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第六章 魔獣暴走
情報収集
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魔破の里の中央、祭事などを行う広場に仕立てられた仮設の集会所で、ロジーナ姫一行とナナシたち、藻屑と美強、そして人化した黄金龍と黒龍が話し合いを行っている。
他の龍種は、巨大な龍のまま魔破衆を手伝い、里に散乱する瓦礫の撤去や負傷者の救出に忙しい。
集会所では衝立に貼り付けられた地図へ、モニカの指示で次々にメモが貼られていく。知識の女神の動画専門虚空録、通称『動空録』へと信者が書き込んだ映像を元に、ジルバラント王国と周辺諸国の状況を把握しようというのだ。
情報収集において非常に重宝される知識の女神の信者は、魔破衆にも当然存在する。そのうち怪我の軽い者が数人、モニカを補佐して、あっというまに地震の影響の全容が明らかになってゆく。
その様子を見ていた藻屑が眉根を寄せてつぶやく。
「やれやれ、ジルバラントはおろか、フレッチーリや魔族領の状況まで丸裸とはな。知識の女神の情報網が問題視されとらんのは不思議でたまらんわ」
ここ最近の騒動で、すっかり素の口調に戻った藻屑にナナシが同意する。
「確かに、法令順守違反もはなはだしいよね。めっちゃ炎上しそう」
日本語そのままの言葉も、ナナシの技能『魂の歌声』により概念は伝わる。それを聞いたモニカが早口で答える。
「法令順守違反とは面白いわね。でも残念、まだ法整備は追いついてないから違反とは言えないから。まあ実際、一般信者が検閲もなしに書き込める『動空録』は教団内でも賛否両論よ。でも書き込みを禁止するには『動空録』自体を無くすしか手がないし、知識の女神の信徒としては、いちど手に入れた知識媒体を手放すなんてありえない話なの。かと言っていちいち検閲するには人手が足りないし、『動空録』の魅力である速報性が殺されてしまう。そんなわけだから、この先もしばらくはこのまま放置される可能性が高いわね」
「いや、知識の女神の信者がアレなのは知っておるが、各国の機密情報を扱う部署が黙っておらぬのではないか?」
「さすがにそんな所に配属されるような信者はわきまえてるわよ。あくまで一般人が目にできる範囲の情報だけしか書き込まれないから。普通はね」
「確かに、魔破の里からの情報漏洩は無いか……」
着崩した豪奢な着物から覗く豊満な胸を持ち上げるように腕組みをして、藻屑がメモを貼る魔破衆に目線をやる。知識の女神の信者であるその魔破衆は、藻屑の言葉に小さく首肯する。
藻屑は軽くため息をつくと、メモで埋まる地図を眺め、やれやれと肩をすくめる。
「一般人の情報とはいえ、数が集まればこれこの通りというわけか。なんとも厄介な代物よの。まあ無くならぬ以上は、せめて活用するしかなかろうな」
藻屑の言葉通り、地図に貼られたメモを読み解けば、地震の被害範囲が一目瞭然であった。地震のほとんど無いこの地域では、軽微な揺れでも映像を記録する者が多い。震源地が地表だったこともあり、激震に見舞われた範囲はそこまで広くはなかった。
震度7相当まで達した地域は、魔破の里を含む聖龍連峰麓の森林地帯が主であり、ジルバラント王国首都クリンゲルでは震度6弱、イーダスハイムの城塞都市ゴーザシルトでは震度5強であった。
しかし耐震を考慮していない建物は現代建築のようには揺れに耐えられない。特に建て増しを重ねた下町の建築物などはひとたまりもなかった。宿場町としてにぎわうブリュッケシュタットでは、震度5弱まで減衰していた揺れでもかなりの数の宿が部分的に崩れていた。
地震そのものは国境を超えると急速に減衰し、魔族領やフレッチーリ王国に至っては軽微な揺れを感じる程度であった。この地震で被害を受けたのは、今の所ジルバラント王国のみと言えた。
いっぽう、ロジーナ姫は魔導放送の通信波を利用し王都の情報を集めようと試みていたが、地震によって中継器が破損した箇所が多く、満足に通信波が拾えない。机上に置かれた魔導放送の送受信機を前に、ロジーナ姫がため息をついた。
「だめじゃのう……どうやら中継器がいかれとるわ。まあ里ですらこの有様じゃ。中継器も無事では済まんじゃろ」
