51 / 54
●ダンスパーティー
パーティーの終わり
しおりを挟む
人の壁が割れた。ヒダカへ続く三つの道筋ができる。近くにいた人の視線全てが僕に突き刺さる。
なんてことをしてくれたんだ……。これじゃ逃げようがない。
僕は仕方なく意識して凛々しい顔を貼り付けると、真っすぐにヒダカに向かって一歩を踏み出す。
一瞬遅れてエルゥが。周囲に背中を押されてセナが歩き始めた。
ヒダカは僕の方を見ていた。段々近づく彼は、今日初めて真正面から見る。
黒光りするジャケットに、白いシャツとウェストコートと共通のタイ。磨き上げられた靴や白いカフス。そのほとんどが僕と似たり寄ったりだ。違うのはポケットチーフの色と左胸の勲章。
それから、髪を前髪と一緒に思い切り左に流しているから耳飾りがとにかく目立つ。
僕のように揺れるデザインはなく、その分凝った模様が透かし彫りされている。間近で見て分かったけど、外側に一つだけ石が添えられていた。色はシルバー。僕は瞬きを増やした。前回の式典まではなかったものだ。
シルバーは一般的にはフサロアスの色だ。妹たちへのサービスにしてはやりすぎじゃないだろうか?
全員がヒダカの前に辿り着くと、僕らはまるで示し合せたかのように同時に跪いた。
素直に驚いた。エルゥはともかくセナができると思わなかったから。
微かに頭を下げていると、ヒダカが小声で「ありがとう」と言った。ここまできたらもうしょうがない。僕の出番だ。
主役の勇者は当然ヒダカ。姫はエルゥとセナ。僕は語り部。
胸に手を置いたまま声を張った。
「お呼びでしょうか!」
昔から舞台向きのよく通る声だと褒められたものだ。
何でもやるよ。きっと僕ができることなんて、最初から演じることだけだったんだ。
鷹揚に頷くと、ヒダカが話し始める。
「皆様もご存じの通り、彼らの助けによって今の私があります。これからも彼らへの感謝を忘れることなく突き進んで参ります。そこで、キリセナ」
「……はい」
「三年前のサピリルの森で使った派手な魔法を覚えているか?」
「……? はい」
「その応用を頼む」
セナが微かに眉をしかめる。
「害がなく威力の小さい派手な魔法を」
僕は小声で付け足した。セナがパチパチと二回瞬きをする。
「承知いたしました」
セナが――形ばかりは――見事な了承を伝える。
「女神スラオーリに歎願します。この場の全ての輝きよりも強い光をわたしの手にお与えください」
水を掬うように両手を広げるとその中央に強く輝く、まるで乳白色の鉱石のような球体が現れた。両手を上に掲げるとそれはゆっくりと上昇していく。
「あれが……!」
「なんて美しいの……」
恐らく初めて見る詠唱短縮に周囲から感嘆の声が上がる。
「次に、エルウア」
「っはい!」
「万が一の対処を。私とルメルには二重に」
「? しょ、承知いたしました! ――女神スラオーリに歎願します」
エルウアは膝を折ったまま両手を両肩に置く祈りの姿勢を取ると、硬質な声で詠唱を始めた。
エルウアを中心とした大規模なガード魔法が広がっていく。
「女神スラオーリに感謝します。タスターラ・ロールローランタ」
「見事だな……」
「全て均一なんて……」
今度は恐ろしく強度の高いガード魔法が会場全体を包み込んだ。
「さて、仕上げだ。ルメル」
「はい」
ヒダカが指を鳴らすと、給仕が練習用の剣を渡してきた。
ヒダカには大剣、僕には小型の双剣だ。
「久しぶりに手合わせを」
「承知いたしました」
何をするのかを察した人の波が言わずとも引いて行き、中央には僕とヒダカだけが残った。
「追撃の型より合わせ!」
その言葉に体が勝手に反応した。僕は双剣を逆手に持ち、右手を口の前に、左手を後ろの腰の辺りに据えた。
ヒダカは大剣を左側へ下ろしている。
「ドウ!」
ヒダカが叫んだ!
僕は固有魔法を使わずいつもより速度を落としてヒダカの右側へ間合いを詰める。
構えから右腕を横へ払って二の腕の神経を狙う。
こは右に体を捻って躱される。次、来る……!
ヒダカは僕が予想した通りに躱し、その勢いのまま横凪ぎに大剣で襲ってきた。
それを後ろへ跳ぶことで避ける。
ヒダカが追ってくる。
分かっている。彼の動きは嫌ってほど。次は右下から斜め上でくる。
――ほら、やっぱり。
僕はまた後ろへ跳ぶと、思い切り体を低くした。両手を軸にして、振り切ったことで体勢を崩している足元を回し蹴りで狙う。
ヒダカは予備動作なしにそれを避けた。
こっちが彼の動きを読めるように、あっちだって僕の動きをよく理解している。
今度はヒダカが大剣で突きを繰り出してくる!
