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斗真の場合05.ヤキモチ

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 次の日、三枝が目を覚ますと、斗真は部屋にいなかった。

一瞬、帰ってしまったのかと焦り心配したが、風呂からシャワーの音がする。ほっとした三枝は、斗真を待ってテレビをつけてみたが、朝のニュースはどれもつまらないものばかりだ。

何かおもしろい番組がないかと、そのままチャンネルボタンを適当に押していると、AVが映った。それは痴漢モノのようで、大画面に映し出された女性は、背後から男性に責められ喘いでいる。

その画面を見て、三枝はすぐに先日斗真と愉しんだ痴漢プレイを思い出した。周りに人がいる中、斗真の乳首を捏ね、摘まんで揉むことに背徳感と支配感が満たされた。背後から責めてやると、感度が増すのか、いい声で啼く。

そういえばと三枝は思いだしたが、伸也もそうだった。背後から責めてやると、とても気持ち良さそうに啼いていた。

普段女性のAVなど微塵も見ない三枝は、画面の女性の乳首が懐柔されるところに魅入っていた。もちろんそれは女性のものなので三枝は反応しないが、電車の周りの人々が、その行為に少し気付いているような感じを見るのが楽しかった。

暫く三枝がAV鑑賞をしていると、背後から声が掛かった。

「先生も、こういうの見るんだ……」

少しスネたような顔で、斗真が三枝と視線を合わせないまま、ガウン姿でベッドにうつ伏せに寝る。三枝はヤキモチをやく斗真が可愛くなり、ベッドを移って腰掛けると、髪を梳き、耳元にかかる髪を後ろに流してやりながら語りかける。

「このヤキモチ焼きめ……」

三枝は斗真の上に覆い被さると、耳と首筋にキスをし、舌を這わせた。斗真はヤキモチをやいてはいたが、そうされると、ピクッと身体が反応してしまう。

「……お、女の人がいいんでしょ……」

ぷいっと反対を向けた顔は少し赤くなり、白い肌に紅を差し始めた耳と首筋は、とても淫靡なものに見えた。

「違うよ……、斗真とした痴漢プレイを思い出してただけ……」

三枝がそう言いながら更に耳と首筋を舐め上げると、斗真は少し涙を瞳に浮かべ、言葉を紡ぐ。

「女の人のところに行っちゃうの怖い……、こういうの見てるって思うと泣きそうになる……」

「ごめん、ごめん……、本当に斗真とのこと思い出してただけだから……」

三枝はクシャッと髪をかき混ぜるように頭を撫でると、ガウンの首回りを引いて大きく後ろに開き、首から肩周りにキスの雨を降らせながら何度も舌で愛撫した。

「……んっ、……っ」

舐める度、斗真の身体がビクッと震える。三枝は感じ始めた斗真の耳元を舐めながら、支配欲を斗真にぶつけ始める。

「ねぇ斗真……、ここはホテルだけど、痴漢ごっこしない……?」

「……先生の変態、バカ……」

そう言い返した斗真の顔は、痴漢という言葉に反応し、既に色気を纏っていた。
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