61 / 90
第九章 嵐の前
首都フォートマルシャン
しおりを挟む
使節団を襲った襲撃者の包囲網。その輪の一番外側で、中級冒険者のピエールは恐怖に目を見開いていた。
獲物の詳細は聞いていなかったし、仕事の後で消されてはたまらないので知りたくもなかった。それに上級冒険者や手練れの傭兵がこれだけ雇われているのだから、自分は後ろで精々にぎやかし程度の働きをしていればいいはずだった。
しかし現実はそれほど甘くない。数分間にもわたる魔法や小銃、石弓の集中砲火を難なく耐えきったその獲物は、一瞬の隙をついて反撃を始めたのだ。
包囲の前方では斬り込んできた騎士が縦横無尽に暴れまわっている。焦った味方による誤射も起きている様だ。つい今しがたもピエールのすぐ横を魔装弾式小銃の弾が掠めて飛んで行った。乱戦で小銃を撃つなんて馬鹿じゃないのかとピエールは毒づく。
あれだけの攻撃で仕留めきれなかった相手を、この状況からどうにかできるわけがない。もはやこの仕事は失敗だろう。上級冒険者や傭兵共が殺されている間にさっさと逃げ出すべきである。
ピエールが見切りをつけて馬首を返そうとしたその時、視界の端にそれが映り込んだ。
乱戦の中、激しく動き回る騎兵や騎士の頭上を渡って走り寄る人影がひとつ。踏み台にされたそれらの頭は、まるで熟れた果実の様にぽろぽろと落ちてゆく。
人々の頭上を優雅に走るその姿は、鎖帷子に青いサーコート、胸元には6つの星が白く染め抜かれている。騎士としては多少小柄だが、それがなんの慰めになろう。兜の奥に光る目は捕食者のそれであった。
ピエールは絶望の中で悟る。皆殺しにされるのは自分たちの方である事を。
フレッチーリ王国首都フォートマルシャンの王城。謁見室の豪奢な王座で、国王シャルル13世は大きくため息を吐いた。こめかみには血管が浮き上がり、周囲をねめつける視線は餓えた獣の様に爛々と輝いている。35歳の若き王の怒りに、周囲に控える重鎮たちは、判決を待つ罪人のごとくうなだれて目を伏せるばかり。
2日前に刺客を撃退した使節団が、もうすぐこの城へと到着するのだ。目撃者もない荒野での襲撃ならばいざ知らず、首都にたどり着かれてしまってはもはや打つ手がない。
魔族共は用意周到にスポールト王国他、人間国家の使節を引き連れていた。しかも使節団の代表はスポールト王国である。国王からの書状を持ち出されては、無下に扱うわけにもいかない。対応を誤れば国際問題への発展もあり得るのだ。
シャルル13世はついに我慢の限界に達して、声を荒げる。
「200の手勢が全滅だと? 相手をただの1騎すら屠れずにか!? おかしいだろうが!」
問いかけの様にも取れる王の言葉である以上、誰かが答えねばならぬ。周囲の目線が集まるのを感じ、フレッチーリ王国の騎士団を束ねるオランド将軍が渋々と口を開いた。2メートル近い巨躯もまるで小鹿のように見える。
「恐れながら申し上げます。2度の襲撃において、双星の魔女はいちども姿を見せなかったため、まさか使節団に参加しているとは考えが及びませんでした。使節団自体、王都への途中で殺される事を前提に、出兵の口実とするためのものだとばかり……」
「そこよ! そこが余にも解せぬのだ。魔族共の軍はすでに動き始めておる。ならばなぜ使節団のようなものを派遣するのか……この事に何の意味がある? 皆殺しにされる事でスポールトやらスノーランドをこの戦に巻き込もうという魂胆なのか?」
