半身転生

片山瑛二朗

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第5章 第十五次帝国戦役編

第459話 手が付けられなくなる前に

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「……何だというのだ」

 帝国軍第19大隊長イェール・グスタフ大尉は忌々しそうに睨みつけた。
 ドン、ドンと腹の底にまで重く響く落雷の音。
 一瞬目の前が閃光に包まれたかと思ったら、せっかく繰り出した騎兵が壊滅していた。
 馬は先ほどの音と光で使い物になりそうにない。
 後方から予備の騎兵戦力を呼びつけるのには最低でも10分ほどかかる。
 それまでまた歩兵戦を続けなければならないのか。
 いや、そもそも目の前の敵に騎兵を投入する意味はあるのか。

「大尉殿、これは……」

「歩兵前へ。あれはこの世に生かしておいてはいけないモノだ」

 彼の言葉に全面的に同意する少尉は、さらに部下に指示を出す。

「歩兵を出すんだ。ただし勢い任せにするな、小出しにしろ」

 横で少尉の言葉を聞きながら、イェール大尉はうんうんと頷く。
 よく分かっていると少尉を心の中で褒めておく。
 大尉の心づもりは持久戦、目の前の化け物アラタを疲弊させてから殺す、手法としては魔物の狩りに近い。
 使い潰される帝国兵は可哀そうだが、現実的な選択の結果だった。

「歩兵前へ!」

 伝令係から命令のリレーを受けて、現場の小隊長分隊長レベルが部下を前に送る。
 本来なら彼らも共に前に進むべきなのだが、やや及び腰になっていることに部下たちも気付いている。
 あれだけ派手に暴れまわった敵を前にして、勇んで進もうとする兵士は少ないだろう。
 いくら残り体力は僅か、敵の数も少ないと言われても、その残り少ない敵の戦力に殺されたくはない。
 しかしそんなことを言っていてはいつまで経っても戦争は終わらないのも分かっている。
 最後の正念場、そう思っているのは双方同じことだった。

「アラタ、大丈夫か」

「いけます。ルークさんは援護お願いします」

「分かったけどよ……無理はするなよ」

「分かってます」

 青い稲妻がアラタの周囲から完全に消え去った。
 魔術が完全終了して、体外に放出していた魔力が無に還ったのだろう。
 刀を片手にだらんと構えるアラタはどこかこの世のものではなさそうに見える。
 それが不気味で、帝国兵の歩みがまた少し遅くなる。

「全員進め! もっと速く!」

 急がずという指示を受けている小隊長だが、半歩ずつ進めとは言われていない。
 ジリジリと、剣の間合いを図るように動く部下たちを見て、彼らは激しく叱咤する。
 それでも命は惜しく、遅々として歩みが進まない。
 顔を真っ赤にして命令してくる上官たちはかなりのストレスを抱え込んでいるように見受けられるし、適切に管理しなければいずれ彼らが倒れてしまうだろう。
 しかし、ストレスに晒されているのは上官たちだけではない。

「チッ、てめーが突っ込めよ」

「おいよせ、聞こえるぞ」

「聞こえる様に言ってんだからな。マジ調子乗りやがって」

「だよな。あいつらなんであんなに偉いんだよ?」

「止まるか?」

「ゆっくり動けばいいんじゃねえの?」

「賛成」

「俺も」

 数が多い分、1人当たりの戦意というか覚悟というか、敵と刺し違えてでも勝つという気概を持つ兵士の割合は少ない。
 人数差が強みなのだから、そんなものだろう。
 ただし、彼らもそろそろ気付くべきだ。
 手負いの狼を目の前にして、そんなイザコザを起こすことがどれほど危険であるかを。

「いきます」

 刀を体の後ろに構えてアラタが走り出した。
 弾かれたような急な加速、それも恐らく【身体強化】を発動している。
 先ほどまで息も絶え絶えだったというのに、一体どうやって持ち直したのか。
 よもや想いの丈が能力に影響を及ぼしたなんて冷めた展開でもあるまい。
 事象にはその原因となった原理原則が必ず存在するのだ。
 とにかく、どういうわけか息を吹き返したアラタが帝国軍に迫る。
 その距離20m、とっくに交戦範囲内だ。

