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3章
視察
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最初に到着したのは、あまり大きくない村だった。
村民と私たち一行が同じくらいの人数なのではないかというくらいの場所で、店らしい店も見当たらない。
ここに連れてきて何を見せるつもりかしらと不安になってくる。
「折角ですから、普段あまり馴染みのなさそうなところをお見せしようと思います」
ユリシーズはそう言って丘陵にある村を歩く。
鶏が飼われていたり、その向こうには羊の群れが見えた。
「ここはいわゆる農村というところです。森林から適度に木を伐採したり、動物を飼ったり、畑を整備したりしているのですが、そのために川の水をうまく貯水できるようにしており、ここより下流で起きやすい川の氾濫を防いでいます」
「そうなのですか?」
「川が氾濫するたびに橋が落ちては整備にかかるお金は馬鹿になりませんが、上流にある農村で工夫をするだけで防げる災害というのもあるのですよ」
へえー。初めて知ったわ。農村って、ただ農業をするだけじゃないのね。
「オルブライト伯爵は、なぜその様なことを知っているのですか?」
ローレンスが純粋に尋ねているから、私も気になる。
「私の先祖が公共工事や町の整備に力を入れておりまして、その恩恵を受けているだけです」
「公爵家では一般的な知識ではないの?」
私が公爵家のことを尋ねるのは不自然かしら。まあ、ローレンスだって私が身代わりなことくらい知っているのだからこのくらい普通かしらね。
「こういった知識は専門の者に任せているので、詳しいことは分かりません」
退屈そうな護衛の方々の表情は見なかったことにするとして、ローレンスは感嘆の声を上げながら農村内を歩いていた。
「自然というのはそのままにしていても美しく保つのは困難で、こうして人の手が入っている方がいいのですよ」
「伯爵は、博識なのですね」
「いえ。妻と出会ってからは初めて知ることばかりです」
そこで私を引き合いに出されると、途端に愚かな領主感が出るから止めた方が良いと思うのだけれど。
私が日傘を差しながらユリシーズを見直したり見直さなかったりしていると、囲いの中で鶏に餌やりをしていた麦わら帽子を被った中年男性がこちらを見ていた。
「伯爵様! どうされたのですか?!」
「妻と義弟を連れて領地内を回っているのです」
「はあー、それで大層な人数なのですね」
この護衛の半分以上は領主様を狙っているのよ、うふふ、と言いたくなる。
すると、中年男性と目が合った。
「まさか、奥様でいらっしゃいますか??」
「ええ、はい」
日に焼けた顔に向かって笑顔で答えると、中年男性は目を丸くして驚いていた。
「伯爵様ともなると、えらい別嬪さんとご結婚されるのですねえ」
「自慢の妻なのですよ」
ユリシーズは私の手をとって、仲のいい夫婦をアピールした。
そこに執事のバートレットが割りこむ。
「最近なかなか状況をおうかがいできておりませんでしたが、何かお困りのことはございませんか?」
「ああー羊や鶏が狼にやられて、数が減っちまったんですよお」
「そうですか……わたくしが村に留まることができれば、狼を追い払うことができるのですが……」
バートレットは額に手を当てて難しい顔をすると、「あとで手配をしておきます」と中年男性に約束をしていた。人狼が狼を追い払うのだろうか。どうやって狼の被害をふせぐのかしら。
「害獣被害にも個別で対応しているのですか?」
「ええ、獣の被害は生活と安全に繋がりますので」
バートレットは当然と言った風で、私は驚くばかり。そんなことまでしていたら大変だと思うのだけれど。
「獣と人が、うまく住処を分けて暮らしていける領地を目指しております」
バートレットをフォローするようにユリシーズが言った。
ローレンスはこれまで見てきた無関心な態度とは一変して、小さな村で目を輝かせている。
もしかすると無関心だったわけではなく、こうやって外を見てみたかったのかもしれない。
農村から移動して、次は町に向かう。
護衛の人たちは予想外の移動が続いてしまってだるいのだろうなというのが薄っすらと漂っているけれど、あなたのところの王子様が行きたい場所なのだから観念して頑張るしかないわね。
今のところ、ユリシーズや私に危害が及んだり、及びそうになったりというのはしていない。
それよりも今日の夜が問題なのよね。
「ねえ、明日は新月じゃなかった?」
「ええ、そうですね」
馬車に乗り込んでユリシーズに尋ねると、のほほんと答えられた。
「ってことは、今日の夜に生き血を飲まないと明日は狼になっちゃうのでしょう?」
「そうですね」
「旅の真っただ中でどうするつもり??」
家から出て来てしまったから、出先で生き血を手に入れるとなったら動物を狩るか、目の前で絞めてもらうしかない。
