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5章
手がかりを探して 2
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クリスティーナと話していると、パーティの主役である皇子殿下が私たちのところにやってきた。白い軍服を身に付けていて、何やら華やかだ。
「顔色は悪くないようだな」
「お誕生日おめでとうございます、殿下。やらなければいけないことがたくさんあるので、疲れて夜もぐっすり眠れるのです」
喪服でこんなことを言っていると、誰かに陰口を言われそうだけど。
皇子殿下は私のそばに近寄り、「ひとつ忠告がある。クライトン家が、恐らくアイリーンを狙っているぞ」と耳元で囁いた。
クライトン家……間違いなく、私の両親だろう。
「どうして皇子殿下がそんなことを?」
「クライトン家が怪しいと報告があった。フリートウッド家は降爵に伴い皇室の監視が付くようになったせいで頼れなくなったうえ、皇室に入ったクリスティーナにはそう簡単に接触できない。アイリーンを売って手に入れた莫大な金を全て賭博で使い果たしたらしいから、アイリーンが伯爵家を継いだ情報を手に入れれば動機には充分だ」
「そうですね……」
あの人たちのことなんてすっかり忘れていた。領地経営の勉強だとか、やらなくちゃいけないことが多いっていうのに、余計なことを考えてくれるわ……。
「殿下がご存じならアドバイスをいただきたいのですけれど……両親を退けるためにはどうすれば?」
「一番いいのは帝国法で戦うことだ。裁判を起こせ。余が裁判官を務めてやる」
「ヒューが自ら??」
隣でクリスティーナが驚いている。どういうことなのかしらと首を傾げると、クリスティーナは興奮気味に続けた。
「ヒューは帝国法を専門に学んでいる法律学者でもあるのよ。裁判官の資格も持っているのだけれど、自ら裁判を取り仕切ることは稀なの」
「それって大ごとですか??」
「それだけ、アイリーンの味方になりたいということよね?」
クリスティーナが皇子殿下に詰め寄ると、「未亡人にたかる輩を許しておけるか」と皇子殿下は気まずそうに言う。いや、心強いけれどなんだか申し訳ないというか畏れ多いというか。
「父上にも相談し、有利になりそうな証拠を各所から集めてもらっている。絶対に負けないようにしてやるから安心しろ。アイリーンが身代わり姫だということは皇室の外には漏らせない故、皇室が全面的に動くことになる」
「ありがとうございます……」
「気にするな。父上が撒いた種だ」
小さく「はい」とうなずくと、皇子殿下は別の集団のところに向かった。
なんとなく手持ち無沙汰で、私はクリスティーナと一緒に会場で配られている果実酒をいただくことにする。
会場は皇子殿下の謁見の間を使っていて、使用人がトレイを持ってフィンガーフードやドリンクを配っていた。ところどころに甲冑を着た兵士が護衛のために立っているけれど、こういう場での警備って何をするのかしら?
そんな風に会場を見回していたら、一人で来ているらしい男性と目が合い、ウィンクを飛ばされた。
「未亡人に色目を使う方って、どうなのかしら」
私がクリスティーナにだけ聞こえる声で言うと、「アイリーンの美貌に抗えないのね。喪服が美人を引き立てて背徳的なのもよくないわ」とクリスティーナは私の恰好を眺める。
ウィンクをしてきたどこぞの貴族らしい男性は、そのままこちらに向かってきた。
「はじめまして。もしや、オルブライト伯爵夫人では?」
「……はあ」
明らかに嫌そうな顔を浮かべてみる。目の前の男はカールのかかった髪を揺らしながら、私を興味深く見つめていた。喪服でお酒を飲んでいるのが急に後ろめたくなってきて視線が泳ぐ。
「お噂はかねがね」
そう言って男性は黒いグローブをはめた私の手を取り、甲に口づけた。
挨拶だと分かっていても、男の人に触れられるのは布越しだろうと本当に嫌。
「噂ですか。わたくしが稀代の悪女だと?」
握られている手を思い切り引いて男性の手から逃げる。
「このようなところにいらっしゃるということは、次のオルブライト伯爵を探しに来たのですか?」
逃げたと思ったのに腰を抱かれた。
「ちょっと、何をっ」
抵抗しても身体が逃れられない。男性は私の飲みかけだった果実酒を奪い、一気に飲み干した。
クリスティーナもあっけに取られているし、こんなところを周りに見られたらまた変な噂が立つ……。
困っていると、目の前に何かが横切った。
甲冑の兵士が男性を床に放り、私の前に立っている。どうやら警備が駆け付けてくれたらしい。
私の視界には甲冑……銀色の塊しか見えなくなった。
皇子殿下の誕生パーティだというのに貴族男性が床に放られていて、周りがざわざわし始める。
「何をするのですか! 私はただ夫人に話しかけていただけです」
男性が喚く。甲冑の兵士は何も言わずに立ち尽くしていた。
「わたくしは、あなたが彼女に抱きついたのを見たわ。おおごとにしたくなかったら、さっさと立ち去りなさい!」
後ろからクリスティーナが転がっている男性に向かって声を上げる。
「妃殿下! ありがとうございます!」