その様子に、人化した黄金龍が提案する。
「ロジーナ殿下、私たちが連絡役を受け持ってもよろしくてよ?」
その申し出に驚くロジーナ姫と藻屑。龍種が人間のためにここまで協力してくれるなど、通常ならばありえない事である。
「黄金に輝く麗しき太陽の化身陛下にそこまでしていただけるとは、なんともありがたい限りじゃが……」
畏まるロジーナ姫に、黄金龍が言う。
「私に敬意を払ってくださるのは嬉しいですが、緊急時でもある事ですし、どうか私の事は気軽にクゲーラとお呼びになってくださいまし」
黄金龍の申し出に増々恐縮するロジーナ姫。
「いっ、いやしかし、いくら何でも呼び捨ては無理じゃろ……せめてクゲーラ陛下でお願いしたいのじゃが」
「ふふっ、お堅いですのね。ナナシたんやレジオナちゃんとはもっと砕けたお付き合いですのよ」
「そだにょ~、なんせクーちんと私たちは親友だかんね~!」
レジオナがふにゃふにゃと自慢げに喋りながら、いかにもなれなれしく黄金龍と肩を組む。事情を知らない藻屑などは一瞬ひやりとした表情を見せてしまい、それに気づいたレジオナのニヤニヤ顔に、またひとつ心の復讐帖への書き込みを増やす。
ロジーナ姫は少し肩をすくめると、微笑みながら言う。
「ふふっ、さすがはレジオナといった所じゃの。とはいえわらわは立場もある身ゆえ、多少は格式も必要じゃろうて。クゲーラ陛下、ご協力の申し出には感謝いたしますぞ」
そしてアヤメに指示し、机上にジルバラント王国の地図を広げると、要所に駒を置いてゆく。
「さっそくで申し訳ないが、まずは通信の回復が先決じゃ。龍種の皆様方には魔導通信の中継器を設置してもらいたい」
成り行きを見守っていたキーラが、腕組みをして呟く。
「まー確かに、こんな状況でいきなり王都に龍種が乗り込んできたら、連絡がどーだ言う前にパニックが起きるよな。クー様は普段から王都を火の海にしたがってるしよ」
「ちょっ! キーラちゃん、あれは定番のドラゴンジョークなの! あんまり本気じゃないんだからねっ!」
「いやいやいや、ちょっとでもその気があったら困るんじゃが!?」
ロジーナ姫の突っ込みに、レジオナがふにゃふにゃと笑う。
「うひゃひゃ、ノワ先生も原稿やばくなったらよく王都火の海にしたがるもんね~」
ぎょっとして黒龍を見るロジーナ姫。黒龍はそっと視線をそらし、ぼそりとつぶやく。
「あれはマジ」
黒龍の不穏な言葉に、しかしジルバラント王国の出版事業総元締めでもあるロジーナ姫は全く臆さず告げる。
「ほほう、ノワ先生。ちょっとよく聞こえなかったんじゃが、もういちど言ってもらえるかの? 内容次第では来月の締め切りが変動するやもしれんぞ」
腕組みをし、薄い胸を張って仁王立ちするロジーナ姫の迫力に、最強種たる龍の住まう霊峰、聖龍連峰のナンバー7漆黒の夜に潜みし大いなる狩人の目が泳ぐ。
「え~、この状況で来月号も発売すんの~? いくらなんでもむりじゃん~?」
ふにゃふにゃと割り込むレジオナに勇気づけられたか、黒龍がか細い声で賛同する。
「そーだそーだ! 我々は来月号の休刊を要求するー!」
抗議の声に、ロジーナ姫の双眸がスッと細められる。
「この状況だからこそ、じゃ。他の刊行物はともかく、月刊スラスラコミックだけは何としても発刊するから覚悟せい。状況次第じゃが、最悪の場合無料で配布する事も辞さぬ」
ロジーナ姫の断固とした言葉に、ナナシがハッとしたように言う。
「ああ、それって希望とか日常を取り戻すとかそういう感じのアレ?」
「言葉にすれば陳腐じゃが、まあそういう事じゃの」
それを聞いたレジオナが、机に突っ伏してふにゃふにゃと悶える。
「も~、そ~いうのさ~、ま~子供たちが待ってんならしょ~がないけどさ~、そりゃ~ね~、合併号とか次の発売日めっちゃガッカリするもんね~、ま~しょうがないにゃ~、がんばってみるよのさ~」
レジオナの華麗なる手のひら返しに、事ここに至っては孤立無援の黒龍にはなすすべもない。それに人類がどうなろうが知った事ではない龍種とて、読者となれば話は別である。それはもはや種の壁を超越した概念である。おお読者よ。読者たる子供たちよ。我が心に灯をともし、我が心を業火にて焼く者よ。汝らのためならば我が命をも削ろう。
黒龍はロジーナ姫から目をそらしたまま、少し頬を赤らめながらつぶやくように言う。
「どっ、読者の住んでる街を焼くわけないでしょ。冗談よ冗談っ。だから来月の締め切りはちょっと伸ばしてくれるとありがたいんだけどどうかしらほんとマジ無理だからお願いしますマジでマジで……」
後半はもはや消え入りそうな声である。しかしそれを聞き終えたロジーナ姫は、満面の笑みで答える。
「うむ、締め切りはまからん! 死ぬ気で頑張るのじゃ!」
「うわーん! 姫ちゃんが優しくない~! いっちょ王都火の海にしてくる~!」
炸裂するドラゴンジョークに、どっと笑いが起きた。
黄金龍の差配により、十数体の龍によって魔導放送の中継器が各地へと設置されてゆく。音速すら超える飛翔速度を誇る龍種のおかげで、ジルバラント王国全土に中継器をばら撒く作業はほんの数時間で終了した。
回復した魔導通信により王都と連絡を取り合ったロジーナ姫は、王室戦略会議に魔導通信で参加する。
魔獣暴走の危機は伝えたものの、現在のジルバラント王国の状況では満足に迎撃できるかどうか危ぶまれるところである。幸い魔導放送により小さな村にも避難命令を出す事は出来る。動員できる戦力を勘案しても、もはや城塞都市以外の村々は放棄し、拠点を絞って防衛するほかは無いと思われた。
そして最も紛糾したのが、最大戦力である龍種の援軍に対する意見である。
王をはじめ、会議の参加者ほぼ全員が城塞都市への配置を望んだのに対し、ロジーナ姫だけは頑なに、その機動力を生かして村人の避難を最優先に手伝ってもらう事を主張した。
数十人から、多いところでは数百人の村人を全員とはいかないまでも、老人や子供を龍に運んでもらえば避難速度は格段に違ってくる。そして何より、かさばる家財道具をあきらめさせるのに、龍のひと声は非常に有効だろう。兵士や役人にはまだ盾突けるかも知れないが、龍種に盾突ける一般人など存在しない。
しかし、ただでさえ転生恩寵『王の器』による『王に至る試練』の影響で、王はともかく王子たちには常に反感を持たれているロジーナ姫である。その意見に賛同する者はほとんどいなかった。
その状況を打開したのは、魔導通信の画面に直径2メートルの片目だけ映り込む、人化を解いた黄金龍のひと言である。
「私たちの扱いについて議論されているようですけれど、人間風情がどうして私たちに命令できると思っているのか教えて頂いても?」
それはどこまでも澄み切っていて流麗な西方共通語であったが、画面越しですら聞いた者の心胆を寒からしめる威厳に満ちていた。そこにいるのは紛れもなく世界最強の存在であり、戯れに一国を滅ぼす事のできる破壊力の化身であった。
即座に反応できたのは国王フィリップただひとりである。さすがは国王の胆力と言えよう。
「クゲーラ陛下、これは失礼いたしました。このフィリップ心よりお詫び申し上げる」
「あらあら国王陛下、いけませんわ。私がクゲーラと呼ぶのを許したのは、友人たるロジーナ殿下だけ。それ以外の方々には、敬意を込めて黄金に輝く麗しき太陽の化身と呼んで頂かないと、ねえ?」
あくまで穏やかなその口調に、国王は深々と頭を下げる。
「重ね重ね失礼いたしました、黄金に輝く麗しき太陽の化身陛下。申し訳もございませぬ。なにとぞご容赦を賜りたく」
「ふふっ、わかっていただければ結構です。私たちはあくまで善意の協力者。ロジーナ殿下やナナシ皇帝陛下との友誼に基づいて防衛に参加しているだけという事を、ゆめゆめお忘れなきよう」
画面の外ではいきなり皇帝呼ばわりされたナナシが「ヤメテ!」と緑の顔を赤黒くする。いっぽうの王国会議室内でも、非公式ながら情報だけは聞き及んでいる「例の」オークについて黄金龍が言及したことで、ざわめきが広がる。
ロジーナ姫はこの機を逃すまいと、断固とした口調で告げる。
「国王陛下、クゲーラ陛下の意向はお聞きの通りじゃ。こちらの手の内にある戦力は、わらわの裁量で差配させていただきますゆえ、悪しからず。詳細な配置は後で黒龍配達便にて直接王宮に届けるので、龍が飛来しても驚かぬよう、くれぐれも国内にお達しをよろしくお願いしますぞ」
有無を言わせず通信を終わろうとするロジーナ姫に、国王が待ったをかける。