「来るぞ!」

「盾急げ! 対魔術防御展開!」

 木の大盾を持つ兵士が横に並んでアラタを待ち受ける。
 彼らの防具をもってすれば、アラタの雷属性の魔術攻撃もいなせるはず。
 だから、アラタは魔術を使わない。
 厳密には温存、先送りした。
 体の影に隠された刀の鋒を敵の方に向けながら、左手を発射台にして滑らせる。
 日本刀の刺突は、魔力強化された一撃は木の盾を余裕で貫通する。
 走る勢いそのままに刀を繰り出したアラタの腕はしっかりと固定されていてまるでブレない。
 盾の向こうにある生身の人間の肉を突き刺した。

「ぐっ、ぐぁぁああ!」

「まず1人」

 足を盾にかけて強引に刀を外す。
 その頃には敵の槍やら剣やらがアラタに向けられて殺到していて、まずはそちらの対処に追われる。
 前方右下に潜り込むように体を滑らせて、敵の槍を躱しながら振り下ろされた剣を防ぐ。
 刃同士をこすり合わせる様に奔らせてすれ違いざまに腹部を撫でる様に斬った。
 それだけで切れ目からはとめどなく内臓が溢れ出てきて人生終了。
 アラタが敵の真っ只中に飛び込んだ。

「ナイフ! 剣!」

「覆いかぶされ!」

「こっから出すんじゃねえぞ!」

 先ほどまでうだうだ言っていた帝国兵もようやくスイッチが入ったらしく、戦闘モードの声になる。
 すでに入り込まれてしまったものは仕方がないから、ここから巻き返そうと随分前向きである。
 さっきのように距離を取って敵から即死級の魔術が飛んでくるより100倍マシに思っているから、彼らもそこまで悲観的ではなさそうである。
 これだけ密集していれば魔術は無し、そうなれば何か強力な攻撃スキルでもない限り、単純な斬り合いと体術の応酬になる。
 この際10人20人斬り殺されてしまうのは仕方がないから、ここでしっかり仕留めればそれで万々歳という何とも余裕のある考え方をしている。

 だが、そんなに悠長に構えていてもいいのだろうか。
 本当にそれでいいのだろうか。
 相手はあのアラタで、それも先ほど妙な立ち直り方をした得体の知れない状態。
 もしルークが彼の敵になったとしたら、一刻も早く討ち取るか逃げ出すかの2択になるなと彼は考える。
 それくらい、今のアラタは帝国にとって脅威的だった。

 これだけの敵に囲まれて、かすり傷1つ負っていない異常性。
 鋭い太刀筋が戻って来たと思ったら、より一層鋭利になった切り口。
 どんどん上がっていく回転数は天井知らず。
 初めのうちは敵の攻撃を刀で受けることもあったが、それも時間を経るにつれて割合を減らしていく。
 重心移動のフェイントと純粋な体捌き、復活した【感知】のスキルと敵の攻撃予測を立てることで動きを最適化しつつあるのだ。

 ——体の調子いい気がする。
 何でだろう、さっきまでとそんなに変わらないのに。
 あれだな、多分ポーションかタリアさんのおかげかな。
 あとでお礼言っておこう。

 そんな余計なことまで考える始末。
 それでもアラタは止まらない。
 前後左右、たまに上から襲い掛かってくる敵兵をバッタバッタと斬り倒していくその様は、さながら出来の良い殺陣たてを見ているような気にさせてくれる。
 アラタの攻撃は急所に直撃し、彼には攻撃が一切当たらない、そんなキャラクターがゲームに存在していたらさぞかし楽しいだろう。
 そしてすぐに飽きて他のゲームに行って、コンテンツ人口が減少して廃れていくことだろう。
 弱いのもダメだが、強すぎるというのも環境破壊的側面を持ち合わせていて考えものだ。
 帝国兵が次々死んでいくこともあって、彼らの陣形に綻びが見え始めた。
 アラタのあとに続いて攻撃しているルークたちがそれを見過ごすはずがない。
 彼らに与えられたチャンスは本当に希少なのだ。
 もしかしたらもう2度とチャンスなんて訪れないのかもしれないのだから、今目の前にある機会を逃すなんてことが許されるはずがない。