単純な兵力差で言えば魔族はフレッチーリ王国の敵ではない。しかしスポールト王国とフレッチーリ王国は国境を接しているため、スポールト王国が魔族に協力すれば無視できない脅威になるだろう。とはいえ魔族に与したとなれば、人間の国家から敵と認定される事は必至である。そんな危険を冒す価値があるだろうか。
ここ数日の間、散々議論を交わしたこの状況に、ついに結論は出なかった。最も無難な解決策として、首都までの道中で賊の仕業に見せかけての鏖殺が採用される。使節団の諸国から抗議を受けたとしても、知らぬ存ぜぬでかわせるはずであった。
しかしついに使節団は首都へたどり着いてしまった。双星の魔女自らが出向いた以上、王への謁見が目的とみていいだろう。いかに双星の魔女相手とは言え、いざとなれば万の兵ですり潰す事も不可能ではない。シャルル13世はこのまま目通りを許すべきかどうか決めあぐねる。
「よもや、余をこの場で暗殺するのが目的ではあるまいな」
王の漏らしたひと言に、宰相リコールが異を唱えた。
「いくら魔族とは言え、他国の使節が同席する状況でそのような蛮行に及ぶとは考えられませぬ。記録する手段も発信する手段もある現在、無法な真似はいたずらに敵を増やすのみかと」
「しかし相手は所詮魔族、余さえ消せば我が国が崩壊すると思い込んでおるやも知れぬ」
基本的に魔族を蛮族と見下しているフレッチーリ王国の重鎮たちは、王の言葉を否定する事が出来ない。相手は卑しい魔族である。高度な政治的駆け引きなど望むべくも無いだろう。そして、その思い込みこそが、今回の使節団の目的を理解する妨げとなっていた。
重苦しい沈黙の中、オランド将軍が声を上げる。
「陛下、我々騎士団も厳重な警戒態勢を取っております。奴らの護衛は全て市外に留め置き、各国の使節のみを非武装にて入城させる手筈であります。加えてこの謁見室に騎士団の精鋭を配置し、さらに剣聖ゴーモン殿にも控えてもらっております」
オランド将軍が指し示す先は、壁際に控える騎士たちの末席。王の御前であるにもかかわらず、ひとり丸椅子に腰かけたまま、何やら書物を読んでいる白髪まじりの男。齢56にして老いて益々壮んなり、剣聖ケヴィン・ド・ゴーモンであった。
鎖帷子を部分鎧で補強した、軽装にも見えるその装備は、見る者が見ればエルフ銀製の逸品だとわかる。腰に佩いた剣も、華美な装飾こそ無いものの、中身は恐るべき業物であろう。
オランド将軍の咳払いを聞いてようやく本から顔を上げた剣聖は、王を見やるとへらへらとした笑顔で会釈を返す。不敬極まりない態度ではあるが、この場においてはむしろ異様な安心感があった。
「剣聖ゴーモンよ、そなたの腕は信頼しておる。汚らわしい魔族共の指一本たりとも余に触れさせるでないぞ」
王の言葉に、剣聖は本を閉じもせず、座ったまま顔だけをそちらへ向けて答える。
「まあ値段分の仕事はさせてもらいますよ。王の護衛はご心配なく」
剣聖ゴーモンは騎士爵を賜ってこそいるものの、これはあくまで名誉爵位であって、フレッチーリ王国の正式な臣下ではない。むしろフレッチーリ王国側が剣聖の威を借っているようなものである。不遜な態度が許容されているのもそれ故の事であった。
剣聖の存在による安心感からか、今度は勇者の不在について王が不満を口にする。
「それにしても、勇者の方はどうなっておるのだ! そもそも彼奴が魔王軍を壊滅させておれば済んだ話であろうが!」
勇者が魔王軍を急襲してはや1週間がたつ。魔王軍が何事も無かったかのように進軍を開始した以上、勇者が無事であるとは考えにくい。この事は魔王軍との開戦を前に大きな不安材料であった。
つい先ほど、勇者の安否を確認した情報官オベールが口を開く。