「ロジーナよ、いくらそなたでもこのように勝手な振舞い、このまま看過する事は出来ぬぞ」
「国王陛下、わらわも覚悟はできておりますゆえ。なにせこちらは奥の手秘蔵っ子まで投入しますからな! まあ届く書簡の戦力を楽しみにしておられよ」
ロジーナ姫の答えに、ため息をついて肩をすくめる国王。
「まったく、そなたはこうと決めたらテコでも動かんからな。まあ此度の危機で出来る限り手柄を上げてみよ。勲功次第では情状酌量の余地もあろう。話は全てが片付いた後だ」
ロジーナ姫はふわりと微笑み、娘の顔で語りかける。
「では父上、ご武運を」
「ロジーナ、そなたもな」
ロジーナ姫は少しでも戦力を調達するため、専用の連絡設備を使いドワーフの地下工房へと符丁を送る。これは大陸すら越えて世界中に広がるドワーフの地下帝国と取引のある者のみに与えられる、各地に点在するドワーフ工房への入り口へとアクセスできる鍵であり、取引の内容によりアクセスできる設備も限られている。
魔破の里もドワーフ工房とは取引があり、村のはずれに工房への入り口が設置されていた。この入り口は、主に印刷関連で取引があるロジーナ姫もアクセス可能な設備であった。
ロジーナ姫は入り口に設置されている通信装置から手早く指示を出す。
「かまわん、動かせる機体は全機投入じゃ! ボディにわらわの紋章をペイントしておくのじゃぞ! 各都市への割り振りは追って指示するゆえ、出撃準備を頼む。ああ、獣王丸と椿姫はもちろんクリンゲルじゃ!」
ドワーフ工房に連絡を済ませたロジーナ姫は、再び集会所に戻り藻屑と交渉する。
「御前よ、此度の大災害は国家存亡の危機じゃ。魔破の里からも援軍を出してはくれぬか」
そう言って頭を下げるロジーナ姫に、藻屑は腕組みをしたまま答える。
「先代の国王には恩があるけど、私たちは国を追われる時に、二度と主君を戴かないと決めたの。申し訳ないけれど、対価なしでの協力は出来ないわ」
「しかし今はそんな事を言っておれる状況ではなかろう! 王国が壊滅すれば、魔破衆とてこの地に安住は出来んじゃろうが!」
「それでもよ、お嬢。戦場で相まみえれば同胞とてこれを討つ。私たちが傭兵を生業とする以上、対価と契約だけは何があろうと譲れない」
藻屑の言葉に業を煮やしたロジーナ姫は、アヤメに命じて内部拡張収納袋から金貨を取り出し積み上げる。
「よかろう! ならば即金で金貨千枚。美強殿を借り受けるとしようかの!」
ロジーナ姫の申し出に、にやりと笑う美強。
「さすがはお嬢、話が早えェや。とはいえ俺を雇うにゃあちっとばかり足りねえかもな。その金で数を揃えた方が良かあねェか?」
「我がジルバラント王国の底力を甘く見ないで欲しいのう。雑魚魔獣なんぞ何千匹来ようが何とでもなるじゃろ。怖いのは1体で戦況をひっくり返すような規格外の魔獣じゃ。美強殿にはその手の相手をしてもらいたい」
ロジーナ姫はそう答え、内部拡張収納袋からさらにひと山金貨を積む。
「前金で金貨2千枚。事が収まった時点で成功報酬としてもう2千枚でどうじゃ。ただし、王都が陥落したら払おうにも払えんから頑張ってもらわんとな!」
美強は大量の金貨を前に短く口笛を吹き、藻屑の方をうかがう。藻屑は居住まいを正すと、ロジーナ姫に向かい一礼する。
「ロジーナ殿下のご要望、確かに承りました。すぐに契約書をご用意致します。羽生美強を存分にお使い下さいませ」
その様子を見ていた、人化した黄金龍が、からかうように言う。
「あらあら、いくら剣狼相手とはいえ、たかが人間に金貨4千枚。ロジーナ姫ったら大盤振る舞いですわね。私たちがいれば必要ないのではなくて?」
それを聞いて美強がにやりと笑う。
「女王陛下にゃあ馬鹿馬鹿しいかもしれねえが、これが俺たちなりの筋の通し方ってやつさ。タダより高い物は無いってね。それに、龍種におんぶにだっこで危機を切り抜けてもその先がねえよ。俺たちは俺たちでやれる事をやらにゃあ」
「美強殿の言う通りじゃ。クゲーラ陛下の助力にはどれだけ感謝してもしきれぬが、我ら人間が手を抜く言い訳にはならんじゃろ。出来る事を最大限やらねばの!」
ふんすと薄い胸の前で拳を握るロジーナ姫のあざと可愛さに、もはやカレンなどはメロメロである。その完璧なるのじゃロリ姫っぷりに、黒龍も思わずスケッチブックを取り出す。
こうして、着々とジルバラント王国の迎撃態勢は整ってゆくのであった。
他の龍種は、巨大な龍のまま魔破衆を手伝い、里に散乱する瓦礫の撤去や負傷者の救出に忙しい。
集会所では衝立に貼り付けられた地図へ、モニカの指示で次々にメモが貼られていく。知識の女神の動画専門虚空録、通称『動空録』へと信者が書き込んだ映像を元に、ジルバラント王国と周辺諸国の状況を把握しようというのだ。
情報収集において非常に重宝される知識の女神の信者は、魔破衆にも当然存在する。そのうち怪我の軽い者が数人、モニカを補佐して、あっというまに地震の影響の全容が明らかになってゆく。
その様子を見ていた藻屑が眉根を寄せてつぶやく。
「やれやれ、ジルバラントはおろか、フレッチーリや魔族領の状況まで丸裸とはな。知識の女神の情報網が問題視されとらんのは不思議でたまらんわ」
ここ最近の騒動で、すっかり素の口調に戻った藻屑にナナシが同意する。
「確かに、法令順守違反もはなはだしいよね。めっちゃ炎上しそう」
日本語そのままの言葉も、ナナシの技能『魂の歌声』により概念は伝わる。それを聞いたモニカが早口で答える。
「法令順守違反とは面白いわね。でも残念、まだ法整備は追いついてないから違反とは言えないから。まあ実際、一般信者が検閲もなしに書き込める『動空録』は教団内でも賛否両論よ。でも書き込みを禁止するには『動空録』自体を無くすしか手がないし、知識の女神の信徒としては、いちど手に入れた知識媒体を手放すなんてありえない話なの。かと言っていちいち検閲するには人手が足りないし、『動空録』の魅力である速報性が殺されてしまう。そんなわけだから、この先もしばらくはこのまま放置される可能性が高いわね」
「いや、知識の女神の信者がアレなのは知っておるが、各国の機密情報を扱う部署が黙っておらぬのではないか?」
「さすがにそんな所に配属されるような信者はわきまえてるわよ。あくまで一般人が目にできる範囲の情報だけしか書き込まれないから。普通はね」
「確かに、魔破の里からの情報漏洩は無いか……」
着崩した豪奢な着物から覗く豊満な胸を持ち上げるように腕組みをして、藻屑がメモを貼る魔破衆に目線をやる。知識の女神の信者であるその魔破衆は、藻屑の言葉に小さく首肯する。
藻屑は軽くため息をつくと、メモで埋まる地図を眺め、やれやれと肩をすくめる。
「一般人の情報とはいえ、数が集まればこれこの通りというわけか。なんとも厄介な代物よの。まあ無くならぬ以上は、せめて活用するしかなかろうな」
藻屑の言葉通り、地図に貼られたメモを読み解けば、地震の被害範囲が一目瞭然であった。地震のほとんど無いこの地域では、軽微な揺れでも映像を記録する者が多い。震源地が地表だったこともあり、激震に見舞われた範囲はそこまで広くはなかった。
震度7相当まで達した地域は、魔破の里を含む聖龍連峰麓の森林地帯が主であり、ジルバラント王国首都クリンゲルでは震度6弱、イーダスハイムの城塞都市ゴーザシルトでは震度5強であった。
しかし耐震を考慮していない建物は現代建築のようには揺れに耐えられない。特に建て増しを重ねた下町の建築物などはひとたまりもなかった。宿場町としてにぎわうブリュッケシュタットでは、震度5弱まで減衰していた揺れでもかなりの数の宿が部分的に崩れていた。
地震そのものは国境を超えると急速に減衰し、魔族領やフレッチーリ王国に至っては軽微な揺れを感じる程度であった。この地震で被害を受けたのは、今の所ジルバラント王国のみと言えた。
いっぽう、ロジーナ姫は魔導放送の通信波を利用し王都の情報を集めようと試みていたが、地震によって中継器が破損した箇所が多く、満足に通信波が拾えない。机上に置かれた魔導放送の送受信機を前に、ロジーナ姫がため息をついた。
「だめじゃのう……どうやら中継器がいかれとるわ。まあ里ですらこの有様じゃ。中継器も無事では済まんじゃろ」
その様子に、人化した黄金龍が提案する。
「ロジーナ殿下、私たちが連絡役を受け持ってもよろしくてよ?」
その申し出に驚くロジーナ姫と藻屑。龍種が人間のためにここまで協力してくれるなど、通常ならばありえない事である。
