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第三幕
⑨ 殿下、見直しましたわ!
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慰霊祭までの期日が押し迫ると、いよいよ帝城の緊張感が高まっていった。
公国の管轄区を一歩でも出れば、それまでは人と出会うことさえ珍しかった広い廊下を大勢の管理がばたばたと忙しそうに走り回っている。
慰霊祭や夜会でなんらかの仕事の受け持っている文官や侍女は言うに及ばず、直接は関与していない者にも何らかの仕事が割り振られている。
当日のタイムテーブルは綿密で根回しは精緻を極めており、それに基づいて準備が着々と進められている。
あとは当日に起こるであろうアクシデントに備えるだけで良い。
皇帝陛下より、2日と3日目の慰霊祭の予定変更が告げられたのは、これで完璧と儀典局の長が自信をもってうなずいた矢先のことだった。
※ ※ ※
「予定変更、でございますか?」
慰霊祭に向けて、儀礼に使う予定の衣装を合わせていたローランは試着室に飛び込んできたクララの言葉に目を丸くしていた。
「はい。2日目と3日目の予定が大きく変わることになったそうです。とりあえず、急いでこっちに戻って欲しいそうですよ」
クララの様子からして、ただ事では無い。
ローランは傍らであれこれと衣装にアクセサリを併せていた侍女にチラリと視線を送った。
「よろしいでしょうか?」
「ええ。あとは髪だけですから、これは後日でも大丈夫ですよ」
何かのっぴきならない事態が起こっていると察してくれたのだろう。あっさりとうなずいて、散らかっている部屋を片付け始めていく。
それを横目で見ながら、元の魔術師団の制服に着替えるとローランはクララと一緒に部屋を飛び出した。
来てすぐの頃は何度も何度も迷った帝城だが、ここのところは慰霊祭関係であちこちから呼び出しを受けているおかげですっかりと詳しくなっている。
いくつかの近道をクララと一緒に走り抜けて、いつもの会議室に飛び込むと魔術師団に加えて、久し振りに目にする騎士団の面々までが顔を揃えていた。
「セ、セバスティアン様。呼んできました!」
「ありがとうございます。しばらく、そこで休んでいても大丈夫ですよ」
息を切りながら告げるクララを労いながら、さっそくローランに向き直る。
「ローラン。クララから話は聞いているかと思いますが、慰霊祭の予定が大きく変わりそうです。いえ、それも問題なのですが、それよりもですね」
「いい。俺が言う」
珍しく歯切れが悪いセバスティアンの言葉をレオンハルトが横から奪い取る。
「ローラン。試練が前倒しになった。慰霊祭2日目の午後、だ」
「わかりました。試練の解放が2日目の午前から午後に変更でございますね」
帝冠の試練は、まず試練そのものを受けられる状態にするために試練堂が解放される。そこで帝冠に宿るという代々の皇帝から認められるために、様々な試練を受けていくのだ。
本来ならば新年に1度だけ解放されるのが習わしだが、この度の慰霊祭でも解放されることが決まっていた。それが2日目の午後だ。
筋書きとしては、こんな感じだ。
『祖霊の帰還という功績を立てたレオンハルトに皇帝が望みを問いかける。
それに対して、レオンハルトが新年までは待てないと試練堂の解放を願い出る。
皇帝はレオンハルトの心意気に応じ、それを認め優先的な挑戦権を与える。
最後にレオンハルトが最初に試練に挑む旨を、慰霊祭に参列する全ての人々に宣言して締めくくる』
2日目にはこれとは別に、慰霊祭の本来の行事である継天の儀も執り行われることになっているので、かなり大変だ。
「確かに2つとも午前中にでは少し無理がございますものね。承知いたしました」
2つまとめて午前中にというのではタイトなので、調整したのだろう。
進行役の典礼局は大変だろうが、参列する方は言われたままに動くだけだ。
どちらかというと、吉報の類いに思える。
そうローランは思ったのだが、それにしては集まった皆の表情は難しいままだった。
「ローラン。違います。それぐらいの予定変更なら、オーランド卿までここにお呼びしたりはいたしません」
やっぱり誤解したかという顔つきで、セバスティアンがローランの勘違いを指摘した。