「春の女神の神殿経由で、大司教ラビからの伝言が届いております。勇者は魔王との戦闘で瀕死の重傷を負い、現在も治療中の様子。療養と魔王軍の追撃をかわすため、今しばらくは身を潜める必要があるとの事でございます」
勇者の不甲斐ない顛末に、反勇者勢から失笑が漏れた。反勇者筆頭のオランド将軍が、ここぞとばかりに当て擦る。
「あの小童、常日頃は陛下から過分なる恩寵を受けておきながら、肝心な時に役に立たぬとは! 所詮は田舎育ちの成り上がりでありますな。私ならばたとえ満身創痍であろうとも、陛下の御前に馳せ参じますぞ。それを魔族の追手に怯え、隠れ震えておるとは武人の風上にも置けぬ振舞い。そもいかような術にて従えたかもわからぬ龍種の威を借り好き放題していた、その化けの皮がはがれたのでありましょう。女を誑かす手腕だけは一流のペテン師だったという事ですな!」
勇者の技能には『カリスマ』が含まれているにも関わらず、その影響力の大きさに対し反発する人間は多い。利害が対立するならばなおさらである。その上「僕、また何かやっちゃいました?」などとカマトトぶった物言いや、慣習や禁忌、暗黙の了解などといったものを平気で無視するその振舞いが、反発する勢力をさらに苛立たせていた。
日頃は勇者を甘やかし、王城の尖塔に個室まで与えていたシャルル13世も、此度の失態に関しては激怒していた。勇者への期待が高かった分、不甲斐ない結果によりその評価は大きく失墜してしまったのだ。
「この大事に登城せぬとは、余としても勇者の処遇を考え直さねばなるまいな……」
一時は第1王女を正室として娶らせようかとすら考えていたシャルル13世であったが、ここへ来て勇者の株の大暴落に歯止めがかからぬ状態である。よほどの大手柄でもなければ、汚名返上とはいかないだろう。
ひとしきり勇者への悪罵が盛り上がり、やがてその熱も冷めた頃、ついに使節団が王城へと到着した。
獲物の詳細は聞いていなかったし、仕事の後で消されてはたまらないので知りたくもなかった。それに上級冒険者や手練れの傭兵がこれだけ雇われているのだから、自分は後ろで精々にぎやかし程度の働きをしていればいいはずだった。
しかし現実はそれほど甘くない。数分間にもわたる魔法や小銃、石弓の集中砲火を難なく耐えきったその獲物は、一瞬の隙をついて反撃を始めたのだ。
包囲の前方では斬り込んできた騎士が縦横無尽に暴れまわっている。焦った味方による誤射も起きている様だ。つい今しがたもピエールのすぐ横を魔装弾式小銃の弾が掠めて飛んで行った。乱戦で小銃を撃つなんて馬鹿じゃないのかとピエールは毒づく。
あれだけの攻撃で仕留めきれなかった相手を、この状況からどうにかできるわけがない。もはやこの仕事は失敗だろう。上級冒険者や傭兵共が殺されている間にさっさと逃げ出すべきである。
ピエールが見切りをつけて馬首を返そうとしたその時、視界の端にそれが映り込んだ。
乱戦の中、激しく動き回る騎兵や騎士の頭上を渡って走り寄る人影がひとつ。踏み台にされたそれらの頭は、まるで熟れた果実の様にぽろぽろと落ちてゆく。
人々の頭上を優雅に走るその姿は、鎖帷子に青いサーコート、胸元には6つの星が白く染め抜かれている。騎士としては多少小柄だが、それがなんの慰めになろう。兜の奥に光る目は捕食者のそれであった。
ピエールは絶望の中で悟る。皆殺しにされるのは自分たちの方である事を。
フレッチーリ王国首都フォートマルシャンの王城。謁見室の豪奢な王座で、国王シャルル13世は大きくため息を吐いた。こめかみには血管が浮き上がり、周囲をねめつける視線は餓えた獣の様に爛々と輝いている。35歳の若き王の怒りに、周囲に控える重鎮たちは、判決を待つ罪人のごとくうなだれて目を伏せるばかり。
