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one day
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お嬢さんと出会って、もう2年になる。その出会いは、突然だったけど、必然だったのかもしれない。まだまだお嬢さんは、世間知らずだがそんな純粋な彼女に僕は、好感を持った。ある時、僕は彼女に聞いた。「この世界に来て帰りたいと思ったことあるかい?」と。すると彼女は、満面の笑みを浮かべてこう言った。「一度もないわ」と。
僕は、心なしか嬉しかった。理由はわからない。けれどお嬢さんが、まだここにいる。ここにいてくれるのだと思うと、自然と僕も笑みがこぼれた。そうだとすると、その期待こそが僕の気持ちなのかもしれない。
「ねぇ若、私たちってどうして、こんなこと始めたんだっけ?」
お嬢さんから質問を投げかけられた。僕は、覚えていたけれど、あえて「どうだったかなあ」なんて言って、はぐらかした。「ああ、嘘ついてるでしょその顔」そう言って、お嬢さんは、事務所から出て行ってしまった。怒ったからではない。気まぐれでお嬢さんはいつも、ふらっと出かけてしまうのだ。1人になった僕は、ふとお嬢さんとの出会いを思い返してみることにした。
僕は、心なしか嬉しかった。理由はわからない。けれどお嬢さんが、まだここにいる。ここにいてくれるのだと思うと、自然と僕も笑みがこぼれた。そうだとすると、その期待こそが僕の気持ちなのかもしれない。
「ねぇ若、私たちってどうして、こんなこと始めたんだっけ?」
お嬢さんから質問を投げかけられた。僕は、覚えていたけれど、あえて「どうだったかなあ」なんて言って、はぐらかした。「ああ、嘘ついてるでしょその顔」そう言って、お嬢さんは、事務所から出て行ってしまった。怒ったからではない。気まぐれでお嬢さんはいつも、ふらっと出かけてしまうのだ。1人になった僕は、ふとお嬢さんとの出会いを思い返してみることにした。
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