「黄金に輝く麗しき太陽の化身陛下にそこまでしていただけるとは、なんともありがたい限りじゃが……」
畏まるロジーナ姫に、黄金龍が言う。
「私に敬意を払ってくださるのは嬉しいですが、緊急時でもある事ですし、どうか私の事は気軽にクゲーラとお呼びになってくださいまし」
黄金龍の申し出に増々恐縮するロジーナ姫。
「いっ、いやしかし、いくら何でも呼び捨ては無理じゃろ……せめてクゲーラ陛下でお願いしたいのじゃが」
「ふふっ、お堅いですのね。ナナシたんやレジオナちゃんとはもっと砕けたお付き合いですのよ」
「そだにょ~、なんせクーちんと私たちは親友だかんね~!」
レジオナがふにゃふにゃと自慢げに喋りながら、いかにもなれなれしく黄金龍と肩を組む。事情を知らない藻屑などは一瞬ひやりとした表情を見せてしまい、それに気づいたレジオナのニヤニヤ顔に、またひとつ心の復讐帖への書き込みを増やす。
ロジーナ姫は少し肩をすくめると、微笑みながら言う。
「ふふっ、さすがはレジオナといった所じゃの。とはいえわらわは立場もある身ゆえ、多少は格式も必要じゃろうて。クゲーラ陛下、ご協力の申し出には感謝いたしますぞ」
そしてアヤメに指示し、机上にジルバラント王国の地図を広げると、要所に駒を置いてゆく。
「さっそくで申し訳ないが、まずは通信の回復が先決じゃ。龍種の皆様方には魔導通信の中継器を設置してもらいたい」
成り行きを見守っていたキーラが、腕組みをして呟く。
「まー確かに、こんな状況でいきなり王都に龍種が乗り込んできたら、連絡がどーだ言う前にパニックが起きるよな。クー様は普段から王都を火の海にしたがってるしよ」
「ちょっ! キーラちゃん、あれは定番のドラゴンジョークなの! あんまり本気じゃないんだからねっ!」
「いやいやいや、ちょっとでもその気があったら困るんじゃが!?」
ロジーナ姫の突っ込みに、レジオナがふにゃふにゃと笑う。
「うひゃひゃ、ノワ先生も原稿やばくなったらよく王都火の海にしたがるもんね~」
ぎょっとして黒龍を見るロジーナ姫。黒龍はそっと視線をそらし、ぼそりとつぶやく。
「あれはマジ」
黒龍の不穏な言葉に、しかしジルバラント王国の出版事業総元締めでもあるロジーナ姫は全く臆さず告げる。
「ほほう、ノワ先生。ちょっとよく聞こえなかったんじゃが、もういちど言ってもらえるかの? 内容次第では来月の締め切りが変動するやもしれんぞ」
腕組みをし、薄い胸を張って仁王立ちするロジーナ姫の迫力に、最強種たる龍の住まう霊峰、聖龍連峰のナンバー7漆黒の夜に潜みし大いなる狩人の目が泳ぐ。
「え~、この状況で来月号も発売すんの~? いくらなんでもむりじゃん~?」
ふにゃふにゃと割り込むレジオナに勇気づけられたか、黒龍がか細い声で賛同する。
「そーだそーだ! 我々は来月号の休刊を要求するー!」
抗議の声に、ロジーナ姫の双眸がスッと細められる。
「この状況だからこそ、じゃ。他の刊行物はともかく、月刊スラスラコミックだけは何としても発刊するから覚悟せい。状況次第じゃが、最悪の場合無料で配布する事も辞さぬ」
ロジーナ姫の断固とした言葉に、ナナシがハッとしたように言う。
「ああ、それって希望とか日常を取り戻すとかそういう感じのアレ?」
「言葉にすれば陳腐じゃが、まあそういう事じゃの」
それを聞いたレジオナが、机に突っ伏してふにゃふにゃと悶える。
「も~、そ~いうのさ~、ま~子供たちが待ってんならしょ~がないけどさ~、そりゃ~ね~、合併号とか次の発売日めっちゃガッカリするもんね~、ま~しょうがないにゃ~、がんばってみるよのさ~」
レジオナの華麗なる手のひら返しに、事ここに至っては孤立無援の黒龍にはなすすべもない。それに人類がどうなろうが知った事ではない龍種とて、読者となれば話は別である。それはもはや種の壁を超越した概念である。おお読者よ。読者たる子供たちよ。我が心に灯をともし、我が心を業火にて焼く者よ。汝らのためならば我が命をも削ろう。
黒龍はロジーナ姫から目をそらしたまま、少し頬を赤らめながらつぶやくように言う。
「どっ、読者の住んでる街を焼くわけないでしょ。冗談よ冗談っ。だから来月の締め切りはちょっと伸ばしてくれるとありがたいんだけどどうかしらほんとマジ無理だからお願いしますマジでマジで……」
