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攻略対象は全人類?
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さて、会社に来たものの先程のコマンドは何だったのだろう。
いつも通りにタイムカードを切って出社する。
「おはようございます。」
後ろから来たのは後輩の柳瀬くん。
「あっ、おはようございます。」
テュロロロロン
(……?今の音何?)
ゲームでは確実に悪い音だ。
挨拶ひとつでもしかして好感度下がった??
(……やりずらい。)
思いのほか人の好感度を感じるのは精神的にきついことを知る。
(よし、次に来た人には明るくしてみよう。頑張れ!私!今の私は主人公よ!)
ウィーン
(来た!)
「おはようございます!!」
(どうよ!私の渾身の挨拶よ!)
トゥロン
(好感度上がる音よ!さっきとは絶対に違う!)
「……おはようございます。いつもと雰囲気が違うのね。良いことでもあったのかしら?」
「はわっ……!」
厳しい先輩の春田さんだった。少し驚いているのか半歩引いてるようにも見える。
はたから見たら挙動不審だろう。自分が1番分かっている。
乙女ゲームの中の主人公たちの何たるすごいことか挨拶イベントひとつでもここまで大変なのか。
(でも、好感度上がる音はしたから大丈夫よね?)
少しホッとする間にふと思う。
春田さんは女性だ。つまり、女性の好感度上がる→親友ルートになるってこと?いや、もしかして百合ルートも有り得るってこと???
攻略対象が無限大ってこと?
とりあえず変な感じを与えないように相手に接しよう。
「佐倉さん。おはよ!」
後ろからは同期の佐田 楓君。
名前が近いこともあり、研修ではよく一緒にしたものだ。
唯一、異性でもまだ話せる相手だ。
そして何より推しと同じ名前!
「佐田君、おはようございます。」
トゥロン
(やっぱり、これ誰に対してもあるんだな。攻略対象外とかもいるのかな?)
「佐倉さんは今日お昼とか決めてる?美味しい店見つけたから一緒に行かない?」
ぼんやり考え事をしていたら佐倉くんから昼ごはんのお誘いがあった。
(私は……)
→「えっ!行ってみたいです!」
「今回はやめとくよ。」
でた、コマンドだ。
攻略対象に選ぶならもちろん行くの方だ。
1度、選んでみてどんな反応か試してみよう。佐田君には実験みたいな感じで少し申し訳なかったが仕方ない。
「えっ!行ってみたいです!臨時収入あるから紹介してくれるお礼に奢りますよ!」
後ろめたさから少し嘘をついてしまったが、仕方ない。せめて奢らしてくれと思いつつ提案する。
トゥロロン
おっと、さっきより長めの音。好感度上がったのかな?
佐田君を見ると笑顔だ。間違えてなかったみたいだ。
「マジで!ラッキー!ありがとう!じゃあ、昼休憩の時に入口で待ち合わせで!」
こうして佐田君との約束を取り付けた。
(これはイベントフラグ?)
この行動でどうなるのかをドキドキしつつ仕事を始めるのだった。
いつも通りにタイムカードを切って出社する。
「おはようございます。」
後ろから来たのは後輩の柳瀬くん。
「あっ、おはようございます。」
テュロロロロン
(……?今の音何?)
ゲームでは確実に悪い音だ。
挨拶ひとつでもしかして好感度下がった??
(……やりずらい。)
思いのほか人の好感度を感じるのは精神的にきついことを知る。
(よし、次に来た人には明るくしてみよう。頑張れ!私!今の私は主人公よ!)
ウィーン
(来た!)
「おはようございます!!」
(どうよ!私の渾身の挨拶よ!)
トゥロン
(好感度上がる音よ!さっきとは絶対に違う!)
「……おはようございます。いつもと雰囲気が違うのね。良いことでもあったのかしら?」
「はわっ……!」
厳しい先輩の春田さんだった。少し驚いているのか半歩引いてるようにも見える。
はたから見たら挙動不審だろう。自分が1番分かっている。
乙女ゲームの中の主人公たちの何たるすごいことか挨拶イベントひとつでもここまで大変なのか。
(でも、好感度上がる音はしたから大丈夫よね?)
少しホッとする間にふと思う。
春田さんは女性だ。つまり、女性の好感度上がる→親友ルートになるってこと?いや、もしかして百合ルートも有り得るってこと???
攻略対象が無限大ってこと?
とりあえず変な感じを与えないように相手に接しよう。
「佐倉さん。おはよ!」
後ろからは同期の佐田 楓君。
名前が近いこともあり、研修ではよく一緒にしたものだ。
唯一、異性でもまだ話せる相手だ。
そして何より推しと同じ名前!
「佐田君、おはようございます。」
トゥロン
(やっぱり、これ誰に対してもあるんだな。攻略対象外とかもいるのかな?)
「佐倉さんは今日お昼とか決めてる?美味しい店見つけたから一緒に行かない?」
ぼんやり考え事をしていたら佐倉くんから昼ごはんのお誘いがあった。
(私は……)
→「えっ!行ってみたいです!」
「今回はやめとくよ。」
でた、コマンドだ。
攻略対象に選ぶならもちろん行くの方だ。
1度、選んでみてどんな反応か試してみよう。佐田君には実験みたいな感じで少し申し訳なかったが仕方ない。
「えっ!行ってみたいです!臨時収入あるから紹介してくれるお礼に奢りますよ!」
後ろめたさから少し嘘をついてしまったが、仕方ない。せめて奢らしてくれと思いつつ提案する。
トゥロロン
おっと、さっきより長めの音。好感度上がったのかな?
佐田君を見ると笑顔だ。間違えてなかったみたいだ。
「マジで!ラッキー!ありがとう!じゃあ、昼休憩の時に入口で待ち合わせで!」
こうして佐田君との約束を取り付けた。
(これはイベントフラグ?)
この行動でどうなるのかをドキドキしつつ仕事を始めるのだった。
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