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第3話 食卓の風景
2. 冷戦-Cold war
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何なんだろう、この胸の辺りのもやもやは。
朝の水上道をヨロイで駆けながら、メイハは自問する。昨夜ケータイ越しに聞こえた、ケイといる女の声。あれを聞いてから何だか自分は変だ。無性に苛々とするし腹が立つし、落ち着かない。こんなことは今までなかった。ケイの傍に誰がいても、こんな気分になったことはない……いや、一度あったかもしれない。先月のことだ。高等部に上がった4月の初め。上級生の女が、ケイに会いに教室まで来ていたのを見かけた時だ。女はしきりにヨロイ研、方術甲冑研究部へとケイを勧誘していた。進級生への部活の勧誘など、別段珍しいものでもない。大方ケイのヨロイの繰傀技術に目をつけたのだろう。ただその女の目に、何とも言えない粘ついたものが見えた気がした。ケイもケイで、上級生の女に手を握られてデレデレと満更でもなさそうで。
翌朝メイハは 自分でもよくわからない衝動のまま、ケイの弁当を豆腐ライスにしていた。
その時感じていたもやもやよりも、今のこれは長いしなかなか消えてくれない。お陰でシェルターではあまりよく眠れず、いつにも増して朝の陽射しが眩しい。
ふぁ、と欠伸を噛み殺しながら、メイハはヨロイの眼を背後に向ける。簡易シートの前席で、カコが寝息を立てていた。相当揺れているのによく眠れるものだと感心する。後席ではアヤハが空を見上げていた。
「眠れなかったんですか? 姉さん」
紅みがかった瞳を空に向けたまま、アヤハが訊いてきた。
「ああ、ケイのことが気になってな」
メイハは心にあるそのままを答えた。この妹に隠し事をするのは難しい。アヤハは幼い頃から人間の通常の視力が極度に低い反面、常人を遥かに超えた聴力と嗅覚を持つ。ほんの僅かな声音や体臭の変化から、人の感情の動きまで読み取れるほどに。そのことを知るのはメイハとアヤハの姉妹だけで、周囲には耳と鼻が少々良いくらいにしか説明していない。バレれば確実に面倒なことになるだろうから。
「無事ですよ、兄さんは」姉を落ち着かせるように穏やかに、アヤハは言った。「メールも返ってきましたし。一緒にいた誰かは、わたしも気になりますが」
「誰だかわかるか?」
「わかりませんね。聞いたことのない声でした」
アヤハは聞いたことのある声をすべて記憶している。名前がわかればその声の主も。そのアヤハが、聞いたことのない声とは何だ? メイハは声の主に考えを巡らせる。ネリマ市外の人間だろうか。
「女、だったな」
ぽつりとメイハは言った。昨夜から続くもやもやのほとんどはその部分にあるのだ。知らない女が、ケイの傍にいるかもしれない。そのことがひどく胸をざわつかせる。
「ええ、女でしたね」確認するように、アヤハも言った。「兄さんのことを、ワガキシ、とか呼んでました。僅かですが、ニホン語にないアクセントが。外国人でしょうか」
「外国人の女? こんな田舎町にか?」
「わたしの聞き違い、という可能性もありますが、全く在り得ないということもないでしょう」アヤハは上向いた目を閉じる。「元々兄さんは、変な偶然を引き当てるようなところがありますから」
「そうかな……」ケイは変な偶然を引き当てる。それを聞いてメイハの脳裏を過ぎるのは、自分たち姉妹のことそのものだ。「そう、かもな」
「でもまあ大丈夫でしょう。普通の女の目に、兄さんが魅力的に映ることはまずありません」アヤハは目を開けると、断言した。当のケイが聞いたら落ち込みそうなことを、どこか嬉しげに。「ケイ兄さんも、少なからずおかしい人ですから」
ケイはおかしい。そのことについて、メイハに異論はなかった。ケイがまともな人間なら、自分たち姉妹と関わることもなかっただろうから。しかし魅力的云々については、よくわからない。そもそもケイが女の目に魅力的に映ったら、あるいは映らなかったらどうだというのか。どうやらこの頭の良い妹は理解しているらしい。あるいはこの胸のもやもやも。