思わず、クリスティーナの方を見て周囲の注目をこちらに向かせた。ここは公の場だから、皇室相手となると男性は分が悪い。
男性は妃殿下と聞いてまずいと思ったのか、立ち上がって静かに会場の出口に向かっていった。クリスティーナは周りの方々から拍手を送られ、勇敢さを称えられている。
目の前に立っていた兵士は、男性が会場から去ったのを見届けてこちらを振り返った。
兜の中を見ることはできなくて、目が合っているのかも分からない。
「ありがとうございました。助かりました」
なんとなく目がありそうなところに目線を合わせて微笑む。
甲冑の兵士は急に手をバタバタとさせ、ガチャガチャと金属の音を立てた。
ひとしきり慌てたあと、敬礼をして廊下の方に走って出て行ってしまう。
任務中ではなかったの? ここの警備は……いいのかしら。
「アイリーン、あなた、無差別に男性を魅了しているわね」
後ろからクリスティーナの小声が私を責める。
暫く誰にも使っていなかった私の「微笑み」には、それなりに効き目があるらしい。
「好きな人を相手にしないと、魅了なんて空しいだけです」
「そうね。喪が明けたら好きな人を魅了するのがいいわ」
「好きな人……」
そう言われても、ユリシーズ以外に思い浮かばない。
ユリシーズに対しては、微笑みを向けて反応を楽しんでいたのよね。
ディエスは「ああ、アイリーン!! 好きです!」と言って興奮しながら抱きついてくるか、失神してしまうこともあった。ノクスは「お前……さては、誘っているな?」と言いながら私を抱きしめて頬をスリスリとこすりつけて来て、その後でうっとりとしてくれる。
昼と夜で反応が違うのは面白かったな、なんて、まるで懐かしい思い出みたいだ。ユリシーズと過ごした日々が、どんどん過去の出来事になっていく。
これから両親と裁判をすることになるはずだけれど、どうして大好きな人を失った私から、金銭を奪おうとするのかしら。
お父様やお母様には、愛も情も存在しないのかもしれない。
だから、ユリシーズを失ってしまった私のことも、遺産を継いでお金を得たようにしか見えないのだわ。
なんて……可哀想な人たち。
「クリスティーナ……私、ようやく実の両親と戦う決意ができました」
「偉いわ……。どんな些細なことでもわたくしやヒューを頼ってね」
「はい。では、もし両親からたかられるようなことが起きたら……またこちらに来てクリスティーナに慰めてもらいます」
両親は、オルブライト家の財産を使い果たすことでも計画しているのだろう。
ここで退けておかないと、恐らく一生つきまとわれてしまう。
人狼のみんなを守るためにも、裁判には負けられない。
「顔色は悪くないようだな」
「お誕生日おめでとうございます、殿下。やらなければいけないことがたくさんあるので、疲れて夜もぐっすり眠れるのです」
喪服でこんなことを言っていると、誰かに陰口を言われそうだけど。
皇子殿下は私のそばに近寄り、「ひとつ忠告がある。クライトン家が、恐らくアイリーンを狙っているぞ」と耳元で囁いた。
クライトン家……間違いなく、私の両親だろう。
「どうして皇子殿下がそんなことを?」
「クライトン家が怪しいと報告があった。フリートウッド家は降爵に伴い皇室の監視が付くようになったせいで頼れなくなったうえ、皇室に入ったクリスティーナにはそう簡単に接触できない。アイリーンを売って手に入れた莫大な金を全て賭博で使い果たしたらしいから、アイリーンが伯爵家を継いだ情報を手に入れれば動機には充分だ」
「そうですね……」
あの人たちのことなんてすっかり忘れていた。領地経営の勉強だとか、やらなくちゃいけないことが多いっていうのに、余計なことを考えてくれるわ……。
「殿下がご存じならアドバイスをいただきたいのですけれど……両親を退けるためにはどうすれば?」
「一番いいのは帝国法で戦うことだ。裁判を起こせ。余が裁判官を務めてやる」
「ヒューが自ら??」
隣でクリスティーナが驚いている。どういうことなのかしらと首を傾げると、クリスティーナは興奮気味に続けた。
「ヒューは帝国法を専門に学んでいる法律学者でもあるのよ。裁判官の資格も持っているのだけれど、自ら裁判を取り仕切ることは稀なの」
「それって大ごとですか??」
「それだけ、アイリーンの味方になりたいということよね?」
クリスティーナが皇子殿下に詰め寄ると、「未亡人にたかる輩を許しておけるか」と皇子殿下は気まずそうに言う。いや、心強いけれどなんだか申し訳ないというか畏れ多いというか。
「父上にも相談し、有利になりそうな証拠を各所から集めてもらっている。絶対に負けないようにしてやるから安心しろ。アイリーンが身代わり姫だということは皇室の外には漏らせない故、皇室が全面的に動くことになる」
「ありがとうございます……」
「気にするな。父上が撒いた種だ」
小さく「はい」とうなずくと、皇子殿下は別の集団のところに向かった。
なんとなく手持ち無沙汰で、私はクリスティーナと一緒に会場で配られている果実酒をいただくことにする。
会場は皇子殿下の謁見の間を使っていて、使用人がトレイを持ってフィンガーフードやドリンクを配っていた。ところどころに甲冑を着た兵士が護衛のために立っているけれど、こういう場での警備って何をするのかしら?
