若妻のえっちな日常

はぴろっく

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駐車場と挿入

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 次の日。
 千は再び、咲奈の元へとやってきた。
 薔薇の花の描かれた招待状を持って。

 「谷崎さん? どうしたの?」
 「三島さんをお茶会に招待しようと思って!」

 千は優しく微笑む。
 その眩しい笑顔に咲奈は頬を赤らめた。
 恥じらうように。しかしどこかに喜びをもって。

 こういう顔で凰華をおとしたのだろうか?
 内心は嫉妬が渦巻いていたが、あくまでも千は笑顔で招待状を咲奈に差し出した。

 「招待状?」
 「ええ。三島さんとお茶会をしたいの。二人きりで。」
 「え・・・二人きり?」

 咲奈は恐る恐る封を開ける。

 今夜24時。
 薔薇の温室で。

 そう書かれてある。
 それを読んだ咲奈は驚いて顔を上げた。

 「谷崎さん! どういうこと!? こんな真夜中に、しかも薔薇の温室でなんて。そんなこと。」
 「真夜中だからいいの。ねぇ、来てくれるよね?」
 「で、でも・・・折角だけど、私は・・・薔薇の温室には勝手に入れないわ。入ってはいけない場所よ。」

 咲奈が招待状を再び封にしまおうとすると、咲奈の手首を掴んで千は制止した。

 「谷崎さん?」
 「貴女に拒否権はないわ。もし来なかったら、川端先輩との関係を言いふらすわよ。」
 「え・・・?」
 
 咲奈の血の気が引く。
 
 いつ?
 いつ見たというのか?

 咲奈にとって鳳華との秘密を見られたのはもちろんのことだが、それ以上に動揺する理由があった。それは見られた相手が千ということ。

 「見たのよ。薔薇の温室で。三島さんと川端先輩が抱き合っているのを。こんなこと言いふらされたら、川端先輩はどう思うのかしら。どうなるのかしら。」
 「待って。そんなこと、やめて!」
 「じゃあ、来てよ。貴女、私とお茶会したいって言っていたじゃない。」

 咲奈はじっと千を見つめた。
 招待状を持つ手は震えている。

 「だってそれは! 私が谷崎さんのことを・・・!」
 「何?」

  そう言いかけて咲奈はやめた。
 言ってどうするのだ。
 どうせ自分は・・・。
 やはり自分は・・・。

 ぎゅっと招待状を握りしめると、咲奈はもう一度口を開いた。

 「・・・分かったわ。私、お茶会に参加するわ。」
 「よかった。」

 二人の歪んだお茶会が始まろうとしていた。


 深夜24時。
 薔薇の温室。

 咲奈は震える足で温室へとやってきた。

 美しく咲き誇る薔薇、芳しい薔薇。
 いつもここで優雅で幸せなお茶会を楽しんでいた。
 そしていつかは谷崎千と、ここで・・・。

 でも今は、ただ怖い。

 「私のお茶会にようこそ!」

 いつも凰華たちと囲んでいたテーブルには、お茶菓子とティーセットが置かれてあり、その前に千が微笑みをたたえ立っていた。

 「あの・・・谷崎さん、私・・・。」
 「さ、座って。」

 千は咲奈の手を引くと、彼女を椅子に座らせる。

 「谷崎さん! あの! 川端先輩のことはっ!!」
 「いい香りでしょう? アールグレイ。私、大好きなの。特別な日しか淹れないの。」

 千はティーポットの蓋を少し開けると、その香りを味わった。

 何を言うのか、何をされるのか。
 それが全く分からず、咲奈が小刻みに震えていると、千はまた微笑む。

 「三島さんが川端先輩のお茶会に参加しているって正直に教えてくれたから。私も正直に教えてあげるね。」
 「え・・・?」
 「私の本当の姿。私の考え。」
 「谷崎さん?」
 「どうぞ? せっかく貴女のために淹れたんだから。」

 千はカップにアールグレイの紅茶を注ぐと、咲奈に差し出した。
 咲奈はカップに震えながら手を伸ばす。
 すると、千は今までと打って変わって、咲奈を蔑んだ目で見つめた。

 「私、カースト上位に行くためなら何でもするの。どんな演技だってする。すごく、頑張っているのよ。だから汚い手で私より上に行く子なんて許さない。そんな子、私、殺してやりたいくらいよ。」
 「何を言っているの? 私はそんなこと!」

 千は咲奈が持とうとしたカップを奪い、彼女の頭の上から紅茶を垂らした。

 「・・・っ!?」

 「私のお茶会って評判いいの。だから、三島さん。私たちもね、とっても楽しいお茶会・・・しましょうよ。」

 月の光が差し込む薔薇の温室。
 歪んだお茶会の始まり。
 二人の関係の始まり。
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