限界保育士の私が異世界転生したら理想の働き方を手に入れた!

晴野菊

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異世界学習中!

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 こっちの世界でも図書館って同じ感じなんだ。」
 ボソッと言うとキルシュさんは聞き返す。
「同じ感じって?」
「いや、なんかこう雰囲気とか。」
「なにそれー。だいたい同じなんじゃない?」
 こっちの世界の図書館はもっと立派な建物なのかと思ったけど、こっちの世界でも図書館は普通の建物だ。
 なんとなくファンタジーなイメージがあったから、違和感があったのかもしれない。
「ま、いっか。とりあえず入ろう」
 図書館に入ると、そこは本の森だった。
 大きな本棚がずらっと並んでいて、その本棚の上にも本が積まれている。
「ここがこの辺りで1番大きい図書館なのよ。」
 ちょっと埃っぽい匂いもするけど、これはこれで風情があるというか……なんか好きな感じだ。
「へぇ……。」
 落ち着く雰囲気にぼんやりとしてしまう。
 とりあえず本を見て回ってみようと、本棚の間を縫うように歩いていくと、ふと一冊の本が目に止まった。
(あ、これって……)
 背表紙に引き寄せられるように手に取る。
「楽しい魔法」
 魔法ってあるの?なんか教科書みたいな感じ?
 私は早速ページをめくってみることにする。
『この本を読んでいるそこの君! 魔法に興味はあるかい? ないなんてもったいないよ! この本を読むだけで君は世界最高の魔法使いになれるのさ!』
…………。
………………。
………………………………なんだこれ。
『この本は、君のためだけに作られた特別な一冊です』とか『この本を読んでいるそこの君! 魔法に興味はあるかい? ないなんてもったいないよ!』とか…。
(めちゃくちゃ馴れ馴れしいなこの本。)
凄いものを見てしまった。

「こっちは物語かな?」
(妖精と私)
パラパラとページをめくると可愛らしい妖精と旅をしている少女のお話だった。
「ふーん。」
(妖精の本とかあるんだ。)
私は妖精の本を棚に戻し、隣の絵本に手を伸ばした。

この本もさっきと同じような表紙で、中に書いてある内容も似たり寄ったりだった。
(これは子供向けってやつかな?読み聞かせにいいかも。)
そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。
「あら、こんにちは」
(ん?)
振り向くとそこには優しそうなお婆さんが座っていた。
「こ、こんにちは」
「あなた見ない顔ね。私はこの図書室の司書をしているエマよ。分からないことや聞きたいこと何でもお話してね。」
(司書さんか)
エマさんはニコニコと微笑んだ。
私も笑顔で挨拶を返す。
「こんにちは。私はアリスと言います。最近、こちらに来たばかりで…。初めてここにも来たんです。」
すると、エマさんは嬉しそうに笑った。
「まぁ、あなたがキルシュさんのところの子ね!こんな可愛い子が来てくれるなんて嬉しいわ!」
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