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変化⑧
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「颯ちゃんっ?」
「琥陽って、精通いつだった?」
「……中学、だけど」
「その姿の時って、精通した年齢以上じゃないとイケないの?」
「……分かん、ない」
「確かめていい?」
「何……あ、あぁ!」
いきなりどっちの動きも激しくなり、容易く琥陽は精を吐き出した。
腹にはそれまでに吐き出したものと今吐き出したものとが混ざり、それを颯珠は指で掬う。
「姿は関係ないのか、その年齢の時には精通してたのか……どっちだろうね?」
「そ、颯ちゃん……うご、く気?」
「ダメ?」
「もうちょっと、待ってほしっ、ぁうっ」
「ごめんね、それは無理」
「ひゃっ!」
ズン、と大きく穿ってきたそれに頭が真っ白になり、情けない声が漏れる。
「あんたがオレにどんな影響を与えたか、あんたはまだ知らないでしょ? オレの人生をどう変えたか、狂わせたか」
颯珠の手により身体をくるりと回転させられ、颯珠の姿が見えなくなる。
けれども背中に唇が落ち、それは耳へ向かい甘く食まれ、存在を強調してきた。
「今日の事、朝が来ても覚えてて。オレがどんだけあんたの事が好きなのか、あんたへの感情を持て余してるのか。実感して」
「……っ!」
背中に歯が立てられ、これ以上酷い声を出してしまわぬよう唇を噛んだ。そうしたら颯珠の手が後ろへ振り向かせ、そのままキスされる。
もう何が何だか分からない。
身体は溶けてしまいそうなほど熱くて、どこを触られても甘く疼いて、快感はすぐに弾けた。
颯珠は自分の事が好きで、自分も颯珠の事が好き。
互いに向かった矢印が嬉しくて仕方がなくて、涙がにじむ。
――オレの事、どうか見つけ出してほしい。オレからはきっと、あんたに会いに行けないから。
ごめんね、と知らない男の声が言う。
突如脳に降ったその声が誰なのかと考える余裕なんてあるはずもなく、琥陽は耐えきれず身体をくねらせた。
「琥陽って、精通いつだった?」
「……中学、だけど」
「その姿の時って、精通した年齢以上じゃないとイケないの?」
「……分かん、ない」
「確かめていい?」
「何……あ、あぁ!」
いきなりどっちの動きも激しくなり、容易く琥陽は精を吐き出した。
腹にはそれまでに吐き出したものと今吐き出したものとが混ざり、それを颯珠は指で掬う。
「姿は関係ないのか、その年齢の時には精通してたのか……どっちだろうね?」
「そ、颯ちゃん……うご、く気?」
「ダメ?」
「もうちょっと、待ってほしっ、ぁうっ」
「ごめんね、それは無理」
「ひゃっ!」
ズン、と大きく穿ってきたそれに頭が真っ白になり、情けない声が漏れる。
「あんたがオレにどんな影響を与えたか、あんたはまだ知らないでしょ? オレの人生をどう変えたか、狂わせたか」
颯珠の手により身体をくるりと回転させられ、颯珠の姿が見えなくなる。
けれども背中に唇が落ち、それは耳へ向かい甘く食まれ、存在を強調してきた。
「今日の事、朝が来ても覚えてて。オレがどんだけあんたの事が好きなのか、あんたへの感情を持て余してるのか。実感して」
「……っ!」
背中に歯が立てられ、これ以上酷い声を出してしまわぬよう唇を噛んだ。そうしたら颯珠の手が後ろへ振り向かせ、そのままキスされる。
もう何が何だか分からない。
身体は溶けてしまいそうなほど熱くて、どこを触られても甘く疼いて、快感はすぐに弾けた。
颯珠は自分の事が好きで、自分も颯珠の事が好き。
互いに向かった矢印が嬉しくて仕方がなくて、涙がにじむ。
――オレの事、どうか見つけ出してほしい。オレからはきっと、あんたに会いに行けないから。
ごめんね、と知らない男の声が言う。
突如脳に降ったその声が誰なのかと考える余裕なんてあるはずもなく、琥陽は耐えきれず身体をくねらせた。
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