双剣を急ぎ順手に戻すと正面で重ねて受けて跳ねのける。
練習用の剣なのに刃の部分が削れて飛び散るのが見えた。
参列者ギリギリのところまで跳び下がると、ヒダカと十分な距離を取って双剣を正面で重ねて構える。ハジメの型と呼ばれているものだ。そのままじりじりとヒダカを睨みつけた。睨み合うこと数秒。同じように正面に大剣を構えるハジメの型を取っていたヒダカの腕がゆっくりと下ろされる。
遅れないように僕も双剣を下ろす。すかさず受け取りにくる給仕の優秀さはさすが兄の人選だ。
ヒダカが微かに頷くのを確認して、近づいてまた跪く。
「スラオーリに勝利を! スラオーリに祝福を!」
満を持したようなヒダカの咆哮の直後、天井までたどり着いていた球体が閃光を撒き散らして破裂した。
一瞬、会場中が真っ白に染まる。その光は柔らかく、目を逸らす必要もないほどに温かかった。
セナ、こんな演出できたんだ。
感心した。周りがみんな天井を見つめているのをいいことに、横目でセナを見る。彼女は魔法を使った後の両手を強く握りしめていた。
余り自信がなかったのかもしれない。演出のための魔法なんて、やったことないだろうから。
温かい気持ちになっていると、ふと視線を感じて正面を見上げた。
上体が揺れる。
こんな大事な場面で醜態は許されないのに。
でも、こんな。
こんな。
瞳に込められた余りの熱量に溶かされてしまうかと思った。
ヒダカが、私を見てた。
まるで止まっていたみたいな心臓が、ドッドと音を立てて動き出す。
体が震えそう。
酷い。
酷いよ、ヒダカ。
これも嘘なの?
もう、期待なんて、させないで――。
なんてことをしてくれたんだ……。これじゃ逃げようがない。
僕は仕方なく意識して凛々しい顔を貼り付けると、真っすぐにヒダカに向かって一歩を踏み出す。
一瞬遅れてエルゥが。周囲に背中を押されてセナが歩き始めた。
ヒダカは僕の方を見ていた。段々近づく彼は、今日初めて真正面から見る。
黒光りするジャケットに、白いシャツとウェストコートと共通のタイ。磨き上げられた靴や白いカフス。そのほとんどが僕と似たり寄ったりだ。違うのはポケットチーフの色と左胸の勲章。
それから、髪を前髪と一緒に思い切り左に流しているから耳飾りがとにかく目立つ。
僕のように揺れるデザインはなく、その分凝った模様が透かし彫りされている。間近で見て分かったけど、外側に一つだけ石が添えられていた。色はシルバー。僕は瞬きを増やした。前回の式典まではなかったものだ。
シルバーは一般的にはフサロアスの色だ。妹たちへのサービスにしてはやりすぎじゃないだろうか?
全員がヒダカの前に辿り着くと、僕らはまるで示し合せたかのように同時に跪いた。
素直に驚いた。エルゥはともかくセナができると思わなかったから。
微かに頭を下げていると、ヒダカが小声で「ありがとう」と言った。ここまできたらもうしょうがない。僕の出番だ。
主役の勇者は当然ヒダカ。姫はエルゥとセナ。僕は語り部。
胸に手を置いたまま声を張った。
「お呼びでしょうか!」
昔から舞台向きのよく通る声だと褒められたものだ。
何でもやるよ。きっと僕ができることなんて、最初から演じることだけだったんだ。
鷹揚に頷くと、ヒダカが話し始める。
「皆様もご存じの通り、彼らの助けによって今の私があります。これからも彼らへの感謝を忘れることなく突き進んで参ります。そこで、キリセナ」
「……はい」
「三年前のサピリルの森で使った派手な魔法を覚えているか?」
「……? はい」
「その応用を頼む」
セナが微かに眉をしかめる。
「害がなく威力の小さい派手な魔法を」
僕は小声で付け足した。セナがパチパチと二回瞬きをする。
「承知いたしました」
セナが――形ばかりは――見事な了承を伝える。
「女神スラオーリに歎願します。この場の全ての輝きよりも強い光をわたしの手にお与えください」
水を掬うように両手を広げるとその中央に強く輝く、まるで乳白色の鉱石のような球体が現れた。両手を上に掲げるとそれはゆっくりと上昇していく。
「あれが……!」
「なんて美しいの……」
恐らく初めて見る詠唱短縮に周囲から感嘆の声が上がる。
「次に、エルウア」
「っはい!」
「万が一の対処を。私とルメルには二重に」
「? しょ、承知いたしました! ――女神スラオーリに歎願します」
エルウアは膝を折ったまま両手を両肩に置く祈りの姿勢を取ると、硬質な声で詠唱を始めた。
エルウアを中心とした大規模なガード魔法が広がっていく。
「女神スラオーリに感謝します。タスターラ・ロールローランタ」
「見事だな……」
「全て均一なんて……」
今度は恐ろしく強度の高いガード魔法が会場全体を包み込んだ。
「さて、仕上げだ。ルメル」
「はい」
ヒダカが指を鳴らすと、給仕が練習用の剣を渡してきた。
ヒダカには大剣、僕には小型の双剣だ。
「久しぶりに手合わせを」
「承知いたしました」
何をするのかを察した人の波が言わずとも引いて行き、中央には僕とヒダカだけが残った。
「追撃の型より合わせ!」
その言葉に体が勝手に反応した。僕は双剣を逆手に持ち、右手を口の前に、左手を後ろの腰の辺りに据えた。
ヒダカは大剣を左側へ下ろしている。
「ドウ!」
ヒダカが叫んだ!