ユリシーズだけでなくバートレットとシンシアも狼になってしまうのだから、明日もどこかに泊まるとなったら狼が三匹宿に留まることになる。
狼が三匹……。
「アイリーン、どうしました? 狼を思い浮かべて何か思うことでも?」
「なんで分かっ……いえいえ、狼が三匹並んでいるのを見たいと思ったのだけれど、実際は色々と困るのでしょう?」
「まあ、困ると言えば困りますね。姿を隠していなければなりませんし」
「そうよね」
「意思疎通のために喋る時にはワンワン言うことになりますから、見つかりやすくなるかもしれませんし」
「みんなでワンワン言うのね」
「いつになく目を輝かせていませんか?」
「だって絶対かわいい……」
ユリシーズ曰く、私の目は輝いていたらしい。
だって狼がワンワン言いながら話し合っているのとか見たいじゃないのー。
「バートレットはどう思いますか?」
「生き血を調達するのは困難でしょうから、一日だけの辛抱だと割り切って部屋に籠るしかございませんね。明日の宿は4人部屋を取るしかないでしょう」
「すごい! 明日は全員で一緒の部屋ね。狼が三匹」
「奥様、三匹の狼に何か思い入れでもあるのですか?」
狼を思い浮かべてドキドキの私に、シンシアが不思議そうに尋ねる。
「室内での多頭飼いって憧れだったの」
「わたくしは奥様に飼われた覚えはございません」
「バートレット様、奥様は女主人様なのですから、ご主人様です! つまり飼い主も同然ではないでしょうか?」
「バートレット、アイリーンは女主人だ」
あ、そっか。多頭飼いみたいな夜になるのが楽しみっていう意味だったのだけれど、私が三人のご主人様ぶっていると思われたのね。
「ごめんなさい、バートレット。多頭飼いってそういう意味じゃないの。ただ、狼が三匹もいたら視界にいっぱい狼がいて嬉しいなっていう意味で」
「遠慮しないでください、アイリーン。私は貴女の犬です」
「そうです、奥さま。いくらでも飼い主ぶってくださいませ!」
「おやめくださいご主人様! オルブライト家の当主で族長のあなたがなんと軽薄な!」
家の主人と飼い犬の主人が紛らわしいというのはあるけれど、妻の犬を宣言する領主というのはなかなかに痛々しい。
「軽薄ではない! 妻に服従して振り回されたいだけだ」
「ユリシーズ、めっ」
「アイリーン……その𠮟り方、好きです」
「ご主人様……」
バートレットが頭を抱えている。そろそろ公爵家の護衛が何か行動を起こしてもおかしくないと思っているけれど、そちらはどうなっているのかしら。
村民と私たち一行が同じくらいの人数なのではないかというくらいの場所で、店らしい店も見当たらない。
ここに連れてきて何を見せるつもりかしらと不安になってくる。
「折角ですから、普段あまり馴染みのなさそうなところをお見せしようと思います」
ユリシーズはそう言って丘陵にある村を歩く。
鶏が飼われていたり、その向こうには羊の群れが見えた。
「ここはいわゆる農村というところです。森林から適度に木を伐採したり、動物を飼ったり、畑を整備したりしているのですが、そのために川の水をうまく貯水できるようにしており、ここより下流で起きやすい川の氾濫を防いでいます」
「そうなのですか?」
「川が氾濫するたびに橋が落ちては整備にかかるお金は馬鹿になりませんが、上流にある農村で工夫をするだけで防げる災害というのもあるのですよ」
へえー。初めて知ったわ。農村って、ただ農業をするだけじゃないのね。
「オルブライト伯爵は、なぜその様なことを知っているのですか?」
ローレンスが純粋に尋ねているから、私も気になる。
「私の先祖が公共工事や町の整備に力を入れておりまして、その恩恵を受けているだけです」
「公爵家では一般的な知識ではないの?」
私が公爵家のことを尋ねるのは不自然かしら。まあ、ローレンスだって私が身代わりなことくらい知っているのだからこのくらい普通かしらね。
「こういった知識は専門の者に任せているので、詳しいことは分かりません」
退屈そうな護衛の方々の表情は見なかったことにするとして、ローレンスは感嘆の声を上げながら農村内を歩いていた。
「自然というのはそのままにしていても美しく保つのは困難で、こうして人の手が入っている方がいいのですよ」
「伯爵は、博識なのですね」
「いえ。妻と出会ってからは初めて知ることばかりです」
そこで私を引き合いに出されると、途端に愚かな領主感が出るから止めた方が良いと思うのだけれど。
私が日傘を差しながらユリシーズを見直したり見直さなかったりしていると、囲いの中で鶏に餌やりをしていた麦わら帽子を被った中年男性がこちらを見ていた。
「伯爵様! どうされたのですか?!」
「妻と義弟を連れて領地内を回っているのです」
「はあー、それで大層な人数なのですね」
この護衛の半分以上は領主様を狙っているのよ、うふふ、と言いたくなる。
すると、中年男性と目が合った。
「まさか、奥様でいらっしゃいますか??」
「ええ、はい」
