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第3話 食卓の風景
6. 痕跡
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給水タンクの天辺に腰を落ち着け、ウルスラは姿隠しの魔法を解いた。ふぅと一息ついてバックパックを下ろすと、中からマグボトルを出して口をつける。渇いた喉をアイスティーが潤してゆく。息を整えながら見下ろす世界は、まだまだ若く細い月と、星々だけが照らす夜の水域。かつて人間と、高位存在の奉仕種族がその支配領域を巡って争った跡地だ。封鎖されて以来、全く人の手が入っていないのか。区画のほぼ全域が水没し、今いる廃ビルの屋上の他には、水面から頭を出している建物群は片手で数える程しか見当たらない。
はてさて何処から手をつけたものか。脚翔の魔法で建物から建物へと跳ぶには距離があるし、水面歩きの魔法は姿隠し以上に疲れるし。やっぱりケイと〈夜明けの風〉を伴うべきだったか。でも今夜は勉強しなきゃとか言ってたしなあ。そんなことを考えながら、ウルスラはマグを置くと、バックパックから今度は小さなカップのプリンとスプーンを出した。魔法を使うと頭が疲れる。糖分の補給が大切さ、と胸の内で呟いて、スプーンをカップに刺し入れる。約束された甘味の至福に、思わず笑みがこぼれてしまう。いただきますと口を開けたところで
「んぐぁっ」
ぐいと髪を後ろに引っ張られ、ウルスラはプリンを食べ損ねた。彼女が髪を引っ張られた方向に目を遣ると、翅を生やした小さな少女たちがムッとした顔でそこに浮かんでいる。
「ごめんごめん、ちゃんとみんなの分も作ってもらったからさ」
ウルスラはバックパックに手をいれると、もう一つのカッププリンを出して横に置いた。少女たちはプリン目掛けてさっと舞い降りると、プリンの欠片を手に手にウルスラの周囲を舞う。
「我が騎士が料理上手でお菓子も作れて、ボクらは幸せだよねー」
プリンを味わうウルスラの周りで、翅翔妖精たちもプリンを頬張りながら頷いた。
小さな至福の時間は、プリンの大きさに比例して瞬く間に過ぎてしまう。すると翅翔妖精の一人が、ウルスラの耳元まで寄ると何やら話しかけた。
「…ん? ケイのこと、これからどうするのかって?」
ウルスラが訊くと、翅翔妖精はうんうんと繰り返し頷く。
「それはもちろん、ボクらと一緒に来てもらうさ」他に選択肢なんかないよ、とでも言わんばかりにウルスラは断言した。「騎士と貴婦人は物語を織る縦糸と横糸みたいなものだからね」
翅翔妖精たちが喜色満面、元気よく飛び回る。夜の宙空に光の尾を引いて舞うその様を眺めながら、ウルスラはどうやってケイを連れてゆくかを思案する。彼を見つけてから、ずっと考えていることだ。彼はただの汎人の男子学生。国家や組織に注視されてるわけでもない。この国にそれなりの愛着はあろうものの、強い帰属意識があるわけでもなさそうだ。ブリタニアへの留学でも何でも理由を付けてアルビオンから手を回せば、どうとでもなる。ニホン政府が彼の身柄を出し渋るなら、星辰装甲の非公開技術の一つ二つくれてやってもいい。開発者としてその裁量はあるし、あの好もしくも無謀な行動力と善意の化身と引き換えなら安いものだ。
それより何より、彼をこの国から連れ出そうとする時、最大の障害となるのは恐らくあの姉妹だ。
一目でわかる、神性移植者の姉妹。プロテウスウイルスによって変質したものに特有の、猛烈な違和感。ウルスラはそれが大嫌いだった。ウイルスの運ぶ神代・伝承存在の因子で能力を底上げされたニンゲン。予め約束された、人造の英雄。あんなものが、次世代の担い手なんかであってたまるもんか。
