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第18話

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「もう俺一人でいいのか? 確か親父が守り人を引き継いだのって25歳の時だったよな?」
「……ああ。だが、おまえは歴代の誰よりも優秀だ。今のおまえはすでにオレを超えている。ギガホーンドラゴンを倒せるはずだ」

 親父が口元を緩めた。
 ……まさか、もう守り人を継ぐ話が出てくるとは思わなかったな。
 嬉しい気持ちはあったけど、それとは別に親父の意図も理解していた。

「親父、アレだろ? 俺が冒険者冒険者うるさいから、さっさと引き継がせてしまおうって思ってるだろ?」
「さて、どうだろうな」

 まったく。
 俺は椅子の背もたれに体重を預けるようにして、スカーが運んできてくれたコップを口に当てる。
 冷たい水で喉を潤しながら、ギガホーンドラゴンについて考える。

 何度も親父の狩りについていったので、ギガホーンドラゴンに対しての知識は十分に持っている。
 その狩りの様子を思いだしていると、

「相手は魔物だ。油断したら即座に命を落とす。気だけは抜くなよ?」
「もちろん、分かってる。次の守り人なんだからな」

 俺がそう答えると、親父は笑った。
 ま、親孝行って奴か。
 冒険者にはなれないだろうけど、この村近くでもそれなりに色々な魔物と戦える。

 今はそれを楽しみにしていようか。

「……兄さん、気をつけてくださいね?」
「大丈夫だ、必ずぶっ倒して戻ってくるからな?」

 スカーを安心させるために俺がそういうと、親父は小さく息を吐いた。

「おいおい、討伐、じゃなく撃退が狙いだからな? 無理に討伐しようとするなよ?」
「分かってるって」

 あくまでスカーに向けていっただけだ。
 本当に討伐するつもりはさらさらない。

「ほら、ごはんできたわよ。魔物の話は一度置いておいて、いただきましょう?」

 母さんが笑顔とともに食事を運んでくる。
 やっぱり訓練の後は母さんの手料理に限るな。

「それじゃあ、いただきます!」

 俺が両手を合わせて、がつがつと食べ始めると親父がこちらを見て小さく息を吐いた。

「これから守り人になるんだ。多少はマナーというのも学ぶんだ。守り人として、領主様が来られたときには共に食事をすることだってあるんだからな?」
「そのときはちゃんとやるって! 食事の一番のマナーは美味しくいただくことだろ?」
「……はあ、まあ、そうだな」

 親父が口元を緩め、それから一緒に食べ始める。
 母さんとスカーも食事をしていった。

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