2日前に刺客を撃退した使節団が、もうすぐこの城へと到着するのだ。目撃者もない荒野での襲撃ならばいざ知らず、首都にたどり着かれてしまってはもはや打つ手がない。
魔族共は用意周到にスポールト王国他、人間国家の使節を引き連れていた。しかも使節団の代表はスポールト王国である。国王からの書状を持ち出されては、無下に扱うわけにもいかない。対応を誤れば国際問題への発展もあり得るのだ。
シャルル13世はついに我慢の限界に達して、声を荒げる。
「200の手勢が全滅だと? 相手をただの1騎すら屠れずにか!? おかしいだろうが!」
問いかけの様にも取れる王の言葉である以上、誰かが答えねばならぬ。周囲の目線が集まるのを感じ、フレッチーリ王国の騎士団を束ねるオランド将軍が渋々と口を開いた。2メートル近い巨躯もまるで小鹿のように見える。
「恐れながら申し上げます。2度の襲撃において、双星の魔女はいちども姿を見せなかったため、まさか使節団に参加しているとは考えが及びませんでした。使節団自体、王都への途中で殺される事を前提に、出兵の口実とするためのものだとばかり……」
「そこよ! そこが余にも解せぬのだ。魔族共の軍はすでに動き始めておる。ならばなぜ使節団のようなものを派遣するのか……この事に何の意味がある? 皆殺しにされる事でスポールトやらスノーランドをこの戦に巻き込もうという魂胆なのか?」
単純な兵力差で言えば魔族はフレッチーリ王国の敵ではない。しかしスポールト王国とフレッチーリ王国は国境を接しているため、スポールト王国が魔族に協力すれば無視できない脅威になるだろう。とはいえ魔族に与したとなれば、人間の国家から敵と認定される事は必至である。そんな危険を冒す価値があるだろうか。
ここ数日の間、散々議論を交わしたこの状況に、ついに結論は出なかった。最も無難な解決策として、首都までの道中で賊の仕業に見せかけての鏖殺が採用される。使節団の諸国から抗議を受けたとしても、知らぬ存ぜぬでかわせるはずであった。
しかしついに使節団は首都へたどり着いてしまった。双星の魔女自らが出向いた以上、王への謁見が目的とみていいだろう。いかに双星の魔女相手とは言え、いざとなれば万の兵ですり潰す事も不可能ではない。シャルル13世はこのまま目通りを許すべきかどうか決めあぐねる。
「よもや、余をこの場で暗殺するのが目的ではあるまいな」
王の漏らしたひと言に、宰相リコールが異を唱えた。
「いくら魔族とは言え、他国の使節が同席する状況でそのような蛮行に及ぶとは考えられませぬ。記録する手段も発信する手段もある現在、無法な真似はいたずらに敵を増やすのみかと」
「しかし相手は所詮魔族、余さえ消せば我が国が崩壊すると思い込んでおるやも知れぬ」
基本的に魔族を蛮族と見下しているフレッチーリ王国の重鎮たちは、王の言葉を否定する事が出来ない。相手は卑しい魔族である。高度な政治的駆け引きなど望むべくも無いだろう。そして、その思い込みこそが、今回の使節団の目的を理解する妨げとなっていた。
重苦しい沈黙の中、オランド将軍が声を上げる。
「陛下、我々騎士団も厳重な警戒態勢を取っております。奴らの護衛は全て市外に留め置き、各国の使節のみを非武装にて入城させる手筈であります。加えてこの謁見室に騎士団の精鋭を配置し、さらに剣聖ゴーモン殿にも控えてもらっております」
オランド将軍が指し示す先は、壁際に控える騎士たちの末席。王の御前であるにもかかわらず、ひとり丸椅子に腰かけたまま、何やら書物を読んでいる白髪まじりの男。齢56にして老いて益々壮んなり、剣聖ケヴィン・ド・ゴーモンであった。