自分の知らないことを、妹は知っている。なんだか悔しくて、メイハは胸のもやもやについて訊くことはしなかった。
「アヤハ、そろそろカコを起こしてくれ」
ヨロイがナカムラバシ駅前に差し掛かる。カコの家まであと僅か、御幡の家まで数分だ。
アヤハが前席のカコの肩を軽く揺さぶると、うみゅあ、と猫のような声を漏らしながらカコが目を覚ました。
「んー…… もう着いたん?」
メイハは八重垣の家の前にヨロイを停め、片膝を着かせた。タケヤが先に帰宅済みなのか、二階の窓から灯が見える。
カコは鞄をひっ掴むと、重さを感じさせない慣れた足取りでヨロイを駆け降りた。
「メーやんアーやんおおきになー」
「ケイが朝食を作って待ってる。荷物を置いたらタケヤと来るといい」
ヨロイを見上げるカコに向かって、メイハは言った。八重垣の家とは家族ぐるみの付き合いで、両親が忙しいときなどはカコとタケヤの食事を頼まれている。
「すぐ行くで。お腹ぺこぺこや」
後ろ手に手を振りながら、カコは玄関に小走りに駆けこんだ。その背を見送って、メイハはヨロイを立ち上げ我が家、御幡の家へ向かう。避難指示の解除後間もないため、道には人も車もヨロイもまだまだ少ない。すぐに見慣れたみはた食堂の看板が見えてくる。
「ああ、いますね」
ぽつりとアヤハが言った。
メイハが店の前にヨロイを停めると、アヤハはさっさと鞄を持って飛び降りて店の引き戸を開ける。同時に、ケイと聞き慣れない少女の声が聞こえてきた。
「だから、そんなに急いでかき込んだらまた……」
「んーんーんー!!」
ケータイ越しに聞いた声と同じだ。メイハはヨロイを除装すると、円筒に格納してバックパックに放り込んだ。店の扉をくぐって、ケイが見慣れたエプロン姿で厨房にいるのを見て安堵する。まったく心配させてくれたものだ。メイハが大きく息をつくと、カウンター席にいた騒々しい輩の琥珀色の視線と目が合った。頬張った飯を咀嚼するそれは、こちらを訝しむ様子を隠さない。なんだこの赤毛のちっこいのは。
「「ケイ」」
メイハと琥珀色の目の持ち主の、少年への呼びかけはほぼ同時で。
「そこのソレ、その娘は何だ?」
「彼女たちは何だい?」
「えーと……」問われたケイは、お玉を持ったままうむむと眉根を寄せて考え込んでから口を開いた。「メイハ、アヤハ、こちらはウルスラ・ブレナンさん。観光中に昨日の騒ぎに遭って、シェルターがわからなくて迷ってたのを案内したんだ」
メイハは改めて紹介された娘を見る。赤いくせ毛に琥珀色の瞳。外国人、とのアヤハの推測は正しかったか。その目つき、あからさまに不審なものを見るそれに少し苛立つが、まあ許容範囲だ。
「ウルスラ、こっちはメイハとアヤハ。僕の……妹というか幼馴染というか、そんな感じの関係の人かな」
「ふーん……」ウルスラはメイハとアヤハを見上げて言った。「ボクはウルスラ。まあよろしく」
その「よろしく」に、メイハはよろしくする気をあまり感じられなかった。まあ外国人なら、多少の意志疎通の不備から、不躾に感じられることがあっても仕方なかろう。そう思おう。ニホン語は随分と流暢のようだが。
「ワタシはメイハ、玖成メイハだ」名乗って、メイハは傍らの妹の肩に軽く手を触れる。「こっちはワタシの妹のアヤハ。目が悪いので、少々失礼があるかもしれないが、許してほしい」
「……よろしく」
アヤハは小さく会釈すると、ウルスラの左隣の席に座る。
メイハも倣って、ウルスラの右隣に席を取った。厨房に目を向ければ、ケイがフライパンの焼き飯に溶き卵を投入している。今日は炒飯か。隣の小娘が頬張っているのも炒飯だ。昨夜何があったのか。このウルスラとかいう娘が何でここにいるのか。訊きたいことは山ほどあったが、慣れ親しんだ日常の光景と、漂う香ばしい良い匂いに塗りつぶされてしまう。とりあえず、腹ごしらえしてからだ。昨日、面倒な奴を撒いて校舎から出るのに少々本気を出したせいで、腹が空いて仕方がない。