「どういう意味ですか? やはり予定の変更は無しということなのでしょうか?」
「違うのです。変更になったのは試練堂の解放ではありません。試練そのものです」
「試練、でございますか? それは解放期限ギリギリまで粘るという方針だったはずですよね?」
帝冠の試練は1つ目が突破されると、次に2つ目と3つ目の試練の挑戦権も解放されることになっていた。
このため、あまり早く1つ目の試練を突破してしまうと、他の帝冠継承候補者に2つ目と3つ目を奪われてしまいかねないのだ。
さらに試練を突破しても、その証が本当の意味で帝冠継承候補者のものになるには時間がかかる。
この暫定期間の間は証の所有権は奪い取ることが出来る。
実際にこの隙を狙われることも珍しくないのだ。
せっかく獲得した1つ目の試練の証を守りつつ、2つ目3つ目に挑戦するなど不可能だ。せめて、どちらかに絞る必要がある。
このため、試練堂が閉ざされる直前に1つ目の試練に挑むというのが大まかな作戦だった。
「え? も、もしかして?」
「そういうことだ」
順立てて思考を進めていたローランは、はたと皆の顔色が悪い理由に思い当たった。
思わずレオンハルトの表情を伺うと、1人だけ妙にやる気に満ちあふれた顔をしている。
「慰霊祭の2日目の午前に試練堂が解放される。これは変更無しだ。そして、午前に行われる予定だった継天の儀は午後に後ろ倒しになる。だが、俺とローランはこれには出席しない」
「なぜならば、私と殿下は試練に挑まなくてはならないから……ということでございますか?」
ようやく、皆の顔色が悪い理由が理解出来た。
これでは段取りも何もあったものではない。
ほとんど、ぶっつけ本番だ。
「拒めば、3日目に予定されていた昇天の儀への参列は取り消しとなります。このような失態、帝冠継承候補者どころか公子としての立場も危うくなりましょう」
セバスティアンの言葉にそれまでじっと黙りこくっていたルドルフがむうとうなり声を上げた。
「逆に見事、試練を突破すれば3日目はこの慰霊祭に限って帝冠継承者の霊代として奉霊台へ昇ることを許される。これは陛下自ら、帝冠継承候補者の最上位として殿下を認めるに等しいのだ。ローラン殿」
皇帝ははっきりとレオンハルトにこう告げているのだ。
――見事、試練に打ち勝てば、後継者の最有力者として認めてやろう。
――ただし、試練から逃げれば帝冠はおろか貴族としても認めぬ。
と。
(陛下は殿下に輪をかけて意地悪ですわね……)
そんなことを思いつつも、実は悪い気はしていない。
どの道、試練には立ち向かわなくてはならないのだ。
それにこれは誰にも言えないことだが――
(きっと、スファレウスは殿下が獲得した1つ目を奪いにかかるでしょうね)
そんな予感がローランの中にあった。
そこで、おそらくアウグストとの因縁の決着がつく。
根拠は無いが、その確信があった。
そんなローランの思いをよそに、ヤル気満々のレオンハルトが全員に檄を飛ばしている。
「オーランド、騎士団にある魔術具はどうなっている? 目録を用意してくれ。使えるものは全て使う。クラウス、セバスティアンは本国に問い合わせてくれ。時間が無い。総力戦で挑むぞ。他の皆にも負担をかけることになるが、よろしく頼む」
「「「承知いたしました!」」」
レオンハルトの声に全員が勢いよく部屋から飛び出していく。
「ローランは魔術具の用意を頼んだ――どうした?」
レオンハルトのその一言で、意識が現実に引き戻される。
「承知……いたしましたわ、殿下」
そして、気がついてしまった。
リーズデールの策略により、いくら呪術具を作ってもタダ働きであるということに。
ぽつねんと部屋に残ったローランは皆が見えなくなってから、盛大なため息を吐き散らしてがっくりとうなだれた。
「おい、どうした。まさか、今頃になって臆したとかいうのではないだろうな?」
「こんな商機に何も出来ないだなんて……リーズデールさま、お恨み申し上げますわ」
小声でメソメソと嘆くローランにレオンハルトは、やっぱりこいつはコレかと同じようにがっくりとうなだれる。
「わかった。叔母上に取り直して、手間賃ぐらいはいただけるように交渉してやる。だから――」
「お任せくださいませ、殿下! 見直しましたわ!」