「攻め時だ! 全員突っ込め!」

 トマスの号令で冒険者たちが戦場を駆け抜ける。
 1人彼らの先で道を切り拓くアラタに追いつくために、彼と合流して敵軍を打ち破るために。
 アラタの開けた風穴に指を突っ込んで押し広げて、その隙間に槍や剣を突っ込んで矢を撃ち込む。
 そうしてようやく突入できる隙間をこじ開けた頃には、すでに扉の中はアラタによって散々に食い散らかされていた。

「はは、すげぇな」

「感心してる場合か! 押せ! 押せ!」

 一瞬動きが止まりかけたルークの背中をトマスが叩く。
 彼もハルバードを手にして敵陣に突っ込んでいった。
 ルークは震える手を見つめて、それからもう一度強く握りしめた。
 勝てるかもしれないという期待による武者震い、それから単なる疲労からくる握力の低下。
 アラタだけではなく、ルークたちの限界もかなり近い。
 スイッチが切れて力尽きるのが先か、それとも帝国軍が撤退してくれるのか。
 どうか後者でありますようにと願いを込めながら、自ら未来を切り開くためにルークは剣を振り下ろした。

「大尉殿! これ以上は……!」

「うろたえるな。部下が戦っているのだ、目をそらさずに見ろ」

 イェール大尉は事ここに及んでまだ冷静さを保っていた。
 ここまでくると逆に強がっているだけで、首が回らなくなって後に引けなくなっているようにも見える。
 実際どうなのかは彼本人にしか分からないから考えても仕方がない。
 ただ1つ言えるのは、公国軍の先頭を走るアラタとの距離が近づきつつあるという事だけだった。
 味方が密集しているからアラタから遠距離魔術攻撃は無いと判断できる。
 けど何らかの方法を使って一時的にその制限を取り払うことができたなら、帝国軍の前線司令部は壊滅的な被害を受けるかもしれない。
 中々スリリングな状況において、大尉はまだ表情を崩さない。
 もうアラタの顔もはっきりと目視で確認できる位置まで来ている。
 逃げるなら今、軍ごと撤退するなら今しかない。

「大尉殿!」

 それでも彼は逃げ出さない。
 大尉はきっと、天性のギャンブラーなのだろう。
 仕事を間違えている。
 間違えているのにうまくいってしまうものだから余計始末に負えない。

「あ、あれ? マジか、マジですか」

 刀の間合いに入っていた帝国兵を1人残らず倒したアラタは、気が抜けてしまったのかよろよろとよろけて右膝をついてしまった。
 僅かばかり延長した限界がまたすぐにやってきてしまったのだ。

「あー、あ……やっべぇ」

「アラタ! 大丈夫か!」

 ルークたちが彼に追いついたことで、アラタの命はひとまず安全を確保した。
 動けないうちに敵に斬られるなんて最後は見たくない。
 だが、状況は詰み一歩手前である。

「殺せ! 銀星を殺すのだ! とどめを刺せば褒美は思いのままだぞ!」

 散々痛めつけられてきた帝国兵の眼の色が変わる。
 もうそろそろ戦争が終わるっていうのに、帰れなくなるところだったじゃねえかと、祖国を蹂躙された公国兵のそれよりも随分ちゃちなプライドが燃え盛る。
 アラタには死んでもらわねばと、帝国は立った。

「手が付けられなくなる前に殺せ。あれは確かに手練れだが……まだそれほどではない。近い将来帝国の脅威になるだろう。殺せ」

「今であればやれますか?」

「勇者でも剣聖でも魔女でもないうちにしっかり殺しておくことこそが重要だ。やれるやれないではない、今やらねば帝国は今後しばらく怯えて暮らさねばならなくなる」

「なるほど。芽を摘んでおくと」

「そういうことだ。分かったらすぐ歩兵を展開させろ! そろそろ地雷原を抜けるはずだ!」

 ここまでの戦闘で、帝国軍第19大隊は非常に大きな損失を被っている。
 それこそ戦意を喪失する兵士が出てきてもおかしくない程に。
 しかし、目の前の差し迫った脅威がそれを忘れさせてくれる。
 アラタのことが怖いことに変わりなくとも、逃げようものなら背中を斬られるのは目に見えている。
 それなら前に進もうとさせたのは、ある意味アラタのミスだ。
 ミスと言っても、どうしようもない類のものだが。

 戦場は混沌を極めつつある。
 最後に勝つのはどちらなのか。
 公国の援軍はまだ来ないのか。
 全てはあと数時間で決まる。
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