「はい、お待ち遠さま」
目の前で盆に置かれた炒飯が、旨そうな湯気を立てている。メイハは即、口に運びたい衝動にかられるも、その前に一つだけ言って置きたいことがあった。主にケイに対して。シグ姉さんには「どっちでもいいじゃない」とよく言われる。でもこれだけは譲れない。
「ワタシはケイの妹じゃない。どちらかと言えば姉のようなモノだ」
しっかりと言い置いてから、メイハは炒飯を頬張った。
* * * * *
兄ちゃんが、あかん。
家からみはた食堂までの短い道のりで、カコは頭を抱えたい気持ちになっていた。玄関に脱ぎ散らかされたスニーカーで、兄が先に帰宅したことがわかった。二階の部屋に呼びに行って目に入ったものは、布団に転がる変態だった。起き上がったかと思えば、顔を赤くして布団に倒れて転がり、また起きては気持ちの悪いにやけ面になる。胸を押さえて苦痛に顔を歪めたかと思えば、口元に手を当てまたにやける。昨日の下校から今朝までの間に、兄ちゃんに何があったんや。なんぞヤバイ薬でもキめたんか。こんな田舎でも違法な薬を売る悪い輩がおるんか。
「兄ちゃん、メシや!」
カコが耳元で怒鳴ってその尻を蹴飛ばして、ようやくタケヤは妹を認識した。
今、タケヤはカコの隣を歩いている。みはた食堂に向かって。その足取りはふわふわと落ち着かない。今すぐスキップでも始めそうだ。顔をよく見れば、褐色の肌がほんのり赤く染まっている。外に出て多少は正気に戻ったのか。右手を口に当てて、にやけ面を隠そうとしている。それがカコにとっては猶更に気持ち悪い。
おかんがバストンで頭ぶっ叩けば直るかな。カコが浮かれる兄を横目で見ながら考えていると、みはた食堂はもう目の前だった。
扉を開けてタケヤが店内に入る。後に続くカコの前で、タケヤが足を止めた。
「どうしたん?」
「えらい別嬪さんがおる」
言って立ち止まった兄の背から、カコは顔を覗かせた。見慣れた食堂のカウンター席に、少女が三人、並んで座って食事を摂っている。内二人は良く知る玖成メイハとアヤハ。その二人に挟まれるように、もう一人。赤い髪のとんでもない美少女がいる。ちら見した横顔だけでもわかる。歳は一緒くらいか。若草色のスカーフをターバンのように頭に巻いた彼女は、愉し気にレンゲで炒飯を頬張っている。その左右隣のメイハとアヤハは、言葉少なに黙々と炒飯を食べていた。
朝の食堂に、そこはかとない冷気のような緊張感が漂っている。たぶんその元凶且つこの状況を説明できるであろう兄の友人は、厨房で呑気に炒飯を炒めていた。嗚呼、ケーやんって良くも悪くも鈍なとこあったなあとカコは思い出す。
「いらっしゃい。タケヤ、カコちゃん」
ケイが、皿に炒飯を盛りながら八重垣兄妹に目を向けた。
「おはようさん。今日も世話んなるでー」カウンターの美少女三人を横目に見ながら、タケヤはテーブル席に座った。「なんやケーやん、両手に花じゃ飽き足らず口にも薔薇かい」
「あれ、そんな華やかなもんやないで」カコもタケヤの向かいの席につくと、声を潜めて言った。「しっかし、あの距離感に割って入れる女がおったんか」
カウンターを見れば、赤毛の少女が勝手知ったる風情でお代わりを注文し、ケイが苦笑しながら追加の炒飯を準備している。その様は、外見の違いを除いてしまえば、カコにはケイと玖成姉妹よりも兄と妹っぽく見えた。発する言葉も「ケイ、美味しいよ!」とか「うちで厨房仕切ってよ、ケイ」とか既に名前呼び捨てで随分と親し気だ。声と口調から、昨夜ケータイから聞こえた声の持ち主とわかる。果たしてこの娘は何者なんや。ケーやんへの露骨な好意もそうやけど、メーやんアーやんの圧に平然としとるなんて、ただ者やないで。しかもニホン人やない、ガイジンさんや。生で見るの初めてやわ。
「タケヤ、カコちゃん、できたよ」
厨房のケイが、炒飯定食の盆をカウンターに置く。カコとタケヤが受け取りに席を立つと、ガラリと店の扉が開いて若い女が入ってきた。ショートボブの黒髪に、その面立ちは厨房の少年とよく似ている。ケイの姉、隣の学区で教師をやってる御幡シグネだ。
「あ、シグねーやん。おはよーさん」
「あら来てたのね。おはよう。カコちゃん」
柔和な笑みで挨拶を返すシグネに、メイハとアヤハ、ケイとタケヤも軽くおはようの挨拶を返す。
「まったく、バスが混んでてもう……」シグネは愚痴をこぼしながら店内を見渡すと、カウンターの赤毛の少女に目を留めた。「ケイ、また野生化した女の子拾ってきたの?」
「そんな、犬猫拾ったみたいな言い方しなくてもいいじゃないか」厨房のケイがぼやく。「彼女は……」
ケイが言いかけるが早いか。赤い髪の少女は席を立って、颯爽とシグネの前に立った。
「はじめまして、ボクはウルスラ・ブレナン。ブリタニア連合の方から来ました」ウルスラと名乗った少女は、笑顔でシグネを見上げた。「もしかして、ケイの姉君《あねぎみ》ですか?」
カコは盆を持ってテーブルに戻りながら、計算やなあ、と思う。シグネをケイの親族だと見て、即、好印象をゲットしに行ったんか。たぶん、これまでアーやんもメーやんも関わったことのないタイプや。
「Nice to……って、ニホン語で良さそうね。はじめまして、ミス・ウルスラ。私はシグネ・ミハタ。ケイの姉です」
「やっぱり! 良く似ているのですぐにわかりました」ウルスラはシグネの手を握る。「弟君《おとうとぎみ》、ケイにはすごく親切にしてもらいました。どんな感謝の言葉でも言い尽くせないくらいに」
「あら、それはそれは。愚弟の行動で貴女が助かったのなら何よりだわ。てっきり、また厄介ごとに自分から首を突っ込んで、渦中の誰かを引っ張ってきたのだとばかり」
シグネが愉しそうにカウンターの玖成姉妹を一瞥すると、メイハは少しばつが悪そうに余所を向き、アヤハはほうじ茶の湯呑を口にする。ケイは聞こえないフリをするかのように、厨房奥に引っ込んで炒飯を炒め始めた。
「市内を観光中に緊急避難警報を聞いて、シェルターを探して迷っていたところをケイに助けてもらったんです」ウルスラは耳元の髪を摘まんで引っ張る。「彼と会うのがもう少し遅れてたら、今頃は界獣の腹の中でした」
カコはウルスラがケイに向ける好意にちょっと納得した。ケーやんが、異国の美人さんの命の恩人ってわけなんか。道理で。この世全ての女子の夢、さしずめ白馬の騎士さまか。騎士さま言うにはケーやんは、ちいとばかり背が足りない気もするけどな。あばたもえくぼ、っちゅうやつか。目の前の兄は炒飯を頬張りながら「えらいフラグ立てよったなー」とか言っている。
「はるばるこの国に来てくれたのに、災難ね。魚が美味しいくらいで何もない街だけど、ゆっくりしていってね。ケイ?」
「何? 姉さん」
シグネに呼ばれ、ケイがフライパンを持ったまま、厨房から顔を覗かせた。
「今日は休校でしょ。折角だから、ウルスラさんに市内を案内してきなさい」シグネはスーツの懐からケータイを出すと、開けて画面を見る。「お店のことは大丈夫。そろそろ父さんも帰ってくるし」
「え? ちょっ……」
「いいんですか姉君!」戸惑うケイに被せるように、勢い込んでウルスラが言う。「それは助かります!」
「ほら、軍資金もあげるから」
シグネは鞄から財布を出すと、ケイに向かって一万円札を指に挟んで見せた。
「でも昨日、ヨロイを壊しちゃって今は足がないんだ」
「ワタシのを貸してやる」困り顔のケイにメイハが言う。空になった炒飯の皿を、トンと少し大きな音を立てて置きながら。「その代わり、ワタシも同行するぞ」
ぎろりとウルスラを睨めつけるメイハの目の中で、青い部分が光ったように見えたのは気のせいか。ウルスラは「かまわないよ」と笑顔を返す。その琥珀色の目に表情がなくて、目の当たりにしたカコはちょっと寒気を感じる。これがアルカイック・スマイルっちゅうやつか。美人のガイジンさんがやるの見ると怖いわー。
「やっぱケーやんモテとるやないか。デェトか? 両手に花束でおデェトなんか? ワイかてまだ……」
「どこ見てそんな発想が出んねん。修羅場や修羅場」
見当違いのあほ兄の発言を訂正しながら、カコはレンゲで炒飯をすくう。兄ちゃんが何かたわ言を口走ったような気もしたけど、まあ気のせいやろ。
朝の水上道をヨロイで駆けながら、メイハは自問する。昨夜ケータイ越しに聞こえた、ケイといる女の声。あれを聞いてから何だか自分は変だ。無性に苛々とするし腹が立つし、落ち着かない。こんなことは今までなかった。ケイの傍に誰がいても、こんな気分になったことはない……いや、一度あったかもしれない。先月のことだ。高等部に上がった4月の初め。上級生の女が、ケイに会いに教室まで来ていたのを見かけた時だ。女はしきりにヨロイ研、方術甲冑研究部へとケイを勧誘していた。進級生への部活の勧誘など、別段珍しいものでもない。大方ケイのヨロイの繰傀技術に目をつけたのだろう。ただその女の目に、何とも言えない粘ついたものが見えた気がした。ケイもケイで、上級生の女に手を握られてデレデレと満更でもなさそうで。
翌朝メイハは 自分でもよくわからない衝動のまま、ケイの弁当を豆腐ライスにしていた。
その時感じていたもやもやよりも、今のこれは長いしなかなか消えてくれない。お陰でシェルターではあまりよく眠れず、いつにも増して朝の陽射しが眩しい。
ふぁ、と欠伸を噛み殺しながら、メイハはヨロイの眼を背後に向ける。簡易シートの前席で、カコが寝息を立てていた。相当揺れているのによく眠れるものだと感心する。後席ではアヤハが空を見上げていた。
「眠れなかったんですか? 姉さん」
紅みがかった瞳を空に向けたまま、アヤハが訊いてきた。
「ああ、ケイのことが気になってな」
メイハは心にあるそのままを答えた。この妹に隠し事をするのは難しい。アヤハは幼い頃から人間の通常の視力が極度に低い反面、常人を遥かに超えた聴力と嗅覚を持つ。ほんの僅かな声音や体臭の変化から、人の感情の動きまで読み取れるほどに。そのことを知るのはメイハとアヤハの姉妹だけで、周囲には耳と鼻が少々良いくらいにしか説明していない。バレれば確実に面倒なことになるだろうから。
「無事ですよ、兄さんは」姉を落ち着かせるように穏やかに、アヤハは言った。「メールも返ってきましたし。一緒にいた誰かは、わたしも気になりますが」
「誰だかわかるか?」
「わかりませんね。聞いたことのない声でした」
アヤハは聞いたことのある声をすべて記憶している。名前がわかればその声の主も。そのアヤハが、聞いたことのない声とは何だ? メイハは声の主に考えを巡らせる。ネリマ市外の人間だろうか。
「女、だったな」
ぽつりとメイハは言った。昨夜から続くもやもやのほとんどはその部分にあるのだ。知らない女が、ケイの傍にいるかもしれない。そのことがひどく胸をざわつかせる。
「ええ、女でしたね」確認するように、アヤハも言った。「兄さんのことを、ワガキシ、とか呼んでました。僅かですが、ニホン語にないアクセントが。外国人でしょうか」
「外国人の女? こんな田舎町にか?」
「わたしの聞き違い、という可能性もありますが、全く在り得ないということもないでしょう」アヤハは上向いた目を閉じる。「元々兄さんは、変な偶然を引き当てるようなところがありますから」
「そうかな……」ケイは変な偶然を引き当てる。それを聞いてメイハの脳裏を過ぎるのは、自分たち姉妹のことそのものだ。「そう、かもな」
「でもまあ大丈夫でしょう。普通の女の目に、兄さんが魅力的に映ることはまずありません」アヤハは目を開けると、断言した。当のケイが聞いたら落ち込みそうなことを、どこか嬉しげに。「ケイ兄さんも、少なからずおかしい人ですから」
ケイはおかしい。そのことについて、メイハに異論はなかった。ケイがまともな人間なら、自分たち姉妹と関わることもなかっただろうから。しかし魅力的云々については、よくわからない。そもそもケイが女の目に魅力的に映ったら、あるいは映らなかったらどうだというのか。どうやらこの頭の良い妹は理解しているらしい。あるいはこの胸のもやもやも。
自分の知らないことを、妹は知っている。なんだか悔しくて、メイハは胸のもやもやについて訊くことはしなかった。
「アヤハ、そろそろカコを起こしてくれ」
ヨロイがナカムラバシ駅前に差し掛かる。カコの家まであと僅か、御幡の家まで数分だ。
アヤハが前席のカコの肩を軽く揺さぶると、うみゅあ、と猫のような声を漏らしながらカコが目を覚ました。
「んー…… もう着いたん?」
メイハは八重垣の家の前にヨロイを停め、片膝を着かせた。タケヤが先に帰宅済みなのか、二階の窓から灯が見える。
カコは鞄をひっ掴むと、重さを感じさせない慣れた足取りでヨロイを駆け降りた。
「メーやんアーやんおおきになー」
「ケイが朝食を作って待ってる。荷物を置いたらタケヤと来るといい」
ヨロイを見上げるカコに向かって、メイハは言った。八重垣の家とは家族ぐるみの付き合いで、両親が忙しいときなどはカコとタケヤの食事を頼まれている。
「すぐ行くで。お腹ぺこぺこや」
後ろ手に手を振りながら、カコは玄関に小走りに駆けこんだ。その背を見送って、メイハはヨロイを立ち上げ我が家、御幡の家へ向かう。避難指示の解除後間もないため、道には人も車もヨロイもまだまだ少ない。すぐに見慣れたみはた食堂の看板が見えてくる。
「ああ、いますね」
ぽつりとアヤハが言った。
メイハが店の前にヨロイを停めると、アヤハはさっさと鞄を持って飛び降りて店の引き戸を開ける。同時に、ケイと聞き慣れない少女の声が聞こえてきた。
「だから、そんなに急いでかき込んだらまた……」
「んーんーんー!!」
ケータイ越しに聞いた声と同じだ。メイハはヨロイを除装すると、円筒に格納してバックパックに放り込んだ。店の扉をくぐって、ケイが見慣れたエプロン姿で厨房にいるのを見て安堵する。まったく心配させてくれたものだ。メイハが大きく息をつくと、カウンター席にいた騒々しい輩の琥珀色の視線と目が合った。頬張った飯を咀嚼するそれは、こちらを訝しむ様子を隠さない。なんだこの赤毛のちっこいのは。
「「ケイ」」
メイハと琥珀色の目の持ち主の、少年への呼びかけはほぼ同時で。
「そこのソレ、その娘は何だ?」
「彼女たちは何だい?」
「えーと……」問われたケイは、お玉を持ったままうむむと眉根を寄せて考え込んでから口を開いた。「メイハ、アヤハ、こちらはウルスラ・ブレナンさん。観光中に昨日の騒ぎに遭って、シェルターがわからなくて迷ってたのを案内したんだ」
メイハは改めて紹介された娘を見る。赤いくせ毛に琥珀色の瞳。外国人、とのアヤハの推測は正しかったか。その目つき、あからさまに不審なものを見るそれに少し苛立つが、まあ許容範囲だ。
「ウルスラ、こっちはメイハとアヤハ。僕の……妹というか幼馴染というか、そんな感じの関係の人かな」
「ふーん……」ウルスラはメイハとアヤハを見上げて言った。「ボクはウルスラ。まあよろしく」
その「よろしく」に、メイハはよろしくする気をあまり感じられなかった。まあ外国人なら、多少の意志疎通の不備から、不躾に感じられることがあっても仕方なかろう。そう思おう。ニホン語は随分と流暢のようだが。
「ワタシはメイハ、玖成メイハだ」名乗って、メイハは傍らの妹の肩に軽く手を触れる。「こっちはワタシの妹のアヤハ。目が悪いので、少々失礼があるかもしれないが、許してほしい」
「……よろしく」
アヤハは小さく会釈すると、ウルスラの左隣の席に座る。
メイハも倣って、ウルスラの右隣に席を取った。厨房に目を向ければ、ケイがフライパンの焼き飯に溶き卵を投入している。今日は炒飯か。隣の小娘が頬張っているのも炒飯だ。昨夜何があったのか。このウルスラとかいう娘が何でここにいるのか。訊きたいことは山ほどあったが、慣れ親しんだ日常の光景と、漂う香ばしい良い匂いに塗りつぶされてしまう。とりあえず、腹ごしらえしてからだ。昨日、面倒な奴を撒いて校舎から出るのに少々本気を出したせいで、腹が空いて仕方がない。
「はい、お待ち遠さま」
目の前で盆に置かれた炒飯が、旨そうな湯気を立てている。メイハは即、口に運びたい衝動にかられるも、その前に一つだけ言って置きたいことがあった。主にケイに対して。シグ姉さんには「どっちでもいいじゃない」とよく言われる。でもこれだけは譲れない。
「ワタシはケイの妹じゃない。どちらかと言えば姉のようなモノだ」
しっかりと言い置いてから、メイハは炒飯を頬張った。
* * * * *
兄ちゃんが、あかん。
家からみはた食堂までの短い道のりで、カコは頭を抱えたい気持ちになっていた。玄関に脱ぎ散らかされたスニーカーで、兄が先に帰宅したことがわかった。二階の部屋に呼びに行って目に入ったものは、布団に転がる変態だった。起き上がったかと思えば、顔を赤くして布団に倒れて転がり、また起きては気持ちの悪いにやけ面になる。胸を押さえて苦痛に顔を歪めたかと思えば、口元に手を当てまたにやける。昨日の下校から今朝までの間に、兄ちゃんに何があったんや。なんぞヤバイ薬でもキめたんか。こんな田舎でも違法な薬を売る悪い輩がおるんか。
「兄ちゃん、メシや!」
カコが耳元で怒鳴ってその尻を蹴飛ばして、ようやくタケヤは妹を認識した。
今、タケヤはカコの隣を歩いている。みはた食堂に向かって。その足取りはふわふわと落ち着かない。今すぐスキップでも始めそうだ。顔をよく見れば、褐色の肌がほんのり赤く染まっている。外に出て多少は正気に戻ったのか。右手を口に当てて、にやけ面を隠そうとしている。それがカコにとっては猶更に気持ち悪い。
おかんがバストンで頭ぶっ叩けば直るかな。カコが浮かれる兄を横目で見ながら考えていると、みはた食堂はもう目の前だった。
扉を開けてタケヤが店内に入る。後に続くカコの前で、タケヤが足を止めた。
「どうしたん?」
「えらい別嬪さんがおる」
言って立ち止まった兄の背から、カコは顔を覗かせた。見慣れた食堂のカウンター席に、少女が三人、並んで座って食事を摂っている。内二人は良く知る玖成メイハとアヤハ。その二人に挟まれるように、もう一人。赤い髪のとんでもない美少女がいる。ちら見した横顔だけでもわかる。歳は一緒くらいか。若草色のスカーフをターバンのように頭に巻いた彼女は、愉し気にレンゲで炒飯を頬張っている。その左右隣のメイハとアヤハは、言葉少なに黙々と炒飯を食べていた。
朝の食堂に、そこはかとない冷気のような緊張感が漂っている。たぶんその元凶且つこの状況を説明できるであろう兄の友人は、厨房で呑気に炒飯を炒めていた。嗚呼、ケーやんって良くも悪くも鈍なとこあったなあとカコは思い出す。
「いらっしゃい。タケヤ、カコちゃん」
ケイが、皿に炒飯を盛りながら八重垣兄妹に目を向けた。
「おはようさん。今日も世話んなるでー」カウンターの美少女三人を横目に見ながら、タケヤはテーブル席に座った。「なんやケーやん、両手に花じゃ飽き足らず口にも薔薇かい」
「あれ、そんな華やかなもんやないで」カコもタケヤの向かいの席につくと、声を潜めて言った。「しっかし、あの距離感に割って入れる女がおったんか」
カウンターを見れば、赤毛の少女が勝手知ったる風情でお代わりを注文し、ケイが苦笑しながら追加の炒飯を準備している。その様は、外見の違いを除いてしまえば、カコにはケイと玖成姉妹よりも兄と妹っぽく見えた。発する言葉も「ケイ、美味しいよ!」とか「うちで厨房仕切ってよ、ケイ」とか既に名前呼び捨てで随分と親し気だ。声と口調から、昨夜ケータイから聞こえた声の持ち主とわかる。果たしてこの娘は何者なんや。ケーやんへの露骨な好意もそうやけど、メーやんアーやんの圧に平然としとるなんて、ただ者やないで。しかもニホン人やない、ガイジンさんや。生で見るの初めてやわ。
「タケヤ、カコちゃん、できたよ」
厨房のケイが、炒飯定食の盆をカウンターに置く。カコとタケヤが受け取りに席を立つと、ガラリと店の扉が開いて若い女が入ってきた。ショートボブの黒髪に、その面立ちは厨房の少年とよく似ている。ケイの姉、隣の学区で教師をやってる御幡シグネだ。
「あ、シグねーやん。おはよーさん」
「あら来てたのね。おはよう。カコちゃん」
柔和な笑みで挨拶を返すシグネに、メイハとアヤハ、ケイとタケヤも軽くおはようの挨拶を返す。
「まったく、バスが混んでてもう……」シグネは愚痴をこぼしながら店内を見渡すと、カウンターの赤毛の少女に目を留めた。「ケイ、また野生化した女の子拾ってきたの?」
「そんな、犬猫拾ったみたいな言い方しなくてもいいじゃないか」厨房のケイがぼやく。「彼女は……」
ケイが言いかけるが早いか。赤い髪の少女は席を立って、颯爽とシグネの前に立った。
「はじめまして、ボクはウルスラ・ブレナン。ブリタニア連合の方から来ました」ウルスラと名乗った少女は、笑顔でシグネを見上げた。「もしかして、ケイの姉君《あねぎみ》ですか?」
カコは盆を持ってテーブルに戻りながら、計算やなあ、と思う。シグネをケイの親族だと見て、即、好印象をゲットしに行ったんか。たぶん、これまでアーやんもメーやんも関わったことのないタイプや。
「Nice to……って、ニホン語で良さそうね。はじめまして、ミス・ウルスラ。私はシグネ・ミハタ。ケイの姉です」
「やっぱり! 良く似ているのですぐにわかりました」ウルスラはシグネの手を握る。「弟君《おとうとぎみ》、ケイにはすごく親切にしてもらいました。どんな感謝の言葉でも言い尽くせないくらいに」
「あら、それはそれは。愚弟の行動で貴女が助かったのなら何よりだわ。てっきり、また厄介ごとに自分から首を突っ込んで、渦中の誰かを引っ張ってきたのだとばかり」
シグネが愉しそうにカウンターの玖成姉妹を一瞥すると、メイハは少しばつが悪そうに余所を向き、アヤハはほうじ茶の湯呑を口にする。ケイは聞こえないフリをするかのように、厨房奥に引っ込んで炒飯を炒め始めた。
「市内を観光中に緊急避難警報を聞いて、シェルターを探して迷っていたところをケイに助けてもらったんです」ウルスラは耳元の髪を摘まんで引っ張る。「彼と会うのがもう少し遅れてたら、今頃は界獣の腹の中でした」
カコはウルスラがケイに向ける好意にちょっと納得した。ケーやんが、異国の美人さんの命の恩人ってわけなんか。道理で。この世全ての女子の夢、さしずめ白馬の騎士さまか。騎士さま言うにはケーやんは、ちいとばかり背が足りない気もするけどな。あばたもえくぼ、っちゅうやつか。目の前の兄は炒飯を頬張りながら「えらいフラグ立てよったなー」とか言っている。
「はるばるこの国に来てくれたのに、災難ね。魚が美味しいくらいで何もない街だけど、ゆっくりしていってね。ケイ?」
「何? 姉さん」
シグネに呼ばれ、ケイがフライパンを持ったまま、厨房から顔を覗かせた。
「今日は休校でしょ。折角だから、ウルスラさんに市内を案内してきなさい」シグネはスーツの懐からケータイを出すと、開けて画面を見る。「お店のことは大丈夫。そろそろ父さんも帰ってくるし」
「え? ちょっ……」
「いいんですか姉君!」戸惑うケイに被せるように、勢い込んでウルスラが言う。「それは助かります!」
「ほら、軍資金もあげるから」
シグネは鞄から財布を出すと、ケイに向かって一万円札を指に挟んで見せた。
「でも昨日、ヨロイを壊しちゃって今は足がないんだ」
「ワタシのを貸してやる」困り顔のケイにメイハが言う。空になった炒飯の皿を、トンと少し大きな音を立てて置きながら。「その代わり、ワタシも同行するぞ」
ぎろりとウルスラを睨めつけるメイハの目の中で、青い部分が光ったように見えたのは気のせいか。ウルスラは「かまわないよ」と笑顔を返す。その琥珀色の目に表情がなくて、目の当たりにしたカコはちょっと寒気を感じる。これがアルカイック・スマイルっちゅうやつか。美人のガイジンさんがやるの見ると怖いわー。
「やっぱケーやんモテとるやないか。デェトか? 両手に花束でおデェトなんか? ワイかてまだ……」
「どこ見てそんな発想が出んねん。修羅場や修羅場」
見当違いのあほ兄の発言を訂正しながら、カコはレンゲで炒飯をすくう。兄ちゃんが何かたわ言を口走ったような気もしたけど、まあ気のせいやろ。
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