「ローラン、ちっとも嬉しくないぞ」
公国の管轄区を一歩でも出れば、それまでは人と出会うことさえ珍しかった広い廊下を大勢の管理がばたばたと忙しそうに走り回っている。
慰霊祭や夜会でなんらかの仕事の受け持っている文官や侍女は言うに及ばず、直接は関与していない者にも何らかの仕事が割り振られている。
当日のタイムテーブルは綿密で根回しは精緻を極めており、それに基づいて準備が着々と進められている。
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皇帝陛下より、2日と3日目の慰霊祭の予定変更が告げられたのは、これで完璧と儀典局の長が自信をもってうなずいた矢先のことだった。
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「予定変更、でございますか?」
慰霊祭に向けて、儀礼に使う予定の衣装を合わせていたローランは試着室に飛び込んできたクララの言葉に目を丸くしていた。
「はい。2日目と3日目の予定が大きく変わることになったそうです。とりあえず、急いでこっちに戻って欲しいそうですよ」
クララの様子からして、ただ事では無い。
ローランは傍らであれこれと衣装にアクセサリを併せていた侍女にチラリと視線を送った。
「よろしいでしょうか?」
「ええ。あとは髪だけですから、これは後日でも大丈夫ですよ」
何かのっぴきならない事態が起こっていると察してくれたのだろう。あっさりとうなずいて、散らかっている部屋を片付け始めていく。
それを横目で見ながら、元の魔術師団の制服に着替えるとローランはクララと一緒に部屋を飛び出した。
来てすぐの頃は何度も何度も迷った帝城だが、ここのところは慰霊祭関係であちこちから呼び出しを受けているおかげですっかりと詳しくなっている。
いくつかの近道をクララと一緒に走り抜けて、いつもの会議室に飛び込むと魔術師団に加えて、久し振りに目にする騎士団の面々までが顔を揃えていた。
「セ、セバスティアン様。呼んできました!」
「ありがとうございます。しばらく、そこで休んでいても大丈夫ですよ」
息を切りながら告げるクララを労いながら、さっそくローランに向き直る。
「ローラン。クララから話は聞いているかと思いますが、慰霊祭の予定が大きく変わりそうです。いえ、それも問題なのですが、それよりもですね」
「いい。俺が言う」
珍しく歯切れが悪いセバスティアンの言葉をレオンハルトが横から奪い取る。
「ローラン。試練が前倒しになった。慰霊祭2日目の午後、だ」
「わかりました。試練の解放が2日目の午前から午後に変更でございますね」
帝冠の試練は、まず試練そのものを受けられる状態にするために試練堂が解放される。そこで帝冠に宿るという代々の皇帝から認められるために、様々な試練を受けていくのだ。
本来ならば新年に1度だけ解放されるのが習わしだが、この度の慰霊祭でも解放されることが決まっていた。それが2日目の午後だ。
筋書きとしては、こんな感じだ。
『祖霊の帰還という功績を立てたレオンハルトに皇帝が望みを問いかける。
それに対して、レオンハルトが新年までは待てないと試練堂の解放を願い出る。
皇帝はレオンハルトの心意気に応じ、それを認め優先的な挑戦権を与える。
最後にレオンハルトが最初に試練に挑む旨を、慰霊祭に参列する全ての人々に宣言して締めくくる』
2日目にはこれとは別に、慰霊祭の本来の行事である継天の儀も執り行われることになっているので、かなり大変だ。
「確かに2つとも午前中にでは少し無理がございますものね。承知いたしました」
2つまとめて午前中にというのではタイトなので、調整したのだろう。
進行役の典礼局は大変だろうが、参列する方は言われたままに動くだけだ。
どちらかというと、吉報の類いに思える。
そうローランは思ったのだが、それにしては集まった皆の表情は難しいままだった。
「ローラン。違います。それぐらいの予定変更なら、オーランド卿までここにお呼びしたりはいたしません」
やっぱり誤解したかという顔つきで、セバスティアンがローランの勘違いを指摘した。
「どういう意味ですか? やはり予定の変更は無しということなのでしょうか?」