日に焼けた顔に向かって笑顔で答えると、中年男性は目を丸くして驚いていた。
「伯爵様ともなると、えらい別嬪さんとご結婚されるのですねえ」
「自慢の妻なのですよ」
ユリシーズは私の手をとって、仲のいい夫婦をアピールした。
そこに執事のバートレットが割りこむ。
「最近なかなか状況をおうかがいできておりませんでしたが、何かお困りのことはございませんか?」
「ああー羊や鶏が狼にやられて、数が減っちまったんですよお」
「そうですか……わたくしが村に留まることができれば、狼を追い払うことができるのですが……」
バートレットは額に手を当てて難しい顔をすると、「あとで手配をしておきます」と中年男性に約束をしていた。人狼が狼を追い払うのだろうか。どうやって狼の被害をふせぐのかしら。
「害獣被害にも個別で対応しているのですか?」
「ええ、獣の被害は生活と安全に繋がりますので」
バートレットは当然と言った風で、私は驚くばかり。そんなことまでしていたら大変だと思うのだけれど。
「獣と人が、うまく住処を分けて暮らしていける領地を目指しております」
バートレットをフォローするようにユリシーズが言った。
ローレンスはこれまで見てきた無関心な態度とは一変して、小さな村で目を輝かせている。
もしかすると無関心だったわけではなく、こうやって外を見てみたかったのかもしれない。
農村から移動して、次は町に向かう。
護衛の人たちは予想外の移動が続いてしまってだるいのだろうなというのが薄っすらと漂っているけれど、あなたのところの王子様が行きたい場所なのだから観念して頑張るしかないわね。
今のところ、ユリシーズや私に危害が及んだり、及びそうになったりというのはしていない。
それよりも今日の夜が問題なのよね。
「ねえ、明日は新月じゃなかった?」
「ええ、そうですね」
馬車に乗り込んでユリシーズに尋ねると、のほほんと答えられた。
「ってことは、今日の夜に生き血を飲まないと明日は狼になっちゃうのでしょう?」
「そうですね」
「旅の真っただ中でどうするつもり??」
家から出て来てしまったから、出先で生き血を手に入れるとなったら動物を狩るか、目の前で絞めてもらうしかない。
ユリシーズだけでなくバートレットとシンシアも狼になってしまうのだから、明日もどこかに泊まるとなったら狼が三匹宿に留まることになる。
狼が三匹……。
「アイリーン、どうしました? 狼を思い浮かべて何か思うことでも?」
「なんで分かっ……いえいえ、狼が三匹並んでいるのを見たいと思ったのだけれど、実際は色々と困るのでしょう?」
「まあ、困ると言えば困りますね。姿を隠していなければなりませんし」
「そうよね」
「意思疎通のために喋る時にはワンワン言うことになりますから、見つかりやすくなるかもしれませんし」
「みんなでワンワン言うのね」
「いつになく目を輝かせていませんか?」
「だって絶対かわいい……」
ユリシーズ曰く、私の目は輝いていたらしい。
だって狼がワンワン言いながら話し合っているのとか見たいじゃないのー。
「バートレットはどう思いますか?」
「生き血を調達するのは困難でしょうから、一日だけの辛抱だと割り切って部屋に籠るしかございませんね。明日の宿は4人部屋を取るしかないでしょう」
「すごい! 明日は全員で一緒の部屋ね。狼が三匹」
「奥様、三匹の狼に何か思い入れでもあるのですか?」
狼を思い浮かべてドキドキの私に、シンシアが不思議そうに尋ねる。
「室内での多頭飼いって憧れだったの」
「わたくしは奥様に飼われた覚えはございません」
「バートレット様、奥様は女主人様なのですから、ご主人様です! つまり飼い主も同然ではないでしょうか?」
「バートレット、アイリーンは女主人だ」
あ、そっか。多頭飼いみたいな夜になるのが楽しみっていう意味だったのだけれど、私が三人のご主人様ぶっていると思われたのね。
「ごめんなさい、バートレット。多頭飼いってそういう意味じゃないの。ただ、狼が三匹もいたら視界にいっぱい狼がいて嬉しいなっていう意味で」
「遠慮しないでください、アイリーン。私は貴女の犬です」
「そうです、奥さま。いくらでも飼い主ぶってくださいませ!」
「おやめくださいご主人様! オルブライト家の当主で族長のあなたがなんと軽薄な!」
家の主人と飼い犬の主人が紛らわしいというのはあるけれど、妻の犬を宣言する領主というのはなかなかに痛々しい。
「軽薄ではない! 妻に服従して振り回されたいだけだ」
「ユリシーズ、めっ」
「アイリーン……その𠮟り方、好きです」
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バートレットが頭を抱えている。そろそろ公爵家の護衛が何か行動を起こしてもおかしくないと思っているけれど、そちらはどうなっているのかしら。
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