後半はもはや消え入りそうな声である。しかしそれを聞き終えたロジーナ姫は、満面の笑みで答える。
「うむ、締め切りはまからん! 死ぬ気で頑張るのじゃ!」
「うわーん! 姫ちゃんが優しくない~! いっちょ王都火の海にしてくる~!」
炸裂するドラゴンジョークに、どっと笑いが起きた。
黄金龍の差配により、十数体の龍によって魔導放送の中継器が各地へと設置されてゆく。音速すら超える飛翔速度を誇る龍種のおかげで、ジルバラント王国全土に中継器をばら撒く作業はほんの数時間で終了した。
回復した魔導通信により王都と連絡を取り合ったロジーナ姫は、王室戦略会議に魔導通信で参加する。
魔獣暴走の危機は伝えたものの、現在のジルバラント王国の状況では満足に迎撃できるかどうか危ぶまれるところである。幸い魔導放送により小さな村にも避難命令を出す事は出来る。動員できる戦力を勘案しても、もはや城塞都市以外の村々は放棄し、拠点を絞って防衛するほかは無いと思われた。
そして最も紛糾したのが、最大戦力である龍種の援軍に対する意見である。
王をはじめ、会議の参加者ほぼ全員が城塞都市への配置を望んだのに対し、ロジーナ姫だけは頑なに、その機動力を生かして村人の避難を最優先に手伝ってもらう事を主張した。
数十人から、多いところでは数百人の村人を全員とはいかないまでも、老人や子供を龍に運んでもらえば避難速度は格段に違ってくる。そして何より、かさばる家財道具をあきらめさせるのに、龍のひと声は非常に有効だろう。兵士や役人にはまだ盾突けるかも知れないが、龍種に盾突ける一般人など存在しない。
しかし、ただでさえ転生恩寵『王の器』による『王に至る試練』の影響で、王はともかく王子たちには常に反感を持たれているロジーナ姫である。その意見に賛同する者はほとんどいなかった。
その状況を打開したのは、魔導通信の画面に直径2メートルの片目だけ映り込む、人化を解いた黄金龍のひと言である。
「私たちの扱いについて議論されているようですけれど、人間風情がどうして私たちに命令できると思っているのか教えて頂いても?」
それはどこまでも澄み切っていて流麗な西方共通語であったが、画面越しですら聞いた者の心胆を寒からしめる威厳に満ちていた。そこにいるのは紛れもなく世界最強の存在であり、戯れに一国を滅ぼす事のできる破壊力の化身であった。
即座に反応できたのは国王フィリップただひとりである。さすがは国王の胆力と言えよう。
「クゲーラ陛下、これは失礼いたしました。このフィリップ心よりお詫び申し上げる」
「あらあら国王陛下、いけませんわ。私がクゲーラと呼ぶのを許したのは、友人たるロジーナ殿下だけ。それ以外の方々には、敬意を込めて黄金に輝く麗しき太陽の化身と呼んで頂かないと、ねえ?」
あくまで穏やかなその口調に、国王は深々と頭を下げる。
「重ね重ね失礼いたしました、黄金に輝く麗しき太陽の化身陛下。申し訳もございませぬ。なにとぞご容赦を賜りたく」
「ふふっ、わかっていただければ結構です。私たちはあくまで善意の協力者。ロジーナ殿下やナナシ皇帝陛下との友誼に基づいて防衛に参加しているだけという事を、ゆめゆめお忘れなきよう」
画面の外ではいきなり皇帝呼ばわりされたナナシが「ヤメテ!」と緑の顔を赤黒くする。いっぽうの王国会議室内でも、非公式ながら情報だけは聞き及んでいる「例の」オークについて黄金龍が言及したことで、ざわめきが広がる。
ロジーナ姫はこの機を逃すまいと、断固とした口調で告げる。
「国王陛下、クゲーラ陛下の意向はお聞きの通りじゃ。こちらの手の内にある戦力は、わらわの裁量で差配させていただきますゆえ、悪しからず。詳細な配置は後で黒龍配達便にて直接王宮に届けるので、龍が飛来しても驚かぬよう、くれぐれも国内にお達しをよろしくお願いしますぞ」
有無を言わせず通信を終わろうとするロジーナ姫に、国王が待ったをかける。
「ロジーナよ、いくらそなたでもこのように勝手な振舞い、このまま看過する事は出来ぬぞ」
「国王陛下、わらわも覚悟はできておりますゆえ。なにせこちらは奥の手秘蔵っ子まで投入しますからな! まあ届く書簡の戦力を楽しみにしておられよ」