「違うのです。変更になったのは試練堂の解放ではありません。試練そのものです」
「試練、でございますか? それは解放期限ギリギリまで粘るという方針だったはずですよね?」
帝冠の試練は1つ目が突破されると、次に2つ目と3つ目の試練の挑戦権も解放されることになっていた。
このため、あまり早く1つ目の試練を突破してしまうと、他の帝冠継承候補者に2つ目と3つ目を奪われてしまいかねないのだ。
さらに試練を突破しても、その証が本当の意味で帝冠継承候補者のものになるには時間がかかる。
この暫定期間の間は証の所有権は奪い取ることが出来る。
実際にこの隙を狙われることも珍しくないのだ。
せっかく獲得した1つ目の試練の証を守りつつ、2つ目3つ目に挑戦するなど不可能だ。せめて、どちらかに絞る必要がある。
このため、試練堂が閉ざされる直前に1つ目の試練に挑むというのが大まかな作戦だった。
「え? も、もしかして?」
「そういうことだ」
順立てて思考を進めていたローランは、はたと皆の顔色が悪い理由に思い当たった。
思わずレオンハルトの表情を伺うと、1人だけ妙にやる気に満ちあふれた顔をしている。
「慰霊祭の2日目の午前に試練堂が解放される。これは変更無しだ。そして、午前に行われる予定だった継天の儀は午後に後ろ倒しになる。だが、俺とローランはこれには出席しない」
「なぜならば、私と殿下は試練に挑まなくてはならないから……ということでございますか?」
ようやく、皆の顔色が悪い理由が理解出来た。
これでは段取りも何もあったものではない。
ほとんど、ぶっつけ本番だ。
「拒めば、3日目に予定されていた昇天の儀への参列は取り消しとなります。このような失態、帝冠継承候補者どころか公子としての立場も危うくなりましょう」
セバスティアンの言葉にそれまでじっと黙りこくっていたルドルフがむうとうなり声を上げた。
「逆に見事、試練を突破すれば3日目はこの慰霊祭に限って帝冠継承者の霊代として奉霊台へ昇ることを許される。これは陛下自ら、帝冠継承候補者の最上位として殿下を認めるに等しいのだ。ローラン殿」
皇帝ははっきりとレオンハルトにこう告げているのだ。
――見事、試練に打ち勝てば、後継者の最有力者として認めてやろう。
――ただし、試練から逃げれば帝冠はおろか貴族としても認めぬ。
と。
(陛下は殿下に輪をかけて意地悪ですわね……)
そんなことを思いつつも、実は悪い気はしていない。
どの道、試練には立ち向かわなくてはならないのだ。
それにこれは誰にも言えないことだが――
(きっと、スファレウスは殿下が獲得した1つ目を奪いにかかるでしょうね)
そんな予感がローランの中にあった。
そこで、おそらくアウグストとの因縁の決着がつく。
根拠は無いが、その確信があった。
そんなローランの思いをよそに、ヤル気満々のレオンハルトが全員に檄を飛ばしている。
「オーランド、騎士団にある魔術具はどうなっている? 目録を用意してくれ。使えるものは全て使う。クラウス、セバスティアンは本国に問い合わせてくれ。時間が無い。総力戦で挑むぞ。他の皆にも負担をかけることになるが、よろしく頼む」
「「「承知いたしました!」」」
レオンハルトの声に全員が勢いよく部屋から飛び出していく。
「ローランは魔術具の用意を頼んだ――どうした?」
レオンハルトのその一言で、意識が現実に引き戻される。
「承知……いたしましたわ、殿下」
そして、気がついてしまった。
リーズデールの策略により、いくら呪術具を作ってもタダ働きであるということに。
ぽつねんと部屋に残ったローランは皆が見えなくなってから、盛大なため息を吐き散らしてがっくりとうなだれた。
「おい、どうした。まさか、今頃になって臆したとかいうのではないだろうな?」
「こんな商機に何も出来ないだなんて……リーズデールさま、お恨み申し上げますわ」
小声でメソメソと嘆くローランにレオンハルトは、やっぱりこいつはコレかと同じようにがっくりとうなだれる。
「わかった。叔母上に取り直して、手間賃ぐらいはいただけるように交渉してやる。だから――」
「お任せくださいませ、殿下! 見直しましたわ!」
「ローラン、ちっとも嬉しくないぞ」
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