鎖帷子を部分鎧で補強した、軽装にも見えるその装備は、見る者が見ればエルフ銀製の逸品だとわかる。腰に佩いた剣も、華美な装飾こそ無いものの、中身は恐るべき業物であろう。
オランド将軍の咳払いを聞いてようやく本から顔を上げた剣聖は、王を見やるとへらへらとした笑顔で会釈を返す。不敬極まりない態度ではあるが、この場においてはむしろ異様な安心感があった。
「剣聖ゴーモンよ、そなたの腕は信頼しておる。汚らわしい魔族共の指一本たりとも余に触れさせるでないぞ」
王の言葉に、剣聖は本を閉じもせず、座ったまま顔だけをそちらへ向けて答える。
「まあ値段分の仕事はさせてもらいますよ。王の護衛はご心配なく」
剣聖ゴーモンは騎士爵を賜ってこそいるものの、これはあくまで名誉爵位であって、フレッチーリ王国の正式な臣下ではない。むしろフレッチーリ王国側が剣聖の威を借っているようなものである。不遜な態度が許容されているのもそれ故の事であった。
剣聖の存在による安心感からか、今度は勇者の不在について王が不満を口にする。
「それにしても、勇者の方はどうなっておるのだ! そもそも彼奴が魔王軍を壊滅させておれば済んだ話であろうが!」
勇者が魔王軍を急襲してはや1週間がたつ。魔王軍が何事も無かったかのように進軍を開始した以上、勇者が無事であるとは考えにくい。この事は魔王軍との開戦を前に大きな不安材料であった。
つい先ほど、勇者の安否を確認した情報官オベールが口を開く。
「春の女神の神殿経由で、大司教ラビからの伝言が届いております。勇者は魔王との戦闘で瀕死の重傷を負い、現在も治療中の様子。療養と魔王軍の追撃をかわすため、今しばらくは身を潜める必要があるとの事でございます」
勇者の不甲斐ない顛末に、反勇者勢から失笑が漏れた。反勇者筆頭のオランド将軍が、ここぞとばかりに当て擦る。
「あの小童、常日頃は陛下から過分なる恩寵を受けておきながら、肝心な時に役に立たぬとは! 所詮は田舎育ちの成り上がりでありますな。私ならばたとえ満身創痍であろうとも、陛下の御前に馳せ参じますぞ。それを魔族の追手に怯え、隠れ震えておるとは武人の風上にも置けぬ振舞い。そもいかような術にて従えたかもわからぬ龍種の威を借り好き放題していた、その化けの皮がはがれたのでありましょう。女を誑かす手腕だけは一流のペテン師だったという事ですな!」
勇者の技能には『カリスマ』が含まれているにも関わらず、その影響力の大きさに対し反発する人間は多い。利害が対立するならばなおさらである。その上「僕、また何かやっちゃいました?」などとカマトトぶった物言いや、慣習や禁忌、暗黙の了解などといったものを平気で無視するその振舞いが、反発する勢力をさらに苛立たせていた。
日頃は勇者を甘やかし、王城の尖塔に個室まで与えていたシャルル13世も、此度の失態に関しては激怒していた。勇者への期待が高かった分、不甲斐ない結果によりその評価は大きく失墜してしまったのだ。
「この大事に登城せぬとは、余としても勇者の処遇を考え直さねばなるまいな……」
一時は第1王女を正室として娶らせようかとすら考えていたシャルル13世であったが、ここへ来て勇者の株の大暴落に歯止めがかからぬ状態である。よほどの大手柄でもなければ、汚名返上とはいかないだろう。
ひとしきり勇者への悪罵が盛り上がり、やがてその熱も冷めた頃、ついに使節団が王城へと到着した。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる