきたっス」
「鍵があっても、見落とさないか心配」

 テオとレジオットが不安そうに辺りを見渡している。俺は彼らを励まそうと笑いかけながら、クインシーに丸投げをした。

「大丈夫だ、クインシーがなんとかしてくれるだろ。な?」
「イツキに期待されてる……!? わかったよ、俺に任せておいて」

 パチンとウインクを飛ばすクインシーを見て、カイルが嫌そうな顔で俺の視界を塞いだ。

「変な念を飛ばすな、イツキが汚れる」
「汚してない、ウインクしただけだから! 失礼だなー、まったくもう」

 茶化しながら、即死しそうな罠が敷き詰められた通路を乗りこえていく。
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