僕は固有魔法を使わずいつもより速度を落としてヒダカの右側へ間合いを詰める。
構えから右腕を横へ払って二の腕の神経を狙う。
こは右に体を捻って躱される。次、来る……!
ヒダカは僕が予想した通りに躱し、その勢いのまま横凪ぎに大剣で襲ってきた。
それを後ろへ跳ぶことで避ける。
ヒダカが追ってくる。
分かっている。彼の動きは嫌ってほど。次は右下から斜め上でくる。
――ほら、やっぱり。
僕はまた後ろへ跳ぶと、思い切り体を低くした。両手を軸にして、振り切ったことで体勢を崩している足元を回し蹴りで狙う。
ヒダカは予備動作なしにそれを避けた。
こっちが彼の動きを読めるように、あっちだって僕の動きをよく理解している。
今度はヒダカが大剣で突きを繰り出してくる!
双剣を急ぎ順手に戻すと正面で重ねて受けて跳ねのける。
練習用の剣なのに刃の部分が削れて飛び散るのが見えた。
参列者ギリギリのところまで跳び下がると、ヒダカと十分な距離を取って双剣を正面で重ねて構える。ハジメの型と呼ばれているものだ。そのままじりじりとヒダカを睨みつけた。睨み合うこと数秒。同じように正面に大剣を構えるハジメの型を取っていたヒダカの腕がゆっくりと下ろされる。
遅れないように僕も双剣を下ろす。すかさず受け取りにくる給仕の優秀さはさすが兄の人選だ。
ヒダカが微かに頷くのを確認して、近づいてまた跪く。
「スラオーリに勝利を! スラオーリに祝福を!」
満を持したようなヒダカの咆哮の直後、天井までたどり着いていた球体が閃光を撒き散らして破裂した。
一瞬、会場中が真っ白に染まる。その光は柔らかく、目を逸らす必要もないほどに温かかった。
セナ、こんな演出できたんだ。
感心した。周りがみんな天井を見つめているのをいいことに、横目でセナを見る。彼女は魔法を使った後の両手を強く握りしめていた。
余り自信がなかったのかもしれない。演出のための魔法なんて、やったことないだろうから。
温かい気持ちになっていると、ふと視線を感じて正面を見上げた。
上体が揺れる。
こんな大事な場面で醜態は許されないのに。
でも、こんな。
こんな。
瞳に込められた余りの熱量に溶かされてしまうかと思った。
ヒダカが、私を見てた。
まるで止まっていたみたいな心臓が、ドッドと音を立てて動き出す。
体が震えそう。
酷い。
酷いよ、ヒダカ。
これも嘘なの?
もう、期待なんて、させないで――。
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!?
男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!?
※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
冷静沈着敵国総督様、魔術最強溺愛王様、私の子を育ててください~片思い相手との一夜のあやまちから、友愛女王が爆誕するまで~
KUMANOMORI(くまのもり)
恋愛
フィア・リウゼンシュタインは、奔放な噂の多い麗しき女騎士団長だ。真実を煙に巻きながら、その振る舞いで噂をはねのけてきていた。「王都の人間とは絶対に深い仲にならない」と公言していたにもかかわらず……。出立前夜に、片思い相手の第一師団長であり総督の息子、ゼクス・シュレーベンと一夜を共にしてしまう。
宰相娘と婚約関係にあるゼクスとの、たしかな記憶のない一夜に不安を覚えつつも、自国で反乱が起きたとの報告を受け、フィアは帰国を余儀なくされた。リュオクス国と敵対関係にある自国では、テオドールとの束縛婚が始まる。
フィアを溺愛し閉じこめるテオドールは、フィアとの子を求め、ひたすらに愛を注ぐが……。
フィアは抑制剤や抑制魔法により、懐妊を断固拒否!
その後、フィアの懐妊が分かるが、テオドールの子ではないのは明らかで……。フィアは子ども逃がすための作戦を開始する。
作戦には大きな見落としがあり、フィアは子どもを護るためにテオドールと取り引きをする。
テオドールが求めたのは、フィアが国を出てから今までの記憶だった――――。
フィアは記憶も王位継承権も奪われてしまうが、ワケアリの子どもは着実に成長していき……。半ば強制的に、「父親」達は育児開始となる。
記憶も継承権も失ったフィアは母国を奪取出来るのか?
そして、初恋は実る気配はあるのか?
すれ違うゼクスとの思いと、不器用すぎるテオドールとの夫婦関係、そして、怪物たちとの奇妙な親子関係。
母国奪還を目指すフィアの三角育児恋愛関係×あべこべ怪物育児ストーリー♡
~友愛女王爆誕編~
第一部:母国帰還編
第二部:王都探索編
第三部:地下国冒険編
第四部:王位奪還編
第四部で友愛女王爆誕編は完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる