24 / 134
1章
これは危険な予感
しおりを挟む
「アイリーン」
「ノクス……」
「昨日はよくも寝かしつけてくれたな」
部屋に一緒にいる間に突然ノクスに切り替わった。
私は椅子に座って食後の読書をしていたところ。ユリシーズは向かいにいる。
外はいつの間にか陽が沈んでいて、部屋は燭台の上にあるロウソクのお陰で明るい。
ユリシーズには獣の耳と尻尾が生えていた。
「寝かしつけたんじゃないわ、撫でていただけよ」
「気付いたら朝だったんだぞ」
寝てしまった記憶がないのね。
随分寝つきがよかったけれど。
「それにしても、ディエスのやつがアイリーンにやたらマーキングしてるな」
「えっ?!」
「昼間にくっついていたみたいだったが、丁寧に首や耳元にマーキングしてある。相手が動物だったり人狼でもなければ気付かないだろうが、俺は不快で仕方ない」
「ディエスがっていうけれど、あなたでしょ」
「俺はユリシーズだが、ディエスじゃない」
お互いライバル意識があるのね。その感覚がちょっと理解できていないのだけれど。
「ディエスのやつ、アイリーンの匂いを覚えたな」
「そうなの?」
「アイリーンの匂いの情報が記憶されてる、パートナーとして」
「いいじゃない、それはそれで」
「良くない。クリスティーナに再会したら、記憶が蘇ってアイリーンを噛み殺すかもしれない」
どういうこと? なんでクリスティーナ姫と再会したら私が?
「今はパートナーにアイリーンが記憶されているが、記憶が呼び戻されるのはよくある。伴侶の振りをされたと気づかれたら、認めていない相手を殺すかもしれない」
「そんなことするかしら、あのディエスが」
「ディエスがただの優男だとでも思っているのか? 戦場で人を殺し続けたのは俺じゃなくディエスだぞ?」
なるべく、考えないようにしていた。
ディエスの「死神伯」の顔について。
「クリスティーナ姫は私として生きているけれど、再会して分かるかしら?」
「一度決めた伴侶は覆せない」
「じゃあ、ディエスはクリスティーナ姫しか伴侶にできないってこと?」
「恐らくな」
「そんな……」
「ディエスが勝手にクリスティーナに執着したんだ」
「私、ディエスも幸せにしたい。ノクスだけじゃなく」
私が言うと、ノクスは嫌そうな顔を浮かべて息を吐く。
「アイリーンは、ディエスと俺を同一人物だと思っているんだろうが、意識が違う時点で俺たちは別人だ」
「でも、どちらも私の夫でしょう?」
「まあ……」
「それなら、やっぱり無視はできないわ」
「お前は優しいな、アイリーン」
別に私は優しいわけじゃない。
昼も夜も一緒にいる同じ顔の夫が、時間帯で様子を変えるだけなら受け入れたい。
それに、ユリシーズの妻という立場を失ったら私にはもう何もないのだから、これはきっと保身なのだと思う。
「こんな変な家に嫁がされて、昼と夜の顔を持つ夫を持ったっていうのに」
「誰にだって、別の顔はあるでしょう?」
「怖くないのか? 死神伯で人狼の俺が」
「実感がないわ」
「ふうん」
ユリシーズには、恐らく人間とは違う力がある。
人狼の恐ろしさも、私はまだよく知らない。
「クリスティーナとディエスを会わせるな。何が起きるか分からない」
「……私に止められるかしら。ユリシーズが宮廷に呼ばれて、偶然会ったりしない?」
「ユリシーズがクリスティーナに近づくような機会があれば、阻止しろ」
ノクスは、私の身を案じてクリスティーナ姫とディエスを再会させないようにと忠告をした。
「そうね。アイリーンとして生きるクリスティーナ姫に心を奪われたら、私も困るから」
「妬ける言い分だな」
ノクスは急に真剣な目をこちらに向けて立ち上がった。
何?! と思って思わず身構えると椅子から私を抱え上げて歩き始める。
「ちょっと、何? 下ろして!」
連れて行かれそうで、足をバタバタさせて抵抗する。
ノクスは全く動じずに私を運んでベッドに投げるように放った。
「きゃ」
勢いよく身体が沈み、軽く跳ね返る。
その動きを封じるように、ユリシーズーーノクスが覆いかぶさってきた。
「……ノクス?」
「俺はディエスのものみたいな匂いがするアイリーンは嫌だ」
「ディエスって、あなたでもあるのよ? ユリシーズ」
「俺はディエスじゃない」
いつになく悲しそうな声を聞くと、どうしたらいいのか分からなくなる。
ディエスを拒絶してノクスにだけ妻らしく振舞う約束なんてできないし、私はディエスもノクスもユリシーズだと思ってしまうから。
「ノクスのこと悲しませたくないけれど、ディエスも大事だもの」
「嫌だ」
「……難しいわ」
どうしたらいいのか分からない。
だって、私がここに嫁いだのも、ディエスがクリスティーナ姫を望んだからなのだから。
「ノクスは、私と結婚したくなかったんでしょ?」
「クリスティーナとは結婚したくなかった。アイリーンに出会ったらすぐに求婚したはずだ」
「そんな……」
ああどうしよう、胸が苦しい。
ノクスが私のことを好きなのだと思うと、嬉しくて堪らないし……。
「私のなにがそんなに良かったの?」
「見た目も匂いも、声もいい」
「性格は相手を選ぶ基準にならないのね」
「性格は匂いに出るからな。いい匂いがする女はいい女なんだ」
「ふうん」
ディエスも私を抱きしめながら「いい匂い」って嗅いでいたし、どうやらいい匂いの部分は確からしい。よく分からない。
「見た目だけど、本当は金髪なの」
「髪は金色の方が似合いそうだな。アイリーンは美人でなまめかしいのがいい」
「なまめかしい?!」
「男にとって魅力的ってことだ」
「なんだか素直に喜べない」
ノクスは私の脇の下から腰骨までをなぞるようにした。
別に男性に好かれたいと思っていたわけじゃないし、そんなのを望んだつもりはない。
「惹かれるのは魅力的な相手だ。パートナーとして、ずっと生きていきたいと思えるような、美しい女がいい」
「クリスティーナ姫は違ったの?」
「虫唾が走る。あんな女」
見た目だけで言えば、クリスティーナ姫と私はかなり似ている。
一緒に歩いていたら双子だと思われてもおかしくないくらいだ。
ノクスは違いが分かるのだろうか。
「まあ、実際に出会っているのはディエスだから、俺はうっすらしか記憶にない。でも、クリスティーナは全然好みじゃないし嫌いなタイプだ」
「私とそっくりじゃない?」
「似てねえ! アイリーンとクリスティーナじゃ、虫けらと羊くらい違う!」
「たとえがよく分からないわ」
「旨そうかそうじゃないかの違いだ!」
「分かりたくない!」
ディエスもそうだけど、人狼って愛情を食欲に例えるのかしら?
狼に美味しそうだと言われると、本当に食べられそうで笑えない。
「とにかく俺は……」
急に真剣な目をしてこちらを見てくる。
そんな熱いまなざしを向けられると、逃げたくなるのに。
ノクスはしっかりと足で私をベッドの上に固定している。
「出会ってからの時間の長さなんか関係ない、アイリーンが好きだ」
「ノクス……」
ど、どうしよう。
この流れはなんだか危険。
でも夫婦だからまずいわけじゃないのかしら。
違う、ディエスはノクスを制御するって言っていたもの。
私の頬を舐めるノクスに、なんと言って止めればいいのかしら。
「だ、だめよノクス」
「何が?」
何がダメなのかしら?
ええと……。
「そうやって誘っているのか?」
「違っ……!」
あれ?! どうすればこれは止まるの?!
「ノクス……」
「昨日はよくも寝かしつけてくれたな」
部屋に一緒にいる間に突然ノクスに切り替わった。
私は椅子に座って食後の読書をしていたところ。ユリシーズは向かいにいる。
外はいつの間にか陽が沈んでいて、部屋は燭台の上にあるロウソクのお陰で明るい。
ユリシーズには獣の耳と尻尾が生えていた。
「寝かしつけたんじゃないわ、撫でていただけよ」
「気付いたら朝だったんだぞ」
寝てしまった記憶がないのね。
随分寝つきがよかったけれど。
「それにしても、ディエスのやつがアイリーンにやたらマーキングしてるな」
「えっ?!」
「昼間にくっついていたみたいだったが、丁寧に首や耳元にマーキングしてある。相手が動物だったり人狼でもなければ気付かないだろうが、俺は不快で仕方ない」
「ディエスがっていうけれど、あなたでしょ」
「俺はユリシーズだが、ディエスじゃない」
お互いライバル意識があるのね。その感覚がちょっと理解できていないのだけれど。
「ディエスのやつ、アイリーンの匂いを覚えたな」
「そうなの?」
「アイリーンの匂いの情報が記憶されてる、パートナーとして」
「いいじゃない、それはそれで」
「良くない。クリスティーナに再会したら、記憶が蘇ってアイリーンを噛み殺すかもしれない」
どういうこと? なんでクリスティーナ姫と再会したら私が?
「今はパートナーにアイリーンが記憶されているが、記憶が呼び戻されるのはよくある。伴侶の振りをされたと気づかれたら、認めていない相手を殺すかもしれない」
「そんなことするかしら、あのディエスが」
「ディエスがただの優男だとでも思っているのか? 戦場で人を殺し続けたのは俺じゃなくディエスだぞ?」
なるべく、考えないようにしていた。
ディエスの「死神伯」の顔について。
「クリスティーナ姫は私として生きているけれど、再会して分かるかしら?」
「一度決めた伴侶は覆せない」
「じゃあ、ディエスはクリスティーナ姫しか伴侶にできないってこと?」
「恐らくな」
「そんな……」
「ディエスが勝手にクリスティーナに執着したんだ」
「私、ディエスも幸せにしたい。ノクスだけじゃなく」
私が言うと、ノクスは嫌そうな顔を浮かべて息を吐く。
「アイリーンは、ディエスと俺を同一人物だと思っているんだろうが、意識が違う時点で俺たちは別人だ」
「でも、どちらも私の夫でしょう?」
「まあ……」
「それなら、やっぱり無視はできないわ」
「お前は優しいな、アイリーン」
別に私は優しいわけじゃない。
昼も夜も一緒にいる同じ顔の夫が、時間帯で様子を変えるだけなら受け入れたい。
それに、ユリシーズの妻という立場を失ったら私にはもう何もないのだから、これはきっと保身なのだと思う。
「こんな変な家に嫁がされて、昼と夜の顔を持つ夫を持ったっていうのに」
「誰にだって、別の顔はあるでしょう?」
「怖くないのか? 死神伯で人狼の俺が」
「実感がないわ」
「ふうん」
ユリシーズには、恐らく人間とは違う力がある。
人狼の恐ろしさも、私はまだよく知らない。
「クリスティーナとディエスを会わせるな。何が起きるか分からない」
「……私に止められるかしら。ユリシーズが宮廷に呼ばれて、偶然会ったりしない?」
「ユリシーズがクリスティーナに近づくような機会があれば、阻止しろ」
ノクスは、私の身を案じてクリスティーナ姫とディエスを再会させないようにと忠告をした。
「そうね。アイリーンとして生きるクリスティーナ姫に心を奪われたら、私も困るから」
「妬ける言い分だな」
ノクスは急に真剣な目をこちらに向けて立ち上がった。
何?! と思って思わず身構えると椅子から私を抱え上げて歩き始める。
「ちょっと、何? 下ろして!」
連れて行かれそうで、足をバタバタさせて抵抗する。
ノクスは全く動じずに私を運んでベッドに投げるように放った。
「きゃ」
勢いよく身体が沈み、軽く跳ね返る。
その動きを封じるように、ユリシーズーーノクスが覆いかぶさってきた。
「……ノクス?」
「俺はディエスのものみたいな匂いがするアイリーンは嫌だ」
「ディエスって、あなたでもあるのよ? ユリシーズ」
「俺はディエスじゃない」
いつになく悲しそうな声を聞くと、どうしたらいいのか分からなくなる。
ディエスを拒絶してノクスにだけ妻らしく振舞う約束なんてできないし、私はディエスもノクスもユリシーズだと思ってしまうから。
「ノクスのこと悲しませたくないけれど、ディエスも大事だもの」
「嫌だ」
「……難しいわ」
どうしたらいいのか分からない。
だって、私がここに嫁いだのも、ディエスがクリスティーナ姫を望んだからなのだから。
「ノクスは、私と結婚したくなかったんでしょ?」
「クリスティーナとは結婚したくなかった。アイリーンに出会ったらすぐに求婚したはずだ」
「そんな……」
ああどうしよう、胸が苦しい。
ノクスが私のことを好きなのだと思うと、嬉しくて堪らないし……。
「私のなにがそんなに良かったの?」
「見た目も匂いも、声もいい」
「性格は相手を選ぶ基準にならないのね」
「性格は匂いに出るからな。いい匂いがする女はいい女なんだ」
「ふうん」
ディエスも私を抱きしめながら「いい匂い」って嗅いでいたし、どうやらいい匂いの部分は確からしい。よく分からない。
「見た目だけど、本当は金髪なの」
「髪は金色の方が似合いそうだな。アイリーンは美人でなまめかしいのがいい」
「なまめかしい?!」
「男にとって魅力的ってことだ」
「なんだか素直に喜べない」
ノクスは私の脇の下から腰骨までをなぞるようにした。
別に男性に好かれたいと思っていたわけじゃないし、そんなのを望んだつもりはない。
「惹かれるのは魅力的な相手だ。パートナーとして、ずっと生きていきたいと思えるような、美しい女がいい」
「クリスティーナ姫は違ったの?」
「虫唾が走る。あんな女」
見た目だけで言えば、クリスティーナ姫と私はかなり似ている。
一緒に歩いていたら双子だと思われてもおかしくないくらいだ。
ノクスは違いが分かるのだろうか。
「まあ、実際に出会っているのはディエスだから、俺はうっすらしか記憶にない。でも、クリスティーナは全然好みじゃないし嫌いなタイプだ」
「私とそっくりじゃない?」
「似てねえ! アイリーンとクリスティーナじゃ、虫けらと羊くらい違う!」
「たとえがよく分からないわ」
「旨そうかそうじゃないかの違いだ!」
「分かりたくない!」
ディエスもそうだけど、人狼って愛情を食欲に例えるのかしら?
狼に美味しそうだと言われると、本当に食べられそうで笑えない。
「とにかく俺は……」
急に真剣な目をしてこちらを見てくる。
そんな熱いまなざしを向けられると、逃げたくなるのに。
ノクスはしっかりと足で私をベッドの上に固定している。
「出会ってからの時間の長さなんか関係ない、アイリーンが好きだ」
「ノクス……」
ど、どうしよう。
この流れはなんだか危険。
でも夫婦だからまずいわけじゃないのかしら。
違う、ディエスはノクスを制御するって言っていたもの。
私の頬を舐めるノクスに、なんと言って止めればいいのかしら。
「だ、だめよノクス」
「何が?」
何がダメなのかしら?
ええと……。
「そうやって誘っているのか?」
「違っ……!」
あれ?! どうすればこれは止まるの?!
0
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる