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しおりを挟む「お兄様……本当に一人で大丈夫ですか?」
「一人じゃないだろ? ルルラがいるじゃないか」
「お、お兄様……っ! わ、私応援頑張りますね!」
「いや、静かにしてくれるだけでいいからな?」
「え? それって別に私いてもいなくても変わらない……?」
「いや、配信するときにルルラがいるだけでたぶん視聴数稼げるからな。俺は戦闘に集中するから、戦闘の解説とか視聴者へのアピールは任せたぞ」
「うえ!? そっち!?」
当たり前だ。
俺は別にトーク力があるわけではないからな。ただ、ネットを見た限り、可愛い女の子が一生懸命何かをしている姿というのは、それだけで一つのコンテンツになるようだからな。
なので、ルルラに全て任せるというわけだ。
とりあえず、現在登録者数は八万人。
最初にあげたチュートリアルの動画は、もう三十万再生を超えてるな……。
次にあげた『アサシンブレイク』の動画も同じように順調に再生数を伸ばしている。
むしろ、ペースとしてはこちらの方が早い。
たぶんだが、今『アサシンブレイク』とか『PK』とか『PK対策』みたいな言葉がよく検索されているようで、俺の動画にもそれらの単語が使われていたからだと思う。
これは完全に勢いに乗れたってことでいいよな?
ショートのほうが再生回数は回るようだ。適当な音楽に合わせ、ルルラの可愛らしい姿を映しているだけなのだが、再生回数はすでに百万を超えている。
これの理由は単純で、日本だけじゃなくて海外でも見られているからだ。
もしかしたら、解説動画とかも英語とか使ったら再生数が伸びるかもしれないな?
まあ、動画は基本日本語で作りつつ、字幕の設定があるのでそこで各国の字幕もつけてみるか。
これで、多少は海外の人にも見てもらえるかもしれないからな。
早速、分身に字幕の管理を指示しないとな。
それが終わったら、舞のために装備品集めに行かないとな。
そろそろ、夕食の時間だ。
俺は分身にゲーム操作を任せてから、スマホを手にとる。
Twotterのフォロワーもチャンネル登録と似たようなペースで伸びてるな。
こっちは、動画の宣伝とルルラの可愛い写真をあげているだけなのだが、それが逆にいいらしい。
ルルラについて検索すると、もうあちこちでイラストなども描かれ始めているようだ。
ルルラにとっていいのかは分からないが、嫌われてはいないようだな。
まあ、それでもアンチコメントはいくつかあるわけだ。
どんな人にもアンチは何割かはいるもんだしな。こんなもの気にしていたら仕方ないだろう。
そんなこんなでTwotterを見ていると、メッセージもたくさん来ていた。
分身が目を通しているので、内容は理解している。あとはどう返事をするか迷っている感じだ。
一応、今はすべてからメッセージを受け入れるような設定にしてあるんだよな。
もしかしたら何かしら仕事の話があるかもしれないと思っていたからだ。
その結果、いくつか仕事の話はある。単純にこのゲームについて記事を書いているライターからインタビューをしたいというものだ。
とはいえ、一応未成年だしな俺。精神的には、女神のせいでかなり年相応からはかけ離れてしまったが。
インタビューに関しては、とりあえず断っておこう。WEBの記事だろうし、そこまで影響力はなさそうだ。
それより、今悩んでいるのはこっちの二人だな。
空城院と天海の二名から、フォローされているんだよな。
メッセージも来ていて、よろしくお願いします、とのことだ。
……向こうがフォローしているのに、フォローし返さないのは失礼、なのかもしれない。
分身で情報を集めていたのだが、今のところ別に「ひょっとこ兄貴」をフォローしたこととかは別に嫌がられてはいないようだ。
ただ、少しめんどくさそうな男性ファンがいるのも確かだ。
Twotterだけでいくつかコメントをみたのだが、空城院は今日も別の人と配信していたらしいのだが、俺の話題を出していたようだ。
それに対して苦言を呈しているのが多少はいる、という感じだ。まだ今は助けてもらったから、ということでそこまで多くはないようだが、今後も長く名前を出していったらさらにアンチが増えるかもしれない。
……なんどえ、フォローとかしたらまたそれについて話題とかされるんじゃないか? という不安があるのは確かだ。
まあ、でも逆に言えば今のうちにフォローしておけば、まだ大丈夫なうちに話題にしてもらってのうちに忘れさられるほうがいい可能性もあるよな。
そう判断した俺は、とりあえず二人にフォローを返してから、よろしくなーとメッセージも返しておいた。
一応、二人とも現役女子高生らしいし、あのときの俺のキャラ的にも敬語じゃなくても問題ない……よな?
とりあえずこんなところでTwotterは終わりにして、リビングに向かう。
今日は義母が早く帰ってきていて、料理をしていた。すでに舞もいて、夕食の準備をしている。
「あっ、兄貴! なんかめっちゃ活躍してるね? 兄貴の妹として誇らしいよ!」
ふふんと胸を張る舞が見られただけで、俺としては大満足だ。
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