限界保育士の私が異世界転生したら理想の働き方を手に入れた!

晴野菊

文字の大きさ
上 下
2 / 8

初めての異世界転生

しおりを挟む
(なんだか、気持ちいいなー、そういえば最後にこんなに寝たのいつぶりだろう…)
調度良い温度、柔らかい感触に包まれて心地良さを体感していた。
(…寝た?)
こんなに快適に寝ていると言うことはつまりアレである。
学生、社会人は一度は経験したことがあるであろう。 


                       «寝坊だ!!»



ガバッと勢いよく体を起こし、すぐに頭を覚醒させる。

「ダメですよ。そんなにいきなり体を動かしたら…。」


ふんわりと微笑むお姉さんに(キレイな人だなー)なんてぼんやり思う。

「食事は摂れそうですか?」

あまりにも当たり前のように聞くから思わず

「はい、いただきます」


温かいミルク、焼きたてのパン、みずみずしい果物。

「どうぞ。」

人間らしい食事を久しぶりに摂る。

「美味しい…。」

こんなにご飯は美味しかったのか、最近は全然こんなにゆっくりと食事なんか摂ることが出来なかった。
黙々と食事を口に入れる。
温かいミルクはお腹の中まで温め、サクサクと香ばしく焼かれたパンを食べる。果物なんて社会人になってから1回でも食べただろうか?

「…いや、…ここどこよ?」

アリスは我に返った。目の前の優しくしてくれる人すら知らない人なのだ。当たり前のようにされていて今まで何の疑問にも思わなかったのが怖い。
こうなると(夢?)とも思うのだが夢にしては味覚含めて感覚があまりにもリアルなのだ。


「私の家ですよ。」

ニコリと微笑みながら謎のお姉さんは答える。
違う、そういうことじゃない。根本的に分からないのだ。

「あなた、私の家の前で倒れていたから」

先程までの微笑みが少し心配そうな表情に変わる。

「でも、良かったわ。食事も食べられたから。少し安心。」

倒れてたとはどういうことだろう。窓の外を見ても知らない景色。夢の可能性を考え頬をつねるも痛みがここは現実と訴えてくるようだった。


「あなた、家はあるの?ないならしばらくここに居てもいいわよ。ここには困っている人が沢山いるから、その人たちが大丈夫になるまでここに泊めてるの。」


話しがどんどん進むが待って欲しい、こっちはまだひとつたりとも状況を把握していない。

「ここはどこですか?」

もう一度聞くと、お姉さんは困ったように首を傾げる。

「もしかして頭でも打ったのかしら?じゃあ、一緒に外に行きましょう?何か思い出すのかもしれないわ。」

とりあえずご飯を食べてと再び微笑みながら勧められる。
お腹は空いていたから有難く食べる。

(これからどうなるの?)

頭の中に仕事がよぎり鬱々とするのであった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜
ファンタジー
 いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。  だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。  そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。  これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

処理中です...