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幕間
西暦2004年6月12日 統京湾
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西暦2004年 6月12日 17時42分 統京都錬馬区東部 水没地域ろ-三区画
厚く垂れこめる雲が、吹きつける風雨が、地表から彩りを拭い去る。
洋上から、波のように界獣が押し寄せた。果てのない深淵から湧き上がるように、数限りなく。
rrRRRrRRrrrr'llllLLllLlyYyyEeEEeeehhhwwWgGgGGGaaAAah'nagllllLLLllLl……
海棲型界獣、D類特種害獣どもは暗天に向かって、その両棲類に似た喉を震わせる。人の領域を侵犯し、我がものとする歓喜に震えるように。仕える主を讃えるように。
かつての首都圏は水底に沈み、かろうじて残った市街も崩れ荒れ果てて。数百年余の人々の営みも、遥かに旧い支配者の前には瞬きの間に消える塵芥でしかないのだろうか。放置すれば数日もかからず、人類がこの地にいた痕跡など欠片も残らず水底に消えてゆくのだろう。万物が水に侵され消えることに抗えぬように。
それが抗いようのない必然なのだと、迫る膨大な脅威を前に手足が力を失いそうになる。しかし今、この手と足を止めるわけにはいかない。この国を、人の生きる場所を娘たちの世代に残すために。佐東マサトは巨大な傀儡武者、方術甲冑コンゴウを繰って海上を歩み、鈍く輝く緋色の大剣を掲げ持つ。統京湾に顕れたC類起源体を討つために。界獣どもの咆哮は、音の凶器となって耳から体内を苛む。手足が震え、感覚が鈍る。吐き気がひどい。
「伍号傀体、佐東。抗神蝕剤の投与を申請する」
『申請受諾。投与開始』
左肩をチクリと刺すかすかな刺激の後、吐き気が治まりマサトに手足の感覚が戻ってくる。緋色の大剣の発する振動が、繰傀把を介して少しずつ強くなっているのわかる。
沙凛、と鳴った鈴の音が、緋色の大剣を通って膨らんだ。ほんの少しだけ、世界を埋め尽くす界獣どもの咆哮が弱まった。
りん、りぃんと鈴は鳴る。巡視艇を改装した御座船の上で。船上にしつらえられた演台で、碧袴の老女が一人舞う。馬手に剣鈴、弓手に六支の扇を携えて。
しゃりん! 老女の舞を、六傀体のコンゴウが囲んで海上を進む。コンゴウが掲げる緋色の大剣は、鈴の音を受けて振動し、足踏みの音を増幅して雨の水没市街へと放つ。放たれた音を大剣が互いに受け、更にその音を強く大きく膨らませてゆく。
たん、と老女が跳ねて雨に濡れた床板を叩く。円を描いて床を踏み鳴らし、跳んで円を越えまた踏み鳴らす。神事院の研究者曰く、その跳ぶ位置、踏む位置、舞って描く円の軌跡は、いかなる望遠鏡でも観測しえぬ彼方の星々の座標を示しているという。
たん、たたん、たん、たたたん、緋色の剣が足音を拾い、鈴の音と合わせて増幅する。界獣どもが喘ぐように顎を開閉させ、もがくように水に沈んで泳ぎ去る。そして
――――――!
進む先の海面が大きく盛り上がると、失敗した管弦楽器めいた耳障りな咆哮が、高く大きく轟き渡った。咆哮を追うように、超大な触手が無数に海面から生え伸びる。
波が押し寄せ大きくうねり、コンゴウと御座船を弄ぶ。しかし老女は演台の床に吸い付いたかのように離れず、拍子も違えることなく舞を続ける。剣鈴の音、踏む足音もまた、止むことなく場を満たし更に大きく膨れ上がる。
『C類起源体出現。各員、所定の位置へ』
指示を受け、六つ重なる「了解」の声。六体のコンゴウは御座船を離れ、歩みを進める。触手とともに現れた、巨大な軟体の丘陵を囲むように。マサトもまた、訓練どおりにC類起源体を中央に据えた配置に着いた。手に伝わる緋色の大剣の振動はあまりに激しく、マサトの全力をもってしても、かろうじて手放さずにいるだけでほぼ限界だ。もし手放せば、この国はC類起源体を殲滅する唯一無二の機会を失うことになる。この任を仕損じるわけにはいかなかった。命に代えても。
鈴の音が、踏む足音が強く激しく高まりゆく。
―――!―!――!
まるで苦悶の呻きのように、C類起源体が乱れた咆哮を上げた。瞬間
どん、大太鼓のような音を立て、老女が両足で強く激しく板張りの床を踏みしめた。時を違うことなく、コンゴウ六傀体が一どきに緋色の大剣を振り下ろし、その剣先をC類起源体に突きつけた。
老女が掲げた六支扇を振り下ろす。その爛々たる目が一瞬、陽に透かす切子細工のような眼光を放って告げる。
汝この世に在りうべからず。疾く去ね。
暗い輝きの粒子が顕れて緋色の大剣を渦巻き、瞬時に無数の刃を持つ結晶の剣を形成する。マサトが支える緋色の大剣もまた結晶の剣を作り上げ、その振動の激しさを増した。獲物に襲いかかるのを待ちきれない獰猛な獣のように。指の感覚がもうない。それでも、とマサトは大剣を支える。愛する娘の、妻のために。この国に生きる人々のために。神よ、いるならどうか……
それは、祈りを捧げられた神の悪意か。
「しまっ……」
た、と言い切れぬ内に、マサトは激しく震える大剣の柄を取り落した。同時に、他の五体のコンゴウの支える緋色の大剣が、結晶の剣をC類起源体に向けて撃ち出した。マサトは反射的に大剣の柄を掴み直すも、その結晶の剣はほんの僅かに他より遅れて撃ち出された。
五本の結晶の剣がC類起源体の巨体に突き刺さる。僅かに遅れて六本目が。あらゆる色の光が、結晶の内部で激しく混ざって明滅する。次の瞬間。
――――――……
かすかに咆えるC類起源体を中心に、混沌たる光の奔流が音もなく迸る。マサトの視界は光の奔流に塗りつぶされ、コンゴウもろとも押し流されて……
厚く垂れこめる雲が、吹きつける風雨が、地表から彩りを拭い去る。
洋上から、波のように界獣が押し寄せた。果てのない深淵から湧き上がるように、数限りなく。
rrRRRrRRrrrr'llllLLllLlyYyyEeEEeeehhhwwWgGgGGGaaAAah'nagllllLLLllLl……
海棲型界獣、D類特種害獣どもは暗天に向かって、その両棲類に似た喉を震わせる。人の領域を侵犯し、我がものとする歓喜に震えるように。仕える主を讃えるように。
かつての首都圏は水底に沈み、かろうじて残った市街も崩れ荒れ果てて。数百年余の人々の営みも、遥かに旧い支配者の前には瞬きの間に消える塵芥でしかないのだろうか。放置すれば数日もかからず、人類がこの地にいた痕跡など欠片も残らず水底に消えてゆくのだろう。万物が水に侵され消えることに抗えぬように。
それが抗いようのない必然なのだと、迫る膨大な脅威を前に手足が力を失いそうになる。しかし今、この手と足を止めるわけにはいかない。この国を、人の生きる場所を娘たちの世代に残すために。佐東マサトは巨大な傀儡武者、方術甲冑コンゴウを繰って海上を歩み、鈍く輝く緋色の大剣を掲げ持つ。統京湾に顕れたC類起源体を討つために。界獣どもの咆哮は、音の凶器となって耳から体内を苛む。手足が震え、感覚が鈍る。吐き気がひどい。
「伍号傀体、佐東。抗神蝕剤の投与を申請する」
『申請受諾。投与開始』
左肩をチクリと刺すかすかな刺激の後、吐き気が治まりマサトに手足の感覚が戻ってくる。緋色の大剣の発する振動が、繰傀把を介して少しずつ強くなっているのわかる。
沙凛、と鳴った鈴の音が、緋色の大剣を通って膨らんだ。ほんの少しだけ、世界を埋め尽くす界獣どもの咆哮が弱まった。
りん、りぃんと鈴は鳴る。巡視艇を改装した御座船の上で。船上にしつらえられた演台で、碧袴の老女が一人舞う。馬手に剣鈴、弓手に六支の扇を携えて。
しゃりん! 老女の舞を、六傀体のコンゴウが囲んで海上を進む。コンゴウが掲げる緋色の大剣は、鈴の音を受けて振動し、足踏みの音を増幅して雨の水没市街へと放つ。放たれた音を大剣が互いに受け、更にその音を強く大きく膨らませてゆく。
たん、と老女が跳ねて雨に濡れた床板を叩く。円を描いて床を踏み鳴らし、跳んで円を越えまた踏み鳴らす。神事院の研究者曰く、その跳ぶ位置、踏む位置、舞って描く円の軌跡は、いかなる望遠鏡でも観測しえぬ彼方の星々の座標を示しているという。
たん、たたん、たん、たたたん、緋色の剣が足音を拾い、鈴の音と合わせて増幅する。界獣どもが喘ぐように顎を開閉させ、もがくように水に沈んで泳ぎ去る。そして
――――――!
進む先の海面が大きく盛り上がると、失敗した管弦楽器めいた耳障りな咆哮が、高く大きく轟き渡った。咆哮を追うように、超大な触手が無数に海面から生え伸びる。
波が押し寄せ大きくうねり、コンゴウと御座船を弄ぶ。しかし老女は演台の床に吸い付いたかのように離れず、拍子も違えることなく舞を続ける。剣鈴の音、踏む足音もまた、止むことなく場を満たし更に大きく膨れ上がる。
『C類起源体出現。各員、所定の位置へ』
指示を受け、六つ重なる「了解」の声。六体のコンゴウは御座船を離れ、歩みを進める。触手とともに現れた、巨大な軟体の丘陵を囲むように。マサトもまた、訓練どおりにC類起源体を中央に据えた配置に着いた。手に伝わる緋色の大剣の振動はあまりに激しく、マサトの全力をもってしても、かろうじて手放さずにいるだけでほぼ限界だ。もし手放せば、この国はC類起源体を殲滅する唯一無二の機会を失うことになる。この任を仕損じるわけにはいかなかった。命に代えても。
鈴の音が、踏む足音が強く激しく高まりゆく。
―――!―!――!
まるで苦悶の呻きのように、C類起源体が乱れた咆哮を上げた。瞬間
どん、大太鼓のような音を立て、老女が両足で強く激しく板張りの床を踏みしめた。時を違うことなく、コンゴウ六傀体が一どきに緋色の大剣を振り下ろし、その剣先をC類起源体に突きつけた。
老女が掲げた六支扇を振り下ろす。その爛々たる目が一瞬、陽に透かす切子細工のような眼光を放って告げる。
汝この世に在りうべからず。疾く去ね。
暗い輝きの粒子が顕れて緋色の大剣を渦巻き、瞬時に無数の刃を持つ結晶の剣を形成する。マサトが支える緋色の大剣もまた結晶の剣を作り上げ、その振動の激しさを増した。獲物に襲いかかるのを待ちきれない獰猛な獣のように。指の感覚がもうない。それでも、とマサトは大剣を支える。愛する娘の、妻のために。この国に生きる人々のために。神よ、いるならどうか……
それは、祈りを捧げられた神の悪意か。
「しまっ……」
た、と言い切れぬ内に、マサトは激しく震える大剣の柄を取り落した。同時に、他の五体のコンゴウの支える緋色の大剣が、結晶の剣をC類起源体に向けて撃ち出した。マサトは反射的に大剣の柄を掴み直すも、その結晶の剣はほんの僅かに他より遅れて撃ち出された。
五本の結晶の剣がC類起源体の巨体に突き刺さる。僅かに遅れて六本目が。あらゆる色の光が、結晶の内部で激しく混ざって明滅する。次の瞬間。
――――――……
かすかに咆えるC類起源体を中心に、混沌たる光の奔流が音もなく迸る。マサトの視界は光の奔流に塗りつぶされ、コンゴウもろとも押し流されて……
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