クナリ・メイハとアヤハ、とか言ったか。クナリの名がブリテン島北部の言葉で示すとおり、彼女らは家族を護る猛犬のようにケイの隣にいた。彼の血縁でもあるまいに。あれだけ強く形質が発現しているのに、国家や組織に囲われている様子もない。この国のユピテル計画推進派連中の目はガラス玉か。特に妹の方、目が悪い? 冗談じゃない。こちらが認識された瞬間から、そこら中にあの娘の目があったぞ。監視網の外に出るのにも一苦労だ。
どうしたわけか、あの姉妹はケイに強く執着している。きっと彼を連れ去ることをよしとしないだろう。出し抜く算段をつけなきゃならない。魔女結社《ヘクセンナハト》に金を積んで攫ってもらおうか。それとも一旦帰国してから、姉の一人でも連れてきて体で篭絡させてしまおうか。ケイも若い男だ、ブリタニアの騎士や戦士を虜にしてきた手管にかかれば……やっぱりその案は無し。なんか嫌だ。
まあ、フィオナが放つであろう追手の気配もまだない。いましばらくは、探索を続けよう。ウルスラはカップとマグをバックパックにしまうと、指についたカラメルをひと舐めして命じた。
「みんな、二人組になって、この区画の建物を調べて!」
翅翔妖精たちはペアを作ると、かすかな光の尾を引いて水上に散ってゆく。知覚のリンクを確かなものにするために、ウルスラは目を閉じた。
「この区画だけカメラやら人避けの術式が敷設されてれば、何かあるって考えちゃうよね」
ここはネリマ市の東端に位置し、その全域がほぼ海に没した第二封鎖区画。ケイと市内の封鎖区画を巡っていて、怪しいと当たりをつけていた場所の一つだった。
翅翔妖精たちの見る光景、聞く音が、ウルスラの脳裏に浮かんでは消えてゆく。妖精たちは暗闇の水上を飛翔し、半ば以上海水に没した廃ビルの窓から内部へと飛び込んでゆく。妖精の目は光りなき闇でも見通せる。家財の朽ちた部屋を渡り、蝶番の錆崩れたドアを抜け、非常階段を見つけて下へ、下へ。
今いる給水タンクの上から、最も近い廃ビル群……ただの廃ビル。次も、特に見るべきものはない。その次も。またその次も。そして区画の最東端、そこから先は湾となる工場跡らしい建物の中に
「見つけた!」
ぐねぐねとねじ曲がった直線、と矛盾した表現でしか言い表せない、奇怪な柱と壁で構成された空間があった。翅翔妖精の目を通して見ているウルスラは、その光景に笑みを浮かべた。非ユークリッド幾何学的と呼ぶしかない、常人の知覚では認識が狂いそうになるその空間は、暗い海水を湛えて異容を放っている。
「アレをどうやって放逐せしめたかは、まだわからないけど……」
眩暈と軽い吐き気に耐えながら、ウルスラはその光景を精査する。整備された建造物の中の、異常な空間。奉仕種族や独立種族の遺跡ではない、これは人の手によるものだ。
「20年前ここで何が起きたのかは、少しわかってきたよ」
理解をより深く刻むように言葉にしながら、ウルスラは知覚のリンクを切って翅翔妖精たちに戻るよう命じた。明日にでも、ケイと一緒に現地に行こう。大規模な接触呪文を行使した痕跡がある。今更何かが起こるとは思わなかったけれど、先の奉仕種族襲来といい不穏な状況であることは確かで。万一のことを考えると、騎士に傍にいてほしい。
「二人きりで夜のデートも悪くないし……って」
翅翔妖精の一人が、緊急モードで夜空の光景を送り込んできた。月と星々を背景に、小さな影がいくつか見える。影はほんの少しずつ、しかし着実に大きくなってくる。