そんな風に会場を見回していたら、一人で来ているらしい男性と目が合い、ウィンクを飛ばされた。
「未亡人に色目を使う方って、どうなのかしら」
私がクリスティーナにだけ聞こえる声で言うと、「アイリーンの美貌に抗えないのね。喪服が美人を引き立てて背徳的なのもよくないわ」とクリスティーナは私の恰好を眺める。
ウィンクをしてきたどこぞの貴族らしい男性は、そのままこちらに向かってきた。
「はじめまして。もしや、オルブライト伯爵夫人では?」
「……はあ」
明らかに嫌そうな顔を浮かべてみる。目の前の男はカールのかかった髪を揺らしながら、私を興味深く見つめていた。喪服でお酒を飲んでいるのが急に後ろめたくなってきて視線が泳ぐ。
「お噂はかねがね」
そう言って男性は黒いグローブをはめた私の手を取り、甲に口づけた。
挨拶だと分かっていても、男の人に触れられるのは布越しだろうと本当に嫌。
「噂ですか。わたくしが稀代の悪女だと?」
握られている手を思い切り引いて男性の手から逃げる。
「このようなところにいらっしゃるということは、次のオルブライト伯爵を探しに来たのですか?」
逃げたと思ったのに腰を抱かれた。
「ちょっと、何をっ」
抵抗しても身体が逃れられない。男性は私の飲みかけだった果実酒を奪い、一気に飲み干した。
クリスティーナもあっけに取られているし、こんなところを周りに見られたらまた変な噂が立つ……。
困っていると、目の前に何かが横切った。
甲冑の兵士が男性を床に放り、私の前に立っている。どうやら警備が駆け付けてくれたらしい。
私の視界には甲冑……銀色の塊しか見えなくなった。
皇子殿下の誕生パーティだというのに貴族男性が床に放られていて、周りがざわざわし始める。
「何をするのですか! 私はただ夫人に話しかけていただけです」
男性が喚く。甲冑の兵士は何も言わずに立ち尽くしていた。
「わたくしは、あなたが彼女に抱きついたのを見たわ。おおごとにしたくなかったら、さっさと立ち去りなさい!」
後ろからクリスティーナが転がっている男性に向かって声を上げる。
「妃殿下! ありがとうございます!」
思わず、クリスティーナの方を見て周囲の注目をこちらに向かせた。ここは公の場だから、皇室相手となると男性は分が悪い。
男性は妃殿下と聞いてまずいと思ったのか、立ち上がって静かに会場の出口に向かっていった。クリスティーナは周りの方々から拍手を送られ、勇敢さを称えられている。
目の前に立っていた兵士は、男性が会場から去ったのを見届けてこちらを振り返った。
兜の中を見ることはできなくて、目が合っているのかも分からない。
「ありがとうございました。助かりました」
なんとなく目がありそうなところに目線を合わせて微笑む。
甲冑の兵士は急に手をバタバタとさせ、ガチャガチャと金属の音を立てた。
ひとしきり慌てたあと、敬礼をして廊下の方に走って出て行ってしまう。
任務中ではなかったの? ここの警備は……いいのかしら。
「アイリーン、あなた、無差別に男性を魅了しているわね」
後ろからクリスティーナの小声が私を責める。
暫く誰にも使っていなかった私の「微笑み」には、それなりに効き目があるらしい。
「好きな人を相手にしないと、魅了なんて空しいだけです」
「そうね。喪が明けたら好きな人を魅了するのがいいわ」
「好きな人……」
そう言われても、ユリシーズ以外に思い浮かばない。
ユリシーズに対しては、微笑みを向けて反応を楽しんでいたのよね。
ディエスは「ああ、アイリーン!! 好きです!」と言って興奮しながら抱きついてくるか、失神してしまうこともあった。ノクスは「お前……さては、誘っているな?」と言いながら私を抱きしめて頬をスリスリとこすりつけて来て、その後でうっとりとしてくれる。
昼と夜で反応が違うのは面白かったな、なんて、まるで懐かしい思い出みたいだ。ユリシーズと過ごした日々が、どんどん過去の出来事になっていく。
これから両親と裁判をすることになるはずだけれど、どうして大好きな人を失った私から、金銭を奪おうとするのかしら。
お父様やお母様には、愛も情も存在しないのかもしれない。
だから、ユリシーズを失ってしまった私のことも、遺産を継いでお金を得たようにしか見えないのだわ。
なんて……可哀想な人たち。
「クリスティーナ……私、ようやく実の両親と戦う決意ができました」
「偉いわ……。どんな些細なことでもわたくしやヒューを頼ってね」
「はい。では、もし両親からたかられるようなことが起きたら……またこちらに来てクリスティーナに慰めてもらいます」
両親は、オルブライト家の財産を使い果たすことでも計画しているのだろう。
ここで退けておかないと、恐らく一生つきまとわれてしまう。
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