ロジーナ姫の答えに、ため息をついて肩をすくめる国王。
「まったく、そなたはこうと決めたらテコでも動かんからな。まあ此度の危機で出来る限り手柄を上げてみよ。勲功次第では情状酌量の余地もあろう。話は全てが片付いた後だ」
ロジーナ姫はふわりと微笑み、娘の顔で語りかける。
「では父上、ご武運を」
「ロジーナ、そなたもな」
ロジーナ姫は少しでも戦力を調達するため、専用の連絡設備を使いドワーフの地下工房へと符丁を送る。これは大陸すら越えて世界中に広がるドワーフの地下帝国と取引のある者のみに与えられる、各地に点在するドワーフ工房への入り口へとアクセスできる鍵であり、取引の内容によりアクセスできる設備も限られている。
魔破の里もドワーフ工房とは取引があり、村のはずれに工房への入り口が設置されていた。この入り口は、主に印刷関連で取引があるロジーナ姫もアクセス可能な設備であった。
ロジーナ姫は入り口に設置されている通信装置から手早く指示を出す。
「かまわん、動かせる機体は全機投入じゃ! ボディにわらわの紋章をペイントしておくのじゃぞ! 各都市への割り振りは追って指示するゆえ、出撃準備を頼む。ああ、獣王丸と椿姫はもちろんクリンゲルじゃ!」
ドワーフ工房に連絡を済ませたロジーナ姫は、再び集会所に戻り藻屑と交渉する。
「御前よ、此度の大災害は国家存亡の危機じゃ。魔破の里からも援軍を出してはくれぬか」
そう言って頭を下げるロジーナ姫に、藻屑は腕組みをしたまま答える。
「先代の国王には恩があるけど、私たちは国を追われる時に、二度と主君を戴かないと決めたの。申し訳ないけれど、対価なしでの協力は出来ないわ」
「しかし今はそんな事を言っておれる状況ではなかろう! 王国が壊滅すれば、魔破衆とてこの地に安住は出来んじゃろうが!」
「それでもよ、お嬢。戦場で相まみえれば同胞とてこれを討つ。私たちが傭兵を生業とする以上、対価と契約だけは何があろうと譲れない」
藻屑の言葉に業を煮やしたロジーナ姫は、アヤメに命じて内部拡張収納袋から金貨を取り出し積み上げる。
「よかろう! ならば即金で金貨千枚。美強殿を借り受けるとしようかの!」
ロジーナ姫の申し出に、にやりと笑う美強。
「さすがはお嬢、話が早えェや。とはいえ俺を雇うにゃあちっとばかり足りねえかもな。その金で数を揃えた方が良かあねェか?」
「我がジルバラント王国の底力を甘く見ないで欲しいのう。雑魚魔獣なんぞ何千匹来ようが何とでもなるじゃろ。怖いのは1体で戦況をひっくり返すような規格外の魔獣じゃ。美強殿にはその手の相手をしてもらいたい」
ロジーナ姫はそう答え、内部拡張収納袋からさらにひと山金貨を積む。
「前金で金貨2千枚。事が収まった時点で成功報酬としてもう2千枚でどうじゃ。ただし、王都が陥落したら払おうにも払えんから頑張ってもらわんとな!」
美強は大量の金貨を前に短く口笛を吹き、藻屑の方をうかがう。藻屑は居住まいを正すと、ロジーナ姫に向かい一礼する。
「ロジーナ殿下のご要望、確かに承りました。すぐに契約書をご用意致します。羽生美強を存分にお使い下さいませ」
その様子を見ていた、人化した黄金龍が、からかうように言う。
「あらあら、いくら剣狼相手とはいえ、たかが人間に金貨4千枚。ロジーナ姫ったら大盤振る舞いですわね。私たちがいれば必要ないのではなくて?」
それを聞いて美強がにやりと笑う。
「女王陛下にゃあ馬鹿馬鹿しいかもしれねえが、これが俺たちなりの筋の通し方ってやつさ。タダより高い物は無いってね。それに、龍種におんぶにだっこで危機を切り抜けてもその先がねえよ。俺たちは俺たちでやれる事をやらにゃあ」
「美強殿の言う通りじゃ。クゲーラ陛下の助力にはどれだけ感謝してもしきれぬが、我ら人間が手を抜く言い訳にはならんじゃろ。出来る事を最大限やらねばの!」
ふんすと薄い胸の前で拳を握るロジーナ姫のあざと可愛さに、もはやカレンなどはメロメロである。その完璧なるのじゃロリ姫っぷりに、黒龍も思わずスケッチブックを取り出す。
こうして、着々とジルバラント王国の迎撃態勢は整ってゆくのであった。
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