「珍しいね。あれが太平洋を越えてくるとは」ウルスラは目を開けて空を見た。影はその飛膜ある姿を顕わにし始めている。「W類奉仕種族……〈風を踏むものども〉」
ウルスラはパーカーの懐からタブレットを出し、タップする。防衛機能と周辺地域の状況をチェック。結界強度漸減中。防衛ラインは下がったまま今だ戻っていない。
「危機は再び。ボクらの前途は多難だね、我が騎士」二一世紀の貴婦人は、タブレットを使って彼女の騎士を喚ぶ。「聞こえる? Sir Cai」
はてさて何処から手をつけたものか。脚翔の魔法で建物から建物へと跳ぶには距離があるし、水面歩きの魔法は姿隠し以上に疲れるし。やっぱりケイと〈夜明けの風〉を伴うべきだったか。でも今夜は勉強しなきゃとか言ってたしなあ。そんなことを考えながら、ウルスラはマグを置くと、バックパックから今度は小さなカップのプリンとスプーンを出した。魔法を使うと頭が疲れる。糖分の補給が大切さ、と胸の内で呟いて、スプーンをカップに刺し入れる。約束された甘味の至福に、思わず笑みがこぼれてしまう。いただきますと口を開けたところで
「んぐぁっ」
ぐいと髪を後ろに引っ張られ、ウルスラはプリンを食べ損ねた。彼女が髪を引っ張られた方向に目を遣ると、翅を生やした小さな少女たちがムッとした顔でそこに浮かんでいる。
「ごめんごめん、ちゃんとみんなの分も作ってもらったからさ」
ウルスラはバックパックに手をいれると、もう一つのカッププリンを出して横に置いた。少女たちはプリン目掛けてさっと舞い降りると、プリンの欠片を手に手にウルスラの周囲を舞う。
「我が騎士が料理上手でお菓子も作れて、ボクらは幸せだよねー」
プリンを味わうウルスラの周りで、翅翔妖精たちもプリンを頬張りながら頷いた。
小さな至福の時間は、プリンの大きさに比例して瞬く間に過ぎてしまう。すると翅翔妖精の一人が、ウルスラの耳元まで寄ると何やら話しかけた。
「…ん? ケイのこと、これからどうするのかって?」
ウルスラが訊くと、翅翔妖精はうんうんと繰り返し頷く。
「それはもちろん、ボクらと一緒に来てもらうさ」他に選択肢なんかないよ、とでも言わんばかりにウルスラは断言した。「騎士と貴婦人は物語を織る縦糸と横糸みたいなものだからね」
翅翔妖精たちが喜色満面、元気よく飛び回る。夜の宙空に光の尾を引いて舞うその様を眺めながら、ウルスラはどうやってケイを連れてゆくかを思案する。彼を見つけてから、ずっと考えていることだ。彼はただの汎人の男子学生。国家や組織に注視されてるわけでもない。この国にそれなりの愛着はあろうものの、強い帰属意識があるわけでもなさそうだ。ブリタニアへの留学でも何でも理由を付けてアルビオンから手を回せば、どうとでもなる。ニホン政府が彼の身柄を出し渋るなら、星辰装甲の非公開技術の一つ二つくれてやってもいい。開発者としてその裁量はあるし、あの好もしくも無謀な行動力と善意の化身と引き換えなら安いものだ。
それより何より、彼をこの国から連れ出そうとする時、最大の障害となるのは恐らくあの姉妹だ。
一目でわかる、神性移植者の姉妹。プロテウスウイルスによって変質したものに特有の、猛烈な違和感。ウルスラはそれが大嫌いだった。ウイルスの運ぶ神代・伝承存在の因子で能力を底上げされたニンゲン。予め約束された、人造の英雄。あんなものが、次世代の担い手なんかであってたまるもんか。
クナリ・メイハとアヤハ、とか言ったか。クナリの名がブリテン島北部の言葉で示すとおり、彼女らは家族を護る猛犬のようにケイの隣にいた。彼の血縁でもあるまいに。あれだけ強く形質が発現しているのに、国家や組織に囲われている様子もない。この国のユピテル計画推進派連中の目はガラス玉か。特に妹の方、目が悪い? 冗談じゃない。こちらが認識された瞬間から、そこら中にあの娘の目があったぞ。監視網の外に出るのにも一苦労だ。
どうしたわけか、あの姉妹はケイに強く執着している。きっと彼を連れ去ることをよしとしないだろう。出し抜く算段をつけなきゃならない。魔女結社《ヘクセンナハト》に金を積んで攫ってもらおうか。それとも一旦帰国してから、姉の一人でも連れてきて体で篭絡させてしまおうか。ケイも若い男だ、ブリタニアの騎士や戦士を虜にしてきた手管にかかれば……やっぱりその案は無し。なんか嫌だ。
まあ、フィオナが放つであろう追手の気配もまだない。いましばらくは、探索を続けよう。ウルスラはカップとマグをバックパックにしまうと、指についたカラメルをひと舐めして命じた。
「みんな、二人組になって、この区画の建物を調べて!」
翅翔妖精たちはペアを作ると、かすかな光の尾を引いて水上に散ってゆく。知覚のリンクを確かなものにするために、ウルスラは目を閉じた。
「この区画だけカメラやら人避けの術式が敷設されてれば、何かあるって考えちゃうよね」
ここはネリマ市の東端に位置し、その全域がほぼ海に没した第二封鎖区画。ケイと市内の封鎖区画を巡っていて、怪しいと当たりをつけていた場所の一つだった。
翅翔妖精たちの見る光景、聞く音が、ウルスラの脳裏に浮かんでは消えてゆく。妖精たちは暗闇の水上を飛翔し、半ば以上海水に没した廃ビルの窓から内部へと飛び込んでゆく。妖精の目は光りなき闇でも見通せる。家財の朽ちた部屋を渡り、蝶番の錆崩れたドアを抜け、非常階段を見つけて下へ、下へ。
今いる給水タンクの上から、最も近い廃ビル群……ただの廃ビル。次も、特に見るべきものはない。その次も。またその次も。そして区画の最東端、そこから先は湾となる工場跡らしい建物の中に
「見つけた!」
ぐねぐねとねじ曲がった直線、と矛盾した表現でしか言い表せない、奇怪な柱と壁で構成された空間があった。翅翔妖精の目を通して見ているウルスラは、その光景に笑みを浮かべた。非ユークリッド幾何学的と呼ぶしかない、常人の知覚では認識が狂いそうになるその空間は、暗い海水を湛えて異容を放っている。
「アレをどうやって放逐せしめたかは、まだわからないけど……」
眩暈と軽い吐き気に耐えながら、ウルスラはその光景を精査する。整備された建造物の中の、異常な空間。奉仕種族や独立種族の遺跡ではない、これは人の手によるものだ。
「20年前ここで何が起きたのかは、少しわかってきたよ」
理解をより深く刻むように言葉にしながら、ウルスラは知覚のリンクを切って翅翔妖精たちに戻るよう命じた。明日にでも、ケイと一緒に現地に行こう。大規模な接触呪文を行使した痕跡がある。今更何かが起こるとは思わなかったけれど、先の奉仕種族襲来といい不穏な状況であることは確かで。万一のことを考えると、騎士に傍にいてほしい。
「二人きりで夜のデートも悪くないし……って」
翅翔妖精の一人が、緊急モードで夜空の光景を送り込んできた。月と星々を背景に、小さな影がいくつか見える。影はほんの少しずつ、しかし着実に大きくなってくる。
「珍しいね。あれが太平洋を越えてくるとは」ウルスラは目を開けて空を見た。影はその飛膜ある姿を顕わにし始めている。「W類奉仕種族……〈風を踏むものども〉」
ウルスラはパーカーの懐からタブレットを出し、タップする。防衛機能と周辺地域の状況をチェック。結界強度漸減中。防衛ラインは下がったまま今だ戻っていない。
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